『第74回高松宮記念杯競輪(GI)レポート』 初日編

配信日:6月13日

 伝統の東西対抗と新設のガールズGI。岸和田競輪場を舞台に大阪・関西万博協賛「第74回高松宮記念杯(GI)」と「第1回パールカップ(GI)」が、6月13日にスタートした。高松宮記念杯の初日は東西の一次予選1が行われ、地元の古性優作が落車に見舞われるアクシデントがあった。脇本雄太、郡司浩平は順当に勝ち星を上げてポイントを獲得。幸先のいいスタートを切った。また、パールカップでは、児玉碧衣、小林優香が西予選を鈴木美教、久米詩が東予選を1着でクリアした。6月14日の2日目は、高松宮記念杯では予選1、2。パールカップではファイナルをかけて準決で火花が散らされる。
 シリーズの開催中は毎日、東西ガチンコ予想会、オリジナルグッズが当たる未確定車券抽選会、岸和田グルメフェスティバルなどが行われます。また、6月14日の2日目は、ガールズケイリントークショー、人気声優の柿原徹也さんのトークショー、日本競輪選手会の大阪支部・新人選手紹介なども予定されています。岸和田競輪場では、みなさまのご来場お待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

開会式
開会式
昨年の覇者、古性優作選手から優勝杯の返還
昨年の覇者、古性優作選手から優勝杯の返還
敢闘宣言をする、古性優作選手と柳原真緒選手
敢闘宣言をする、古性優作選手と柳原真緒選手
9Rパールカップ西日本予選ゴール
9Rパールカップ西日本予選ゴール
10Rパールカップ東日本予選ゴール
10Rパールカップ東日本予選ゴール
11Rパールカップ西日本予選ゴール
11Rパールカップ西日本予選ゴール
12Rパールカップ東日本予選ゴール
12Rパールカップ東日本予選ゴール

<1R>

犬伏湧也選手
犬伏湧也選手
 稲毛健太が中団の犬伏湧也(写真)にフタをして赤板を迎える。前団の九州ラインが外に上がると、犬伏は空いたインをするりと抜けて先頭に立つ。犬伏が主導権を握り、4番手は内に稲毛、外に北津留翼で併走になり打鐘。山田英明は北津留と息が合わず連結を外す。北津留が外併走から踏み上げるが、犬伏もペースアップして駆ける。犬伏に小倉竜二の後ろの3番手に、北津留が割り込み、桑原大志が4番手で最終周回へ。5番手からまくった稲毛は不発。3番手の北津留は車間を詰めながら外を踏むが伸びない。二の足で犬伏が、後続を振り切った。
 「(周回中は)前が欲しかったんですけど、(山田の)スタートが早くて取れなかったですね。北津留さんが前だったんで、引いても勝負権がなくなると思ったんで、あそこで勝負しようと。でも、北津留さんが外を見ている感じで内が空いたんで、行かせてもらいました。バンクも軽かったんで。強い北津留さんと力勝負ができて勝てたのは大きいですね」
 同県の犬伏との差を直線で詰めた小倉竜二だったが8分の1輪差まで。
 「(犬伏は稲毛にフタをされて)いつもなら引いてたと思うんですけど、内が空いたのでいい感じでいってくれましたね。いいレースをしてくれました。いいペース配分でしたし、踏み直しもしっかりしていた。1周半行っているんで抜きたかったですけど強かった。腰の状態は今年に入って一番いい。脚は普通ですけど」

