『第64回高松宮記念杯競輪(GI)レポート』 3日目編

配信日:6月15日
 第64回高松宮記念杯は3日目。午後から降りだした雨は準決勝からさらに激しさを増したが、そんなコンディションでもトップスターたちは自慢の健脚を披露。準決勝3個レースはいずれもハイレベルな争いとなった。地元からは南修二、稲川翔が決勝に進出。明日の決勝戦でいよいよシリーズの覇者が決まる。
 明日はグラビアアイドルの木口亜矢と仁科仁美が予想ガチバトル(7R、9R終了後)。中野浩一さんを交えての予想バトルを展開します。さらに鳥羽一郎、岡修による歌謡ショー(2R、5R終了後)、表彰式にはプレゼンターとして横綱、白鵬関が登場します。明日もぜひ岸和田競輪場へご来場ください。
準決勝からはさらに雨足が強くなった
準決勝からはさらに雨足が強くなった
獣電戦隊キョウリュウジャー ショー
獣電戦隊キョウリュウジャー ショー
コージー冨田と古賀シュウのものまねガチバトル
コージー冨田と古賀シュウの
ものまねガチバトル
<1R>
野田源一選手
野田源一選手
 佐藤和也、桐山敬太郎で激しい主導権争いになり友定祐己にとっては絶好のまくり頃に。しかし、友定は内に切り込んでしまいチャンスなし。友定後位の筒井敦史が自力に転じると、続いた野田源一(写真)が突き抜けた。
 「自分で行こうと思ってたけど、友定君が内に切り込んだら筒井さんがまくったんで。さらに展開がよくなって、いい風に向きました。踏み出しに一瞬切れかけたけど、付いてからは余裕があったのでいいと思う。自分で行ければよかったんですけどね」
 まくった筒井敦史は苦笑い。
 「またロング追い込みが出ましたね(笑)。友定君が内に行ったのでダメでも外行くしかないんで。車が出よるから練習の成果は出てる」

<2R>
池田勇人選手
池田勇人選手
 池田勇人(写真)が最終2コーナー、7番手から豪快にまくって圧勝。シリーズ3日目にしてようやく人気に応えた。
 「後ろの競りはお互いのプライドがあるから仕方がない。自分は自分の仕事をしようと思っていました。ホームでいこうかと思ったんですが、(渡部)哲男さんがいったので様子を見ました。隊列が短くなって流れが向きました。これだけ車が出るんだから体調はいいと思います」
 逃げた岩本俊介の番手から追い込んだ鈴木誠が2着に入った。
 「岩本君がうまく駆けてくれた。ある程度、想定していた展開だったけど、池田君のスピードが違いましたね。1人で来たのは分かりました」

<3R>
園田匠選手
園田匠選手
 松川高大が先行。車間を切って援護した園田匠(写真)がゴール寸前で交わした。
 「初日、失敗してるんで内だけ気をつけて。松川君とワンツーが決まるようにと思ってました。今日は松川君が気持ちよく行ってくれたので。ギリギリ? いや、差せると思ってましたよ」
 逃げた松川高大は「バックで決まったと思いました。(最終日まで)生き残れましたね」と笑顔。

<4R>
西川親幸選手
西川親幸選手
 馬場勇の先行に最終ホームで神山拓弥が襲いかかる。自ら馬場がこれをけん制すると、空いた内から菅原晃が番手まくり。これに乗った西川親幸(写真)がゴール前で粘る菅原を鋭く差し切った。
 「後閑(信一)が付いてくれていたし、その1車が大きかった。ブロックしながら菅原君が出ていけるのが一番良かったけど、内はがら空きだったし、好判断だったと思う。勝てて良かった」
 菅原晃が2着で九州ワンツー決着となった。
 「馬場君のおかげです。後ろに西川さんが付いてくれているし、共倒れになってしまうのが一番まずいですからね。判断は間違っていなかったと思います」

