『第28回共同通信社杯(GII)レポート』 初日編

配信日:4月27日
 第28回共同通信社杯(GII)が名古屋競輪場で開幕した。初日はオール一次予選のシビアな勝ち上がり。オープニングから激しいレースの連続だった。11レースでは武田豊樹が落車、最終レースは深谷知広が4着に敗れるなど波乱もあったが、小嶋敬二や渡邉一成ら好調な選手が勝ち名乗りを上げた。二次予選も好カードが目白押し。さらに白熱した戦いが繰り広げられる。
 2日目の28日は9時30分から正面入場門及び北入場門でご当地キャラ、ローカルヒーロー、企業キャラ大集合。かわいいキャラクター達がお客さまをお出迎えいたします。正門入場門横特設ステージ付近ではご当地物産展を開催。出演するご当地キャラのグッズを中心に販売いたします。その他、「くまもんのかけしょうゆ」、「やななのゴーフレット」、「シロモチくんのキャンディ、キャラメル」、「まっくのみそ」、「黒豆のお菓子」等を販売いたします。そのほかステージショー、キャラクターグッズ福袋抽選会など多彩なイベントが予定されています。ぜひ、名古屋競輪場にお越しください。
敢闘宣言をする吉田敏洋選手
敢闘宣言をする吉田敏洋選手
大治太鼓尾張一座パフォーマンス
大治太鼓尾張一座パフォーマンス
<1R>
神山拓弥選手
神山拓弥選手
 オープニングレースを制したのは神山雄一郎だ。弟子の神山拓弥のまくりをゴール前できっちり捕らえ、一番人気に応えた。
 「拓弥は武雄でもいいレースをしていたし、何でもできますからね。好きに走ってもらって、自分は任せるだけだった。北津留が1人だったのが良かった。大塚が付いていれば違いましたからね。恵まれました。前回の落車の影響はないし、脚も軽かった。この結果はお客さんにも喜んでもらえたんじゃないかな。いいスタートが切れて良かった」
 神山拓弥(写真)は師匠とのワンツーに安堵の表情を見せた。
 「気持ちが重かったです。冷静に走れなかったし、無我夢中でしたね。色々と考えて早めに仕掛けた方がいいかなと。ホッとしました。これでプレッシャーから開放されます。明日からは少し楽になりますね」

<2R>
 松岡貴久が最終ホーム七番手からロングまくり。上がり11秒1の好タイムで快勝。当日のギア変更も奏功した。
 「ギアは今日の気分で4回転に上げました。体調が上がって、やっと普通の状態に戻ってきましたね。兄弟初連係だったけど、緊張は全くしなかった。でも、番手の選手が千切れてなければダメでしたね」
 兄の孔明は離れてしまい、濱田浩司が松岡貴の後位に上手くスイッチして2着に流れ込んだ。
 「展開が向きましたね。3コーナー過ぎに仕掛けたら届くかと思ったんですが、新車でちょっとしっくりこなくて踏めなかったです。でも、反応はいいし、楽は楽です。結果が出て自信になりました。少しセッティングをいじってみます」

<3R>
渡部哲男選手
渡部哲男選手
 大方の予想通り才迫勇馬がマイペースで先行。番手の渡部哲男(写真)はまくってきた佐藤友和を好ブロックして追い込んだ。
 「才迫がかかっていた。3コーナーで踏み直していたので、まくりを止める気持ちになった。しっかり止めたと思ったんですけどね。才迫とワンツーが決まったのは良かったけど、室井さんまで連れ込めないとダメ。まだ技量不足ですね」
 才迫勇馬は前回の函館Vから使い出した4回転のギアの威力をフルに発揮して2着に粘った。
 「展開が良かったですね。でも、自分なりにいいレースはできたと思います。最後もしっかり踏み直せました」

<4R>
渡邉一成選手
渡邉一成選手
 渡邉一成(写真)が六番手から豪快にまくって圧勝。ワールドクラスのスピードでファンを魅了した。
 「勝てたけど身体の方はきつかった。世界選後にオフを入れて、心拍数を上げる強い練習ができてなかったからでしょう。ゴールした瞬間は何も覚えていないぐらいで久々にきつかった。ただ、身体の反応は良かったし、一走して感触もつかめました」
 成田和也が完璧マークで2着に入り、福島コンビでワンツーを決めた。
 「一成が強かったです。牛山が番手から前に踏んでどうかと思ったんですが、いいスピードでした。自分の状態は悪くないんですが、抜けなかったです」

<5R>
 早坂秀悟と稲毛健太で壮絶な主導権争い。稲毛との連係を外して中団で立て直した藤木裕が弾丸まくりを決めた。
 「稲毛がいけない展開も想定していました。ああなったら割り切っていい位置を取るしかないですからね。そこから車間を切って、まくっていったけど、かなりきつかったです」

