『第24回共同通信社杯春一番(GII)レポート』 2日目編
 
配信日:4月9日


 小松島競輪場で開催中の「第24回 共同通信社杯春一番」は2日目。今日は二次予選A、B合わせて7個レースで準決勝への勝ち上がりを争った。どんよりとした曇り空、小雨もパラつく生憎のコンディションとなったが、1レースからトップスターが高いパフォーマンスでファンを沸かせた。明日はいよいよ準決勝、ファイナリスト9名が決定する。
 予想会バトルや早朝レース検討会などは引き続き開催。明日(10日)は3R、9R発売中に天装戦隊ゴセイジャーのショーや写真撮影会が、新田計三、中田毅彦氏によるトークショーも4R発売中に行なわれます。明日もぜひ小松島競輪場へ足をお運びください。

<1R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
   目まぐるしく前が入れ替わったが、最終的に伊原克彦が主導権を握る。これを力でねじ伏せた中部コンビがワンツー。ゴール寸前で交わした坂上忠克が白星を挙げる。
 「今日は吉田のおかげ。でも昨日、今日と体が重いですね。上手く調整ができなかったみたい。下手くそです。抜けないと思ったけど良かったです」
 最近は歯車がかみ合わない吉田敏洋(写真)にとっては2着でも会心のレースだった。
 「順番が回ってきても駆けられないようだったら、この先の俺はないなと思ってた。昨日も同じような展開でミスしてる。落車は大丈夫じゃないけど、思ったより車が出たし、まだ弱くねえなと思いましたね。帰らずに敗者戦をしっかり走って良かった」


<2R>
新田康仁選手
新田康仁選手
   新田康仁(写真)が絶好の展開をモノにしての勝利。前団がもつれるのを一気にまくり去った。
 「今日は僕に出番が回ってきましたね。牛山君が1コーナーで内に差し込んだ時点で、あとはタイミングで仕掛けるだけだと余裕ができました。昨日は完全に力負けしてしまった。村上義さんより先に仕掛けることしか考えてなかったんですけどね。それでも行かれてしまったのは僕の力不足です」


<3R>
望月裕一郎選手
望月裕一郎選手
   逃げる関東ラインの3番手から望月裕一郎(写真)が鋭く抜け出し高配当の立役者となった。
 「思ったより楽でしたね。藤田(竜矢)くん、飯嶋(則之)くんが強いから付いて行ければ3着までに入れると思ってた。競輪祭の失格からどこかかみ合わなかったけど、めげずに練習はやってた。今年初勝利は嬉しいし、これがきっかけになれば良いですね」
 2着には三宅達也のまくりに切り替えた佐々木則幸が食い込んだ。
 「よし1着と思ったら内に望月さんがいた。(3.71の挑戦は)先行してないので何とも言えない。ただちょっと鈍いですね。踏み方に慣れてないので、もう少し上手く踏めれば良くなると思う」


<4R>
石毛克幸選手
石毛克幸選手
   石毛克幸(写真)は、目標の松坂洋平が不発になるピンチから、自力攻撃に転じて窮地をしのいだ。
 「柴崎君が前回に近い感じで踏んでたので、後ろで見ていても出切るのは厳しい感じでしたね。内、外どちらに行くか考えてたんですが、外を踏んだ方が堅いと判断しました。スレスレを行ったので4番(天田裕輝)のハンドルと接触しそうになって危なかったですね。調子自体は悪くないので、明日もしっかり走りますよ」


<5R>
大西祐選手
大西祐選手
   ホームから北津留翼がカマシ先行。合志正臣のアシストを受けて押し切るかに、大外をまくり追い込んだ大西祐(写真)が上がり11秒0の好タイムで突き抜けた。
 「高知記念の3日目から本格的に3.71のギアを使い始めた。北津留さんのカマシを追えたけど、五十嵐さんに合わされると思って追わなかったら五十嵐さんも追わずに後方になってしまった。テレビでここのバンクは早めのまくりかまくり追い込みが決まりやすいと地元選手が言ってるのを観たのであの仕掛けになった。補充なのにこんなレースで申し訳ないですけどね。2センターでヤバイと思ったけど、良く届いたと思う」


