『第63回高松宮記念杯競輪(GI)レポート』 初日編

配信日:6月14日
 函館競輪場にて第63回高松宮記念杯競輪が本日6月14日から開幕。オープニングの1レースから激しいレースが展開され、興奮は最終レースまで続いた。初日から北の寒空を吹き飛ばすような熱戦が繰り広げられました。
 なお、本場では開催を盛り上げるべくたくさんのイベント、ファンサービスが予定されております。まず明日は来場者先着200名様に「函館スイーツの会」加盟各店の函館名菓をプレゼント。音楽とファッションの野外フェス「HAKODATE」のメンバーである市内飲食店の女性スタッフが集合し、黒船ガールズキッチンを開設します。その他、朝の公開指定練習見学、未確定抽選会など盛りだくさん。こちらもどうぞお楽しみに。

開会式選手宣誓
開会式選手宣誓
青龍賞・白虎賞表彰式
青龍賞・白虎賞表彰式
青龍賞ゴール
青龍賞ゴール
白虎賞ゴール
白虎賞ゴール
<1R>
 オープニングレースは松坂洋平の先行に乗り、林雄一が番手から有利に追い込んで勝利した。
「ワン・ツー・スリーだし、最高の形で決まりましたね。松坂君とはここ2、3回連係してホームから行ってまくられていたけど、今日は上手く踏んでくれた。あとは車間を斬れば岡部(芳幸)さんも来辛いかなと。良かったです」
 加藤圭一は流れ込んでの2着に「展開に助けられました。僕は付いて行っただけなんで」と恐縮しきり。「ここのところ落車が続いたけど、一本休んだから大丈夫です。これで流れが向いてくれれば」と期待を寄せる。
 松坂洋平は早めの仕掛けも、粘りを発揮して3着に。
「ラインが4車なんで早めに動きました。踏んだ感じは良かったし、3着に残れたんで調子は良いと思う。ただ、寒いのと朝イチのレースはキツいですね」

<2R>
坂上樹大選手
坂上樹大選手
 スタートがそろわず再発走となった2レース。後ろ攻めから主導権を握った川村晃司と打鐘過ぎから巻き返した吉本卓仁でモガき合い。上手く吉本後位を取っていた岩津裕介がまくって出ると、その後ろにスイッチした坂上樹大(写真)が直線鋭く突き抜けた。
「川村さんが頑張ってくれたので。岩津に切り替えたら、(岩津が)止まったので踏んだ。伸びましたね。4月のあっせん停止の間に練習できたのがデカいです」
 2着には大ギアを生かして西川親幸が突っ込んだ。
「卓仁の仕掛けには付いて行けなかった。あのスピードで付いて行ったら、千切れて終わりだからね。その後はいい展開になってよかった。踏み出しは悪いけど、後半はギアもあるんで伸びるね」
 岩津裕介は何とか3着で2次予選に。
「僕は相手に合わせての仕掛けや位置取りなんで。1番(吉本)が僕のところで休んだんで、ああいう(飛び付く)形になりました。相手が強いし難しいですね。最後は脚が一杯でした」

<3R>
鈴木裕選手
鈴木裕選手
 3レースは池田勇人が先行。中団を取った五十嵐力がまくって出ると、これに乗った鈴木裕(写真)が直線で外を突き抜けた。1着を手にした鈴木だが、「結果オーライだけど、あれでは後ろに迷惑を掛けてしまう」と、先輩の鈴木誠を気遣う。
「五十嵐さんを中団に入れてから、五十嵐さんが先に行かなけりゃ自分が行こうと思った。でもホームで行こうと思ったけど、いつも失敗する位置だったんで見てしまった。1センターでも行こうとしたけど前が踏んでしまったんで。今日は運が良かった。でも、明日またあるし、明日は力を出し切るレースをします」
 五十嵐力は予想外の展開も、4番手好位からまくって2着で二次予選行きを決めた。
「初手の後ろ攻めは全く考えてなかったけど、取り合えず早めに押えれば(別線が)行ってくれるかと。中団が取れたけど、後ろがどうなってるのか全然分からなかった」

