『第29回共同通信社杯(GII)レポート』 初日編

配信日:4月26日
 第29回共同通信社杯が福井競輪場にて開幕した。オープニングから激しいレースが展開され、波乱の決着も。ベテランはもとより、若手の健闘が光った初日となりました。明日は二次予選A、Bが争われます。
 なお、本場ではたくさんのイベント、ファンサービスで大会を盛り上げます。まずは開催を通して毎日先着で2001名様にプレゼントが当たる来場者抽選会を実施。また、空飛ぶからあげ、やきとり(秋吉)などの場内出店が予定されております。さらに、明日27日(土)は野原哲也さん、北川浩一さんによる予想会が行われます。こちらもどうぞお楽しみに。
開会式で敢闘宣言をする脇本選手
開会式で敢闘宣言をする脇本選手
悪天候により発走が遅れる
悪天候により発走が遅れる
井上茂徳氏よる予想会
井上茂徳氏よる予想会
山口幸二氏、野原哲也氏のトークショー
山口幸二氏、野原哲也氏のトークショー
<1R>
東口善朋選手
東口善朋選手
 東口善朋(写真)の勝利で幕を明けた。レースは藤田大輔が押さえて駆けると、前受けの稲川翔がイン粘りを敢行。最後の直線で東口が追い込んだ。
 「稲川が前々に攻めてくれたおかげ。僕は脚を使ってないんで感じは分からないけど、1着が取れてるんで悪くないと思います」
 番手を奪った稲川翔が2着に入る。
 「今日は良い位置を取ってから仕掛けるつもりだったんですけどね。ジャンから超スローになったんで、どこに行って良いか分からなくなって。とにかく後方にならないようにと思ってたらあの位置に」
 福島両者はかろうじて二次予選Bに進出した。5着の伏見俊昭は「何もできなかったね」と話す。
 佐藤慎太郎は4着に入り、「3着に入りたかったけど、コースが微妙だったんで。伏見さんが頑張ってくれました」

<2R>
村上博幸選手
村上博幸選手
 2レースは早坂秀悟が主導権を握るが、バックから村上博幸(写真)が自力まくりを決めて快勝した。
 「今は脚を戻す段階なんでね。自力のときは結構決まってるので。2月の落車が思ったよりひどくて、3月はどうしたら良いのか分からないくらいだったけど、4月に入ってようやく良くなってきました。平原とか強い自力がいたけど、勝ててよかった」
 山口富生がキッチリとマークして2着に入る。
 「僕らが前受けしたら放って置かれるんでね。村上とは初めてワンツーが決まったんで嬉しいよ。村上が強かった」
 宗景祐樹は矢野昌彦と連係が崩れたものの、立て直して3着に入る。
 「ダッシュが良くて離れてしまった。申し訳ないですね。(矢野が)もし突っ張ってたら単騎になってしまったし」

<3R>
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
 3レースは鈴木謙太郎が快速まくりで田中晴基を一蹴。菊地圭尚とワンツーかと思われたが、その3番手にスイッチした神山雄一郎(写真)が直線で鋭く突き抜けた。
 「(鈴木が)来るのが早かったから、もうあの展開だったら前に踏むしかなかった。3着はあるパターンだったんで思い切り力試しに踏んだら突き抜けた。菊地君の3番手から抜けたんだから、練習の成果が出たのかな。徐々に良くなってきてる感じだし、流れもあるだろうけど、自信になるね」
 鈴木をマークした菊地圭尚が追い込んで2着に。
 「謙太郎は掛かってたし、あとは2人で勝負だと思ったけどね。正直苦しかったですよ」
 鈴木謙太郎は豪快なまくりを決めたものの、自身の中ではまだ納得がいかぬ様子。
 「松岡君が車間を空けてたんで、追い掛ける勢いで踏んだけど、2コーナーからがもう一息だった。もう一段階上がらなかった。ずっとペダリングが良くなかったけど、昨日、今日で間に合った感じ。でも、悪いときだったら行けないけど、ホームで行けてるし、4コーナーから仕掛けられてるんで仕上がりは良いと思います」

<4R>
和泉田喜一選手
和泉田喜一選手
 4レースは小倉竜二が4角ハコ回りで絶好の展開となったが、ゴール寸前で林雄一とからんで落車。その後ろから和泉田喜一(写真)が突き抜けた。
 「まさかこんなこともあるんですね。神山(拓弥)君が頑張ってくれたしね。成清のアドバイスで前回の2日目から感じが良くなった」
 神山拓弥は河端朋之の3番手から2着に入る。
 「河端君は掛かってたしキツかったですね。欲を言えば1着が欲しかったけど、3番手を退かしていけたんで。伸びは今ひとつだったけど悪くないでしょう」

<5R>
 5レースは飯嶋則之が番手まくりしたその上を、山崎芳仁が力でねじ伏せた。
 「今日は位置を取りにいくよりは、引いて緩んだところを行った方がいいと思った。番手まくりがあると思ってたし、中団も早めに行かないだろうから自分から先に仕掛けました。西武園の前にしっかり練習できてたし、感じは悪くないですね」
 和田圭は懸命に山崎をマークして2着を確保した。
 「番手まくりをしてたのは分からなかった。飯嶋さんと兵藤さんがずっと横にいたんでアレッて。余裕がなくて気付かなかった。上の方を走ってたんで3着かなと思ったけど、ワンツーが決まってよかった」
 3着の飯嶋則之は「馬場君がジャンからフカしてたし、あれだけ行ってくれたからには無駄にしたくないんで」と話す。

