『第63回高松宮記念杯競輪(GI)レポート』 3日目編

配信日:6月16日
 函館競輪場にて行われている第63回高松宮記念杯競輪は3日目を迎えた。緊張と興奮が日に日に増し、準決勝を迎える頃には最大のピークに。連日の激戦を勝ち抜き、本日、決勝のベストナインが出そろいました。
 最終日も開催を盛り上げるべくたくさんのイベント、ファンサービスが予定されております。まず明日は来場者先着1,000名様に「函館スイーツの会」加盟各店の函館名菓をプレゼント。明日17日(日)は「スピーチーズライブ」に加え、弾き語り芸人「AMEMIYA」による爆笑ライブ、中野浩一氏と滝澤正光氏によるトークショー、ご当地グルメなど盛りだくさん。こちらもどうぞお楽しみに。

北海道ご当地グルメ大集合
北海道ご当地グルメ大集合
スピーチーズライブ
スピーチーズライブ
<1R>
 川村晃司が強引に金澤竜二を叩くと、小岩大介がさばかれ裸逃げに。これを離れながらも金澤が追ったが、後方からまくり上げた関東コンビがワンツーを決めた。
 勝った諸橋愛は「作戦と違うから」と言いながらもワンツーの結果に満足げだ。
 「昨日から悦夫は『行きます』ってコメントがよかった。任せてよかったです。後方になったけど、よく行ってくれた。恵まれましたね」
 まくった佐藤悦夫は安堵の表情。
 「後方になってしまったけど、諸橋さんに頑張ると言ってたので仕掛けました。前(の車間)が空いてるのは分からなかったけど、結果的に離れてて助かった。自分のデキもいいですね」

<2R>
 永井清史がカマシ先行で別線を引き離すと、最後はゴール寸前で坂上忠克が追い込んだ。
 「今日は永井の得意なカマシでいいと。永井は掛かってたし、後ろから来ても何とかなるくらいの流れだった。1着がとれて嬉しい、明日も狙っていきます」
 永井清史は自分らしいレースができて、ようやく笑みがこぼれた。
 「久しぶりに力を出し切れました。練習での調子は良かったんで。練習の感じを出せたら負け戦くらいでは負けないんですけどね。ただ、レース勘は走って戻していかないとダメですね。レースになるとペダルの回し方を忘れてしまうんですよね」

<3R>
内藤宣彦選手
内藤宣彦選手
 稲毛健太がカマして逃げた3レースは、中位から内藤宣彦(写真)が鋭く追い込んで勝利した。
 「バック向かい風なんで先行はキツかったと思うし、坂本も苦しかったと思う。今日は前の頑張りに尽きますよ。僕は明日も走れるんでよかった」
 稲毛に乗った濱口高彰が2着に入る。
 「作戦通りだったけど、風が強かったし稲毛君はキツかったと思う」
 筒井敦史が後方から伸びて3着に入る。
 「ジャンで差し込んだ瞬間に(友定祐己に)行かれてしまって離れた。でも、慌てずいけばドッキングできるだろうから、焦りはなかったよ。ただ、追い上げたときに(野田源一)ゲンちゃんがアンコになって落車したんでヤバいと思ったけどね。あとは内を誰かがいったんで、僕はさらにその内を行きました。ワンテンポ、ツーテンポ待ってからで、走っていて余裕がありましたね」

<4R>
飯嶋則之選手
飯嶋則之選手
 松坂洋平の先行を1センター、6番手から小川勇介がまくると、4番手の神山拓弥は松岡貴久を飛ばして切り替えを狙う。これで空いたインコースを鋭く突いた飯嶋則之(写真)が連勝でゴールした。
 「空いてなかったけど、行っちゃえと思ったらたまたま。思い切りの良さがよかったですね。また明日も頑張ります」
 まくった小川勇介が2着に粘る。
 「日頃、自力で頑張ってる貴久に任せてもらってる。刺激になったし、2人で決まるように仕掛けようと思った。出切れてよかったけど、重かったですね。明日こそ勝って帰りたいです」

