『第23回共同通信社杯秋本番(GII)レポート』 前検日編
 
配信日:10月16日


 明日から第23回「共同通信社杯 秋本番」が茨城県の取手競輪場で開幕する。今年ビッグ3冠で賞金ランクトップの武田豊樹が満を持して地元ビッグに参戦。また、暮れのグランプリや来年のS級S班をかけた熾烈な賞金レースが繰り広げられることは必至だ。武田を含むS級S班17名を中心に、スター選手のハイレベルな攻防から目が離せない。
  明日17日は「電車でGO!」でおなじみの「立川真司」ものまね・音まねショー(4、9レース終了後)を始め、競輪選手VSファンの脚力対決(6、7レース終了後)などイベントも盛りだくさん。「共同通信社杯 秋本番」は是非取手競輪場でお楽しみください。


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中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
   オープニングレース1番車となった中川誠一郎(写真)は、徹底先行の石橋慎太郎を相手にも自然体を崩さず。いつも通りを強調する。
  「直前は風邪で少し寝込んだけれど、今はすっかりよくなりました。金成さんは前に踏むタイプでもないし、明日は実質、石橋君とのマッチレースとなりそう。二分戦は得意ではないけれど、あまり意識せずにいつもと同じ競走を心掛けます」
  有坂直樹に前を任された金成和幸も虎視眈々と勝ち上がりを狙う。
  「確かに、石橋君も中川君も強い選手だけど、二人とも何をしてくるかは大体分かっている。明日はレースの流れの中から、変幻自在に立ち回って二人を翻弄したいですね。地区プロの後は、山崎(芳仁)とみっちり練習をしてきたし、取手は8月F1で決勝3着と相性も良い。期待していてくださいよ」
  地元・千葉記念では満足いく結果が残せなかった伊勢崎彰大は、ここからの巻き返しを誓う。
  「地元記念は残念な結果に終わったけど、ずっとやる事はやっているし、良い状態はキープできている。特別競輪は約二年半ぶりだけど、このレースが僕のターニングポイントになりそうですね。ここで賞金が上積みできれば来年の松戸ダービーも見えてくるし、そうすれば、もう一度上位戦線に返り咲ける。地元記念の悔しさもぶつけていきますよ」


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濱田浩司選手
濱田浩司選手
   地元オールスターは一次予選、続く西武園FIでは準決勝敗退と波に乗れていない濱田浩司(写真)だが、今回はひそかに自信ありげな様子。
  「オールスターのあとに愛媛支部でグァムに行ったし、そこから西武園まで4日くらい空いてたけど練習はできなかった。最近は先行できてなかったので、感触を戻すために西武園では先行しようと思ってたけど肝心な準決勝だけできなかったですね。最近の数字は悪いけど、みっちり練習してきたし、今回は穴を出しますよ」
  なかなか決勝に乗れておらず、近況はやや精彩を欠く岡村潤。しかし、明日は同地区の藤田大輔とは別線で、強気の自力の勝負を選択。望月裕一郎と共に勝ち上がりを狙う。
  「最近はしっかり練習できているし、その中で手応えもつかめている。飛躍的にとはいかないけど、着実に状態は上向いていますよ。明日は細切れ戦で難しいレースとなりそうだけど、自分のレースをするだけです」


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桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
   五十嵐力が同乗で並びが注目された桐山敬太郎(写真)だが、話し合いの末、桐山が前を回る事で決着。強豪相手に気を引き締める。
  「2~3年前なら五十嵐さんが前を回っていたかもしれないけど、最近の状況をなら僕が前の方が自然だという事になりました。しばらくは落車の影響で調子を落としていたけど、最近はだいぶ状態も戻ってきている。10月の和歌山Sでは大ギアを試しながら決勝に乗れたし、状態も悪くないですよ」


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武井大介選手
武井大介選手
   7月当所FIで追い込み宣言をした武井大介(写真)。明日はスタイルを崩さず同期、矢口啓一郎の番手で勝負に出る。
  「あの開催は優勝もできたし、まだ良いイメージで強く印象に残ってます。観音寺記念からはバンク、街道でみっちり練習はできた。モガいた感じも良かったです。矢口の番手は初めて。何度も別線で邪魔をしたことはありますけどね(笑)」
  新田祐大はオールスター以来の実戦となるが、スケジュールは多忙だったようだ。
  「オールスターのあとはナショナルチームの合宿に地区プロ。それから1週間くらいだけど、練習はだいぶできたので悪くない。ただ調整はしてきてないので、いつもどおり行けるだけ行くって感じですね」