<6R>
荒井崇博選手
荒井崇博選手
   3着までが準決勝に進める二次予選Bがスタート。まず勝ち名乗りを挙げたのは荒井崇博(写真)だ。本格先行不在のレースだったが、ホームからカマシて見事に押し切った。
 「一丸さんは追い上げかと思ったんですけどね。内に詰まってしまうのが嫌だったので、思い切って仕掛けた感じです。あまりにも必死で、自分のスピードがどうだったか覚えてませんね。今日は加倉さんに抜かれなかったのが大きいですよ。先行した時はたいがい抜かれてますからね。ようやく日の当たる場所に帰ってこられました(笑)」
 加倉正義は悔しそうに、「今日は完璧な展開だったけど、逆にそれが仇になりました。冷静に考えれば、荒井がホームから仕掛けてるんだから、まくられる訳はないんですよ。余裕がありすぎて失敗しちゃいました。脚は悪くないんですけどね」。
 山口貴弘はがっくりと肩を落とす。
 「まさか一丸さんがインを斬るとは思いませんでしたね。今日はカマシまで覚悟していたんですが。神奈川勢も付いててくれましたからね。もっと早く引いて、単独になるべきだった」


<7R>
岩本俊介選手
岩本俊介選手
   岩本俊介(写真)が先行一車の展開を生かして快勝。末良く逃げ切り、初のビッグ準決勝進出を決めた。
 「今日はプレッシャーがすごかったですね。後ろの状況がどうなっていたかは分かりませんでした。今まで積極的に攻めてきたのが、今回の結果につながったんだと思います。準決勝も力を出し切ることだけですね」
 3着も、岩本の番手を死守した山賀雅仁は「良かったですよ。これで負けちゃったら、また(競りに)来られちゃうでしょう。どうしても勝ちたかった。準決勝に乗れたのは岩本のおかげです」と胸を張る。
 2着に食い込んだ筒井敦史は、初めてのビッグレースで遺憾なく存在感を発揮している。
 「今日は自分でもパーフェクトなレースだったと思います。井上(剛)君に任せたけど、直線ではシビアに行かせてもいました。準決勝はもっと厳しいのは間違いないし、ミスは許されない。完璧な走りができるよう頑張ります。ただ走るだけじゃなく、しっかり勝ちを狙って」


<8R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
   神山拓弥の先行ですんなり4番手を確保した海老根恵太(写真)が渾身のバックまくり。ダービー1走目以来の勝ち星に安堵の笑顔を見せた。
 「岩津(裕介)くんも前々のコメントだったけど、実質は(神山、石橋慎太郎との)3分戦と思って初手は2人の間にいようと思った。思った以上に展開が良かったですね。今日はそれだけ、展開が良すぎた。でも、これで吹っ切れた気がします」
 海老根マークの松坂英司が離れ、神山マークの金成和幸が2着をキープした。
 「拓弥のおかげ。彼の好きに走らせるつもりが、流れで先行してくれた。嬉しかったですね。できれば海老根さんを止めたかったけどね。脚は悪くない、調子は良いです」
 単騎の園田匠が上手く金成後位を確保して3着に食い込んだ。
 「単騎の競走は多いし、前々にいれば勝負権はあると思った。コーナーでからんで上がってしまったので、誰か来るとヤバイと思ったけど誰も入って来なかったから流れが良かった。脚には余裕があったので、落ち着いて走れましたね」


<9R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   伏見俊昭(写真)に笑顔が戻った。昨日は見せ場なく終わってしまったが、今日は一転。菅田壱道の番手で、まくり迫った田中誠を強烈なブロックで仕上げると、直線では計ったように踏んで菅田とのワンツーを決めた。
 「いいレースができましたね。菅田君が頑張ってくれていたので、僕も必死でしたよ。雨も降っていたし、スリップしないことだけ気を付けて。昨日はあまりにも重くてショックだったんですけど、今日はだいぶ軽くなってくれた。前検日は重い感じで入る調整を心がけているので、日に日に軽くなっていくはず」
 3着にはゴール前の踏み合いを制した朝日勇が食い込む。
 「岩見さんが前で頑張ってくれたおかげですね。ありがたいことです。田中君は、ここで行かなきゃダメというタイミングで行ってくれた。逆に、あそこで踏んでなかったら、僕たちのラインは完全にダメだったでしょうね。ビッグの準決勝は初めてです。と言うか、予選を勝ち上がったこと自体が初めてですけどね(笑)」