<6R>
原田研太朗選手
原田研太朗選手
 6レースは新鋭の原田研太朗(写真)がまくって1着。浅井康太らの強敵を破って価値ある1勝を遂げた。
 「今日は単騎だったんで気持ち的に気楽だったけど、ジャンで9番手になってしまったんでどうしようかと。そうしたら浅井さんが行ってくれたんで助かりました。1着は嬉しいけど、自分のレースで勝った訳ではないんで、その辺は反省しないと」
 まくった浅井康太は3着に。
 「今日は最低でも6着までと思ってた。感触は今回から新フレームなんでもう少しかな」

<7R>
竹内雄作選手
竹内雄作選手
 7レースは竹内雄作(写真)が堂々の逃げ切り勝ち。番手の合志正臣が直線で落車するアクシデントもあったが、力強く押し切った。
 「合志さんが付いてくれたんで安心感があった。替えたフレームが合っているし、夏に向けてセッティングとかも変えているときだけど良くなってきてる。師匠にもアドバイスをもらってたし、あとは落ち着いて行くだけでした。予想した展開通りにいけたし自信を持って走れました」
 矢口啓一郎をマークから、稲村好将が伸びて3着に入る。
 「しっかり4番手を取ってくれた矢口君のおかげです。あとは僕は脚を溜めていくだけだった。落車明けにしてはバンクが軽く感じました」

<8R>
 8レースは小松崎大地が主導権。飯野祐太が車間を空けて援護するなか、最後は中位を回った長塚智広が鋭く突き抜けた。
 「サドルを下げたら感触が戻りました。思った通りの展開になりましたね。道中余裕があったし、車も伸びました」
 懸命に小松崎を援護しつつ抜け出した飯野祐太は、1/8車輪交わされ惜しくも2着に。
 「小野(俊之)さんのブロックは予想してたけど避けられなかった。甘かったですね。でも、出切ってからは余裕があったし、小松崎さんは掛かってたんで車間を空ければ後ろから来ないと思った」
 松川高大は仕掛けを逃して5着に。
 「出ようかとも思ったけど、飯野さんが車間を斬ってタイミングをうまくずらされてしまい、脚が折り合わなかった。小松崎さんは掛かってたし、飯野さんも強かった」

<9R>
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 9レースは窓場千加頼の3番手を取った渡邉一成がバックからひとまくり。最後は直線で芦澤大輔(写真)が追い込んで1着を手にした。
 「中団は譲れないところだったんで。決して付いていて楽ではなかったけど、渡邉君が頑張ってくれたおかげで1着が取れました。(渡邉が)出ていくときと(脇本を)持って行ったタイミングが合ってしまったけど何とか付いて行けました。ワールドクラスの選手と走るのは楽しみだったし、緊張しました。ワンツーが決まってよかったですね」
 渡邉一成はまくり切ったものの、「今日は重たかった」と話す。
 「体なのか、バンクなのか分からないけど。調子は良いと思ってたけど、まだまだですね。展開的には窓場君が先行したら3番手。脇本君が先行で後ろが離れてたりしたら番手も考えてました。集中できてたし、気持ちも入ってました」
 脇本雄太は2コーナーからまくり上げて3着に入る。
 「北津留(翼)さんが窓場君のラインに付いて行かなかったのは誤算でしたね。自分で決めつけていたのが悪いけど。ホームで一発もらって、バックでもう一回もらったんでキツかったですね」

<10R>
 10レースは小埜正義が主導権。この3番手をうまく取った武田豊樹がバックからまくって快勝。ラインで上位を独占した。
 「あの位置は欲しかったんでね。あとは新田(祐大)君も強いんで注意しながら。もし来たらその3番手にスイッチすることも考えてました。走った感じは良くはないけど、戦える状態にはあるんで。ちょっと修正しながら、また明日ですね」
 十文字貴信(写真)はきっちりマークして2着。
 「怪我はレース中は痛みは感じなかったので大丈夫だった。今日はラインの武田さんと齊藤(努)さんのおかげです」
 小埜正義は悔しがる。
 「くそー。うまく駆けようとしてたんですけど。ジャンで踏みすぎずに(新田を)誘って、来たら合わせて踏んで、武田さんの所でかぶって併走にしようと思ってたんだけど。(新田が)来なかった」

<11R>
荒井崇博選手
荒井崇博選手
 深谷知広がまさかの不発に終わる。レースは稲毛健太が押さえて主導権。上原龍が深谷に蓋をして中団を譲らず、下げさせられた深谷は後方7番手で不発に。車間を斬って稲毛を援護した中川誠一郎が直線で追い込み、最後は3番手で脚をためた荒井崇博(写真)がゴール寸前で差し切った。
 「内に差してしまったんで、後ろの様子が全く分からなかった。深谷がいつ来るのか、いつ来るのか心配だったけど、2人が頑張ってくれたんで」
 中川誠一郎は「稲毛君は5着に残った? よかった」と話す。
 牛山貴広が3着に入る。
 「後ろになったらとにかく(深谷を)出させない作戦だった」
 上原龍も「とにかく深谷君に力を出させないように。稲毛君に駆けさせて中団を取って、深谷君を後方に置こうと。着は良くなかったけど、やりたいことができたんでよかった」と説明する。

<12R>
南修二選手
南修二選手
 最終レースは坂本貴史が先制。中団4番手をうまく取った村上義弘がバックから鮮やかにまくって1着。しっかりと期待に応えた。
 「今日は悪天候だったけど、全く気にならなかった。色々と展開を考えてたけど、とにかく、後手だけは踏まないようにと思ってました」
 南修二(写真)がキッチリ追走してワンツーを決めた。
 「しっかり付いて行けてよかった。感じとしてはまあまあかな。前回の武雄のときよりは車が進むようになった」
 松岡篤哉は3着に入ったものの、内容に不満を残す結果に。
 「ジャンの肝心なところで接触してしまった。自分のミス。でも、脚的には良いと思います」
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