『第34回共同通信社杯(GII)レポート』 2日目編

配信日:9月15日

 舞台は500バンク、高知競輪場。「第34回共同通信社杯(GII)」は、9月15日に2日目が行われた。二次予選A、Bに分かれて争われた勝ち上がりは、平原康多、武田豊樹が白星で勝ち上がり、浅井康太は二次予選Aで権利ギリギリの5着で準決にコマを進めた。16日の3日目には、初日、2日目の予選を勝ち抜いた27人によって、準決の3個レースで火花が散らされる。
 本場では開催中の毎日、500人に先着プレゼント(3日目、最終日は土佐銘菓「サムライせんせい」)。女性・お子様に無料ドリンクサービス。なりきり龍馬撮影会、ケイリンVRコーナーなどが行われます。また、16日の3日目は、「ピスタチオ」によるお笑いライブ、「ジャガー川村」のものまねショー、「スピーチーズ」によるライブなども予定されています。高知競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

滝澤校長先生の競輪学校トークステージ
滝澤校長先生の競輪学校トークステージ
日本名輪会スペシャルトークステージ
日本名輪会スペシャルトークステージ
シュガートラップ ライブ
シュガートラップ ライブ
南関東ラインVS四国ライン バトルトーク
南関東ラインVS四国ライン バトルトーク

<1R>

近藤隆司選手
近藤隆司選手
 石塚輪太郎の動きに片折亮太が反応して、2人で重なるように前に出て片折が3番手に引いて石塚の主導権。隊列は落ち着いたかに思われたが、打鐘の2センターから片折が叩きに出て両者の踏み合い。石塚が主導権を死守も、中団の近藤隆司(写真)がまくってラインで上位独占を果たした。
 「(ラインが)3車だったんで、ちゃんと動いて3番手か5番手をと思った。片折君が仕掛けて、石塚君が出させてたら、まくれてなかったと思います。最後、踏み直せたし、ラインで決まってよかった」
 近藤マークの山賀雅仁は、直線で差を詰めるも交わせず。
 「後ろから来てじゃなくて、前で2人(石塚と片折)がやり合ってくれた。近藤に展開が向きましたね。それにしても強かった。自分は(中3日で)気持ちとかの疲れはあるけど体の方は大丈夫ですよ」

<2R>

中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 池田勇人、小松崎大地の順番で出たところを中部勢が押さえて主導権。しかしながら、先行態勢の伊藤裕貴は、ペースを緩める。8番手に置かれた中川誠一郎(写真)は、最終ホーム手前から反撃。合わせて駆ける伊藤をバック手前でとらえて、ロングまくりで押し切った。
 「前を取った時点である程度、ああいう展開になるのはわかってました。あとは緩んだところでと。(一次予選敗退で)勝ち上がりの緊張感がないけど、しっかりと体は動いています。また3日目からもお客さんの期待に応えられるようにしたい」
 最終2コーナーで熊本勢に切り替えた小松崎大地は、直線で前の2人に迫るも2着が精いっぱい。
 「もうちょっと(伊藤が)流すようだったら、(中川より)先に仕掛けようと思ってた。まだ伊藤君も踏んでなかったんで。(中川に)合わせて出られれば良かったんですけど…。ただ、踏んでいる感じは悪くないです」

<3R>

高橋和也選手
高橋和也選手
 佐藤幸治、高橋和也の順で前に出ると、そこを一気に新山響平が叩いて最終ホームから主導権を握るが、番手の神山拓弥が離れ、番手には高橋がはまる。1センターから岩本俊介がまくって、踏み直す新山とサイドバイサイドの争いとなると、高橋和也(写真)が直線外を伸びて前の2人をとらえた。
 「前々に踏んで行こうと思ってたけど、番手にはまれたんで。新山の掛かりはすごかったですね。たまたま差せた感じです。GIIで1着取れたのは気持ちの面でも大きい」
 岩本俊介は新山との力勝負を制して2着に。
 「新山がすごい勢いで行ったんで、そこを遅れないようにと思ってた。でも先頭が強かったんで、踏んでたつもりだけど、4車身ぐらい離れてしまった。そのせいで遠かったですね。最後はいっぱいいっぱいだけど、今の新山を倒せたのは大きいですね。(鎖骨骨折から復帰戦だが状態は)いいですね。自転車も新車だけど、体もいいけど道具もいい」

