『第40回共同通信社杯(GII)レポート』 前検日編

配信日:9月12日

 宇都宮競輪場で大阪・関西万博協賛「第40回共同通信社杯競輪(GII)」が、9月13日にスタートする。ビッグレースの“若手の登竜門”として定着しているだけあって、いつも以上に機動タイプが多く顔をそろえた。また、地元の眞杉匠をはじめ、S級S班は9人全員が参戦。500バンクを舞台に4日間のシリーズが、熱く盛り上がること間違いない。自動番組編成によるオール予選の初日から目が離せない。9月12日の前検日は、いつもと違う番組に頭を悩ませる選手も多かったが、選手それぞれが翌日からの戦いに備えて入念な調整を行った。
 開催中は、毎日、先着ファンサービスとして500人に餃子引換券をプレゼント。地元選手によるトークショー、専門解説者による予想会、餃子の実演販売、未確定車券抽選会などが予定されています。また、9月13日の初日には、「コウメ太夫」のお笑いライブ、グルメフェスティバル(キッチンカーなど栃木のグルメが大集合)なども行われます。宇都宮競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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平原康多選手
平原康多選手
 6月の高松宮記念杯では一次予選の2走目に1レースを経験している平原康多(写真)は、地元地区のビッグでのオープニングに同県の中田健太と登場。野口裕史の番手を選択した。
 「(前回は自転車を)結構、いじってイマイチ良くないところが多かった。終わったあとは、それをふまえて乗り方とかをかなり変えた。日数があったので、(いままでの)自分の感覚を捨ててやってきた。腰痛とかが良くなってきたけど、根本的な競輪のレベルが上がってきたので、そこに追いつけるように。変えた部分がようやくなじんできたかなと。(初日は)野口の後ろになりました。先行を貫いている選手なので、すごいなってリスペクトがあります」
 南修二は、前回のオールスターを13252着。1走目には勝ち星を挙げて、最終日には脇本雄太のまくりに流れ込んでワンツー。上々の成績にもこう振り返る。
 「(前回は)体調的には問題ないけど、レベルの差を感じました。(脇本にも)現状、付いていっているだけですね。(そのあとは)体調も崩してなくて、やりたい練習はできています」

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北井佑季選手
北井佑季選手
 前回の向日町記念は2勝をマークした北井佑季(写真)だが、ラインの援護を失って1人での逃げになった準決は7着。展開に泣かされて、優出はかなわなかった。
 「(前回は4日間、最終バックを取って)積極的なレースができたかなと。ただ、決勝にも上がれずに悔しい開催になりました。(準決は)最後あれだけいかれてしまうのは、ペース配分だったり、最後の踏み直しが足りないんだと思います。もうちょっとうまく走れたかなと。(そのあとは)体調も普段と変わらず、練習も普段と変わらずいつも通りです」
 7月のサマーナイトフェスティバル以来となった前回のオールスターは7337着で一次予選敗退。山崎賢人が気持ちをスイッチする。
 「(前回のオールスターは)自分の調子自体はそんなに悪くなかった。でも、(一次)予選を上がれなかったのは良くないですね。(そのあとは)体調も崩すことはなかったです。(ケイリンで優勝した)全日本トラックがあったんで、そっち(競輪用の自転車)にはほとんど乗ってない。周回くらいですね。身体の調子は問題ない」

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山田久徳選手
山田久徳選手
 7月のサマーナイトフェスティバルで落車に見舞われた山田久徳(写真)は、その後の2場所で勝ち星がなかったが前回の向日町記念を1214着。抜かりなく決勝にコマを進めて、窓場千加頼と地元タッグを組んだ。
 「(前回の地元の向日町記念は)優勝する気でいったんで、仕上がりも脚の感覚も良かった。(決勝は)前(窓場)がまくり切っているんで、3着までに入れなかったのは自分の脚です。(そのあとは)結構、疲れていたんで軽めに練習してきました。ここっていうより500バンクがあんまり好きじゃないですね」
 オールスターこそ優勝はならなかったが、川崎FI、平塚オールスター、小田原記念と続いた地元シリーズで2V。郡司浩平はその後、立川FIを欠場してゆとりのローテーションで今シリーズを迎える。
 「(小田原は)オールスターに向けてやってきたなかで、日程的に詰まっていて疲れはあった。けど、思ったよりは余裕があったかなと。(決勝は)自分に勝機があるレースになって、それをモノにできたのは大きかった。そのあとは腰痛だったり、疲れもあった。このままだと後半戦に響くなっていうのがあった(ので欠場した)。(ここまで)体調面も整えられた」

