レース展望共同通信社杯とはファンサービステレビ放送予定参考データ優勝者の横顔

レース展望

 毎年、グランプリ出場権を賭けた賞金争いが佳境に入った頃に開催されるのが共同通信社杯競輪だ。21回目を迎える今開催も、GIIながらGIと変わらぬ豪華メンバーが揃い踏みで、今年の競輪界をリードしてきた山崎芳仁、小嶋敬二、平原康多の3強が中心となるが、グランプリ出場を目指す精鋭たちのサバイバルゲームは熾烈を極めそうで、久留米バンクは熱く燃え上がるだろう。
 
暮れの大一番へ向けて精鋭たちが死力を尽くす!
自力型3強が万全の状態で最高のバトルを展開  
 
 山崎芳仁は寛仁親王牌を優勝後は4・00のさらに上をいく4・33の大ギアを試すなど、王者の地位に甘んずることのない飽くなきチャレンジ精神を見せつけた。
  残念ながら結果的には満足いくものではなく、4・33から再び4・00に戻すなどの暗中模索が続き、走りのリズムにも多少の狂いが生じて、8月の別府記念ではまさかの二次予選敗退となってしまった。
  しかし、次場所の京都向日町記念からは4・00のギアとともにフレームも以前のものに戻し、持ち前の爆発的なパワーを存分に発揮してファンの期待にきっちり応えていた。今回も北日本勢を引き連れての王者の走りで、不動の大本命に推されるのはまちがいないだろう。
山崎芳仁 福島・88期
山崎芳仁 福島・88期
   
  小嶋敬二も高松宮記念杯の頃から腰痛で調子を崩し、6月の地元・富山記念ではまさかの二次予選で途中欠場となったが、8月の高松記念では矢口敬一郎率いる関東ラインを5番手から捲って圧勝し、復活への手応えを掴んだ。
  次場所のふるさとダービー福井では準決勝敗退といまひとつ波に乗り切れていないが、初日特選では4角からのカマシで2着に粘り、濱口高彰と中部ワンツーを決めており、長くもがける脚が戻ってきていることを証明してみせた。
  秋から冬、冬から暮れへの大一番へ向けてしっかり立て直しを図ってくるだろうし、王者・山崎に対して真っ向からの力勝負を挑めるのはやはり小嶋しかいない。
小嶋敬二 石川・74期
小嶋敬二 石川・74期
   
 平原康多も夏場は流れが悪く、波に乗り切れていなかった。6月・熊本記念では決勝戦で失格、寛仁親王牌では鉄壁の北日本ラインを相手になす術もなく敗れ、8月・高松記念では2日目優秀で落車して途中欠場している。
  しかし、ふるさとダービー福井では夏場の悪夢を吹き飛ばすような力強い走りを見せた。決勝戦では稲垣裕之とのもがき合いの末に2着と涙を飲んだが、敗れて強しの豪脚ぶりを強烈にアピールしており、今回も山崎や小嶋を相手に一歩も引けをとらない強さを見せつけてくれるだろう。
平原康多 埼玉・87期
平原康多 埼玉・87期
 
負けられない九州勢が一丸となって意地を見せる
復調気配の井上昌己が得意の大捲りを決める
 
 地元・九州勢では井上昌己が調子を上げてきている。今年は競輪祭を優勝と好スタートを切ったが、2月・東西王座戦で落車して勢いが止まり、ようやく調子が戻りかけていた6月に熊本記念で再び落車と不運が続いた。
  しかし、8月の別府記念では準決勝Aを豪快な捲りで突破、決勝戦は菅原晃を目標に追い込みで優勝。次場所の四日市記念では二次予選敗退と再び乱れたが、次なる佐世保FIではきっちり優勝している。ホームバンクの佐世保はS級になってまだ優勝したことがなかっただけに、FIといえどもこの優勝は大きく、ここから年末のグランプリに向けて井上は急速に上昇カーブを描いていくだろう。
井上昌己 長崎・86期
井上昌己 長崎・86期
   
 荒井崇博も8月・高松記念が決勝8着、次場所の松戸記念が二次予選敗退、ふるさとダービー福井が準決勝敗退と成績が安定しないが、調子自体は決して悪くない。
  福井の準決勝は稲垣裕之の逃げを捲れなかったが、二次予選は捲りの2着、高松の初日特選と2日目優秀は平原康多や矢口啓一郎らの先行職人を相手に逃げ切りの2連勝と、得意の捲りでなく近況は先行勝負も増えていて脚勢はまちがいなくいい。
  近況は展開が裏目、裏目と出てしまっているのが成績不振の原因といってよく、今回は地元地区での大会だけに前へ前への積極的な攻めを見せてくれれば、展開には負けない本来の力強さを発揮してくれるだろう。
荒井崇博 佐賀・82期
荒井崇博 佐賀・82期
 
 中川誠一郎も相変わらずムラが大きいが調子は悪くなく、菅原晃、吉本卓仁、松岡貴久らの若手も急速に伸びてきており、地元・福岡の紫原政文や加倉正義らの追い込み勢も優出を目指して必勝態勢で臨んでくるはずで、九州勢の大躍進が十分に期待できるはずだ。
   
