『第22回共同通信社杯春一番(GII)レポート』 前検日編
 
配信日:4月15日


 今年度から新設されたGⅡ開催「共同通信社杯春一番」が明日から佐世保競輪場で開幕する。番組は全て、選考順位やレースの着順によって組まれる自動番組。さらに90期代の若手選手も多く参戦し、ファンにとっては新鮮なシリーズとなるだろう。明日のオール一次予選で、激しい勝ち上がり戦を展開する。
 開催中は毎日、ご来場感謝抽選会として、先着1000名様にオリジナルTシャツやクオカードが当たる抽選券を配布、車券購入感謝抽選会では先着1000名様に配布する抽選補助券と当日の2000円分の未確定車券で現金5000円が当たる抽選会を行います。さらに明日(16日)は地元選手との餅つき大会(12時から)も予定されています。明日から始まる「共同通信社杯春一番」を、ぜひ佐世保競輪場でお楽しみください。


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木暮安由選手
木暮安由選手
   1レースの1番車には現在売り出し中の木暮安由(写真)が入った。名古屋記念では完全VでG3初優勝を達成。今一番乗れているレーサーだ。
 「自動番組だけど、1レース1番車は期待されているようで光栄ですね。前回から2週間くらいあったのでしっかりと練習できたし、その後のケアもできた。感触は良かったので仕上がっていると思います。周りは皆、合宿をやってきているみたいだけど、自分はいつも通りの練習メニュー。今の調子をしっかりと維持できていれば戦えると思うので。一戦一戦頑張って決勝に乗りたいですね」
 対戦するのは福田知也。3月びわこは当日欠場。前回の地元川崎記念では3・9・8・9着と二日目以降は大敗。そろそろ流れを変えたいところだ。
 「前回は体調自体は良かったし仕上がっていたんだけど、二日目で気持ちが切れてしまった。でも今回は大丈夫。暖かくなってきて練習はしっかりとできているし、直前はスピード練習をやってきました。川崎のときより仕上がっているんじゃないですかね。今回はチャレンジャーでプレッシャーもないから気楽に走れるから頑張ります」


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三宅達也選手
三宅達也選手
   三宅達也と菊地圭尚の自力型がレースの流れを作る。三宅達也(写真)は得意のカマシで主導権取りを狙う。
 「前回(4月防府)は初日、二日目と1着がとれたけど、最終日は疲れが出てしまい、脚が全く回らなくて9着。でも、その後は休養を十分とったから今回は大丈夫。今回は自動番組で変則的だけど、自分の場合は誰が相手でもあまり関係ない。いつも通り、行けるタイミングで仕掛けるだけですから」


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藤田竜矢選手
藤田竜矢選手
   藤田竜矢、矢口啓一郎の自力がそろった関東勢は別線勝負を選択した。藤田竜矢(写真)は「できれば連係したかったんですけどね」と残念そう。「ずっと配分が詰まっていて走りっ放しで、前回の川崎記念は疲れがピークにきてしまい、腰の具合も良くなかったので途中欠場しました。月3本はキツいですね。今回はマッサージなどケアをしっかりしてきて、自転車は軽く乗ってきました。自分のやることは一つなので、相手を意識せずに思い切って仕掛けるだけです」
 成田和也は世界選帰りで体調が気がかり。
 「世界選手権は残念な結果だったけどショックや落ち込みとかはないし、もう気持ちは切り替わってますよ。日本に帰ってからはもう一度基礎的な練習をやって、乗り込んできましたよ。レース勘も問題ないと思います」


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神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
   ここは神山雄一郎(写真)が登場。「やりづらいですね」と関東の機動型不在のレースとなったが、荻原尚人を目標に勝ち上がりを狙う。
 「川崎はまあまあだと思ってたけど、ちょっと疲れがあった。そこから間もなかったのでここまでは休みました。疲れは多少抜けたと思います。佐世保ですか? 相性はまあまあ良いと思いますよ」
 競輪祭の落車で鎖骨、ろっ骨を骨折した後閑信一は今シリーズが復帰戦。「まだ鎖骨に痛みが残っている。練習はけっこうやったけど、レース勘もあるし、走ってみないと分からないですね」と、まだ万全の状態には遠い様子だ。