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稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
   直前の10月和歌山Sでは人気に応えられず優勝を逃した稲垣裕之(写真)だが、敗因はきっちり分析済み。不安は微塵もなさそうだ。
  「和歌山の決勝は番手回りだったし、負けたのは僕の追走技術の未熟さが原因。脚の状態には問題ないですよ。その後は10日近く間隔が空いたので、しっかりと練習も出来ています。逆にオーバーワークが心配ですが、4日間良い勝負が出来る状態ではありますよ」
  一方、九州勢の先導役に選ばれた坂本健太郎も強気の姿勢を崩さない。
  「明日は加倉(正義)さんや池尻(浩一)さんといった、大先輩が付いてくれるし、僕も思いきった競走をしたい。当面の敵は稲垣さんですね。稲垣さんとは和歌山Sでも一緒だったけど、見た感じあまり調子が良いようには見えなかった。格上の存在ではあるけど、今の稲垣さんなら僕でも十分勝負になると思いますよ」


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金子貴志選手
金子貴志選手
   金子貴志(写真)は1勝に終わった千葉記念でも連日着以上の動きを見せていた。ここまではタイトなスケジュールとなったが、不安要素はなさそう。
  「間隔がなかったので練習は軽めに。オールスターも感じはまずまずだったけど、レースではダメだった。それに比べたら千葉はだいぶ良い感じになりましたね。取手はいつ以来か分からないくらい久しぶり。前回が500だけど、400バンクなら違和感なく対応できると思います」
  好調、栗田雅也の番手を回る海野敦男は気合十分だ。
  「前回、西武園のあとに同期の中村(淳)のところに日帰りで合宿に行った。自転車を見てもらったり、みっちりしごいてもらいました。最近良くなかったから、今回は気合入れて頑張りますよ」


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後閑信一選手
後閑信一選手
   補充から繰り上がり、GⅡ戦初出場を決めた篠原忍は自動番組のあやから、初戦はいきなり自力タイプが一人の好番組に組み込まれた。
  「参加の連絡を受けたのは3日前でバタバタしたけれど、それまでもしっかり練習は出来ていたので不安はありません。和歌山Sの落車の影響がないと言ったら嘘になるけど、十分に戦える状態であることは間違いないです。それにしても初の特別競輪が繰り上がりなうえ、初日がいきなり先行一車なんて恵まれすぎですよ。この良い流れを切らさないように頑張りたいですね」
  後閑信一(写真)は前回の観音寺記念で優参を果たすなど、少しずつだが本調子を取り戻している様子だ。
  「観音寺では番手戦から自力までと、何でも出来たし久しぶりに自分の力で勝ち上がったって実感がありました。関東の大きな開催を前に、手応えをつかめたことが嬉しかったですね。ここに向けてしっかりやってきたし、無様なレースはできない。明日は何が何でも一次予選は突破します」


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吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
   オールスターの落車は幸い軽傷だった吉田敏洋(写真)。今回は新車でビッグ参戦だ。
  「オールスターでフレームの痛みが激しかったので、前回(弥彦FI)から新車にしました。練習では乗ってたけど、練習とレースでは感覚が違いますからね。決勝には乗れなかったけど、前回でいいところも悪いところもつかめた。体調は悪くないので、それがいい方に出てくれればいいですね」
  吉永好宏は久々のビッグ参戦に気合がみなぎる。
  「去年のふるさと広島以来だから楽しみですね。前回(観音寺記念)は久々に石丸(寛之)の後ろを回ったり、ギアを上げたりで疲れたので、疲れを取ってから練習してきました。今まではヨコ重視のフレームにしてたけど、今年からタテを意識した流れるフレームに変えた。それが合ってますね」
  和田健太郎は富山記念決勝とは逆の並び。初日は山賀雅仁をマークする。
  「自動番組だから大体分かるみたいで、山賀が2日前に会ったときに『今度は俺が前だね』って言ってた。落車とかあったけど、来年は松戸でダービーもあるし、無理して走ってた。最近は練習の感じがだいぶ良くなってきましたからね。賞金はまだまだ足りないし、ビッグレースに出場できる少ないチャンスはモノにしないと」