<5R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 先行態勢に入った北津留翼を最終ホームで吉田敏洋が叩いて最終主導権。番手の志智俊夫がきっちりチャンスをものにした。
 「吉田君は昨日、落車しているのに、よく頑張ってくれました。ワンツーが決まって良かった。今回は体調が良かったけど、脚と気持ちがかみ合っていなかった」
 吉田敏洋(写真)は落車の影響を感じさせない軽快な動きを披露した。
 「落車のケガは大丈夫。昨日のことを悔やんでも仕方がないし、今日はしっかり走ろうと思っていました。(北津留)翼が踏んでいてもいなくても、あそこで仕掛けようと。レースの形を作れたし、最後まで踏み切れていたと思います」

<6R>
水谷好宏選手
水谷好宏選手
 逃げる阿竹智史をホームから一気に水谷好宏(写真)が巻き返すと、後続を千切って押し切った。
 「昨日は昨日で出し切ったけど、今日も出し切るレースをしようと思ってた。展開的には自分に向きましたね。バックで後ろは見えてたし、落ち着いてたと思います」
 2着の佐々木則幸だが、口を突くのは反省の弁ばかり。
 「振って戻ったら詰まったんで、誰かがまくって来るかもと思って踏んだ。調子もよくないし、もう少し落ち着いて見る余裕があればね…」
 3着には外を伸びた木暮安由が。
 「行きたいところでゴチャついてたから。でも判断はよかったと思います。少し先が見えました」

<7R>
菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
 田中晴基の先行にホームから鈴木謙太郎はカマシで対抗。鈴木は出切れなかったが、その上をまくった菊地圭尚(写真)がシリーズ初白星を挙げた。
 「けっこう前も踏んでたし、後輪も滑ってたから謙太郎はどうなのかな?と思ってた。バックで追いつこうとしたら一杯そうだったので踏ませてもらった。イメージが悪いまま走ってるので余裕はなかったですね。これがきっかけになれば」
 宗景祐樹が菊地に続いた。
 「後輪がすべる感じだったし、(鈴木が)昨日のスピードなら諦めようと思ったけどね。圭尚は余裕がありそうだったけど、僕は緩むところがなくてキツかったです」

<8R>
勝瀬卓也選手
勝瀬卓也選手
 牛山貴広を突っ張った飯野祐太は原田研太朗を受けて中団3番手を確保。2コーナーからまくって出ると、番手の勝瀬卓也(写真)が抜け出した。
 「飯野がいいレースをしてくれました。もう少し遅い仕掛けかなと思ったけど、無理やり行ってくれましたね。あそこまで行ってもらったら1着を取らないとと思って、最後は踏ませてもらった。G1で2勝するなんてラインのおかげですね」
 飯野祐太は4着に敗れたが、内容のあるレースだった。
 「あそこを突っ張らないと後方になるので。(3番手に入ってからも)すかさず行けたし動けてるけど、今日は重かった」

<9R>
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 最終ホームから小埜正義と川村晃司で壮絶なモガき合いに。上手く中団を確保した芦澤大輔(写真)はバックからまくり発進。中村淳とワンツーを決めた。
 「隙があったら行こうと思ったし、早め早めに(仕掛けよう)と思ってた。打鐘の3コーナーで山崎(芳仁)さんが引いたので、その分(山崎の)仕掛けが遅くなるなと。瞬時に判断できましたね。バックまでは余裕があったけど、出てからはどれだけ持つかって感じでした」
 中村淳は2着で特別優秀へ上がった。
 「特別優秀なんて久しぶりですね。調子もだいぶ上がってきて、やっと上位でも戦えるようになった。別府記念のあたりからレースでも気持ちが入るようになりました」
 海老根恵太にとっては難しいレースとなった。
 「引いて(まくりに)合わせなきゃと思ったら、小埜が勝っちゃったので慌てて付け直した。もっと後ろの経験も積んでかないといけないですね」

