『第19回共同通信社杯競輪(GII)レポート』 2日目編
 
配信日:10月7日


篝火賞レースダイジェスト

 スタートで神山雄一郎が飛び出すと誘導員を追った。神山が山崎芳仁―佐藤慎太郎の福島コンビを受ける。2周目に入ると渡辺航平が山崎後位に追い上げる。山崎後位は内に佐藤―神山―佐々木龍也で外に渡辺―手島慶介―阿部康雄、その後ろに前田新―合志正臣となる。2周を終えたところで合志が踏み上げて誘導員の後ろに入りたがるも山崎がこれを嫌い入れない。すると合志は諦めて車を最後方まで下げた。
  赤板でも隊列は変わらずに山崎後位は併走状態のまま。打鐘で誘導との車間を空けた山崎が後続の出方を伺いながらペースを上げていく。最終ホーム手前で山崎がスパートする寸前に合志が外を追い上げる。渡辺が踏み遅れて内、佐藤、外に合志で競るも佐藤が一発で合志を飛ばし単独マーク。最終バックは山崎―佐藤―神山―佐々木となる。手島は前が競り負けた事で仕掛けるタイミングが取れず、ゴール前で図ったように佐藤が差し切った。山崎が逃げ粘り2着、神山が流れ込み3着で人気サイドで収まった。

ゴール
ゴール
佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手


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 第19回共同通信社杯競輪は今日が2日目。昨日とは打って変わって好天に恵まれた岐阜競輪場だが、強風が吹き荒れる一日となった。メインの12レース篝火賞は山崎芳仁の番手から追い込んだ佐藤慎太郎が連勝を飾り、好調ぶりをアピールした。
  なお、3日目は第7R終了後にすぴRITsによる模擬レース(1着当てクイズ)が行われる予定です。お近くの方は是非、本場まで足をお運びください。

<6R>
金成和幸選手
金成和幸選手
   二次予選最初の6Rを制したのは金成和幸(写真)。三番手からまくった佐藤友和を直線できっちり捕らえた。
  「佐藤は強いので、安心して任せていました。今日はただ付いていっただけ。楽な展開だったし、調子は分からない。2着権利だから何とか残そうと思って外を踏んだんですが、ワンツーを決められてよかった。このクラスで先行は通用しないし、これからは何でもやっていくつもりです」
  2着の佐藤は「無事に勝ち上がれてよかったです。調子のいい時なら突っ張って先行できたと思うけど、体が反応しなかった。粘りも物足りないんですが、昨日よりは力が入ったし、明日はもっと良くなるはず。最近はバックが取れていないので、できれば先行したい」。


<7R>
小川圭二選手
小川圭二選手
   7Rは栗田雅也の逃げを荒井崇博が中団から一気にまくり切ったが、荒井ラインの三番手から小川圭二(写真)が中を割り、アタマに突き抜けた。
  「石丸は外を踏むと思っていたし、僕も内に行き易かった。みんな信じてくれないけど、取手記念の頃からずっと調子はいいんですよ」
  2着の石丸寛之は「中は気をつけていたんですが…。せっかく荒井が頑張ってくれたのに、悪いことをしてしまった」と悔しがる。


<8R>
三ツ石康洋選手
三ツ石康洋選手
   8Rは城戸崎隆史のまくりを追走する形になった三ツ石康洋、吉岡篤志の四国コンビが連独占を決めた。直線中コースを強襲して1着の吉岡篤志は「1着が取れるようになり、流れがよくなってきた。今回から新車なんですが、それも合っているみたい」と力強いコメント。2着の三ツ石(写真)は「前にいた城戸崎さんがまくってくれて、恵まれました。みんな本当に強いし、風も強かったので、最後は一杯でした。とにかく勝ち上がれてよかった」と笑顔が絶えない。


