『第59回高松宮記念杯競輪(GI)レポート』 前検日編
 
配信日:5月30日


 いよいよ明日から第59回高松宮記念杯が大津びわこ競輪場で開幕する。今年、唯一の五百バンクで開催されるGIは山崎芳仁、平原康多ら4回転自力型と、通常のギアを駆使する小嶋敬二、武田豊樹に村上義弘の激突が最大の見どころ。明日は東は青龍賞、西は白虎賞をメーンに熱戦の火ぶたが切って落とされる。
 場内イベントも盛りだくさん。解説者が東西に分かれて争う予想会(2、8、11R発売中)、週刊ヤングサンデーで連載中の漫画「Odds(オッズ)」のパネル展や、子供たちが楽しめるふわふわ広場を開催中毎日開催。明日は開会式、S級S班選手紹介に始まり、Mr.チョップリンショーが4、9R発売中に開催されます。ぜひ、大津びわこ競輪場へご来場ください。


<1R>
宗景祐樹選手
宗景祐樹選手
   オープニングの1Rは前回川崎FIが順延、さらに移動で中ゼロ日での参加となる山田敦也の体調が気がかりだ。
  「しょうがないし、レースが空きすぎるよりは良いと思います。川崎の次の日に帰って家でゆっくりしただけ、決して好調ではないけど、走れる状態だと思うし頑張ります」
  寬仁親王牌のGI初出場からほぼ1年が経った宗景祐樹(写真)は戦える状態に仕上げてきた。
  「今までGIに向けて何かをやったことがなかったけど、今回は直前に飯嶋(則之)くんたちと山梨で合宿してきました。不安もないし、感じも良くなってきました」


<2R>
濱田浩司選手
濱田浩司選手
   2Rは濱田浩司(写真)が好調を維持しての参戦。
  「前回の川崎は勝ち上がれなかったし、順延だったけど感触だけは確かめておきたかった。一走しかしてないけど、感じは良かったですね。調子も良くなってきてるので、今回は楽しみです」


<3R>
新田祐大選手
新田祐大選手
   3Rは北日本勢が人気を集めそう。先陣役を務める新田祐大(写真)は今回初の試みでビッグレースを迎える。
  「師匠(斑目秀雄)に『練習しすぎだ』と言われて、今回は逆に焦るくらい練習をやらなかった。刺激がなくて、ダルく感じるくらいが良いみたいです。疲れはないし、勝てれば良いですけどね。びわこは初めてだけど、スピードバンクは合ってるし楽しみです」
  斎藤登志信は静岡ダービー初日以来、二度目となる新田マークだ。
  「全プロのあとは一本欠場したけど、普通に練習できた。やれそうなってことはないけど、そういう風に気持ちを持っていくだけ。頑張りたいですね」


<4R>
佐々木則幸選手
佐々木則幸選手
   4Rの佐々木則幸(写真)は鎖骨骨折から復帰後3場所目。成績は大きな数字ばかりで言葉数は少ない。
  「成績が表すとおり。言うことはないですよ。得意の小倉でもこんな(78欠着)では…。連チャンで骨折するのも初めてだし、今はどうして良いのか分からない。つらいけど頑張るしかないですね」


<5R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
   5Rの海老根恵太(写真)は大垣記念でも決勝3着。宮杯初の決勝進出も狙える調子に上がってきた。
  「大垣の前は雨で思った練習ができず不安だったけど、思ったより踏めてたし感じは良いですね。5月の函館からギアを今の3.85に上げたけど違和感も疲れもない。ただ宮杯はあまり成績が良くないんですよね、苦手意識はないんだけど」


<6R>
山田裕仁選手
山田裕仁選手
   6Rは地元・大垣記念を制した山田裕仁(写真)が気分良く参戦と思いきや、思わぬ不安を口にする。
  「地元記念は恵まれだけど、流れは大事だからね。問題は連戦の疲れ。500バンクは状態の良し悪しがはっきりでるから、どうやって勝ち上がるかが大事になる。状態は良いから、疲れ。そこですね」
  山田に胸を借りるのは菅原晃。久々のGI出場だが、「3月別府FIからちょっとだけ4回転を使った影響で腰痛が出てたけど、一本休んでだいぶ良くなった。ゆっくりできたし、明日はやりがいがありますね」と調子の上積みが期待できそうだ。


<7R>
村本大輔選手
村本大輔選手
   7Rは石橋、村本の藁科コンビが3走連続で連係する。前回、川崎FIでは石橋の逃げを利し、今年初優勝を飾った村本大輔(写真)だが、心配なのは過密スケジュールによる疲労か。
  「ナイターで生活のリズムも違うし、疲れはあるかな?って感じですね。(川崎の順延で)やっぱり計画は狂いましたから。明日は何も考えずに石橋の踏み出しに集中するだけ」
  石橋慎太郎はFI戦3連覇こそ逃したが、自信を持って宮杯に乗り込んできた。
  「川崎のあとはゆっくりしただけで、自転車に乗ってません。前は勝ちに行くレースが多かったけど、ギアを上げて、モガく距離を長くしたら、それがかみ合ってきた。流れも良いんじゃないですか」