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永井清史選手
永井清史選手
   永井清史に稲垣裕之、牛山貴広の機動型が激突。永井清史(写真)は名古屋記念から3.85にギアを上げた。名古屋では勝ち星こそなかったが、ここでも引き続き85を使用するなど、一走ごとにギアの手ごたえをつかんでいる。
 「85は練習でも踏めてるし、名古屋でも重く感じなかった。名古屋からけっこう配分が空いたのでしっかり練習はできたし、ここ最近では感じが良いほうだと思います」
 対する稲垣裕之は平記念を8・8着で途中欠場して以来の実戦。1カ月以上の配分間隔で練習は十分のようだ。
 「やっぱり平はダービーの疲れがありましたね。今回は久しぶりに時間をかけて練習ができたし、乗り込み、モガキ込みにウエイトと量をこなしてきました」
 牛山マークの長塚智広はダービーを一走しただけで、その後は1カ月半の欠場。東王座で鎖関節を脱臼した体をケアして、ここに入ってきた。
 「ダービーはダメでしたね。肩の違和感もなくなったし、ここまではゆっくり練習してきました。ダービーよりははるかに良い状態だと思います」


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平原康多選手
平原康多選手
   平原康多(写真)に人気が集まりそうだ。前回の平記念はダービーの落車の影響がありながら準優勝と健闘。今回は良化しているので、前回以上のパフォーマンスが期待できるか。
 「ダービーの時とまではいかないけど、前回よりは体調はずっと良いですね。ただ、練習でやっていることがレースで出るか不安はある。そこが一番難しいんですよね。でも気持ちをずっと切らさないようにしているので、明日も思い切って自分のレースをするだけです」
 このレースには新田祐大、鈴木謙太郎、飯野祐太、佐藤悦夫と福島勢がなんと4車もそろった。並びが注目されたが、結局は新田―佐藤と飯野―鈴木で分かれて別線勝負となった。鈴木謙太郎は「ダービーの落車は大したことがなかったけど、その後、練習中に落車して肋骨を骨折してしまった。2本欠場して治療と休養にあてたけど、体調は万全ではないから明日は飯野君に前を任せました」と体調と並びの経緯を説明した。
 飯野祐太も「別線に粘られるなら、それぞれが持ち味を出せるように福島は別線勝負しようということになりました。前回の名古屋記念は体のバランスが崩れてしまい、大事をとって欠場しました。時間をかけてしっかりと直してきましたよ」と話す。


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伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   浅井康太の番手をめぐり、松尾淳と中村浩士でもつれそうだ。実質先行一車の利点を生かし、浅井康太が逃げ切りを図る。
 「佐世保は2、3年ぶりくらいで2回目。前回から中4日だったから調整程度に乗ってきました。状態は変わらないし良いと思います。明日は競りだけど、最近は後ろを気にせずに走れるようになったし、それからは成績が上がりました。明日は強い伏見(俊昭)さんに勝てればいいですね」
 その伏見俊昭(写真)は山田敦也、佐々木健司を連れて自力のレースとなりそうだ。
 「前回、川崎記念の決勝は展開が悪かった割には最後に凄く伸びたし、あの展開で2着に入れたのは自信になりました。ある程度、展開に左右されなくなってきたね。明日は目標がないし、流れに乗っていくしかない」


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小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
   ここは小嶋敬二(写真)がパワーで圧倒か。ダービーの3走目から使い始めた3.85のギアもようやく馴染み、今シリーズは「山崎(芳仁)と対戦するときは4回転でいく」というコメントまで飛び出した。
 「名古屋記念の決勝はもう少し早く仕掛けてれば俺か(加藤)慎平で決まってましたね。ちょっと大事にいきすぎました。名古屋のあとは普通にやってきたし、状態も悪くないと思う」
 石丸寛之は川崎記念の反省を踏まえて、ここまでの練習メニューを組んできた。
 「川崎では動きが悪かったので、今回はスピード練習重視で来ました。そこを生かせるかどうかですね。自動番組なのに豊田(知之)さんと一緒なのは心強い。去年の佐世保記念も二人で決勝に乗ってますからね」
 倉野隆太郎は今回がビッグレース初参戦。いきなり練習仲間の金子貴志との連係となったが、「一緒に練習してるし、気心知れた走りをしたい。今回でファンに名前を覚えてもらえるように頑張ります」と存在感アピールへ意欲的だ。