<2R>

小松崎大地選手
小松崎大地選手
 南関勢が切った上を小松崎大地(写真)が、打鐘手前で押さえてペースを握る。インを突くも詰まった佐々木悠葵が7番手に引いて、大石剣士は4番手でレースは流れる。後続の動きを冷静に見極めた小松崎が最終ホーム手前から踏み上げて、ほぼ同じタイミングで佐々木も反撃に出る。スピード良く迫った佐々木を佐藤慎太郎がブロック。北日本勢のラインプレーで佐々木は出られない。最終4コーナーで佐々木を弾いた佐藤が追い込むも、小松崎が押し切っての福島ワンツー。
 「車番も良かったので、取れた位置からしっかり動こうと。(先頭に立って)あそこまで引っ張ったら、(別線を)出させるわけにはいかない。カマされないように、まくられないように踏みました。自分がしっかりと駆ければ、(佐藤)慎太郎さんも仕事はしてくれるんで、そこは想定内というか、大森(慶一)さんもいますしラインに感謝したいです。状態は上がってきていると思います」
 佐藤慎太郎は、さすがのブロックで佐々木を阻む。直線までコースができずに小松崎を交わせずも、自身の動きには納得する。
 「(小松崎の先行が)長い距離になったんで、しっかりと自分の仕事をしてあげたいっていうのはありました。差せてないですけど、いいレースはできたかなと。(佐々木は)ちょうどブロックしづらいところで来たけど、あれで少しでもスピードが止まったんなら。1着が取れてもいい展開だけど、直線まで佐々木がいたし。状態が悪くて抜けてないってことではないので」

<3R>

浅井康太選手
浅井康太選手
 突っ張り気味に踏んだ松浦悠士を、打鐘過ぎに松岡辰泰が押さえ込む。松浦は伊藤旭をさばいて番手を奪うが、そこをすかさず谷口遼平が叩いて先行策に出る。三重コンビが出切り、3番手に松岡。4番手は松浦と追い上げた伊藤で併走になる。番手絶好の浅井康太(写真)は、抜かりなく後続との間合いを取って別線に備える。最終3コーナーから松岡をすくって追い込む松浦に合わせるように直線で踏んだ浅井が1着。
 「谷口君の先行意欲が高いので、周りを見て判断しながらって感じでしたね。僕も松浦君と松岡君の位置を見ながらでした。松浦君も松岡君も脚を使った状態でしたけど、自分は使っていなかったので状況判断をしながらでした」
 対、松岡ラインに脚力を消耗した松浦悠士だったが、番手無風の浅井との直線勝負にまで持ち込んで2着。
 「切ったあとに松岡君がすぐに来るかなって思ったんですけど、来なかった。谷口君が引いた感じに見えたので、踏みながら出させた感じですね。最終主導権は谷口君だと思っていたんで、緩ければ突っ張ろうと思っていましたけど。冷静には走れたと思います。結果的にもっと踏んでも良かったなっていうのはありますけど。脚を使ったわりに(最終)バックでも余裕はあったので、思っていたよりもいいかもしれないですね」

<4R>

吉澤純平選手
吉澤純平選手
 野口裕史は早めに上昇を始めて、4番手の眞杉匠に併せ込んでフタをする。赤板過ぎから再度、野口が踏み込んで、渡邉一成も突っ張り気味に踏むが野口が打鐘手前で出る。眞杉は構えることなく、そこをすかさず巻き返す。武田豊樹は遅れて、眞杉、吉澤純平(写真)で最終ホーム過ぎに叩き切る。野口が3番手に飛び付くもいっぱい。3コーナーから渡邉がまくるが、眞杉と吉澤の直線勝負。番手から追い込んだ吉澤が交わして1着。
 「(前回の全プロ記念の)富山がダメで休んで、もう1回(富山の初日に連係した)眞杉君とだった。それで不安の方が強かった。ちょっと口が空いたけど付いていけた。富山より良かった。眞杉があんだけ行ってくれたのもあるけど、抜けたのも良かった。今日(初日)走って、不安はちょっとなくなりました」
 最終ホームで野口を叩いた眞杉匠だが、いつものような軽快さが感じられない。持ち前の機動力で別線は寄せつけずも、こう振り返る。
 「前を取れたら突っ張って、長い距離をいきたかった。最近、長い距離は行けてないんで。実際は1周なのに良くなかった。セッティングをいじったのが良くなくて、脚見せから重たかった。体の方は、前回よりはいいかなと思います。セッティングは戻すつもりです。これから時間があるので、(セッティングを)煮詰めたい」

