『第69回高松宮記念杯競輪(GI)レポート』 初日編

配信日:6月14日

 伝統の東西対抗。岸和田競輪場で「第69回高松宮記念杯競輪(GI)」が、6月14日に幕を開けた。東、西日本の地区に分かれて争われた初日は、一次予選から迫力のバトルが展開された。メインの特選を東日本は渡邉一成、西日本は脇本雄太が制した。15日の2日目は東西の一次予選の勝者と特選を勝ち上がった選手による青龍賞(東日本)、白虎賞(西日本)が行われる。
 本場では開催中の毎日、オリジナルクオカードや3連単車券が当たるラッキーカードを先着2000人に配布、「“東西対抗”岸和田ご当地グルメフェスティバル」、予想会の東西対抗戦などを行います。また、15日の2日目には、つぼみ、KRD8、i*chip_memory、東京CLEAR'S SMILEの「東西対抗アイドル祭り」なども予定されています。岸和田競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

開会式
開会式
敢闘宣言をする古性優作選手
敢闘宣言をする古性優作選手
連続25回出場の神山雄一郎選手と連続20回出場の渡邉晴智選手
連続25回出場の神山雄一郎選手と
連続20回出場の渡邉晴智選手
予想会・東西対抗戦
予想会・東西対抗戦
谷口キヨコのプレミアムトークショー・ゲスト門脇真由美選手
谷口キヨコのプレミアムトークショー・ゲスト
門脇真由美選手

<1R>

菅田壱道選手
菅田壱道選手
 前受けを強いられた渡邉雄太を押さえて、横山尚則が誘導後位に入る。菅田壱道(写真)は切り込みながら4番手をキープ。7番手の渡邉が打鐘から巻き返すと、横山も誘導を交わしてペースを上げる。不発の渡邉ラインにかぶった菅田は、最終3コーナー過ぎにようやく外に持ち出して追い込む。ゴール寸前、ハンドル投げで白星をもぎ取った。
 「自分は朝練もやっているし、1レース自体が苦じゃない。(高橋)陽介さんがいい位置を取ってくれたんで、中団、中団を回れる流れだった。(渡邉)雄太がもっと前に行ってくれれば良かったけど、あれで外に持ち出せなくなった。踏んだ感じ、伸びは悪くない。自分は良かったけど、ラインが…。3車だったんでひとりでも多く(勝ち上がれるように)と思ってたんで。この1着で準決が決まったのは大きいし、調子が悪いって言ったらウソになる」
 果敢に風を切った横山の番手で、芦澤辰弘が渡邉の反撃を阻む好ブロック。2着に追い込んだ。
 「僕だけの力じゃなくて、横山の頑張りと気持ちの強さ。それに(志村)太賀さんの技、しっかり内を締めてくれてたから、僕が大きくもっていけた。ラインの結束で、みんなで勝ち上がれたのは大きい」

<2R>

山田久徳選手
山田久徳選手
 竹内雄作が先に動いた山田久徳を打鐘で押さえて主導権。すぐさま巻き返した取鳥雄吾を不発に追いやって風を切る。そのまま後続の追撃も許さず、逃走劇を完遂した。
 「山田君が切ってから踏んだので、そこで出ればスピードが上がりやすい。後ろの状況はわかっていなかったですけど。ペースに入れて、早めに来られても合わせる気でいました。GIで1着が取れたのはプラスですね。直前に腰を痛めてケアをする感じだったので不安はあったけど、逃げ切れているので。良かったころの感覚よりもいい感じで駆けられたと思う。でも、安心してはいけない。まだ上では通用しないと思うので」
 中部勢を受けた山田久徳(写真)は3番手を確保。最終2センターからまくり気味に追い込んだが、竹内を交わせず2着まで。
 「取鳥君ラインの4番手よりも、竹内君ラインの3番手の方がいいかなって。思った通りのレースにはなったんですけどね。2コーナーでいけたら良かったけど、掛かっていましたね。椎木尾(拓哉)さんにも迷惑を掛けてしまった。あれが脚力差ですね」
 竹内マークの北野武史は、絶好の展開を生かせずに4着。
 「見てくださいよこの汗。(竹内が)真剣に強すぎでしょ。あれが竹内君のペースかもしれないけど、自分からしたらフカシ過ぎじゃないって感じの踏み方。最後も踏み直されてもういっぱいでした」

