『第60回高松宮記念杯競輪(GI)レポート』 前検日編
 
配信日:6月17日


 明日18日から第60回高松宮記念杯競輪(東西対抗戦)が大津びわこ競輪場で開幕する。名だたる実力者たちが覇権を争った格式ある大会も今年で60回目。今年もS級S班を筆頭にそうそうたる面々が集い、熱い激闘を繰り広げる。前検日から、検車場はすでに熱気むんむん。そんな現場の声をお届けします。
 なお、本場では様々なイベントを開催して皆様のご来場をお待ちしています。明日は名輪会によるサイン会や、「ginoran」によるミニライブ、ほかに場内予想会や素敵な景品の当たるラッキーカードの配布などが行われます。ぜひとも大津びわこ競輪場へお越しください。なお、高松宮記念杯開催中、特設携帯サイトを開設します。アドレスはhttp://g-keirin.jp。ライブ中継(docomoのみ)やダイジェスト映像を配信します。その他にも注目レースの紹介など内容は盛りだくさん。どうぞこちらもアクセスしてください。


<1R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
   1レースから8レースまでの奇数レースは西一次予選。1レースからは機動型2名をピックアップ。中川誠一郎(写真)は前回の宇都宮記念では、勝ち上がりで2勝を挙げるなど大いに活躍した。ここも期待がかかるところ。
 「ホームも500バンクだし、宇都宮も500バンクでしょう。自分に合っているんですね。前回良い成績を残してここに来れたことが何よりも大きいです。先日、30歳になってこれが初めての競走。一層気を引き締めないといけませんね」
 柴崎淳は前回の全プロ花月園から約1ヵ月間隔が空いた。
 「全プロの後にすぐにアジアカップがあったんです。その後、2週間以上空いたし、実戦モードに切り替えたつもり。大きいことは言えないけど、最低でも準決勝くらいまでには勝ち上がりたいですね」


<2R>
石毛克幸選手
石毛克幸選手
   2レースから8レースまでの偶数レースは東一次予選となる。5名そろった関東勢は2分された。太田真一、高橋大作に前を任された藤田竜矢が「自分はいつも通りに積極的なレースをするだけ。初日に弾みを付けておかないと、その先が長いですからね」と話せば、山口貴弘も「十文字(貴信)さんが付くし、何でもやる。こういう番組になった以上、シビアにいきます」と、ともに意気盛ん。
 石毛克幸(写真)は、「前回から2週間空いたし、調子は全く問題ありません。このところ決勝にもずっと乗れているし、流れも良い」と近況を説明する。


<3R>
濱田浩司選手
濱田浩司選手
   3レースの松岡健介は地元地区でのビッグ開催に気合十分かと思いきや、意外と冷静だ。
 「直前にここ(びわこ)でバンク練習もしたし、しっかりと準備はしてきた。オーバーワークでもないし、身体が動けばやれるはず。今さら慌てたって仕方が無いですから」
 濱田浩司(写真)も「今は調子が良い」と気炎を上げる。
 「これまで慢性的な疲れや腰の疲労があったんですけど、6月に入って急に癒えてきました。それが練習なり、実戦なりに出ていますね。ここはタイムも出るし、ゆったりと構えられる。慌てずに踏めれば行けると思います」


<4R>
後閑信一選手
後閑信一選手
   4レースの後閑信一(写真)は、前回の地元記念(京王閣)を制覇し、勢いを手繰り寄せたかと思われたが…。
 「京王閣に労力を使いすぎたからもうクタクタで、終わってからはずっと休んでました。思いのほか疲れが抜けるまで時間がかかり、ここに向けて追い込んだ練習ができなかった」
 佐藤慎太郎は、今回が久々のGⅠ戦となる。
 「去年のダービー以来だから1年3ヵ月ぶりになりますね。今回は中心メンバーではないし、その分気楽に走れると思う。5月にじっくり練習ができたし、調子はキープできている。久々のGⅠでどれだけ今の力が通用するか確認したい」