<8R>
加藤慎平選手
加藤慎平選手
   8Rは5月のあっせん停止から復帰戦となる加藤慎平(写真)に注目が集まる。
  「今まではケガからの復帰戦ばかりだったけど、今回は五体満足での休みだから意味合いが違う。いきなりGIっていうのは厳しいけど、楽しみのほうが多いですね。1カ月はケアや疲れを取って、1日1日を大事に使ってきた。いつもの調子に戻ったし、本当に楽しみです」
  GI初参戦の坂本亮馬はいきなり吉田敏洋や三宅達也ら強豪との対戦だ。
  「一時期に比べたら戦えるようにはなってきました。高知FIの前にやることはやっていたので、その後はゆっくりロードで脚を馴染ませてきました。まずはGIの場数を踏むことが大事だし、今回は色んな経験を積んで帰りたい」


<9R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
   9Rからは選抜戦にグレードが上がる。全プロのスーパープロピストレーサー賞を連覇、続く宇都宮記念でも好調をアピールした武田豊樹(写真)は「まずは自分のレースをするだけ」と静かに闘志を燃やす。
  「それまでにやってたし、宇都宮のあとは休みが中心でした。小嶋(敬二)さん、山崎(芳仁)くんは特に意識してないし、勝つための走りをするだけ。決勝に乗ってこそ強い選手だと思うし、まずは決勝に乗って。今の力なら決勝でも戦える自信はあります」
  菊地圭尚は前回の防府FIで準決勝9着と大敗したが、むしろ明るい表情で現状を説明する。
  「結果はともかく、感じは良かったので気にしてませんよ。久しぶりに良い頃の感触がつかめてきたので。今年はしっかり冬を乗り切れたんで心配ないです」


<10R>
村上義弘選手
村上義弘選手
   10Rには近畿期待の自力型両名が登場する。村上義弘(写真)は地元地区のGIへ気合十分。「やれることは全てやった」と初戦を待つばかりだ。
  「あとは走ってみてだけど、明日は人の後ろなんでね。でも1レース、1レース全力を出して4日間頑張りたい」
  稲垣裕之も好調を維持してびわこ競輪場に入ってきた。
  「直前に2日間、ここで走りました。午前、午後で風向きが違うけど、またタイムが出そうですね。練習はみっちりやってきました。4日間、自分のレースができれば良い結果が出せると思うし、感じは良いです」
  一方、2場所連続で落車の憂き目に遭った大塚健一郎はややトーンダウン。
  「落車で尾てい骨を打ったし、手術したヒザにも違和感が出たけど、一本休ませてもらったので…。体調はすぐれないけど、気持ちは折れてないです」


<11R>
渡邉晴智選手
渡邉晴智選手
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   11Rは東の特選となる青龍賞。直前に地元選手で行った合宿では「一番仕上がってた」と村本大輔が太鼓判を押すのは渡邉晴智(写真)だ。
  「みんな良い感じだったけど、合宿では僕が一番練習をやった。そこだけは自信がありますね。準備は十分にしたし、村本や石橋(慎太郎)たちと合宿の成果を出したい。やることはやったし、頑張るだけです」
  昨年以上の成績を狙う新田康仁は久々の青龍賞スタート。
  「風邪で体調を崩したけど、一本休んで練習できた。去年は準優で失敗したので、今年は優勝戦に乗りたいですね。まだ結果は出てないけど、練習の感じは悪くないし大丈夫だと思う」
  どこに行っても最大の注目を浴びる山崎芳仁(写真)は、いつも通り余裕の笑顔。
  「今さら言うことはないですね。調整に関しては問題ない。500バンクは得意だし、落ち着いて仕掛けられるんで問題ないでしょう。(宮杯は)獲ってるし、相性の良い大会だと思ってます。平原君と自分は全くタイプが違うので、明日は踏み合いも覚悟して…」


<12R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
井上昌己選手
井上昌己選手
   12Rの白虎賞には昨年度覇者・小嶋敬二(写真)が満を持して登場する。「(練習、調整)全て計画どおり」と大会連覇へ向け、全てが順調だ。
  「宇都宮記念で優勝して、勢いに乗るのも良いけど、宇都宮の決勝を仮想宮杯の決勝とするなら、2日目からギアの修正もふまえて色々試せたと思う。山崎(芳仁)が欠場したのは誤算だったけどね。その後は普通に練習して3日前から休みました」
  復調してきた井上昌己(写真)も怖い存在になる。
  「もう体調は問題ないです。武雄FIから間隔もあったし、しっかり練習もしてきました。500だけど、びわこはすんなり先行されると厳しい。タイムの出るレースになると良いんですけどね」
  村上博幸は地元近畿のエースとして発進。だが全プロ記念での落車が気がかりだ。
  「落ちた瞬間は、(宮杯に)間に合うかどうかって感じだったんですが、何とかなりました。直前の練習もそれほど悪くはなかった。でも、せっかく良くなってきた手ごたえをつかみかけたところでのケガだったので悔しいですね。今は気持ちでカバーするしかないと、良い意味で開き直ってます」

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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