<10R>
松岡健介選手
松岡健介選手
   荻原尚人が先行する意外な展開となったが、松岡健介(写真)が強烈なスピードで勝利を手にする。
 「今日は冷静に走れましたね。荻原が行った時点で、中団からタイミングを見て仕掛ければいいという気持ちになれましたから。今回は踏みごたえもあるし、走路の重さに負けていない感覚があります」
 市田佳寿浩も松岡の強さに脱帽といった様子。
 「離れることはないと思ってたんですけど、今日はすごかったですね。見えながら離れていくのは何とも言えないものがあります。平原がカマすスピードで来たから重かったけど、僕も今までやってきたことがあるので内では負けられない。120%の力で追ったんですけどね。松岡君が準決勝に乗ってくれたのが何より嬉しいです」
 平原康多は薄氷を踏む思いでの勝ち上がりとなった。
 「ホームで終わったと思いましたよ。兵藤(一也)さんのおかげで何とか4着に入れました。(小岩大介と)接触して危なかった。打鐘までは思い通りだったんですけどね。ずっと無理矢理踏んでいたから苦しかった」


<11R>
浅井康太選手
浅井康太選手
   打鐘過ぎに武田豊樹、小野大介の順に先頭に立つと、そこをすかさず小嶋敬二が巻き返す。佐藤慎太郎のブロックをかいくぐって小嶋が出切ると、ゴール前で番手の浅井康太(写真)が抜け出した。
 「後方になるのかなと思ったら、すかさず小嶋さんは行ってくれた。強かったし、1周踏みっぱなしでしたよ。僕は脚を使ってなかったので、あとは車間を切って。差しに行くタイミングが分からなくて、早かったかなと思ったけどね。今日は恵まれました」
 小嶋敬二も達成感溢れる表情でレースを振り返る。
 「タイミング的には良かったですね。あれが武田だったら出させてくれなかったと思う。浅井の前を回って結果を出せて良かった。彼も前でと言ってたけど、武田と山崎(芳仁)が相手のときは俺が前を回りたい。そういうプライドはあるからね。この1着、2着は大きいですね」
 小嶋のまくりにスイッチした佐藤慎太郎が3着に。
 「スピードが違いすぎたし、小嶋さんが上を走ってたので止めるのは無理。浅井をさばきたかったけど、浅井が外に差しながら走ってるのを見てガッカリした。自分で思ってるより、今回は良くないのかな?」
 武田豊樹は5着で準決勝に進出。
 「先行してる番手(佐藤慎太郎)が強いので前を見過ぎちゃいましたね。僕の負けです。浅井の後ろに飛び付ければ連にからめる展開だったのに、甘い部分が出た。でも体調は大丈夫です」


<12R>
村上義弘選手
村上義弘選手
   村上兄弟VS山崎芳仁という注目の戦いはワンツーを決めた村上兄弟に軍配があがる。勝ったのは村上義弘(写真)。連日「必死ですよ」と謙そんするが、連勝での勝ち上がりと調子は上々だ。
 「博幸と幸二さんを連れて変なレースしたら大ひんしゅくなんやろうなと思ってました。今日はとにかく後方にならんように、最悪番手も考えながら走った。つねに総力戦ですよ。山崎が来る、山崎が来るとビビッてたし、栗原(厚司)さんが追い上げて来たらそれに合わせて行かないといけない。出切るまでは必死に踏み込んだけど、出切ってからは博幸に抜かれたくないという気持ちも少しありました」
 村上博幸がきっちり食い下がって兄弟でワンツー。
 「先を読むより、その場その場で判断せなと思ってた。めまぐるしく入れ替わったけど、落ち着いて対処できたと思う。脚に余裕があるから、それができてるんだと思います。直前も予定どおり最高の感触で練習ができてた。良い状態を維持できてると思います」
 3着にはホームで山崎を叩いた坂本亮馬が粘った。
 「すごい向かい風を踏まされたんでキツかったですね。でも今日は作戦が上手く行った。相手はギアがかかってるし、ペースを落としてダッシュ勝負に持ち込むつもりだった。でも3着に残れたのは後ろ(吉本卓仁)のおかげです」
 山崎芳仁はまさかの6着。二次予選で姿を消した。
 「(赤板で)村上さんも一緒に出てきたので、あとは動きを見てと思ってたけどね。ホームで(坂本が)あんなに流すと思わなかったから、あれが誤算。もう少しペースを上げとけば良かったかな。しょうがない」
   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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