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伊原克彦選手
伊原克彦選手
   菅田壱道、佐藤友和に渡邉一成とそろった北日本勢は佐藤友和が番手回り。「ワールドカップのつもりで行ったら、全然違った。考えが甘かった」と初出場の世界選を振り返ったが、その後2週間の練習で競輪への自信は深めている。
 「東王座でケガした状態は前からよかったけど、ケガをしてからは久々に練習できましたからね。その点はすごく自信になってます」
 伊原克彦(写真)はビッグレース初出場。「初めてのビッグで福井一人は心細いですけどね」と言いながらも、他の91回生4名には負けたくないという強い気持ちを持ってシリーズを迎えている。
 「前回の別府は直前に体調を崩してダメだったけど、今回はもう大丈夫です。前回、前々回よりも調子は良いと思います。初めてのビッグレースに向けてというのは頭にあったけど、練習はいつも通りです。僕も同期に負けないようにアピールしたいですね」


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村上義弘選手
村上義弘選手
   開催初日から実現した村上義弘と武田豊樹の激突。前回川崎記念優勝で波に乗る村上義弘(写真)は、補欠からの繰り上がり出場とツキもある。
 「出場は川崎が終わった次の日に知りました。待ってましたって感じ。川崎も特別調子が良かったわけではないけどね。去年の秋から感触をつかんでると言ってた言葉に説得力がなかったので、結果が出てホッとしました。ここもしっかり走ります」
 武田豊樹は平記念では決勝進出を逃した。さすがにダービー直後で疲れが出たのだろう、平のあとはまず休養に充てたと話す。
 「平のあとは休んでから練習しました。10日くらい休んだので、ここまで1カ月くらいあったけどギリギリの調整って感じですね。佐世保は3回目。イメージは悪いけど、先行すれば残れる感じはあります」


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山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   横綱の山崎芳仁(写真)が登場。東王座は予選敗退。岸和田ダービー、地元平記念も準決勝止まり。競輪祭を制してからは精彩を欠いており、そろそろ反撃のきっかけをつかみたいところだが。
 「競輪祭を取ってから、気が緩まないように気を付けているつもりだけど、レースになるとどうもうまく行かないですね。気持ちを入れ過ぎても失敗するし難しいですね。ずっと1着が取れていないから、今回は1着を取って流れを変えたいですね」
 北日本は山崎が一人となったため、目標のない山口貴弘が山崎の番手を主張した。
 「山崎君に付くのは初めて。宇都宮競輪場が改修工事でずっと使えなくて、練習不足になってしまい最近は調子が悪かった。街道も行ってなかったし、室内のローラーしか乗れなかったので脚が落ちていました。今月のはじめにようやくバンクに入れるようになったから練習ができるようになりました。明日は山崎君の後ろだし、これからギアをどうするか考えて決めます」


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井上昌己選手
井上昌己選手
   地元のエース・井上昌己(写真)は最終レースに出走する。井上が検車場に現れると、待ち受けていた記者達が一斉に群がった。
 「特別な練習はしていないけど、ここ(佐世保バンク)で2日間だけミニ合宿を組んで練習してきました。ダービーでセッティングをいじって調子を崩したけど、今は修正できている。川崎記念は疲れがあってダメだったけど、そのあと2日間休んで体調を整えました。今回は仕上げてきたつもりだし、地元だから気合が入ってます」
 吉田敏洋は前回前橋は決勝進出は逃したが、2月岐阜、3月松阪を優勝するなど相変わらず好調を維持している。明日は後ろが他地区の齋藤登志信、内藤宣彦だが、「自分の場合は誰が後ろに付いても変わらない」とキッパリ。「配分が詰まっているけど疲れはないし、気持ちが続くのでそれは心配はないですよ。自動番組だから、明日以降もどういう組み合わせになるかは運ですね。でも、ここは成績が良いので思い切ったレースをすることが第一ですね」
 海老根恵太も好調を維持。前回の名古屋記念では吉田をまくって決勝に進出している。
 「名古屋が終わってからは4,5日休んでから練習を再開しました。佐世保は成績が良いから今回は楽しみ。行ける所でしっかりと仕掛けたい」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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