<4R>
山田裕仁選手
山田裕仁選手
 柴崎淳も早めに始動するが、稲毛健太が出させず主導権。3番手で立て直した柴崎がバックからまくると、番手の山田裕仁(写真)が抜け出した。
「(井上)昌己より前にいるのだけが作戦。上手く中団が取れてラッキーだったし、淳が前々に攻めてくれたんで僕も良い位置を回れた。今日は展開に恵まれました」
 2センターで内を踏んだ柏野智典は3着で2次予選に勝ち上がる。
「(2レースの)岩津みたいなレースをしたかったけどね。4番(三谷将太)の内は危ないのであまり狙ってなかったけど、2番(柴崎)の出も良くなかったのでいけるところまでと思った。結果、良かったですね。調子も悪くないと思います」
 2着の柴崎淳は「無理やり出てやろうと思ったけど、向こう(稲毛)も思い切り踏んできたので。あれで脚に来てましたね」とレースを振り返った。

<5R>
 5レースは坂本貴史が地元勢を連れて先行する展開に。ホームから巻き返した岩本俊介がまくり切り、斉藤正剛が番手に飛び付いてもつれたところを、最後は小林大介が力でねじ伏せた。
「坂本君が押えて流したら自分が行こうと思ってたけど、結構踏んでたんで。あとはゴチャ付くのを待ってたんで、からまれないように気を付けながら行きました。余裕もあったんで、周りを見ながら凌げた。踏み切れてたんで調子は良いと思います」
 松坂英司は斉藤に飛び付かれたものの、これをしっかりと凌いで2着をキープした。
「岩本君が早めに行ってくれたおかげ。ブロックがくるだろうけど、強引に踏んでくれたね」
 明田春喜が3着に入り、地元の意地を見せた。
「今日は付いて行っただけなんで。(落車があって)危なかったけど、余裕はあったんで何とか避けられた。今日は前が頑張ってくれたおかげ。明日はしっかり頑張ります」

<6R>
三宅伸選手
三宅伸選手
 永井清史が打鐘から主導権を握ると、内をすくった菅原晃が4番手を確保。その菅原がバックからまくり上げると、野田源一が合志正臣の内に切り込む。合志が野田を気にすると、野田マークの三宅伸(写真)が外を一気。横一線の1着争いを制した。
「良かった。(野田)源ちゃんさまさまですね。源ちゃんが中に行ったので、僕は外に。合志が締めたからエアポケットに入った。(高松宮記念杯の)連続15回出場を放送で聞いてビックリした。良い思い出になりました(笑)」
 後方8番手に置かれた松岡健介だが2センターから外に持ち出すと、2着に強襲した。
「永井の後ろが併走になるだろうから、隠れて行く作戦だったんですけどね。源ちゃんが下げて来たし、人をアテにして失敗した。自分だけみたいになって後ろに申し訳なかったです。4コーナーから浮かなかったし、悪くはないと思う」
 合志正臣は惜しくも3着に。
「(柴崎)俊光のブロックもキツかったのに、(菅原)晃はよく行ってくれた。源が入ってきたのが気になったし、最後は『晃、頑張れ』と思ったら、外から…。状態が悪かったら飛ばされてるだろうし、そこは良かったですね」

<7R>
紺野哲也選手
紺野哲也選手
 桐山敬太郎がパーフェクトの内容で逃げ切り勝ちを収めた。後ろ攻めから押さえると、ペースに入れてまんまと押し切った。
「後ろ攻めになったんで、とりあえず押えて駆けようと思ってた。神山(拓弥)君が来たら突っ張るか、飛び付くか。タイミング次第だと思ったけど、(神山が)引いたんで。後ろがああ(番手が競りに)なってしまったのは残念だけど、ペースで踏めてたし、引き続き調子は良いと思う」
 目標のない紺野哲也(写真)は内をすくって桐山の番手を奪って2着。してやったりの様子。
「今日は狙い通りだった。神山がインで粘ったら外を追い上げようと思ってたけど引いたんで。絶対に内が空くと思ったんで、番手に行きました。ただ、取ってからは後ろがどうなっているかは分からなかった」
 藤原憲征が外を鋭く伸びて3着に入る。
「今日は(神山)拓弥が頑張ってくれたおかげ。俺が一番脚を使ってなかったしね。飯嶋さんが内に行ったんで俺は同じコースを行けないんで外を行った。飯嶋さんが俊敏に反応したあたりは凄いと思ったし、勉強になったね」

<8R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 8レースは吉田敏洋(写真)が7番手からひとまくり。予想外のスピードに、本人も「奇跡ですよ」とビックリ。「こんな展開にはなってはいけないっていう展開になってしまった。内外を行かれて最悪の展開だったんでヤバいと思って踏んだけど、思った以上に車の伸びが良かった。調子は可もなく不可もなくだけど、大分戻ってるのかな」
 山口富生がキッチリとマークして2着に。
「吉田が思い切って仕掛けてくれたし、思いのほか凄いスピードで行ったから、もう少しで離れるところだった。吉田が強かったよ」
 北野武史が3番手を懸命に追走。長い写真判定の末、南修二と3着同着が決まると「よし!」と叫んだ。
「俺は4着じゃダメだからね。最後にからまれたけど、3着と思って必死だった。よかったよ」