<3R>

根田空史選手
根田空史選手
 根田空史(写真)の上昇に反応した小松崎大地が、突っ張り気味に踏んだ和田真久留を強引に押さえる。この様子を見ていた根田は、すかさず踏み上げて小松崎を打鐘の4コーナーで叩いた。成清貴之が離れて単騎での逃げとなったが、そのまま力強く逃げ切り。
 「前のレースでの(竹内)雄作さんを見て、先行が有利かなと。でも、もともと先行する気でいました。(小松崎と和田の)踏み合いに参加しても意味がないので、様子を見ながら落ち着いて。(小松崎が番手に入って)影が見えたら踏もうと思っていたんですけど、来なかったのでペースに入れました。バックから流れたので、そこでスピードに乗せて。逃げ切れたってのが大きいですね。逃げ切れたのは久しぶり。いいキッカケになると思う」
 根田に叩かれた小松崎は番手にハマったが、空いた車間がなかなか縮まらない。その後ろから、山崎芳仁が追い込んで2着に入る。
 「小松崎君が前々に踏んでくれて、頑張ってくれた。(追い込んだタイミングは)ギリギリのラインですよね。あれ以上、早くても遅くてもダメ。踏んだ感じは悪くなかったです。前回(大宮FI)も調子は悪くなかったし、今回も悪くない。あとは、タイミングさえ合えば」
 小松崎大地が3着。根田にゴール前で追いつくのが精いっぱいだった。
 「駆けるつもりでいました。番手にハマってからの動きが反省点ですね。車間の詰めかたとか、仕掛けるタイミングとか。(追いつく)感覚だったんですけど、根田君が強かった。同じレースはないでしょうけど、次に生かせたら。感触は悪くないですね。ラインのみんなが勝ち上がって、本当に良かったです」

<4R>

原田研太朗選手
原田研太朗選手
 いったん川村晃司に併せ込んでフタをした清水裕友は、赤板の2コーナーで出て先行態勢を取る。そこに川村が襲い掛かり、両者の踏み合い。絶好のまくりごろになった原田研太朗(写真)が、最終ホームから踏み込む。叩き切った川村をスピードの違いでとらえて、橋本強の追い込みを振り切った。
 「良かったです。清水があそこまで行ってくれたら、僕に展開が。あれで届かないようなら…。(橋本)強さんに差されたらしょうがないと思っていたけど、あそこで(行って)差されるようじゃ今回はキツいですよね。1着を取らなきゃいけない状況で取るのも難しかった。(2日目)白虎賞に勝ち上がれたのは大きい」
 「1着と2着じゃ、全然違うし、あれを抜けるようにならないと」とは、原田に半車身差でゴールした橋本強
 「(原田は)自分のタイミングが来たら、ちゅうちょしないで行ってくれればと思ってた。(出切って)あとは抜くか抜けないかの勝負だった。(原田の)踏み直しがすごかった」
 飛び付いた清水がキメられ力尽きると、切り替えた池田良が川村と南修二の間を伸びて3着。
 「(清水)裕友は川村さんを出させるかと思ったけど、もうスイッチが入ってましたね。あんだけ頑張ってくれたんで、先にさばいておけば裕友にもチャンスがあった。申し訳ない。最後はあそこに行くしかなかった」

