『第21回共同通信社杯競輪(GII)レポート』 前検日編
 
配信日:10月9日


 第21回共同通信社杯「中野カップレース」が久留米競輪場で明日から開幕。久留米でのビッグレースは5年ぶりとなるだけに、紫原政文をはじめ地元勢は気合十分で検車場入りした。今日から最終日までの4日間、選手の舞台裏の様子をレポートしますのでどうぞお楽しみに。
 なお本場では開催を盛り上げるべくたくさんのイベント、ファンサービスが用意されております。まずは4日間を通して毎日、プレゼントが当たるラッキーカードが先着で1008名様に配布され、ミスター競輪こと中野浩一氏によるミニトークショーが第4レース終了後に行われます。また、専門解説者場内予想会が第6,8レース終了後に行われ、明日の初日は工藤元司郎氏をお迎えいたします。こちらもどうぞお楽しみに。


<1R>
渡邉一成選手
渡邉一成選手
 

 オープニングの1レースは北京五輪組の一人、渡邉一成(写真)に注目が集まる。オリンピックを終えて一段落といった近況だ。
  「オールスターが終わってからは練習メニューを変えて、体の状態を戻すことに重点を置いている。仕上がりに関してはまだ百パーセントとまではいかなし、5,60パーセントくらいに仕上げるので精一杯。明日はメンバー的に自分が先行になりそうですね。実戦での先行が少ないから不安があるけど、自分は先行選手だから、しっかりと走らないといけない」
  対戦する志智俊夫は直前にアクシデントが発生した模様だ。
  「練習中に怪我をしてしまった。ここに来て走るからには、怪我がどうこう言いたくないので、明日はしっかりと自分の競走をするだけ」



<2R>
 2レースは濱田浩司、五十嵐力、澤田義和の3分戦。実力拮抗で混戦だが、主導権取りを目論む濱田と五十嵐をよそに、澤田義和が虎視眈々と一発を狙う。
  「特別な練習はやっていないけど、ここに来る前はしっかり練習してきましたよ。疲れも心配ない。久留米は成績が良いし好きなバンクの一つ。明日は中団からになりそうだね」


<3R>
藤田竜矢選手
藤田竜矢選手
   3レースも金子貴志、菅原晃、藤田竜矢の3分戦。3者の後位はそれぞれ加藤慎平、大塚健一郎、後閑信一と名マーカーが付いているだけに、どの自力型も積極的に主導権を狙いそうだ。その中でも、前回西武園を優勝した藤田竜矢(写真)の調子が良さそうだ。
  「夏が終わってようやく調子が上がってきましたね。自分は気候が涼しくないとバテてしまってダメなんですよ。前回からは中5日だし、特別なことはせずにいつも通り練習してきました。久留米は国際競輪と記念を走ったことがあります。成績も悪くないと思います」


<4R>
永井清史選手
永井清史選手
   4レースは北京五輪銅メダリスト・永井清史(写真)の大カマシが炸裂するか。
  「オールスターが終わってからは練習と私用の繰り返しで忙しかった。でも、練習時間はしっかりとれたから問題はないですよ。「競輪」の自転車にも慣れてきたし、今回も思い切って主導権を取る競走ができれば。久留米は初めてなので、これから指定練習で乗ってみてバンクの特徴をつかみたい」


<5R>
井上昌己選手
井上昌己選手
   5レースは二段駆け態勢で挑む地元の九州ラインが本線となりそう。近況は精彩を欠く井上昌己(写真)だが、明日は目標があり、地元の梶山裕次郎が三番手を固めているだけに負けられない一戦となりそうだ。
  「青森記念が終わってからは一度ゆっくり休みました。約二週間あったけど、花粉症が出てしまったりで思った通りの練習ができなかった。ボチボチ調子を上げていかないといけない頃だけど、状態に関しては走ってみないと分かりませんね」
  前を任されたのは松岡貴久で、「直前に練習した感じでは、調子は良くもなく悪くもなくだけど、明日は井上さんと梶山さんが付くだけに積極的に駆けたい」と意気軒昂。


<6R>
浅井康太選手
浅井康太選手
   6レースは浅井康太(写真)を。優勝2回、準V2回と今期は絶好調だったが、前回のオールスターでは痛恨の落車失格。右手人差し指の皮膚をえぐる大怪我を負ってしまう。今回は巻き返しを図りたいが、怪我の具合が不安視される。
  「オールスターの後は10日休みました。練習を再開しても台風で室内練習しかできなかったし、感じもあまり良くなかったから不安はありますね。でも、自分は練習ではいつも感じが良くないタイプなので、あまり気にしないようにしています。調子を戻そうと無理に練習してもフォームが崩れたりするので、今回は良い休養だと思いながら、そのあと自分のペースで調整しました。明日は久々のレースだから緊張しますね。今回は自分らしい良い競走をして、徐々に流れに乗れていければいいね」