<5R>
北津留翼選手
北津留翼選手
   5レースの北津留翼(写真)は前回の別府記念では2・3・1・3着と好走。ようやく調子が上向いてきており、今回も程よく間隔が空いた。
 「怪我もほぼ完治したし、練習での感触も良い。今は身体を動かすことが楽しいし、毎日充実した練習ができています。ここの前に実業団のトラック選手権に出場しましたが、そこでも優勝できたし、タイムの更新もできた。流れも悪くないですね」
 市田佳寿浩は前回の別府記念を制覇し、気分良く今開催を迎えた。
 「別府の優勝は突然だったけど、一番いい所で獲れました。そのおかげでモチベーションを保てているし、今は良い意味での緊張感もある」


<6R>
山田敦也選手
山田敦也選手
   6レースの山田敦也(写真)は、前回の京王閣記念では決勝進出こそ逃したが、3・2・7・2着と連日善戦。今回は齋藤登志信に前を任せて勝機をうかがう。
 「自分が前で勝負しても良かったけど、そうすれば別線のまくりを誘発するかもしれない。それならば登志信さんに付いていって、どこまで突っ込めるかに賭けたい」
 石橋慎太郎と矢口啓一郎の両機動型は、ともに元気が無いのが気懸かりだ。石橋慎太郎が「今は展開が向いたときしか勝てていない。全てが噛み合っている時は、そんな事も一切考えなかったのに」と話せば、矢口啓一郎も「久留米記念を追加で走った分、ちょっと疲れが残っている。どうなりますかね…」とそれぞれ不安を口にする。


<7R>
村上博幸選手
村上博幸選手
   7レースの村上博幸(写真)は「このところ身体が動く」とのこと。ここも期待が持てそうだ。
 「持病の腰痛も今のところ落ち着いているし、今は本当に体調が良い。FⅠですけど、5月の川崎で優勝できたし身体が段々動いてきました。間に合って良かったですよ」
 片や佐々木則幸からは、景気の良い言葉が聞こえてこない。
 「今は走れるけど、それ以上の上積みが無いんです。身体に合わせてギアをいじったりしているけど、それもなかなか噛み合わない。自分のコンディションを把握できていないんですね。戻るまでちょっと時間がかかりそうです。だけど、これだけの大きなレースに出るわけだから、最低でも一回は見せ場を作らないとね」
 


<8R>
木暮安由選手
木暮安由選手
   8レースには木暮安由(写真)が登場。明日も自分のスタイルを貫く構えだ。
 「練習でも実戦でも何一つ変わったことはしていないんです。自分はいつものレースをするだけ。だけど初のGⅠ戦だし、それなりに緊張はしていますよ。それに、全員東の人が相手だと走りにくいですね」
 長塚智広は前回の京王閣記念で優参。2月高松東西王座での負傷から立ち直り、ようやく上昇気流に乗り出した。
 「肩もようやく回復してきたし、状態は間違いなく上がってます。今は自力でやっても全く問題ないレベルだし、楽しみですね。明日は横田(努)さんも三番手に付けてくれるわけだし頑張りたい」


<9R>
浅井康太選手
浅井康太選手
   9レースは西選抜戦。村上義弘は検車場で終始表情を引き締めており、淡々と記者団の取材に応じる。
 「ちょっと計算と違ったこともあったけど、順調にここまで来れた。それに後は無いくらいの気持ちでやってきたつもりです。明日は勝てる位置にこだわって何でもやりたい」
 浅井康太、永井清史、吉田敏洋と三人の機動型がそろった中部勢は、浅井康太(写真)が先陣を切ることとなった。
 「前回の福井Sでは、ここに向けて脚を作っておきたいと思って、3日間逃げました。初日は5着だったけど、1周以上逃げられたし結果的にも優勝できたので収穫はあった」
 三宅達也は四国コンビの後位を固める。
 「前回の宇都宮記念では3日目まで正直動きが悪かったんです。だけど最終日にどういうわけか感触が良かった。そのあと一本あっせんを休んで、身体のケアーに充てました。明日はいつもと違う競走になるけど、しっかり仕上がっているしそれなりにやれると思う」