<5R>

脇本雄太選手
脇本雄太選手
 脇本雄太(写真)は、中四国、九州ラインを送り出して、7番手に構える。赤板2コーナーで4番手から踏んだ伊藤颯馬が、打鐘で主導権を握る。4番手に松本貴治が入り、後方の脇本は車間を詰めて最終ホーム手前からスパートする。荒井崇博が2コーナーで大きくけん制するも、すでに脇本はスピードに乗っていてもう止められない。脇本が前団を仕留めて力の違いを見せた。
 「ラインで決まったのはうれしいですね。僕自身、内容よりも結果を優先していた。松本君が押さえに来た時に突っ張るか迷ってしまった分、仕掛けが遅くなってしまったんですけど、行きたいタイミングでは踏めたので悪くないと思います。踏める距離が短くなっているのは、年齢的な衰えとかもあるかもしれないですけど」
 脇本のスピードに吸い込まれるように、地元の稲川翔が続いた。
 「僕が(最終)3コーナーで浮きそうになってしまったので、南(修二)さんを苦しめてしまったかもしれないですね。(3コーナーから)まだ加速して行きましたね。脇本君が力を出し切る走りをしてくれたら、それに応えるだけなんで。僕たちの方が緊張していたかもしれないですね。(駆け出しは)余裕があったので油断しなければいけるかなっていうのはありました。試行錯誤してきたんで、結果を出せて良かったです」

<6R>

成田和也選手
成田和也選手
 赤板過ぎに長島大介が出て、松井宏佑は4番手まで下げて新田祐大と併走になる。先頭の長島がペースを落として打鐘を迎える。それを見た新田は、外併走から4コーナーで仕掛ける。新田が叩いて先行策。北日本3車が出切り、そこに松井が好スピードで襲い掛かる。しかしながら、成田和也(写真)が、松井を最終3コーナーでピタリと止める。押し切り計る新田を、成田が差し切った。
 「(新田は)やっぱりいい踏み出しでした。しっかりとあの辺は追走しなくちゃっていう感じでした。そのあとは松井君もすかさずきたんで止めなきゃと思ったんで、止まって良かった。新田君も長い距離を行ってたんで、しっかりと差し込んでワンツーで良かったです」
 関東勢を射程圏に収めた新田祐大は、松井を内に封じ込めてスパート。好内容でシリーズを滑り出した。
 「あの展開も考えてましたし、ほかの展開も。先頭の長島君と(内の)松井君の感じで仕掛けるポイントを探していました。結構、踏み込んで先頭に出たんで、流さないでそのまま踏み込んでいった。松井君は早めに成田さんの横まで来ていた。それが想定外だったし、彼(松井)の強さかなと。(自分の感じは)悪くないと思います」

<7R>

東口善朋選手
東口善朋選手
 赤板過ぎに岩谷拓磨が押さえて出て、中団は古性優作と取鳥雄吾の併走。包まれた取鳥は、2コーナーで空いたインを進出するも詰まって出られない。打鐘を通過して3コーナーで一瞬の隙を突いて、岩谷の内から取鳥が主導権を奪う。が、後続は反応できない。取鳥に岩谷、中本匠栄となり、そこを古性が仕掛ける。最終1コーナーで中本のけん制に、古性が引っ掛かり落車。取鳥と番手から仕掛けた岩谷は壮絶な踏み合い。落車を避けて4番手で小休止の東口善朋(写真)が、直線で外を突き抜けた。
 「ジャンで岩谷君と取鳥君の動きを見ながらでしたけど、いつもよりテンポが遅いなって。まあでも古性君の脚があれば、どこからでも行くと思っていました。(古性が中本と接触したが)耐えたかなって思ったんですけど、落ちてしまった。パニックになりました。まさかの展開だったんで。最後は行けるところまでって夢中で踏みました。リカバリーはできましたし、踏めているのかなって思います」
 2位入線の中本は失格で、近畿ライン3番手の村田雅一が繰り上がった。
 「2場所連続で落車していたんで体が軽いっていうことはないんですけど、新車にしてセッティングもいいのかなって。体をケアしながら日に日に良くなっていければって思います」

