『第36回共同通信社杯(GII)レポート』 前検日編

配信日:9月17日

 今年は伊東競輪場を舞台に「第36回共同通信社杯(GII)」が、開催される。9月18日から始まる4日間シリーズにS級S班の9選手をはじめ、輪界のトップ選手が、33バンクで熾烈なバトルを展開する。これからの輪界を担う若手も多く参戦して、自動番組編成によるオール予選の初日から激戦は必至だ。17日の前検日は、翌日からの戦いに備えて選手各々が入念に調整を行った。
 また、今シリーズは新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から事前抽選により当選された1500人様、特別観覧席190人様のみの入場と限定させていただいています。他のお客様は、テレビ、インターネット中継などでの観戦をお楽しみください。

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松井宏祐選手
松井宏祐選手
 松井宏祐(写真)は前回の地元、小田原記念を2212着。赤板前から主導権を握った決勝は、残念ながら郡司浩平が失格も和田真久留とのワンツーで2着に逃げ残った。
 「(小田原記念が終わってからは)普段通り伊豆に帰ってナショナルチームで練習をしてました。コンディションも小田原と変わらない感じだし、(伊東は)小田原と同じ33バンクなんでチャンスはあると思う。地元の南関地区であとの先輩たちにもいい流れをつくるためにも、(自分が1レースで)しっかりと走りたい」
 ファイナルに進出した8月のオールスター以来となる諸橋愛は、およそ1カ月ぶりの実戦。
 「9月に入ってから腰痛が出て、1週間くらいまともに練習ができなかった。ただ、その前にやっていたのもあるし、そのあとも時間はあった。それよりも僕にとってはレース勘の方がネックになってくるんで、このブランクがどうでるかですね」

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寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 名古屋オールスターに続いてビッグ3度目の出場となる寺崎浩平(写真)は、前回の向日町記念で3勝をマークした。
 「(前回の向日町記念は)調子自体は全然悪くなかった。最終日はまくりだけど、1着も取れたし状態はいいと思います。(伊東のバンクは)初めてでも、33バンクに苦手意識はない。コーナーはカントがあるし、普段(ナショナルチームでトレーニングしている)250と同じようにいけるのでいいと思います。あとは自分の脚を信じていくだけです」
 前回の小田原記念から中2週間以上あった中川誠一郎は、ここから調子を上げていきたい。
 「(前回の小田原は)まあまあだったと思います。このあとが連戦っていうのもあってしっかり練習をしてました。感触が上がってきているっていうのを感じた。(初日は)ひとりでっていうイメージがわかないので中近にいきます」

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浅井康太選手
浅井康太選手
 前回の岐阜記念を3124着とまとめた浅井康太(写真)は、久しぶりの決勝進出から中3日。
 「(前回は)準決が感触が良くなかったけど、決勝はそれを修正して走れたかなと思います。S級初勝利(07年1月)がここ(伊東)だし、それとは別に初優勝(09年3月)もここなので思い出のバンクです」
 前回の名古屋オールスターで優出の守澤太志は、16、17年の共同通信社杯で決勝に進出と相性も悪くない。
 「前々回(岐阜)落車したので、そのケアとしっかり練習をした。(オールスターは)無理をして走った部分もありましたから。(初日一緒の)小松崎(大地)さんは何度も連係があるし、信頼して付いていくだけです」

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山田英明選手
山田英明選手
 山田英明(写真)は、前回の向日町記念で通算3度目のGIII制覇。リズム良く今シリーズを迎える。
 「(向日町記念は)オールスターが終わってからあんまり調子が良くなかったので、4日間調整をしながら戦った感じです。そこからはそんなに日にちもなかったので体調を見ながらでした。前回よりも良くなっていればいいですね」
 前々回の地元、松戸記念2日目に落車に見舞われた和田健太郎は、前回の岐阜記念が4323着。
 「現状はまだ痛みもあるので、万全ではない。でも、走れるところまできている。(現在の獲得賞金ランク5位は)あまり気にしてない。33バンクなんで後方に置かれるとキツいですね」

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清水裕友選手
清水裕友選手
 落車で途中欠場を余儀なくされた名古屋オールスターから、吉田拓矢は1カ月以上空いて今シリーズで復帰する。
 「なかなか(落車の)ダメージが抜けなくて、静岡は大事を取って休ませてもらった。右の腰のあと左の腰も痛めて…。ただ、2週間くらいは練習ができた。新車の感触がいいので、自信をもっていきたい」
 清水裕友(写真)は松戸記念4227着のあと岐阜記念を欠場した。それだけに状態面が気になるところだ。
 「練習中に首と腰を痛めてしまって、それを治しながらでした。5日間くらいはしっかりと乗れました。(伊東は)初めてなんですけど、(地元の)防府と似ているって聞いたんで楽しみではあります」