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神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
 神山雄一郎(写真)は、一昨年8月オールスター以来のビッグ。93年に初めてタイトルを奪取した思い出の詰まった地元バンクでの大舞台に、できる限りの仕上げを施してきた。
 「せっかく推薦で走らせてもらうので、中3日でここを走るのは厳しいかなっていうのがあった。それで申し訳ないけど(立川を欠場して)、ここに備えてきました。(近況はビッグに)縁がなかったのでビックリしています。せっかく選ばれたので、少しでも頑張ろうと思っています。自分のなかではですけど、しっかり整えて納得のいく形で入れたかなと思います。昔みたいに勝つとかまではどうかですけど、しっかりと踏み切ってゴールしたい。走るメンバーが一流なので、力の差をうめるのは厳しいですけど」
 小田原記念、向日町記念と直近の2場所は優出を逃している佐藤慎太郎。前回の向日町の最終日は自力に転じたが2着で、そこをふまえるようにこう言う。
 「体調自体は悪くなかったけど、最終日とかもそうですけど勝ちに対する執念が足りないかなと。準決とかも酒井雄多と一緒だったけど、違う走りがあったのかなと。いつも通りの走りをしてしまいました。そのあとも体調とかも変わらないですね」

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吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 吉田拓矢(写真)は、前回の富山記念を2132着。単騎の決勝はかぶったこともあり、仕掛けるタイミングが訪れず、早めの追い込みになった。
 「(前回は)デキでみたら、そんなに良くなかった。脚負けしているなと。(決勝は)仕掛けどころが、内に詰まってなかった。ただ、早くそこがほどけても、古性(優作)さんの上を行けたかなっていうのがあります。終始、余裕があんまりなかった。そのあとは練習をしっかりできて、新車を試してできたかなと」
 パリ五輪から中ゼロの超強行日程だった前回のオールスターは63113着。小原佑太は、時差ボケの影響もなさそうな今シリーズに期待が膨らむ。
 「(前回は)オリンピックのあとで、そこに向けて体の調子をピークにしていた。初日は時差調整とかで体が良くなくて、(シリーズ)後半の方が良くなってきたかなと。前回はパフォーマンスも良かったので、自分のやりたいことができた。そのあとはすぐにナショナルチームに戻った。(今回は)オリンピックよりもパフォーマンスが下がっていると思うけど、時差調整とかがまったくない。それで疲れがない状態で入れている」

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嘉永泰斗選手
嘉永泰斗選手
 嘉永泰斗(写真)は、前回の向日町記念で3度の2着。二次予選敗退も、しり上がりでコンディションを上げていった。
 「(前回は)日に日に良くなっている感じがあった。(体は)動いてはいました。(二次予選は)もう脚がなかった。前回から新車なので、(今回も)セッティングを出しつつになると。(感覚は)悪くはないんで、あとはしっかりと煮詰まれば良くなると思います」
 前々回のオールスターでは2走目に失格の憂き目をみた清水裕友は、続く向日町記念を5128着。22年3月には当所のウィナーズカップを制していて、500バンクとの相性は悪くない。
 「(前回は)調子自体は、あんまり良くなかった。どこに行っても暑いんですけど、その辺は年々うまく対応ができるようになっているのかなと。(決勝は)脇本(雄太)さんが引かなかったのは予想外だった。(先行は)ちょっと成り行きの感じでした。(前回の)向日町までにしっかりと(練習が)できてたので、(前回のあとは)ケアをした。ただ、疲労感がないわけじゃない。セッティングに関してはいじったりもしているけど、(自転車に)あんまり迷いはないです。400バンクが一番苦手ですかね(笑)、500バンクは好きです」

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太田海也選手
太田海也選手
 パリ五輪から直行だったオールスターで3勝とさすがの脚力を見せた太田海也(写真)は、そこから3週間以上空いたローテーション。2度目のビッグファイナルにも注目される。
 「(前回は)自分が持っている力を準決で出せなかった。そこが悔しいです。ただ、最終日に桑原(大志)さんとレースをさせてもらって収穫もありました。準決では力を発揮する前に抑えられてしまった。力を発揮すればいい着に残れるっていうのがあります。そのあとは歯の方を痛めて練習できない期間が長かった。全日本トラック(競技大会)を走っていい感じだと思います。オリンピックが100パーセントでそれに近い感じのところにはあるのかなと」
 福井記念、オールスター、富山記念と直近の3場所ですべて優出。優勝には届いていない新山響平だが、周囲をあっと言わせるパフォーマンスを随所で見せている。
 「(前回の富山記念は)思ったように走れていた部分もあったけど、決勝だけはうまく走れなくて残念でした。気持ちの面で負けたのかなと。(そのあとは)練習はしっかりとできました。あとは500バンクなので突っ張るといつもより距離は短いんで走りやすいと思います」