<7R>
菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
   7レースは地元のホープ・吉本卓仁に期待が集まるが、オールスターでは予選2走ともに9着で強制帰郷。10月西武園も途中欠場と大敗が続いており心配だ。
  「前回は腰痛で途中欠場。でも、突然のものではなくて持病が少し出ただけなので。計画通りに調整できなかったけど、街道でしっかりモガいてきました」
  対戦する菊地圭尚(写真)も状態が思わしくない。
  「オールスターの前もそうだったけど、終わった後にもう一回やってしまって。整体に行ったら少し良くなったし、自転車に乗っている分には楽なんで。練習は普通にやってきたけど、腰に負担がかかるモガキは控えて、距離を乗る練習をしてきました」
  連係する成田和也は対照的。ここのところF1戦では決勝は連を外しておらず、親王牌では優参と抜群の成績。直近の点数は120点を超えている。
  「自分の場合は強い自力型に恵まれているので。でも、オールスターはあまり調子が良くなかった割には良い数字が残せた。オールスターの後は休みを入れずに練習した。日程に余裕があったしみっちり乗り込んできたから今回は疲れがなければいいけど」


<8R>
新田祐大選手
新田祐大選手
   8レースは絶好調を誇る石橋慎太郎。今回も引き続き状態を維持しているようだ。
  「前回からは中3日だから軽く調整程度の練習でした。しばらく配分が詰まっているけど、自分は競走が練習になっているし、その方が成績が良いから全く気にしてはいません。疲れもないですよ。久留米はS級初優勝した相性の良いバンク。今回も一日一日を大切に、しっかりと走りたい」
  対戦するのは新田祐大(写真)。親王牌で優参するなど、今年はG1戦で活躍。今ではすっかり大舞台が板に付いたが、「今回は練習中に落車してしまい、一週間あったけどあまり練習ができなかった。今回はどうなるか分からないけど、久留米はF1だけど1着が取れているから大丈夫だと思う」


<9R>
 9レースの石丸寛之は前走の観音寺記念をまくり2連発で久々の記念優参を果たした。
  「今回は中3日ですが、調子はマズマズでしょう。前回ここを走ったのは久留米記念(去年12月)以来ですね。その時は7、8着(事故入)で途中欠場しているので、前回の分まで頑張りたいですね」
  石毛克幸は前回、小倉の準決勝で落車失格。これまで好調を維持していただけに悔やまれる。
  「怪我の影響は全く気にならないけど、失格の方が痛かったですね。ここは特に癖のないバンクで良いイメージですね。明日は番手戦だけど、今回は自力の番組の時は前で動いていきたいです」
  同期の栗田雅也が前を任された。
  「最近はずっと決勝に乗っているけど、最終日の着が大きいですね。小倉からギアをかけているんだけど、最終日に疲れが出てしまって。今のギアで四日制は初めてだからどうなるか分からないけど、原因がはっきりしているから、今回はケアなど対策を打ちたい」
  最近は途中欠場が目立つ太田真一は、前回のG1戦を終えてからの参戦となる。
  「オールスターの後はゆっくりと練習ができたし、疲れもとれて自分では良い感じだと思いますよ」


<10R>
紫原政文選手
紫原政文選手
   10レースは地元の紫原政文(写真)。周囲とは遅れての主役の登場に、待ち構えていた報道陣が一斉に群がる。
  「オールスターから中3日で青森記念に参戦。決勝に乗れなかったし青森の悪い体調を引きずって、また中3日で地元を走るのは無理だから、前回の観音寺記念は欠場しました。その分、練習はできた。仕上がった仕上がってないとかは別にして、やるべきことは全てやってきた。デビューした頃は40歳ってのは弱くなっているものだと思っていたけど、今こうして大舞台に立てているんだから幸せに感じながらも今回は楽しみたい」
  紫原、牧剛央を引っ張るのは稲垣裕之。明日は大役をこなす。
  「地元地区のふるさと福井、地元の向日町記念、オールスターと疲れが溜まっていたけど、前回からはそれがなくなって状態が良くなっている。地区プロがあったけど、引き続き練習では調子が良いですよ」


<11R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   11レースからは優秀競走。強豪ぞろいで誰が勝ってもおかしくないが、その中でもやはり人気を集めるのは山崎芳仁(写真)だろう。夏場に調子を落としたものの、今年は特別戦線は全て決勝に乗る安定ぶり。
  「オールスターの後、久々に日程に余裕がありましたね。サマーナイトからずっと走りっ放しだったから、今回は良い休養がとれました。その後も久しぶりにしっかり乗り込めたし疲れもない。久留米は初めてだけど、自分はいつも通りに走るだけです」
  神山雄一郎も乗り込み十分で挑む。
  「今回は体を全体的に鍛えてきた。この後は忙しくなるから、その前にキツめにやっておこうと思って。結果はどう出るか分からないけど、体調は問題ないと思いますよ」


<12R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   12レースはオールスターの覇者・伏見俊昭(写真)が中心で、明日は佐藤友和を足場に戦う。
  「この後すぐに京王閣記念があるから、今乗らないとダメだからしっかりと練習してきました。ウエイトを重点的にやったから疲れがないかが心配ですね。明日は番手戦だけど、自力でも慌てずに着を取れるように、気持ちを切り替えながら戦っていきたいですね。取手記念の初日は人の後ろだったけど番手まくりしたし、四日間自力戦のような感じだったから、その反省を生かした走りができれば」
  新田康仁は前回、取手記念では優参を逃したが、引き続き好調をキープしているようだ。
  「前回調子は悪くなかったし、組み立てに失敗しただけ。気持ちの面も問題ないから、あとは展開さえ向けば。グランプリを確定させるためにも、ここで賞金を上積みして早く楽になりたいけどね。でも、意識しすぎると失敗するから、一戦一戦大事にいきたい」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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