  近畿地区では稲垣裕之が好調の波に乗っている。7月・サマーナイトフェスティバルと次場所の花月園FIで連続優出、地元地区のふるさとダービー福井でも準決勝を見事な逃げ切りで突破した。決勝戦では平原康多とのもがき合いに敗れたが、全力を出し切っての敗退は次につながる内容の濃い競走だった。
  今回は近畿勢がライン的にやや手薄なのが不安材料だが、組み合わせによっては市田佳寿浩、伊藤保文、澤田義和らが稲垣をしっかりガードしてくれるだろうし、稲垣も持ち味のパワー先行を存分に発揮してくれるだろう。
稲垣裕之 京都・86期
稲垣裕之 京都・86期
 
新田康仁が持ち味の自在な攻めで一発逆転を狙う
自信を取り戻した渡部哲男の一発も侮れない
 
  7月・サマーナイトフェスティバルで悲願のGII優勝を達成した新田康仁は、次場所の平塚FIをあっさり優勝、8月・松戸記念では4日間勝ち星こそなかったが、先行と捲りを巧みに使い分けての自在な攻めで優出と好調を維持している。ふるさとダービー福井では流れが噛み合わずにまさかの二次予選敗退となってしまったが、最終日にはしっかり逃げ切っており体調面での不安はない。
  賞金面ではグランプリ初出場を十分に狙える位置につけており、年末に渡邉晴智ともにグランプリに出場するのを一番の目標にしているはずで、今回も新田らしい多彩な戦法を駆使して、山崎芳仁や小嶋敬二らを相手に一発逆転を狙ってくるだろう。
新田康仁 静岡・74期
新田康仁 静岡・74期
 
 7月・小松島記念を優勝して涙の復活を遂げた渡部哲男の一発も侮れない。今年前半は低調で、6月までの勝ち星がわずかに1勝とすっかり落ち込んでいたが、寛仁親王牌で優出して復活の足掛かりを掴み、小松島も山崎芳仁や金子貴志を相手にした優勝で完全に自信を取り戻した。
  8月の地元・松山FIを完全優勝、次場所の四日市記念では初日特選が捲りの2着、準決勝Cを捲りの1着で突破して優出と急速に調子を上げてきており、ビッグレースの舞台でも再び山崎や小嶋敬二らを撃破しての一発が十分にありうる。
渡部哲男 愛媛・84期
渡部哲男 愛媛・84期
 
 完全復活を目指して奮闘している佐藤友和も目が離せない存在だ。5月・全プロ記念で落車して7月から復帰を果たしたが、鋭い捲りを連発するなど本来のスピードを取り戻しつつある。
  8月の松戸記念では準決勝Aで6着と敗れたが、二次予選Aは捲りの1着。ふるさとダービー福井でも準決勝で惜しくも4着と敗れたが、二次予選では捲りの1着で有坂直樹とワンツーを決め、4日目順位決定では先行で再び有坂の猛追を振り切っており、完全復活への道のりは決して遠くはなさそうだ。
   
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兵藤一也が執念の差し切りでビッグ初優勝!
 デビュー当初から一貫して強気の追い込みを身上として出世街道を駆けあがってきた兵藤一也は、05年・8月の小田原記念で関東ラインの3番手からの差し切りで記念初優勝を達成。その2カ月後の共同通信社杯では北日本ラインの3番手からGII初優勝を達成した。決勝戦は小嶋敬二−金田健一郎、山崎芳仁−佐藤慎太郎−兵藤一也、海老根恵太−鈴木誠、金子貴志−大塚健一郎の4分戦で周回。青板から金子が上昇して先頭に立つが、海老根、小嶋、山崎の順で次々と抑えにでて先頭がめまぐるしく入れ替わり、最終的には金子がホームからカマして主導権を握る。バックから海老根が好スピードで捲ってくるが、金子の牽制にあって失速、その時に空いた中バンクを佐藤−兵藤が抜け出していき、ゴール前では兵藤が8分の1輪差し切って優勝、佐藤が2着、大塚が3着だった。




軽くて走りやすく、先手ラインが断然有利
他の400バンクより逃げ残りの2着が多い
 400としては標準的なバンクで、走路も軽くて走りやすく、脚質や戦法による有利不利は少ない。
  以前はお皿バンクで捲りが決まりにくいバンクとして有名だったが、98年の共同通信社杯開催を前に全面改修され、カントがきつくなって捲りが決まりやすくなっている。
  03年4月に開催されたふるさとダービーの1着、2着の決まり手を見てみると、全44レースのうち1着の決まり手は逃げが6回、捲りが15回、差しが23回、2着は逃げが14回、捲りが6回、差しが8回、マークが16回となっている。
 1着の逃げ・捲り・差しの割合は標準的だが、逃げ残りの2着の割合がかなり高くなっている。ビッグレースともなると、先行有利といわれているバンクでも捲りのラインが圧倒的に有利になるのが普通で、これだけ逃げ残りの2着の出現率が高いのは異例中の異例といっていいほどだ。
  ちなみに03年のふるさとダービーは伏見俊昭が逃げ切って優勝しており、今開催も先手ライン有利のレースが多くなりそうだ。
 周長は400m、最大カントは31度28分37秒、見なし直線距離は50.7m。基本的には先手ラインの番手が有利だが、カントがきつくなって中バンクが伸びるようになったので、捲り切れなくても外にへばりついていけばチャンスは出てくる。追い込みもインを突けるし、中も割れるし、交わしの交わしも決まる。




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