<6R>
朝日勇選手
朝日勇選手
 浅井康太が力強いまくりで前団を飲み込むと、好追走した朝日勇(写真)が直線でズブリ。地元の大舞台で最高のスタートを切った。
 「前のおかげです。浅井君のダッシュはワールドクラスですね。ホームでいきそうな雰囲気はあったし、踏み出しはいつも注意しているんですが、口が空きました。付いていくのが仕事ですから。離れたら迷惑をかけてしまう。苦しかったけど勝てて良かったです」
 浅井康太はゴール前で末を欠いたが、危なげない走りで勝ち上がった。
 「後ろが地元なので早めの仕掛けは意識していました。前回が重かったのでフレームを換えてギアを下げたのも良かったです」

<7R>
小倉竜二選手
小倉竜二選手
 小川祐司が赤板からハナに立ってハイペースで飛ばしていく。小倉竜二(写真)は番手でまくってきた稲川翔を好ブロックすると、直線鋭く抜け出した。
 「小川がいいレースをしてくれた。打鐘から一気にペースを上げて、(稲川は)追いつくのがきつかったんだと思います。来たのが分かったし、けん制できました。ハコ3にならなくて良かった(笑)。前回よりはいい状態です」
 中四国ラインで三番手を固めた三宅達也が2着に流れ込んだ。
 「前の2人が頑張ってくれました。小川はかかっていたし、最後までタレなかった。今日は後ろで楽をさせてもらいました」

<8R>
村上博幸選手
村上博幸選手
 赤板前から機動型が踏み合って超ハイペースの流れ。最終ホーム過ぎに脇本雄太が竹内雄作を叩いて最終主導権。村上博幸(写真)は最終バック三番手から内をすくって小野俊之から番手を奪い返すと、粘る脇本をゴール寸前で差し切った。
 「しっかり競れれば良かったんですけど、ああいうレースになってしまいましたからね。外から追い上げるタイミングがなかったし、内しかなかったです。しんどかった。最後は意地ですね。内容が内容なんで納得はしていません」
 脇本雄太も2周以上、最後まで力強く踏み切った。
 「あんなに(竹内が)ペースを上げていくとは思わなかったし、打鐘前に車間が空いてしまい、本当にきつかった。でも、村上さんとワンツーが決まって良かったです。あの展開で差すんだから強いですね」

<9R>
山内卓也選手
山内卓也選手
 単騎の佐々木則幸が七番手から大外をまくり強襲。細切れの激戦を制した。
 「七番手になってしまったけど、前が西谷君だから2コーナーから仕掛けてくれると期待していたんですけどね。いく気配がなかったので、外を踏んで4コーナーまで我慢できれば、惰性でいい勝負ができるかなと思っていました。まさか1着まで届くとは。単騎で気楽に走れたのが良かったです。ギアを上げたのも正解ですね」
 金子貴志の先行に乗った山内卓也(写真)が2着に入った。
 「金子さんは出るときにけっこう踏んでいたので、きつかったと思います。ペースを落とさずに、そのまま踏んでいきましたからね。最後は外から来る感じだったので踏ませてもらいました」

<10R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
 小嶋敬二(写真)が打鐘過ぎの4コーナーから一気のカマシ。あっさり出切ると、後ろは一本棒となり、圧巻の逃げ切り。同型のライバルを全く寄せ付けなかった。
 「山崎が車間を空けているようなら、その位置を狙おうと思ったけど、空けていなかったのでカマした。いい感じで踏めたけど調子は普通ですね」
 2着の吉田敏洋は小嶋の強さに脱帽する。
 「ここで行ってくれると思ったときに仕掛けてくれました。3コーナーに入ったときには、たぶん抜けないと思いました。本当にすごかった。スピードというよりも力強さを感じる。深谷の強さとはまた違いますね。感心してばかりじゃダメなんですけどね」

<11R>
木暮安由選手
木暮安由選手
 断トツの人気を集めた武田豊樹が最終1センターで落車するアクシデント。上手く三番手に切り替えた木暮安由(写真)が最後は内から番手の永井清史をさばいて追い込んだ。
 「武田さんの落車は残念でしたが、何とか避けられました。そのあとは冷静に判断して走れたと思います。感じも良かったです」
 単騎の野田源一は変幻自在に動いて2着に食い込んだ。
 「メンバーが良かったので、走る前はドキドキでした。単騎でも自分で動いてレースを作ろうと思っていました。動いて位置を取れたし、悪くないですね」

<12R>
桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
 人気の深谷知広が七番手まくり不発。波乱のレースを制したのは井上昌己だ。稲垣裕之マークから巧みに内を突いて抜け出した。
 「稲垣さんが前で頑張ってくれたおかげです。武雄記念のときは軽かったけど、今回もいい感触ですね。道中は楽でした」
 先行したのは柴田竜史。桐山敬太郎(写真)は最終バック手前からの番手まくりで深谷を合わせ切った。
 「柴田君が気持ちの入ったレースをしてくれました。申しわけなかったんですが、自分のタイミングで番手から踏ませてもらいました。最後まで力が残っていたので、何とか深谷を合わせられた。自分の中では収穫ですね」
 4着に敗れた深谷知広は二次予選Bから巻き返しを図る。
 「失敗したので、しっかり修正します。明日もいいメンバーだし、負けないように走ります」
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