<4R>

櫻井正孝選手
櫻井正孝選手
 後ろで中井俊亮、竹内雄作がけん制をはじめると、打鐘前2コーナーから中団の真船圭一郎が切って中井を受ける。そこをすかさず竹内が叩いてホームから主導権を握るが、5番手から真船がひとまくり。続いた櫻井正孝(写真)が直線抜け出した。
 「強いっすね、真船が。あんな強いのは頼もしいけど、後ろもキツい。(指で輪を作って)バックでは視界がこんなに小さくなってましたよ。4コーナー抜けたら全開でと思ったら抜きすぎた。僕の感じも悪くないんでしょうね。番手を譲ってくれた(高橋)陽介さんにも感謝です。恵まれました」
 中井マークから高橋陽介を飛ばして北日本ラインに切り替えた山本伸一が2着に突っ込んだ。
 「なんとかっすね。シュン(中井)に任せた以上はと思ったけど、ああなったら自分でどうにかと思ってた。シュンも合わせて踏んでたけど、真船のスピードが違ったんで、僕はすかさず高橋さんのところに。その辺の対応力がまだまだですね」
 逃げる竹内の番手を回った志智俊夫が3着に入った。
 「みんな強いです。バンクが重い感じで、(竹内)雄作はスピードに乗せ切れなかったのかも。初日とは(バンクコンディションが)違う感じでした。(まくられたのは)力不足です、自分が」

<5R>

原田研太朗選手
原田研太朗選手
 打鐘の4コーナーで岡本総が渡邉雄太を叩くと、取鳥雄吾が最終ホーム目がけて一気に巻き返す。1センターで岡本を叩いた取鳥がバックを先頭で通過。番手の原田研太朗(写真)が、後方からまくり上げてくる渡邉をけん制しながらタテへと踏み込んで1着を手にした。
 「必死でした。取鳥君が頑張ってくれたおかげですよ。番手戦は自力で戦う時よりも緊張しますね。いつ仕掛けるのかわからないので。まだ自転車のセッティングで上積みは見込めそうだが、初日よりは良かったです。これからは(状態も)上がっていくと思う」
 最終バックを取った取鳥雄吾だったが、最後は失速して8着に沈んだ。
 「今回は(状態が)ちょっとヤバいですね。自転車が全然進まない。なにがダメなのか全然わからなくて…。とりあえず体をケアします」

<6R>

横山尚則選手
横山尚則選手
 4車の関東勢が前団に構える。澤田義和が打鐘過ぎに押さえると、横山尚則(写真)はちゅうちょすることなく6番手まで下げる。4コーナーで大槻寛徳が先頭になってスローペース。反撃のタイミングをうかがっていた横山は、最終ホーム手前からダッシュを利かせて襲い掛かる。大槻が番手に飛び付いて後続はもつれるが、2コーナーで出切った横山は最後の直線でもスピードが鈍ることもなく勝ち切った。
 「4車で並んだ関東なんで、なんとしても(積極的に)先頭を走らないとっていう思いでした。結果的には大槻さんが強くて、自分がどのタイミングで仕掛けたらいいのかってなってしまった。(前受けから引いて)最後一発ドカンって行った方が、(ラインとしても)一番結果がいいかと。(打鐘の)4コーナーで流れを殺さずに行けてればよかった。そこは反省しなきゃいけない。ただ、GIIで勝ち上がれたのは大きいし、こういうレースがいいキッカケになるようにしたい」
 「思ってた展開とちょっと違ったけど」とは、大槻寛徳。思惑が外れたものの、横山の番手を奪い2着に流れ込んだ。
 「理想は山中(貴雄)君を先行させて、自分が先まくりでした。(番手)飛び付きは頭にはなかった。前に出たのも、澤田さんに押し出された感じだった(笑)。踏めてるし、調子は良さそうですね」
 外に浮いた長島が後退すると関東3番手の稲村成浩は、大槻のインを突いて懸命にこじ開けて追い込んだ。
 「横山君はダッシュがいいから、付いていくのに必死だったし、そこに集中していた。大槻君の飛び付きや追い上げもあると思ってた。前が頑張ってくれたおかげです」

<7R>

川村晃司選手
川村晃司選手
 堀内俊介の上昇に合わせ、中団から山田久徳も踏み上げ3番手をキープする。最終2コーナーから山田がまくりを放つと、番手の川村晃司(写真)は車間を空けて、その外を迫ってきた山崎芳仁をけん制する。これで山崎のスピードが鈍ると、最後は山田をきっちりとらえて京都ワンツーを完結させた。
 「山田君が頑張ってくれた。いいタイミングでスピードもすごかった。番手回りは少しずつ慣れてきたけど、まだまだ甘い面もある」
 きっちりと好位を確保してまくった山田久徳は2着の結果にも満足げ。
 「初手の並びを確認した後からは、思い通りの展開に持ち込めた。僕にしては早めの仕掛けで出切って、後ろからの仕掛けがくる感じはなかったので、余裕を持って踏み上げられた。川村さんとの連係は失敗が多かったので、今回決まってよかったです」
 最終バック手前からまくった山崎芳仁だったが、川村のブロックで失速してしまった。
 「仕掛けるタイミングはあそこだったので。もうひと伸びする位置でけん制があり棒立ちのような状態になってしまった…」

