『第37回共同通信社杯(GII)レポート』 前検日編

配信日:9月16日

 「第37回共同通信社杯(GII)」が、岐阜競輪場を舞台に開催される。9月17日からの4日間シリーズで、輪界のトップ選手たちが迫力のスピードバトルを展開する。脇本雄太の欠場は残念だが、S級S班8人の参戦で激戦は必至。自動番組編成によるオール予選の初日から見逃せない。16日の前検日は、バンクの感触を確かめる選手も多く、翌日からの戦いに備えて入念に調整を行った。
 岐阜競輪場では岐阜市独自の緊急事態宣言の発出に伴い、今シリーズは無観客での開催となりますので、ご理解をお願いいたします。テレビ、インターネット中継などでの観戦をお楽しみください。

<1R>

吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 前回の松戸記念9414着。決勝では松浦悠士に逃げ切りVを許した吉田拓矢(写真)は、3週間以上空いたゆとりのローテーション。
 「結構、日数が空いたんで、やりたい練習ができました。取手でやってきました。(1レースの1番車は昔はよくあったんで)懐かしいですね。早起きして頑張ります」
 志智俊夫は、前回の向日町記念の2日目に1位入線も失格の憂き目。ホームバンクのビッグで流れを取り戻したい。
 「(ホームバンクのビッグで)気持ちはつくってきました。(推薦枠での出場には)いままでの走りで評価していただいたと思っている。走らせてもらえることを大事にして精いっぱい頑張ります」

<2R>

寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 オールスターを挟んで岸和田、前回の地元、福井とFIシリーズでは連続優勝の寺崎浩平(写真)。ここは近畿地区としては1人も、諸橋愛とラインを組む。
 「(岐阜は)アマチュアの時に(競技)大会で1回か2回入ったことがあると思います。でも、印象は全然ないですね。諸橋さんが付いてくださるのはすごく心強い。しっかりと主導権を取れるような組み立てをしたい」
 10月に地元、弥彦での寬仁親王牌を控えている諸橋愛は、先を見据えながら、現状のコンディションをこう口にする。
 「照準は来月なんで、そこを考えながらですね。自分のなかでは7割くらいですけど、こっちにも調整はしてきた。(初日は)寺崎君が力が一番上かなって思うので、番手にいきたい」

<3R>

新山響平選手
新山響平選手
 3場所前の高知記念で落車に見舞われた新山響平(写真)は、オールスター6498着、立川FIを224着と未勝利が続いている。
 「(練習の感じは)かなり良くなっている。(同じナショナルチームの脇本雄太、新田祐大に)アドバイスをもらいながらですね。後ろには堀内(俊介)さんが付いてくれる。(堀内は)ルーキーチャンピオンでも連係をしました」
 前回の松阪記念を2324着とまとめた中本匠栄は、中3日のタイトなローテーション。一次予選は同地区の山田庸平に委ねる。
 「(昨年伊東で共同通信社杯を制してから)1年は早いですね。(前回の)松阪が終わってからはしっかりと練習ができたし、しっかりと疲れを取ってきた。松阪には重い感じで入ったんで、(今回は)調整ができていると思います」

<4R>

高橋晋也選手
高橋晋也選手
 落車明けだった前回の松阪記念が2478着の高橋晋也(写真)が、この共同通信社杯でさらなら上昇のキッカケをつかみたい。
 「(7月の富山の落車の怪我は)足首と股関節が思うように治らなくて、長引いてしまいました。でも、前回は思うように走れたので不安はないです。去年、この共同通信社杯で調子を戻しているんで、今年もしっかりと走りたい」
 野原雅也は前回の富山FIでは初日特選、準決を連勝。近況はコンスタントに白星を重ねている。
 「今年に入ってからわりとよく走れているかなと。練習の成果がしっかりと競輪に出せているんだと。(初日も)タイミングだけ逃さずに走れたらチャンスがあると思います」

<5R>

平原康多選手
平原康多選手
 7月サマーナイトフェスティバル、8月の小田原記念と近況だけで2度の落車を喫している平原康多(写真)は、前回の松阪記念を4117着。
 「(前回から中3日で)1日だけ練習をしてきました。(あとは)体のケアですね、(落車の怪我の影響もあるんで)そこをメインにしてきた。(前回は)初日にやったセッティングが良くなかったんで、2日目から変えた。もう、そこからは変えてないので不安はない」
 地元、平のオールスターでは一次予選の1走目に落車した山崎芳仁だったが、その後3走を走りぬいて526着。そこから1カ月が競走間隔が空いた。
 「(オールスター後は)治療に専念してから、徐々に練習をしていった。練習の感じは悪くないと思います。(1カ月空いた)影響は走ってみないとわからないけど、ないと思います」

<6R>

森田優弥選手
森田優弥選手
 森田優弥(写真)は前回の弥彦FIを311着。4月の大宮FI以来となる今年4度目の優勝をまくりで遂げた。
 「(前回のあとも)いつも通り練習をして、いつも通りケアをしてきました。(岐阜のバンクは)初めてです。(初日は佐藤慎太郎との連係で)心強くていいです」
 今年まだ優勝のない佐藤慎太郎だが、前回の向日町記念で今年11回目となるグレードレースでの決勝進出。抜群の安定感を誇っている。
 「(練習は)順調にできました。ここはオーソドックスなバンクかと思います。(いまの成績は)前の選手が頑張ってくれてるのもあるけど、体がいい状態を保てているのかと。(初日に連係する)森田君の後ろは何度もあるけど、強くて抜けてない感じですね」