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牛山貴広選手
牛山貴広選手
   飛ぶ鳥を落とす勢いで快進撃を続けてきた木暮安由も、特別競走では、まだその力を発揮できず。それだけに今回こそはの気持ちが強い。
  「観音寺記念からここまでは、2週間以上空いたので、みっちり練習できました。天候に左右される事もなく、街道もバンクも予定通りのメニューをこなせたし、万全に仕上がっていますよ。今回は地元地区だけに、注目を集める事は覚悟のうえです。太田(真一)さんには寬仁親王牌の時に一度迷惑をかけているので、明日は積極的にレースを組み立てていきますよ」
  千葉記念から中3日で取手に乗り込んだ松岡貴久も闘志をみなぎらせる。
  「千葉からいったん地元に帰って疲れを抜いてきました。取手は今回で2回目だけれど、バンクに悪いイメージは無いです。明日は牛山君にすんなり先手を取られたら厳しいので前々に攻めていくつもりです。これからは、自在の競走を増やしていきたいので、何でも出来るところを見せていかないとですね」
  地元戦となる牛山貴広(写真)も「緊張というよりは、逆に気持ちが燃え上がっている感じですね。直前は後閑さんなどとしっかり練習できているし、仕上がりは万全。レースが楽しみです」と声をはずませる。


<10R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   山崎芳仁(写真)はオールスターから1カ月近い間隔を空けてのシリーズ参戦となる。
  「途中、地区プロとかあったけど、2勤1休でいつもどおりの練習はやってきました。風邪をひいたりしなかった分、前回よりは良いですね。レース勘も大丈夫だと思います。取手はA級で2回、S級で2回走ってます。A級では優勝もしてるし悪くないです」
  佐藤友和もオールスターを連勝で締めくくるなど調子を戻している。
  「ここまではナショナルチームの合宿と地区プロがあったけど、練習はふつうにできました。調子も戻ってきてると思います。オールスターは2勝したけど、負け戦で結果を出してもしょうがない。まあ調子が悪ければ負け戦でも勝てないんですけどね。調子自体は良いし、そろそろ決勝に勝ち上がったり結果を出したいですね」
  8月高知FIの落車に右足の筋膜炎とアクシデント続きだった井上昌己だが「直前は普通に練習できました。感じは良いと思う」。勝負の後半戦で巻き返しを狙う。


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伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   直前の千葉記念で自力脚の健在振りを披露した伏見俊昭(写真)。明日も北勢の先頭でレースを組み立てる。
  「中3日なので、練習は軽くもがきながら調整程度です。疲れは多少あるけれど、そこは気持ちでカバー。ハードスケジュールといっても自分で決めた希望あっせんだから苦にもなりませんよ。やっぱり自力の競走は楽しいですね。もちろん結果が付いてきているって事もありますけど(笑)。明日はギアは3.79に下げようと思います。千葉で85を試したけれど、僕は79のほうがしっくりくる。二日目以降は明日踏んだ感触で決めていきたいと思います」
  今年が飛躍の一年となった浅井康太。伏見や、平原康多など、強豪相手にも気後れはない。
  「別線も強力だけれど、気持ち的にはぶち当たっていくだけです。明日も平原さんが切るか、僕が切るかの展開になるはずだし、やる事はおのずと決まってくる。最近は練習もしっかり出来ているし、コンディションも問題ないです」
  現在賞金ランキング8位でグランプリ当落線上にいる加藤慎平は、ここが正念場。表情も自然と引き締まる。
  「僕は本当にボーダーライン。もちろん、競輪祭で一発で決められるのが一番だけど、ここでも少しでも賞金を上積みしておきたいし、1戦1戦集中です。腰の状態は全く問題ないし、オールスターの後は永井(清史)など闘心会メンバーとみっちり練習してきた。とにかく頑張るのみですね」


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武田豊樹選手
武田豊樹選手
   地元のエース武田豊樹(写真)が初日のトリを飾る。今年はダービーのGI初優勝から怒涛のVラッシュ。今シリーズも優勝候補の筆頭と目される存在だ。
  「やっぱり地元は違いますね。良い状態で迎えられたのが何よりです。オールスターで2つ目のタイトルを獲ったけど、自分が今まで前で動いてきた結果あれがある。3つ目のタイトル? こうなったら、そういう視点になりますよね。今回も色々あるけど、まずは決勝に乗って、勝つことです」
  佐藤慎太郎はオールスターから体重を3キロ落としてスリムになった。
  「オールスターで80キロ近くにまでなってたから、さすがにヤバイと思ってしぼりました。体は軽く感じるけど、ちょっと疲れやすいかな。でも、直前はスピードも出てたし、調子は悪くない。そろそろビッグで決勝に乗りたいですね」
  オールスターでは鋭い伸びを見せていた大塚健一郎も相性の良い共同通信社杯で活躍が期待される。
  「先月末に支部の合宿で宮崎に行ったけど、天気も悪くてほとんど練習にならなかった。それでもその後時間があったし、やれることはやってきました。感じは一走してみてからだけど、まだ暖かいしリハビリの成果もあって膝の感じは良いですね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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