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窓場千加頼選手
窓場千加頼選手
 地元での記念初制覇が期待された窓場千加頼(写真)は、前回の向日町記念を9122着。決勝では優勝をつかみかけていたところを別線だった脇本雄太に僅差でのみ込まれた。
 「(前回は)向日町に照準を合わせていたので、動き自体は良かった。ただ、(決勝は)2着で喜べないし、悔しい思いをした。それで疲れが倍増した感じがあります。(脇本に)8分の1輪、抜かれたところは突き詰めていきたい。(中3日は)ケア、練習、ケアで過ごしました」
 深谷知広は、前回のオールスターからゆとりのローテーション。練習での上積みもありそうで、共同通信社杯連覇にまずは無難に初日を突破したい。
 「(前回は)いいところもあったし、悪いところもあった。それをふまえて練習をしてきました。(準決は)シャイニングスター賞からずっと引きずっていて、うまく合わせられなかった。そこの反省点を生かしていきたい。(そのあとは)比較的、順調に(練習が)できました。まとめてできたのはプラスだと思います。(初日は)関東勢が付いてくれるっていうことなので、自力でやります」

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脇本雄太選手
脇本雄太選手
 脇本雄太(写真)は、小田原記念、向日町記念と直近の2場所で5勝の固め打ち。前回の向日町では今年3度目のグレードレース制覇を遂げたが、疲労の蓄積も心配される。
 「(前回は)結構、疲労もたまっていたけど、しっかりと力は出し切れているかなと。(近畿が別線だった決勝は)そういうことを深く考えずに、力を出し切ろうと思っていました。(優勝は)ギリギリだった。(そのあとは中3日で)全然、疲れは抜けてないけど、しっかりとやることはやってきた」
 落車明けだった前回の前橋FIをオール2着だった和田健太郎が、33バンクから500バンクに変わってどうか。
 「(前回は)前橋なんで参考にしづらいけど、怪我したわりに走れたかなと。(今回は)前橋と変わらない感じですね。(自転車も)前橋である程度、調整して、ほぼほぼそれで(今回も)いけるかなと」

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松浦悠士選手
松浦悠士選手
 オールスターでは最終日に落車失格を喫した松浦悠士(写真)は、怪我の影響も少なくなく小田原記念を欠場して3週間以上空いた。
 「(落車の怪我は)右のでん部の打撲です。内出血で出血量も多くて歩けないくらいだった。(しっかりと練習ができたのは)1週間くらいで、直前の感じはだいぶ良かった。オールスターまではいかないけど、うまく体を使えれば戦えるんじゃないかと。(オールスターでは)シャイニングスター賞で仕掛けられなくて、準決も自信がなかった。なんとしても決勝っていう思いもあったけど、そういうのは吹っ切れました」
 犬伏湧也はオールスターのあとでFIを2場所消化。前々回の高松ではV奪取、前回の熊本でも初日特選、準決を連勝した。
 「(前回は)動き自体は良かった。(3日間とも最終バックを取って)思い切ったレースができているんで、あとは先行して残れるように。そのあとはケアを入れつつ練習もやってきました。熊本の時にセッティングをいじったのが良かったので、(今回は)そのままいこうかと」

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眞杉匠選手
眞杉匠選手
 7月のサマーナイトフェスティバルを制して、ようやくエンジンが掛かってきた眞杉匠(写真)は、前回のオールスターで今年初のGIファイナル。地元の大舞台でも気負いはない。
 「(オールスターは)良くなかったです、内容が。(セッティングを)いじってきてだいぶ良くなってきました。リフレッシュもできて、しっかりと練習もできた。あとは走ってみてだと思います。楽しんで走りたい」
 荒井崇博は、前回の向日町記念を2241着。準決で狭い中のコースを踏んだ直線が悔やまれる。
 「(前回は)準決のコースを間違えた。そこだけですね。(中3日で)前回と変わらずだったらいいなっていうくらい。(疲れも)気にならないくらいですかね」

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古性優作選手
古性優作選手
 古性優作(写真)は、前々回のオールスターで今年初のGI制覇。その勢いを止めずに、前回の富山記念では1121着で今年4度目の記念優勝を飾った。
 「(優勝はしたけど前回は)ちょっとしんどかったですね、メンタル的に。ただ、(石塚)輪太郎があんだけいいレースをしてくれたので、その気持ちに同じくらいの気持ちで走らないと失礼なんで、自然と気持ちが入った。(そのあとはトレーニングをして)しっかりと疲労をためた。今後に向けてレベルアップするには必要なことなんで」
 前回の前橋FIは初日に家事都合での当日欠場。小林泰正が結果的には8月の小田原記念から実戦間隔が空いた。
 「前回、走った小田原が6割くらいだった。まだ万全ではないけど、それよりは良くなっている。8割くらいだと思います。家のことでバタバタしたけど、前回よりは調子が上がっていると思う。怪我した影響があるし、(自転車は)いじらずに体を治すことに集中してと思っています」