<8R>

武田豊樹選手
武田豊樹選手
 前受けの吉田拓矢は赤板ホームから誘導員との車間を切ると打鐘前2コーナーから一気に踏み込んできた南潤を合わせ切ってしまう。番手の武田豊樹が離れ、村上義弘が南を吉田後位に迎え入れるが、そこを1センターから池田良がまくって来る。これに合わせて村上がバックまくり、村上後位で立て直した武田豊樹(写真)がゴール前で逆転した。
 「スピード差があったし、(南に)出られるのかなと思った。付き切ってればいいレースだったけど、申し訳ないですね。考えながら踏んだぶん、遅れてしまいました。マークを外したのは反省が残るし、3日目以降は修正したい。(オールスターの落車から復帰戦だが)少しずつ感じはつかんできたんで」
 バックから自力に転じた村上義弘が2着で準決進出を決めた。
 「2人ともこれからの時代を作っていく選手。激しい先行争いだったと思う。(南)潤が気迫のこもった、すごいレースをしてくれたのでなんとかいい結果をと思ったけど、そこは力不足ですね。(3日目以降も)ひとつひとつ一生懸命頑張りたいと思う」
 池田のまくりに乗った香川雄介が、渡邉晴智との3着争いを制した。
 「僕と池田のどっちかが中団。池田が前の方が(組み立ての)幅が広がるんじゃないかと思った。(池田が)打鐘で離れて脚を使ってたし、前に強い人が2人いたから(まくり切るのは)無理やと思った。最後は(渡邉)晴智さんも内を空けないだろうし、自分のタイミングで外から行きました」

<9R>

平原康多選手
平原康多選手
 後ろ攻めの永井清史が佐々木豪にフタをすると、3番手の平原康多(写真)は打鐘で切って永井の仕掛けを受ける。永井が佐々木に叩かれ、6番手になってしまったが、最終2コーナーから仕掛けると豪快に前団を飲み込んだ。
 「永井さんが佐々木君にすんなり叩かれていたので、まずいなって…。稲垣(裕之)さんも気になったのでかぶる前に仕掛けました。(自分の)タイミングではなかったけど、力で行けるかなと。初日の修正はできましたね。(乗っている感じも)初日よりは全然いい。高橋(大作)さんと決まるかなって思ったけど、自分だけが勝ち上がったので、ラインで決められなかったことが悔しいですね」
 久米康平が最終3コーナーで高橋大作をブロック。ラインの援護もあって、逃げた佐々木豪が2着に粘った。
 「なんとか勝ち上がれました。前々に攻めた結果ですね。出切るのに脚を使ったし、キツかったけど、出切ってからはしっかり踏めました。ここ最近のなかではいい感じで踏めたし、初日よりも感触は良かった。準決も強い気持ちを持って走ります」
 稲垣のマークの村上博幸が、直線でコースを突いて3着に入った。
 「最後はコースを見て入っていけました。2テンポくらい遅れて入ったけど、届いたので良かった。(3コーナーのあおりは)想定内の動きだったし、余裕もあったので。レースは微妙に難しかったが、届いて安心しました」