<5R>
小埜正義選手
小埜正義選手
 2日目から補充の小埜正義(写真)がまたしてもパワーまくりで快勝。2連勝で明日は特選レースまで格を上げた。
 「昨日G1初勝利かと思ったら、今日は2連勝。嬉しいですね。今日は7番手になっても良いから、とにかくジャンで踏んでおいて、スピードを上げてから引きました。スローの7番手になったら僕みたいな大ギアはおしまいですからね。今日も展開が良かったですね」

<6R>
岡部芳幸選手
岡部芳幸選手
 牛山貴広を出させず菅原晃が主導権。そこをホームから岩本俊介が巻き返すと、乗った岡部芳幸(写真)が勝機をモノにした。
 「岩本は中間加速がすごいのを知ってたから、安心してると離れる。(バックで荒井崇博と併走になり)やめようと思うくらいキツかった。岩本のおかげですね」
 2着には今日から4回転にした山口貴弘が突っ込んだ。
 「(菅原は)出させてくれるもんだと思ってた。でも牛山があそこまで行ってくれたからね。やっぱりこのクラスでは4回転くらいないとダメですね。しばらくはこのギアで行こうと決めました」

<7R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 山崎芳仁(写真)のまくりが久々に火を噴いた。ホームで市田佳寿浩にすくわれて8番手に置かれたが、市田のまくりを追う形から、大外を力で強引にねじ伏せた。上がりは10秒8のバンクレコードタイ。
 「市田さんが切り替えて来なかったんで、1コーナーから行こうと思ってたら、すくってきたんで腰砕けに。もう一回タイミングを整えて自分の仕掛けでいきました。踏んだ感触はよかったですね」
 成田和也はワン・ツーならずも、3着で特別優秀へ格を上げた。
 「ホームで山崎が上にあがった所を、退かされる感じですくわれた。でも、ああいう展開になったら山崎は強いですね。山崎は大外だったけど、僕は一つ内を行ったんで何とか3着に入れた」

<8R>
松岡健介選手
松岡健介選手
 松岡健介(写真)が佐藤友和の反撃を突っ張って主導権を握ると、ペースに入れてまんまと逃げ切った。上がり前半11秒2、後半11秒4のハイラップでは、SS班の佐藤とて手も足も出ない。
 「自己最高のタイムですね。昨日までは流れる所がなかったけど、今日は1コーナーの向かいがあるけど、重い感じはなくて顔見せからバンクは軽かった。でもキツかったですよ」
 小倉竜二がこの3番手からハンドル投げを打って2着。小林大介が外をしぶとく伸びて3着に入る。
 「前がやり合ってたんで、我慢して脚を溜めてから思い切り踏みました。前が強かったですね」

<9R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
 打鐘で叩きに行ったが出させてもらえなかった小嶋敬二(写真)だが、ホームから木暮安由が巻き返すと、その上をバックから鮮やかに飲み込んだ。
 「(鈴木裕が)誘導と車間を切ってたので、誘導目がけて行ったけど、(出させてもらえず)追い出しみたいになってしまった。木暮が伏見(俊昭)の内に行ったらまくるのがキツかったけど、外を行ったし、簡単には飛ばないだろうから僕も安心してその外を行けましたね」
 小嶋を猛追した山田裕仁だが逆転ならず。
 「任せて付いて行って抜けるか抜けないかの勝負だと思ってた。3コーナーで(小嶋が)先に降りて口が空いた分、ちょっと無理でしたね。やっぱり小嶋はすごいですわ」
 まくられた鈴木裕だが、出し切ったレース内容に表情は明るい。
 「5番(木暮)が早めに来てアレッて感じだったけど、合わせられたので。やっと出し切れましたね。ここ最近で一番でした。明日につながりますね」