<8R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 青野将大が、赤板過ぎに飛び出して主導権を握る。南関勢に合わせて動いた吉田有希が4番手を手に入れて、菅田壱道が7番手の一本棒。青野は緩めることなく風を切って、打鐘を通過する。前との車間を空けていた吉田は、詰める勢いで最終2コーナー手前からまくりを打つ。番手の郡司浩平(写真)は、吉田の仕掛けに反応して自力転じる。番手まくりで郡司が勝ち切った。
 「青野に任せてました。青野は先手を取る選手なんで、先手は譲りたくないっていう気持ちのこもったレースでした。早めに駆けてくれて、僕もかなり我慢しながら引きつけてっていう感じだった。ここで来るかなっていうところで(吉田が)来たんで感覚は狂ってないなって。付いててサラ脚で半周だったので、1着は取らなきゃいけなかった。体の関しては心配ない。前のおかげですけど、いいスタートが切れました」
 郡司マークの岡村潤は横に吉田が迫ったが、慌てることなく追走に専念して危なげなく続いた。
 「青野の行き方で、あとは(郡司)浩平が仕事をするのか、(前に踏んで)行くのかっていう感じだった。自分のなかではムダな動きとかがあったんで、そこを修正できれば。思ったよりも感じ良かった。(前回)自分のなかで気づいたことがあって、前検日に(自転車を)いじった。それがいい方向にいきました」

<9R>

児玉碧衣選手
児玉碧衣選手
 打鐘を通過してもペースは上がらない。周回中は6番手のポジションでじっとタイミングをうかがっていた児玉碧衣(写真)は、4コーナーからスパートする。2番手にいた山原さくらも察知して踏み込むが、児玉のスピードが違う。児玉が鮮やかに出切り、那須萌美が続いて最終1コーナーに突入。山原は車間が空いた3番手で、坂口楓華は6番手に置かれる。4コーナー手前で山原が前の2人に追いついて、ゴール前は3人が横一線。僅差の勝負は、那須、山原を振り切った児玉が1着。
 「中団が取りたかったんですけど。けん制が入ると思っていて、遅めに出たら失敗しました。でも、このメンバーで6番手なら先行した方が残れるかなっていうのはあった。仕掛けどころで踏めたので良かったです。軽かったんですけど、やっぱりGIで最初のレースっていうのもあって緊張した。力んで踏み込んじゃって、後輪が3回くらい浮いちゃってロスしましたね。1走してホッとしたところもあるので、明日(2日目)はもっと冷静に走れるのかなって思います」
 終始、児玉を目標にした那須萌美は、強烈なカマシにも離れず食い下がる。大金星まであと一歩の微差での2着。
 「最後は外からも来ていたので、自分が何着かはわからなかったですね。差した感触があったのは、ゴール過ぎだった。(初手の位置取りは)自分も中団にいたかったので、児玉さんの上昇に合わせてついて行きました。結果(児玉が)6番手になったので、絶対に1周は駆けるだろうと思ったので、ジャン過ぎからは付いていけるように準備していました。スピード差があったので自分まで出切れると思ってニュートラルに入れられました」