<10R>

山崎賢人選手
山崎賢人選手
 打鐘で出た吉澤純平を早坂秀悟がすかさず押さえて先行態勢を取る。前受けから7番手に引いた山崎賢人(写真)は、早坂のペースを見極めて最終ホーム手前からフルアクセル。ダッシュを利かせてスピードを上げる早坂を山崎が2コーナーでねじ伏せる。小川真太郎は連結を外して、早坂が山崎を追いかける。山崎は援護を失いながらも先頭に立ってグングンと加速。別線の追撃を振り切った。
 「車番的に(周回中は)前か後ろになると思ってた。(前だったら)全部引いてから勝負しようと。(仕掛けるのが)一瞬、遅かったですね。早坂さんが駆けていたし、その上を行ったんでキツかった。(調子は)全然悪い感じはしない。手応えもあります」
 単騎の簗田一輝は、最終バックで9番手の最後方。7番手の吉澤がまくりを打つと、関東勢に乗って大外を回し目の覚めるような伸びで2着に強襲した。
 「単騎だったんで自分のことだけを考えて、自分で行けるところからと思ってました。メンバーを見て吉澤さんが一番強いと思ったんで、そこから(組み立てよう)と。小川さんにしても欠場明けだから、(山崎に)ちぎれる可能性もあるんじゃないかって。(最終)2コーナーで自分で行ける感じがあったけど、吉澤さん、木暮(安由)さんがいてビビっちゃいました。(ビッグ参戦が)初めてなんですけど、走ってて楽しいです」
 飯野祐太、永澤剛を連れて先行の腹を固めた早坂秀悟は、山崎に屈するもラインの助けもあって3着に粘り込んだ。
 「初日、新山(響平)があれだけ頑張ってくれて(自分が番手を回った)。だから、(ラインの一番前で)自分がまくり追い込みっていうわけにはいかない。飯野さんがいいブロックをしてくれた。あれで山崎のケツを目がけてまくって行く力があればいいけど、結果的には詰まらなかった。悔しいけど力の差を感じた。次、また走った時は負けないように。若い先行選手が出てきている。でも、自分もまだ負けるつもりはない」

<11R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 打鐘の3コーナーで先頭に立った和田真久留は、郡司浩平(写真)、桐山敬太郎を連れてそのままペースを上げて逃げる。6番手で古性優作と松浦悠士が絡み、山田英明は4番手をキープ。郡司は後続との間合いと逃げる和田の余力を確かめて、最終バック手前から番手まくりで白星をつかんだ。
 「(和田)真久留が、こういう結果に導いてくれた。あの位置から一気にペースを上げて逃げてくれたおかげ。その気持ちに応えたいっていう表現が適切かわからないけど、桐山さんと決めるためにも番手から出た。小田原記念からのいい流れも崩したくなかった」
 後輩2人の頑張りを2着の桐山敬太郎が振り返る。
 「いままでは、いろいろあったけど(笑)。真久留が頑張ってくれた。正直に言って、こんな楽に勝ち上がったことは初めてだけど、いままでやってきたことも含めてのこと。そういう意味では調子がいいって言っていいのかも。連日、自力を出していない点はちょっと気になるけど」
 郡司、桐山に続いた山田英明は、外の松浦を弾いて直線で踏み込むも神奈川コンビを交わせず3着。
 「僕が前を取ってしまうと、不利なメンバーだったから我慢しました。この並びだったら、こういう展開だろうっていうのになった。ただ、和田君があんなに行くとは思わなかった。誤算でした。必死で飛び付いてめちゃくちゃ脚を使った。あれで自分で動ける脚はなかった。ノリさん(佐々木則幸)を連れて3着までと思ったけど…。でも、ノリさんと(準決に)乗れてよかった」

<12R>

清水裕友選手
清水裕友選手
 赤板1センターから動いた菅田壱道は中団の太田竜馬にフタをして最終ホーム手前から先頭に立つ。そこをすかさず太田も踏み込んで、2コーナーで菅田を叩き切ると佐藤慎太郎のけん制をたえて3番手の桑原大志も続く。8番手からまくった浅井康太も届かず、太田マークの清水裕友(写真)が好展開を生かした。
 「太田さまさまですね。(菅田に)フタをされたけど、そのぶん距離が(短くなった)。太田のパターンだったと思う。いいスピード差で行ってくれたし、それに尽きますね。うれしいです。太田の力で、僕は付いて行っただけ。(準決勝は)思い切って走りたいですね」
 太田竜馬は自慢のスピードでラインを上位に導いた。
 「ラインで決まってよかったですね。久しぶりにいい感じ。後ろを見る余裕はなかったけど、ずっと流れてる感じはあったし、悪くないと思う」
 佐藤のけん制で口が空いてしまった桑原大志だったが、なんとか追いつくと3着に流れ込んだ。
 「(けん制で口が空いた時に)2人頑張れと思って、応援に回った。でも、もう1回、菅田のところまで追い上げられたらと思って踏んだら行けたんで、あとは内だけ締めてと思ってた。清水も気を遣ってコースを空けてくれたし、若い子に助けられました。ただ、太田のダッシュはヤバいですね」
 8番手からの巻き返しは届かなかった浅井康太だが、辛くも5着で準決に勝ち上がった。
 「もうちょっとですね。展開が遅かったので負けたけど、しっかり勝ち上がることはできたんで。またチャンスがあるんで、しっかり修正したい」