<10R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 脇本雄太が会心のレースで近畿ワン・ツーを決めた。レースは三宅達也が押えた所を、脇本がカマし気味に出て主導権。最後は村上義弘(写真)がゴール寸前で差し切った。
 「(状態が)良いとは言えないけど、こういうときこそ(勝ち上がれるのが)競輪なんで。ただ、決勝に行く気持ちはあったけど、正直不安はあった。でも、メンバー的に自分の仕事が予想できる展開だったんで。まずは自分の位置を守ること、脇本君をしっかり援護すること。親王牌の決勝で一緒に走って、いつかまた大舞台で走りたいと思ってた。脇本君はそのときと脚が違うんで楽しみ。明日もしっかり位置を守ります」
 脇本雄太は大先輩、村上と最高の形で優出し、感慨にひたる。
 「今までは村上さんを引き出すだけだったけど、今日はワン・ツーが決められてよかった。昨日と違って今日は重たかった。ずっと踏みっ放しだったんで」
 3着には合志正臣が入り、去年のオールスター以来のG1優出を果たした。
 「初手で三宅君は自分から一回上がって行ったのは正解でしたね。上手く中団がとれたんで。でも、前が車間を斬ったから、詰まってタイミングが取り辛かったと思う。僕は近況状態が良かったし、地元ダービーは悔しかったけど、あのときやってたことが今出ていると思う」
 三宅達也はまくり追い込みを狙ったが、車が進まず7着に終わる。
 「今日は人の動きを当てにしないで自分から押えて、脇本君がきたら中団に飛び付こうと思ってました。中団に入ってからは後ろから来たら合わせて出るし、来ないならまくり追い込みで。でも、入った時点で脚は一杯でした」

<11R>
 準決勝2つ目は武田豊樹の先行に乗り、神山雄一郎が追い込んで1着を手にした。
 「武田君のおかげですね。武田が主導権を取ってくれるレースをしてくれたし、僕はしっかりガードして決勝に乗れるように走りました。ちょっと6番(柏野智典)が気になったけど決まってよかった」
 その柏野智典が茨栃ラインを追走し、2着で嬉しいG1初優出。
 「前のおかげだけど嬉しいですね。前が強かったんで安心して付いていきました。後ろが車間を空けてたのが分かったんで、一回振れば来ないかなと」
 武田豊樹は別線の反撃を完封し、3着で決勝進出。
 「少し早いけど、駆けるしかないと思って早めにいきました。神山さんが仕事をしてもらって勝ち上がるのがベストだと思ったんで。それと早めの先行型がいないのもあったし、その方が良いかなと思ったのは僕の動物的なカンでした。掛かりはあまり良くなかった。でも、北海道は地元だし、地元のG1はもしかしたら最後かもしれないんで気合が入りますね。決勝も頑張ります」

<12R>
深谷知広選手
深谷知広選手
 細切れで、出入りの激しいレースとなったが、最終的に深谷知広(写真)が主導権。平原康多のまくりを山口幸二がブロックすると、そのまま押し切った。
 「2日目の反省を生かして走れたと思う。共同通信社杯の落車があったけど、休んだりしてここまで間に合った感じです。(山口)富生さんに見てもらったセッティングも感じが良い。決勝も連覇は意識せず、自分のレースがしたい」
 番手の山口幸二は1番人気に応える結果に安堵の表情。
 「今日は作戦を立てても仕方ない。深谷には基本だけ教えて、あとは俺を気にせず行けと言っていた。後ろが昌己なのは分かってたので、(ブロックは)引き付けて行くしかなかった。すくわれて深谷まで行かれたらどうしようと思ったけどね。1000mを走ったあとみたいに脚が痛いけど、1番人気で決まってよかった」
 井上昌己は3着で決勝戦最後の切符を手に入れた。
 「今日は2車受けて3番手狙い。狙いどおりにいきましたね。ここ最近は練習の感触がよかったし、ウエイトができるようになって上半身の力が付いたのが大きい。G1の決勝は久々ですね。後手を踏まないように走ります」
 5番手からまくり上げた平原康多だが、山口の巧みなブロックの前に不発。
 「組み立てはあれでよかったと思う。スピードもよかったけど、上手くやられましたね。(山口に)一発もらったけど、その前に合わされてた。力負けです」
↑ページTOPへ