<10R>

鈴木美教選手
鈴木美教選手
 打鐘で誘導が退避して、前受けの奥井迪がそのまま駆ける。奥井がつくり出すペースにほかの選手は動けず、一本棒のまま最終ホームを通過する。3番手にいた飯田風音は、車間を詰める勢いで2コーナー手前からまくる。飯田があっさりと奥井をとらえて、飯田を鈴木美教(写真)が追いかける。直線の入口で飯田に並んだ鈴木が抜け出した。
 「正直、めちゃくちゃ緊張したんですけど、発走機を出たらいつもの自分のように行けるところでしっかりと行けました。奥井さんを見ながらどう動くかでした。(奥井が)前に行ったんで、(周回中は)4番手でした。ジャンで1回切ろうかすごく迷ったんですけど、誘導も奥井さんも(ペースが)すごい上がったんで切らないでいました。(飯田)風音のダッシュもすごくてキツかったけど、しっかりとゴールまで頑張れた。感じはすごくいいです」
 「もうちょっと前の方が欲しかった」との尾崎睦は、5番手で前の鈴木に流れ込んで2着。
 「(周回中のポジションは)もうちょっと前の方が欲しかった。緩んだら行こうと思ってたら、奥井さんがジャンから踏み上げていった。(走った感じは)軽かったんで、最近のなかではいいと思います。特別なことはしてないけど、(練習は)変わらずに師匠(渡邊秀明)がみてくれた。決勝には乗りたいと思っているんで、(2日目以降も)しっかりと気を引き締めていきたい」

<11R>

小林優香選手
小林優香選手
 赤板を過ぎると2番手の小林優香(写真)は、前の太田美穂と距離を取る。7番手の野口諭実可が、打鐘手前から3番手まで押し上げる。それに合わせて小林が車間を詰めて、太田もペースを上げて逃げる。3番手に野口が入り、4番手になった柳原真緒が2センターから外に持ち出す。しかしながら、クレバーな組み立てで2番手絶好の小林が、楽に追い込んだ。
 「自力選手が多いので前の方にいたいなって思っていました。上がって来たのが(太田)美穂さん1人だったので、入れて2番手でって思った。終始、落ち着いて走れたかなって思います。(尾方)真生も柳原さんも上がってきていなかったので、直線勝負をしようと思いました」
 包まれて下げた尾方は、最終バック7番手で万事休す。打鐘での追い上げがポイントだった野口諭実可が2着に入った。
 「今回は強烈な選手がいっぱいいたので、自分の自力は通用しないと思って昔やっていたマーク戦でいきました。柳原さん、尾方さん、小林さんって3人の誰かが自力を出すと思っていた。今日(初日)のレースで自信がつきました」

<12R>

久米詩選手
久米詩選手
 赤板では2番手の久米詩(写真)後位が、藤田まりあ(イン)と鈴木奈央で併走。そのまま打鐘を通過して、久米が2センターで外に持ち出して前の荒牧聖未を交わして先行態勢に入る。最終ホームから徐々にペースアップ。2番手には荒牧が飛び付き、狭いコースをインから押し上げた小林莉子が3番手。久米は慌てることなくペースに持ち込んで、後続を振り切った。
 「こういう大きなレースで強いメンバーがそろっているなかで、自力を出して勝てたのはすごい自信になりました。内に詰まらないことだけを意識してました。外の位置を確保しているところでは、冷静に(仕掛けて)行けるところをって思ってました。(自分の)先行1車っていう感じだったので、先行態勢に入れたら冷静に自分のペースに入れて踏み直せるように集中していた。脚の状態はすごくいいです」
 打鐘では7番手に置かれた小林莉子は、2センターから内をすくって進出。勝負圏内の3番手から外を伸びるも、審議対象だっただけに薄氷を踏む思いの2着。
 「(初めてのGIは)本当にお客さまがたくさん入ってくださって、ガールズケイリンがここまできたんだってうれしかった。(レースは打鐘で最後方になって)正直、焦りました。1車すくって(藤田まりあの)もう1車はバックが踏めなくてギリギリかなと。3番手まで行けたけどバタバタした。自分の脚も悪くない。でも、それ以上に久米さんがうまいですね。嫌になりますね(笑)」