<10R>
南修二選手
南修二選手
 ここからは準決勝。最初に決勝への切符を手にしたのは藤木裕だった。打鐘でハナに立って、中川誠一郎のカマシを受けると、3番手から豪快なまくりを決めた。
 「打鐘で見たら誠一郎さんが来てるのが見えたので、出しても2車だなと。そこでいい位置に入れたのが勝因ですね。あとは目一杯踏んだ。明日は喜びたいです」
 離れながらも2着をキープした南修二(写真)は地元で嬉しい決勝進出。
 「車間が空いてしまったので、あとは自分の限界まで踏み込んだ。一杯だったけど、乗り切れてよかったです。今日で終わりじゃないし、明日また頑張って。狙えるデキだと思うんで、チャンスがあれば」
 3着には武田豊樹マークの神山雄一郎が突っ込んだ。
 「最後はアクシデントもあって僕は3着に入れたけど、人の後ろに付いてただけなんで。中川のカマシで武田も動きづらくなったね。でも武田が仕掛けてくれたのでコースができました」
 落車のあおりを受けた武田豊樹は4着で決勝進出を逃す。
 「落車で浮いてしまった。でも勝った藤木が強かったです。これが今の力、また出直してきます」

<11R>
新田祐大選手
新田祐大選手
 脇本雄太を深谷知広が強引に叩く。深谷の動きに上手く乗った新田祐大(写真)がその上を豪快にまくって成田和也とワンツー。
 「深谷は出切ると思ったので、そこですかさず行ったつもりです。これだけの自力選手、強い選手がそろって、お客さんには喜んでもらえるレースができたと思う。勝ちやすいレースになったけど、そこをきっちり勝つのが大事。体の状態も上がってきてますね」
 新田の加速にやや口が空き加減となった成田和也だが、意地でつけ直すときっちり食い下がった。
 「いいスピードでしたね。(新田のスピードに対しては)まず付いていくことが大事になりますね。作戦どおりにはいかなかったけど、何とか付いて行けてよかった」
 福島コンビを懸命に追った稲川翔は3着。地元で嬉しいビッグ初優出を決めた。
 「できれば2人以上で乗りたかった。その責任を果たせなかったので…。ワッキー(脇本)が頑張ってくれたし、(村上)博幸さんもしっかり援護してくれた。自分の力で決勝に乗れたとは自信を持って言えないけど、決勝に乗れてよかったです」
 深谷知広は最後に力尽き8着に敗れた。
 「出切ってけっこう一杯だったので。前ならあそこで仕掛けられなかったろうし、ワッキーとモガき合えて気持ちよかった」

<12R>
荒井崇博選手
荒井崇博選手
 根田空史が果敢に主導権を握る。中団以降がモツれ、平原康多のまくりは荒井崇博がブロック。これで前団で決まるかに見えたが、終始後方で脚を溜めた佐藤友和がバックまくりで快勝した。
 「色々考えたけど、平原が根田の後ろ(にこだわりそう)だったので、そこではなと。あとは道中、どうしようかなと考えてたけど、行けるところから行こうかなと思った。今回は調子自体いいし、気持ちよく走れてる。決勝もしっかり優勝を狙って走ります」
 伏見俊昭が上手く佐藤に乗る形になり、終わってみれば別線だった北日本のワンツー。
 「今日は気合い入れました。中団、中団と思ったけど、体の動くままに行こうと思った。友和がまくって来るだろうと思ったけど、(自分の前で)平原が浮いてたので待った形になりました」
 根田の先行に乗った荒井崇博(写真)が3着。決勝戦最後の椅子に滑り込んだ。
 「千葉のほうには足を向けて寝れんですね。とにかく根田が強かった。番手まくりしてくださいとか言われたけど、やろうにもできん。平原にだけは行かれたくなかったし、最後は抜くのが精一杯だったです」
 根田空史は晴れやかな顔でレースを振り返る。
 「このメンバーでどこまで持つか。そのつもりでギアも上げました。ゴール前まで勝負できたし、次はあと数十メートルの持久力が上がれば。もう少し練習します」
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