<9R>
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
 菊地圭尚、木暮安由の若手を相手に、ベテランの後閑信一が男気を発揮して先行すると、番手の神山雄一郎(写真)が直線で追い込んで1着。明日の「龍虎賞」に駒を進めた。
「今日は後閑のおかげ。強かったよ。最後はキツかったと思うけど、付いていた俺もキツかった」
 内をすくわれ中団を明け渡した木暮安由だったが、再度立て直してまくって出ると2着に食い込んだ。
「今日は後閑さんが先行するのを頭に入れながら行った。後ろ攻めからとりあえず一旦前を斬って、待ってからのレース。その上を菊地さんに行かれたら仕方なかったけど、何とか2着になったんでよかった」
 上手く中団3番手を取った菊地圭尚は反応が遅れたものの、3着で辛うじて確定板入り。
「木暮君が内をあんなに空けるとはね。中団を取ってからは木暮君が来るのか来ないのか、かえって落ち着き過ぎてしまった。出ようとしたときにはもう横にいたんで後ろに迷惑をかけてしまった。位置を取る所までは良かったんですけどね。でも、勝ち上がったからには気持ちを切り替えて、明日も勝ちにいけるように頑張ります」

<10R>
村上博幸選手
村上博幸選手
 近畿別線の勝負は京都コンビに軍配が上がった。レースは脇本雄太が押えた所を、さらに稲垣裕之が叩いて主導権。最後は村上博幸(写真)が追い込んで1着を手にした。
「今日は稲垣さんが頑張ってくれたおかげ。今回は納得のできる状態で臨めてるし、レースでもアタリが良かった。近畿別線だったけど、皆持ち味を出した良いレースだったと思う。厳しいメンバーの中で1着が取れたのは自信になりました」
 稲垣裕之は4着も納得のレースぶり。
「脇本君は地区が違えば対戦してみたい選手だったし。今日は冷静に仕掛けるタイミングでしっかり行けた。感じは良かったし、感触を確かめられました」

<11R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
 青龍賞は武田豊樹がジャンから先頭に立って先行。後方からの反撃を封じて、最後は番手の長塚智広が追い込んで1着を手にした。2着には別線勝負した平原康多、3着には武田が粘り、関東で上位を独占する結果に。
 海老根恵太(写真)は茨城後位からレースを進めたが4着。選考順位で惜しくも「龍虎賞」進出を逃した。
「武田さんは強いし、後手を踏むことはないんで後ろから行ったけど、最後に成田(和也)君にからまれて内に行ってしまった。外を行ければ良かったけど判断が悪かったですね。僕は脚を使ってないのに。重たかったけど僕が弱い。悔しいです」
 山崎芳仁はホームから巻き返したものの、武田をまくれず9着に。
「8番手になったし、とにかく思い切って行った。まくれなかったけど、武田さんのすんなりの先行を、中団で一回休んでから武田さんの後ろまで行けたんで、悪くはないと思う。調整して明日また頑張ります」

<12R>
深谷知広選手
深谷知広選手
 白虎賞は上手く別線を動かした深谷知広(写真)が最終的に主導権。村上義弘らの反撃を封じて、見事押し切り。大会連覇へ好スタートを切った。
「自分から斬りたくなかったし、小嶋(敬二)さんが斬ったところを上手く出られましたね。ホームでも風を感じず軽かったし、バックも上手く回せた。後ろの様子も見えてました。昨日、(山口)富生さんにセッティングを見てもらったけど、いきなり結果が出たのは大きいですね」
 2着には深谷マークの山内卓也が続いた。
「良かった、深谷が強かったです。みんな強いので、自分もそんなに余裕はなかったけど、深谷は徐々にかかっていきましたね。後ろで浅井が張ってるのが見えたし、3コーナーでは誰も来ないだろうと思った」
 上手く愛知ライン後位を確保した浅井康太が3着に入線。
「普段は3・85のギアだけど、今回は3・92にした。周りも見えてるし、調子も悪くないですね」とレースを振り返る。
 龍虎賞進出最後の切符は小野俊之がゲットした。
「3着までに入らないと2次予選回りだと思ってたし、全く意識してなかった。今日は自分のミスで、バック踏んでるときに村上さんに踏まれて(離れてしまって)イマイチ。重かったです」
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