<5R>

菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
 郡司浩平にフタをしていた早坂秀悟が、先に切っていた長島大介を打鐘の2センターで強引に叩いて先行策。3番手の和田圭が離れてライン2車となったが、ハイペースで駆けていく。最後は絶好の展開となった菊地圭尚(写真)が、チャンスをモノにした。
 「(早坂)秀悟のタイミングがあるからなんとも言えないけど、もうワンテンポ早く仕掛ければ、すんなり(ラインの)3人で出られたと思う。アイツの踏み出しにはいつも目を覚まさせてもらうけどね(笑)。僕も自力でやっていたからなんとか付いていけた。最近は成績も落ちていたけど、和田(圭)君が前を回してくれて、責任感が芽生えて気合が入りました」
 叩かれた長島は、早坂ラインに車間が開いての3番手。3コーナーで追いつくと、その後ろの牛山貴広が直線で伸びて2着に食い込んだ。
 「長島君は先行も考えていると言ってくれていた。(打鐘で)あれだけ踏んでくれたので良い位置が取れたと思うけど、半周は踏んでいたからキツかったと思います。僕は2着に突っ込めたし悪くないと思う」
 前と離れた和田圭は、郡司浩平をキメて6番手に降りる。2センターからインを突いて3着に入ったが、「俺がしっかりと付いていれば。(早坂)秀悟に申し訳ない…」と反省に終始した。

<6R>

小倉竜二選手
小倉竜二選手
 唯一のライン3車となった太田竜馬が、先に動いた山田英明を打鐘で押さえてレースを支配。隊列は最終ホーム、バックと一本棒で通過する。番手の小倉竜二(写真)は冷静に別線の動きを確認し、直線で抜け出した。
 「あそこまで頑張ってくれたら、1着を取らないといけないと思って。ちょっと踏むのが早いかなって思ったけど、太田君も力を付けてきているので残ると思って踏みました。落ち着いていましたし、カカっていましたよ。前回の平塚は展開が良くなかったけど、状態は上向いています」
 徳島勢を受けて4番手を確保した山田英明。2センターからようやく仕掛けたが、前団を飲み込むことはできずに3着まで。
 「河端君が世界で戦っているのを見ているし、やっぱり警戒しますよね。でもしっかりと自分のレースをしようと思って。井上(昌己)さんも付いていたし、早めに仕掛けようと思っていたけど遅くなりました。組み立ての部分は悪くなかったけど、車の進みが良くなかった。前回から少し変えた部分もあるので、ちょっと修正します」
 果敢に攻めた太田竜馬は直線で失速。それでも、5着で二次予選に勝ち上がった。
 「最後ちょっとタレてしまったけど、内容的には良かったと思います。ホームは先行態勢に入って誰かが来たら飛び付けるようにって思っていました。バックから踏み上げる感じで、上手く駆けられたと思う」

<7R>

神山拓弥選手
神山拓弥選手
 飯野祐太が前受けの岩本俊介に並びかける。その上を吉田拓矢が打鐘で押さえて主導権を握った。岩本は北日本勢をすくって中団を確保。別線の動きを確認して最終1センターから踏み上げる。吉田マークの神山拓弥(写真)は岩本を執拗にけん制して勢いを止めると、直線で差し切った。
 「岩本さんが中団に入ったのがわかって。まくりかなって思っていたら、早めに来たみたいですね。吉田君はいつも頑張ってくれるから、頑張りがいがあります。それに対して自分もみせていかないと。(執拗にけん制したのは)あれくらいやらないと、岩本さんだから止まらない。上手にできたので良かったです。疲れがたまっているけど、もっと良くなると思います」
 吉田拓矢が2着に粘る。強い気持ちでレースに臨み、茨栃ワンツーを決めた。
 「もともと主導権を取る気持ちでいました。岩本さんが中団なのに気がついたので上がったりして。あのへんはうまくできましたね。ゴールまで踏めたし、感覚は良いです。宮杯(高松宮記念杯)の4、5日くらい前に、武田(豊樹)さんとかとご飯にいって。そこで(落車が相次いでいるが)マイナスになることはない。転んだことで得られることもあると言われて。そういう言葉で気持ちが楽になりました」
 南関3番手を回った内藤秀久は、3コーナーからインを進出して3着に入った。
 「何も緊張していなくて。どうするんだって思っていたけど、結果的によかったのかも。開き直りですね。(3着に入れたのは)たまたまです」