<10R>
新田祐大選手
新田祐大選手
   10レースの福島勢三者は、ナショナルチーム・チームスプリントでしのぎを削った間柄。実戦での連係はこれが初めてとなる。先頭で走る新田祐大(写真)は「競輪では初めてですけど、競輪は競輪、競技は競技ですから。確かに少し変な気持ちではあるけど、この先も連係することもあるだろうし、不安は無い」と全く意に介していない様子。
 兵藤一也は目標不在の競走に何やら思案顔。
 「きついなあ。北にあっさり駆けられると厳しいよね。目標も無いし、明日は何でもやる。ただ、やみくもに分断にいくのもちょっとね…」
 新田康仁は「別府を終えてから3週間空いたし、身体は万全。山梨の方に合宿に行ったんですけど、そこでしっかり仕上げられました」と意気込み十分だ。


<11R>
山田裕仁選手
山田裕仁選手
   11レースは西日本勢から選出された9名によって行われる『白虎賞』。小嶋敬二は何やら充実した面持ち。思い通りの調整が適い、表情も明るい。
 「5月のSSシリーズを走ってから、記念を入れなかったんです。レース以外でも試したいことがあったし、集中して練習がしたかったから。前回の地元戦(FⅠ)で優勝できなかったことを除けば、順調にここまで来れたと思います」
 その小嶋には山田裕仁(写真)がマークする。
 「宮杯の場合は、白虎賞に乗ることに意味があるでしょう。そういう意味では良いスタートが切れそうだなと。前回の宇都宮記念で全く駄目だったのはオーバーワークが原因。しっかり修正できたし、今回はやれるはず」
 井上昌己は「別府記念を終えてから、けっこう時間が空いたから練習をきつめにやってきました。このバンクはタイムも出るし好きなバンクのひとつ。そろそろ調子を上げていかないと」と、決意を滲ます。
 紫原政文は満を持して臨んだ久留米記念では決勝3着と涙をのんだ。その分までもと意気込んでいる。
 「オーバーワークってことは無かったんですけど、(久留米は)気合が入りすぎていました。久留米の直前までやっていた調整はうまくいったはずなので、ここでその成果が出ればいいですね。というより出なきゃいかんでしょう」
 石丸寛之は前回、京王閣記念を途中欠場。立て直せたのだろうか?
 「前回は戦える状態だったのに、何か身体と気持ちが噛みあわなかった。だけど、失敗もしっかり修正できたし今回は大丈夫だと思う」


<12R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   12レースは東日本勢から選出された9名によって行われる『青龍賞』となる。ディフェンディングチャンピオンの渡邉晴智は「もう過ぎた話ですよ。自分はやれることやって結果を待つだけ。ただ、海老根がいるのは心強いよね。前回(京王閣)の決勝も(海老根)恵太と一緒だったし。相性は本当に良い」と、海老根に全てをゆだねる。
 その海老根恵太は「前回、京王閣で決勝に乗れたけど長い距離をモガけなかったことが心残りだったんです。でも、そのあと練習でしっかり踏めたし大丈夫」と自信満々だ。
 伏見俊昭(写真)は宇都宮記念を腰痛で欠場したが、今は完治していると話す。
 「酸素カプセルや超音波を使って治してきました。1ヵ月空いたけど、間隔は問題ありません。本当ならば宇都宮で3・85のギアを試したかったけどできなかったんです。だけど練習でも感じが良いし、感触を見て、いけるようならば85を使ってみようかなと考えています」
 山崎芳仁は「前回の京王閣記念のあとは何日間か疲れを抜いて、あとは今までのペースを崩さずに練習していました。京王閣では結構踏めたし、久々に納得行くレースができましたね」とニンマリ。

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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