<<2日目>>

<1R>

嘉永泰斗選手
嘉永泰斗選手
 前々回の函館で2度目のGIIIを制した嘉永泰斗(写真)は、続く全プロ記念を23着とまとめて順調なステップでGIを迎える。
 「(全プロ記念の)結果は悪くなかったと思う。けど、脚の状態が重かったので、しっかりと調整してきました。(練習と調整は)うまくいきました。ちょっとずつですけど、去年よりは脚は上がっている。その分の手ごたえはつかんでいます」
 清水裕友は、57着とかみ合わなかった全プロ記念の2走を振り返る。
 「初日は動けたけど(仕掛ける)タイミングとか悪くて、ブロックをもらった時に失速した。2日目はセッティングを変えてけど、あんまりいい感じではなかったですね。そのあとは計画通りに練習ができました。しっかり練習できたんで、体は大丈夫です。あとは結果を出したい」

<2R>

新山響平選手
新山響平選手
 全プロ記念のスーパープロピストレーサー賞はシンガリも、そこから2週間空いた新山響平(写真)は、トレーニングで好感触を得ている。
 「(全プロ記念の)2日目は自分の力を出し切れずに終わったんでかなり悔しかった。そのあとは思ったより練習ができたんで良かった。疲れも抜いてきたんで、かなりいいと思います。(今年はここまで)前半が良くなかった分、後半で決勝に乗れるようになった。ただ、(決勝では)結果がまだ出てないので、結果を出していきたい」
 最終日は悪天候の影響により中止になった坂井洋の大宮FIシリーズだったが、投入した新車には上々の感触をつかんでいるようだ。
 「(4、5月に)連続して落車して自転車が壊れた。それで前回(大宮)は新車にしました。セッティングをいじったりして、結果は良くなかったけど感触は良かった。そのあともガンガン練習して、(仕上がりは)いいと思います」

<3R>

三谷竜生選手
三谷竜生選手
 18年に当所で高松宮記念杯Vがある三谷竜生(写真)は、前々回の小倉FIでの優勝から続く全プロ記念を63着。
 「僕のなかででは、小倉でしっかりと優勝できたことが大きかった。全プロ記念はいい感じではあった。そのあとも変わらずで調子はいいと思います」
 5月の日本選手権を制して初タイトルを獲得した山口拳矢だが、前回の地元、大垣記念では3日目に落車に見舞われて最終日を待たずに欠場した。
 「(前回は)迷いがあったんで、ああすれば良かったみたいな。今回はそれがないように、自分の直感を信じていきたい。(落車の怪我は)ヒジを縫って、あとは擦過傷ですね。練習はしてきたけど、まだ体の感じは万全には戻っていない。初日休んで5走連続で走るっていうのは、キツいですね」

<4R>

平原康多選手
平原康多選手
 4月武雄記念の3日目に落車した平原康多(写真)は、5月日本選手権、全プロ記念も欠場を余儀なくされ、1カ月半以上ぶりの実戦を高松宮記念杯で迎える。
 「(怪我が)肩甲骨(の骨折)だったので、かなり時間が掛かりました。折って3日後くらいから下半身は動かしていたけど、あとは時間を待つしかなかった。でも、外で走れるようになってからは、感覚を確かめるたびに良くなってきていると思います。(1開催で)5走っていうのは厳しい復帰戦になると思うので、気持ちで補っていきたい」
 5月日本選手権を今年前半のピークに設定していた深谷知広だけに、その後の松戸FIの324着、全プロ記念の74着はある程度、織り込み済みの成績なのかもしれない。
 「ダービーまで仕上げてきたんで、その反動があると思う。それでパッとしないのは仕方ない。(今回も状態的には)変わらずですけど、そのなかで自分のやれることを探してやっていきたい」