<8R>

北津留翼選手
北津留翼選手
 北津留翼(写真)の上昇に、前受けの小川真太郎は4番手まで下げる。小川との併走から松岡健介が押さえて出て、その上を小川がカマシ気味に叩いて先行策。小川ラインの4車が出切って、小気味いいリズムで駆ける。7番手に置かれた北津留は、最終2コーナーで踏み出すと一気に前団に肉迫。長い中四国ラインが止まって見えるほどのスピードで、北津留が楽にとらえてメモリアルの通算300勝を飾った。
 「そう(あと1勝で通算300勝)聞いていたんで、今開催で1回くらい勝てればと思っていた。(7番手になって)僕も一生懸命(前と)同じスピードまで上げて、あとは行けるところがないかなと。(自分より前のレースで)溜めていった人が4コーナーで追いついてなかったし、大塚(健一郎)さんに付いていただいているんで早め早めと思っていた。態勢が整ったら(仕掛けて)行こうって。とりあえず行って、あとは(勝ち上がり権利の)5着まで我慢だと。まさか1着が取れるとは思ってなかった」
 大塚が離れて、逃げる小川の番手から追い込んだ香川雄介が2着に入った。
 「しっかり(別線を)確認していたんで、(まくりが)来るとは思わなかった。(北津留は)ごっつええピードだった。自分ものみ込まれたら終わりだし、(北津留に)出切られて焦った」
 「超ラッキー。自分はよく追いかけた。(北津留は)ヤル気出したらすごいね」とは、北津留の踏み出しに遅れながらも3着を確保した大塚健一郎

<9R>

新山響平選手
新山響平選手
 中団から先に茨城コンビが動いて、そこを新山響平(写真)が押さえて打鐘手前で主導権を握る。3番手で粘った杉森輝大が伏見俊昭と絡んだ最終ホーム手前で、山中秀将が反撃に出る。逃げる新山も全開で踏んで合わせる。3コーナーで山中に並ばれた新山だったが、コーナーで盛り返して二の足で逃げ切った。
 「前回の函館記念でも長い距離を踏んでいたし、まずは先手を取ってからと思っていた。すんなりと出させてもらえたので自分のペースで駆けられたと思う。もちろん、ラインの2人の援護も大きかった。いままで山中さんにはまくられてばかりで天敵だったので、勝ててよかったです」
 山中にかぶった桐山敬太郎だったが、千葉を追いかけて最終2センターから外に持ち出して2着に伸びた。
 「早い段階で2回は仕掛けるポイントがあったんだけど…。そのあたりの課題はある。でも、タテに踏めば伸びる手応えを感じていたし、前回の最終日も長い距離を踏めていたのでいい状態はキープできているのかなと」
 新山マークの成田和也は、視界が開けた直線で踏み込むも3着がやっと。北日本ワンツーならずに反省する。
 「(ワンツーを決められず)情けない。もう少し余裕があれば良かったんでしょうね。新山君が強かった」

<10R>

古性優作選手
古性優作選手
 押さえに出た阿竹智史の内から柴崎淳が盛り返す。両者の決着がつく前に石塚輪太郎が仕掛けて、打鐘の2センターからスピードに乗せて駆ける。近畿3車で出切って、4番手は柴崎が奪取。番手の古性優作(写真)は柴崎をギリギリまで引きつけて、最終4コーナーで外に振って直線で追い込んだ。
 「本当に(石塚)輪太郎がめちゃくちゃ強かった。最後は難しい感じで危ないもっていき方で不細工でした。体の使い方とかは良くなっているし、前回よりも良い」
 7番手の阿竹は不発。渡部哲男は阿竹の外に進路を取ってシャープに伸びて2着に届いた。
 「阿竹もジャンで脚を使わされてしまっていたから。柴崎君に翻ろうされてしまった。(阿竹が)外を踏めば内だと思ったけど、内はずっと締まっていたので、イチかバチか外を踏んだら伸びましたね。前回の青森は連日バック9番手。今回は8番手だったから」
 近畿ライン3番手の澤田義和は、直線の入り口で窮屈になりながらの3着。
 「付いていくぶんには良かったけど、みんな強いからね。最後も危なかったです。1走して刺激も入ったし、2日目はもう少し良くなると思う」