<7R>

和田健太郎選手
和田健太郎選手
 今年は落車禍に襲われている和田健太郎(写真)は、松戸記念3日目の準決でも落車の憂き目。それから3週間以上が空いた。
 「(松戸での落車は)前5、6回のなかでは軽傷だったと思います。(落車を)重ねてたんで、(向日町記念を欠場して)リセットしてという思いもありました。1週間から10日間くらいは、しっかりと練習ができている」
 一昨年の寬仁親王牌以来のビッグ出場となる長尾拳太は、地元シリーズだけにまずは一次予選を突破したい。
 「ここに向けてと思って、フレームとかセッティングとかをいろいろやったんですけどダメでした。それで自分が良かった時のフレームに戻したら、直前の感じは良かった。(ビッグは)2回目ですね。まずは初日ですけど、どこかで連対できれば」

<8R>

清水裕友選手
清水裕友選手
 3月のウィナーズカップから優勝が遠ざかっている清水裕友(写真)だが、前々回の小田原、前回の松阪と記念を連続優出で復調の兆しはみえている。
 「(中3日で)基本的には疲れを取るようにやってきました。(前回は)わりとここ最近じゃ良かったと思う。(岐阜は)久々でいつ以来ぶりですかね。走りやすいイメージはあります」
 同地区の選手が不在の小松崎大地は、一次予選で清水の番手を選択した。
 「(前回から)3日間しかなかったんで、調整程度です。(近況は)レースの流れに乗って、しっかりとレースができていると思います。(初日のメンバーを見て)結構考えました。なかなかこういう機会はないんで、清水君の後ろにいきたい。自分も自力を捨てたわけではないけど、(清水は)輪界を代表する自力選手なんで少しでも勉強になればと」

<9R>

山口拳矢選手
山口拳矢選手
 7月のサマーナイトフェスティバルで準Vの山口拳矢(写真)は、オールスターでも2勝をマーク。地元シリーズでビッグ制覇の期待も高まる。
 「(前回から)2週間くらい空いたんで、しっかりと練習をしてきました。新車のセッティングを見直す時間が多かった。とりあえず初日はこれ(新車)で走ってみます。あの時(オールスター)みたいにしっかりと前々に攻める気持ちがあればいいと思います」
 守澤太志はオールスター、小田原記念、松阪記念と3場所連続で決勝3着。小田原では3連勝の優出とシャープな差しが光っていた。
 「(前回の松阪記念では伸びがいまひとつだったので)修正できるように考えてきたけど、本当に修正できているかわからないところもあります。踏み方をちょっと(修正してきました)」

<10R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 7月のサマーナイトフェスティバル以来、久しぶりの実戦となった前回の松阪記念を1138着の郡司浩平(写真)に上積みが見込めそうだ。
 「(前回から中3日で)期間が短かったので、普通にいつも通りにきました。徐々に良くなっている感じもある。(前回の)決勝は(先行して)距離が長くなったんで最後は苦しくなった。それでもここに向けて良くなる感じもあった。(昨年の当所記念では4連勝で)4日間走って、去年のなかではかなり上位に入るようないい感じだったんで、ここのイメージはいいです」
 松戸記念の2日目に感覚を取り戻し大槻寛徳だが、弥彦を欠場して3週間以上空いた。
 「松戸の2日目に交換した部品を戻した。初日に(野口裕史を)抜けなかったんで、2日目に戻したら良くなった。ただ、そのあと欠場をしているので…。1週間以上、練習はできたんですけど」

<11R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 松浦悠士(写真)は、前回の向日町記念8251着から自転車を換えて今シリーズに臨む。
 「いつもと違う練習をしてきました。(今回は)自転車も違うし、セッティングも違う。練習の手応えは良かったけど、競輪でどうかなっていうのはあります。向日町はどうやったら勝てるのかっていうくらい脇本(雄太)さんが強かった。脇本さんには(トレーニング方法とかを)聞いて1日だけやってきた。そこら辺でも上積みをしていきたい」
 四国トリオは松浦と別線。石原颯が先頭で太田竜馬が、番手を務める。
 「(前回のあとは)自分がやりたい練習はできました。(限られている)時間のなかでは、手応えはあるかなと。(岐阜は一昨年に)記念を優勝してるんでイメージはいいです」

<12R>

新田祐大選手
新田祐大選手
 東京五輪後はオールスター41625着、松戸記念4251着、向日町記念で初日失格といまひとつ結果につながっていない新田祐大(写真)が、こう振り返る。
 「気持ちとしてはすごく前向きというか、かなり積極的に走っているけど、なかなかかみ合わない。その原因を追究する作業をしている。(初日は)成田(和也)さんと2人なんで、しっかりと頑張りたい」
 6月の高松宮記念杯で初戴冠を遂げた宿口陽一は、その後もタイトルホルダーとしての重責を背負いながら内容も伴う走りで白星を重ねている。
 「(前回の)松阪の前に休まず練習をしてたんで、(中3日の)今回は(疲れを)抜くような感じできました。レースの取り組み方が多少なりとも変わったかなと。(初日は)脚力が違う人(新田)がいるけど、どうにか一矢報いたい」