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深谷知広選手
深谷知広選手
 前回の松戸記念での動きが目を引いた深谷知広(写真)は、同じ33バンクの今シリーズも期待が高まる。
 「いつも通りナショナルチームでトレーニングをしてきました。コンスタントに(競輪を)走れているので、感覚の修正が徐々にできている。感覚は(松戸と)変わってないので、あとはしっかりとコンディションをつかみたい」
 前回の向日町記念を1242着とまとめた佐藤慎太郎だったが、前々回の落車の影響があったようだ。
 「(落車の影響は)自分ではないと思ってたんですけど、(走ってみたら)感覚のズレがありました。だから、(今回は)向日町の時よりもいいと思います。ここは記念を初優勝したバンクですし、好きなバンクです」

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古性優作選手
古性優作選手
 古性優作(写真)は、8月のオールスター準決でワンツー、決勝でもタッグを組んだ脇本雄太とのレースを振り返る。
 「このままの自分ではあれ(準決で脇本を)差すことができない。大幅に自分を変える必要がある。(脇本が)また新しい世界を見せてくれた。(前回の小田原では)乗り方を変えてみたけど、もっと修正する必要がある。自分が理想とする乗り方ができれば、自然と良くなってくると思います」
 名古屋オールスターで落車を喫した平原康多だが、松戸記念、向日町記念と復帰後の成績は悪くない。
 「(向日町は)松戸の時よりオールスターの怪我の影響はなかった。そのあとは追い込むところは追い込んで(練習を)やってきた」

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大石剣士選手
大石剣士選手
 村上博幸は地元の向日町記念欠場を余儀なくされて、中3週間以上空いてのローテーション。
 「古傷が再発した。うまく付き合っていかないといけないんですけど。松戸記念を走っている時からだんだん違和感があった。(いまの状態は)絶好調というわけではないけど、ケアをしてそれなりにタイムは悪くなかった」
 初ビッグがホームバンクとなる大石剣士(写真)は、前回の向日町記念でラインを組んだ佐藤慎太郎を2度にわたり振り切って勝ち星を挙げた。
 「まずは地元のビッグを走れることがうれしいです。次、いつ地元でビッグがあるかわからないし、気持ちは入っている。まずはしっかりと力を出し切るレースをしたい」

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新田祐大選手
新田祐大選手
 新田祐大(写真)は14年の共同通信社杯、17年のサマーナイトフェスティバルと伊東で2度のビッグ制覇の実績がある。
 「(ナショナルチームで)普通に練習をしてきました。体調はすごくいい感じですし、ここに向けて調整ができたと思います。(相性のいい伊東で)全力で走りたい気持ちだけです」
 東口善朋は、皿屋豊との中近タッグで一次予選に臨む。
 「(前回の小田原記念決勝4着は)なかなかうまく走れなくて悔いの残るレースでした。ただ、前回33バンクで走っているぶん、今回はうまく走れるかなっていうのはある。(調子は)いいと思います。練習の時もいいし、気持ちも乗っていると思います。皿屋君の番手はたぶん初めてです」

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郡司浩平選手
郡司浩平選手
 郡司浩平(写真)は直近の2場所、小田原記念、岐阜記念で8戦7勝。前回の岐阜は4連勝の完全Vを遂げた。
 「小田原の決勝は不甲斐ない結果に終わったけど、それ以外は自分らしいレースができて1着が取れている。いいと思います。中3日だし期間が短いので、調子を維持する感じです」
 自動番組編成で同県4車となった徳島勢。原田研太朗は3番手を回る。
 「(優勝した前回の)佐世保は自転車、シューズ、ギアを変えてだったけど、感じとしては良かったです。ここは33バンクのわりに走りやすい。外が伸びるイメージがあります」

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渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 前回の名古屋オールスターは準V。優勝こそ逃した脇本雄太だが、抜けた機動力を有していることに疑いはない。
 「オールスターが終わったあと、(ナショナルチームは)1週間休暇をもらった。そのあとナショナルチームのトレーニングをした。昨日(16日)まで普通の練習をこなしていたので、少し疲れがあるけど。それも徐々に取れてくると思います」
 地元の渡邉雄太(写真)は、前回の小田原記念3日目に落車のアクシデントに見舞われた。
 「落車の影響はない。練習も全然、やってきました。前回よりも(感触は)いいし、(地元なので)気持ちも入っている。ここに(照準を)合わせてきました」

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松浦悠士選手
松浦悠士選手
 名古屋オールスターで脇本をくだして2度目のタイトルを奪取した松浦悠士(写真)は、その後の2場所でも安定した成績を残している。
 「(前々回の小田原は)ちょっとあまり良くないかなっていうのもあった。次の岐阜は良かったけど、バンクが重かったですね。状態は変わりない。ここ(伊東)は(15年に)115着でS級で戦えるなっていう手応えを得たところなんで、すごく印象はいいです」
 S級S班の松浦もいるが、小倉竜二は四国連係で吉武信太朗に付ける。
 「1カ月くらい空いてたんで、詰め過ぎずにやってきた。詰め過ぎると疲れが出るんで、休みながら(練習を)やってきた。中ごろがすごい良くて、ちょっと落ち気味でここに入ってきたかなっていうのがある。でも、悪くない。四国の先行屋の吉武君にいきます」