<11R>

渡邉一成選手
渡邉一成選手
 東特選は、渡邉一成(写真)が制して好スタートを切った。レースは大方の予想通り、ライン4車の吉澤純平が打鐘で先行策に出る。先に動いた木暮安由が中団を確保。前受けの新田祐大は7番手に置かれるも、最終2コーナーから満を持してスパートする。目の覚めるようなスピードで前団をひと飲み。この仕掛けに続いた渡邉一成がゴール寸前で交わした。
 「吉澤君が流すことなく踏んでいくと予想していました。でも、新田君が踏み出した瞬間に行けるなと。新田君の気合いが伝わってくるレース内容でしたね。久しぶりの1着ですし、GII、GIの勝ち上がりに失敗していて焦りもありました。今年は少ない出走本数の中でGI、グランプリにチャレンジしないといけない。しっかり結果を出すことがSS級の使命だし、自分の挑戦だと思う。この1着が原動力になると思います」
 新田祐大が2着で福島ワンツー。圧巻のスピードで別線を粉砕してみせた。
 「本当はもっと早いタイミングで行きたかったんですけど。吉澤さんのスピードと平原(康多)さんの車間切りがキツくて。でも、加速や自転車とのフィーリングよりも力をいかに自転車に伝えるかを考えていて。最後はいっぱいでしたけど、納得いくパワーの出力を出せたと思います。2日目以降も楽しみですね」
 新田をけん制した平原康多は、止められないと判断して2センターから前に踏む。その平原後位から、武田豊樹が差し脚を伸ばして3着に入った。
 「吉澤が思い切り駆けたから、後方はキツいかなと思っていたんですけど。(新田の)スピードがよかったですね。平原君は判断が難しそうでした。(吉澤を残したいという気持ちが原因で)いかれたところがあると思う。(自分は)余裕があったし、(踏んだ感触は)悪くないです」
 福島3番手の佐藤慎太郎は、前の渡邉と車間が空いてしまう。それでも懸命に踏み続けて4着に入り、青龍賞へ勝ち上がった。
「あれ以上は脚が回らなかった。やっぱり新田は強いね。3着まで行けたらかっこよかったけど。でも、状態は良い方だと思います」

<12R>

脇本雄太選手
脇本雄太選手
 赤板手前で誘導を降ろして先頭に立った稲垣裕之が、先行態勢を取る。深谷知広は脇本雄太(写真)との併走から2コーナーで踏み込むも、稲垣は逃げる腹を固めて突っ張る。深谷が強引に稲垣を叩くが、浅井康太が村上義弘と絡んで前団はもつれる。脇本がタイミングを逃すことなく、打鐘の4コーナーから反撃。逃げる深谷をあっという間にとらえて、上がりタイム10秒7でそのまま押し切る圧巻のパフォーマンスを披露した。
 「ジャンでは余裕があった。2センターではもう行こうっていう感じだった。ラインで決めるっていう気持ちだったし、桑原(大志)さんも(3番手に付いて)いると思った。もう最初からスカスカしたのもあってキツかった。脚はいっぱいでした」
 3番手以下を大きく離して脇本とのゴール勝負になった三谷竜生は、交わせずの2着。
 「(脇本は)流れに乗っていたんで、ずっと流れていた感じでした。僕は任せていただけなんで、なにもしてない。後ろに付いていて強いなっていうのがある。自分は抜けてないので頑張ります」
 浅井をさばいた村上義は、稲垣の余力を確かめてから脇本、三谷を追いかけたが、その車間は詰まらない。村上義に乗った村上博幸が、ゴール寸前で交わして離れた3着に上がった。
 「走る前から脚力落ちしているって思っていたけど、改めて自分の脚力を向上せなアカンと。3着ですよね、レースには参加できてよかった」
 最終1コーナーで浅井との併走に決着をつけた村上義弘は、自力に転じて別線の同地区の2人を追うもいっぱい。
 「僕は浅井に絡まれて、そこからだった。浅井に引っ掛かって脚力をロスした。稲垣も車間が詰まっていかなかったんで、ああなりました」