<9R>
平原康多選手
平原康多選手
   9Rの二次予選Aは平原康多(写真)が魅せた。前受けからそのまま先行すると、別線のまくりを許さず、強靭な粘り脚を発揮して押し切った。
  「打鐘で誰も来なかったし、先行を覚悟しました。来るとしたら金子(貴志)さんだと思っていたし、動きを見ながらうまく合わせ切れました。2車で先行は厳しいと思っていたけど、結果が出てよかった。脚の状態もいいですね」
  平原マークの吉田勇人が2着に流れ込んだ。
  「今日はきつかった。マーク屋もやっぱり楽ではないですね。誰も押さえて来ないから厳しいと思ったけど、平原が本当に強かった。やっぱり脚がありますね。後ろを回るからには、まくって来る選手は何としても止めるつもりだった。今回は連日番組に恵まれています」


<10R>
諸橋愛選手
諸橋愛選手武田豊樹選手
武田豊樹選手
   10Rは5人が横一線でゴールする大混戦となったが、勝ったのは武田豊樹の番手から抜け出した諸橋愛(写真)だった。
  「ここに向けて高地トレーニングなど、しっかり練習してきた成果が出ていると思います。今日は武田さんのお陰ですね。後ろから誰も来る気配がなかったし、後は車間を切って後ろに入った小倉(竜二)さんを警戒しながら追い込むだけでした。ゴールした瞬間は武田さんが何着か心配でしたけど、ワンツーが決まってよかったです」
  積極果敢に先行した武田(写真)は「今日は風が強くて重く感じましたが、それを気にしていたら先行できませんから。2車の時でも僕は結構先行しているんですよ。踏み過ぎて、ちょっと疲労はありますけど、最終日に向けて脚を作っていけば問題ないでしょう」と手応えを感じている様子。
  後方からまくり追い込んで3着に入った井上昌己の動きも光っていた。
  「ホームで仕掛けていれば、ワンツーが決まっていたかもしれない。でも、駆けているのは武田さんですからね。後方になったので、先に誰か踏めばそれを追っていくつもりでしたが、あれ以上待っても届かないので、自分で踏んでいきました」


<11R>

新田康仁選手
新田康仁選手市田佳寿浩選手
市田佳寿浩選手

   11Rは先行した小嶋敬二が5着に沈む波乱。新田康仁(写真)が中団キープからまくり追い込みを決めた。
  「連日いい位置を取れているのが大きいです。今日も脚を使わずにいい位置に入れたし、体がうまく反応してくれている。後は脚を溜めて二センターから踏むだけでした。展開が向いているけど、調子もいいです」
  小嶋の番手から2着に入った加藤慎平だが、表情は冴えない。
  「小嶋さんが相当長い距離を踏んでくれましたからね。ゆっくり抜いたつもりですが、後ろから一気に来られてしまった。あまり遅く踏んでも(山口)富生さんが届かないし、早く抜いても小嶋さんを残せない。自分でもどうしていいか分からなかったです」
  俊敏なレース運びで3着の市田佳寿浩(写真)は「(中村)一将が不発になって自分で仕掛けようと思ったけど、小嶋さんがかかっていたからね。自然といい位置に入れたし、うまく流れに乗れた」とレースを振り返る。


<12R>
佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   最終12Rの篝火賞は山崎芳仁の先行一車の組み合わせ。番手を死守した佐藤慎太郎(写真)が粘る山崎をゴール寸前で差し切った。
  「弟弟子なので、負けられない気持ちだったし、緊張も多少ありました。山崎が早めにペースを作ってくれたし、早めに番手を単独で回れたのが大きいですね。ここに来るまでは不安もあったけど、実際走ってみたら感じはいいですね」
  2着の山崎(写真)は「どのくらいかかるか試したい気持ちもあったので、今日はコーナーでも流さず、全開で踏んでみました。後半は流れる感じだったし、調子は悪くないと思います」。
  福島コンビ追走の神山雄一郎が3着。
  「とりあえず前に出て、山崎が来たから入れました。山崎はかかっていましたね。もう少しもつれるようなら自力も考えていたけど、すんなり三番手の展開になったから動く必要はなかった」
  追い上げ失敗の合志正臣は「誘導も上がっていたし、山崎も駆けてしまったので、番手まで追い上げるのにかなり脚を使ってしまった。もうちょっと抵抗したかったんですけどね」と反省していた。


   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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