『第2回サマーナイトフェスティバル(GII)レポート』 最終日編
 
配信日:7月22日


決勝戦VTR

 号砲で村本大輔が勢い良く飛び出すと、佐藤友和―山崎芳仁―村本が前受け、その番手にはコメントどおり兵藤一也が競りかける。中団には浜口高彰―一丸安貴の中部勢、稲垣裕之―市田佳寿浩―金田健一郎の近畿勢が後ろ攻めで周回を重ねる。
  赤板ホームから徐々に前との車間を切り始めた稲垣は、2コーナーからバック線目掛けて一気にカマシ先行に出る。予想外の動きに、佐藤以下は大きく車間が空き最終ホームを通過。2コーナー立ち上がり、稲垣が失速し始めると車間を詰めた勢いで佐藤、そして番手を取り切った兵藤がまくって来る。佐藤は3コーナーで前団をひと飲みにするが、兵藤がこれに離れてしまう。そこに市田がスイッチ。何とか押し切りを狙う佐藤を、G前出色のスピードで捕らえ、ビッグ初優勝を飾った。

ゴール
ゴール
表彰式
胴上げ
表彰式
胴上げ

 ナイター競輪発祥の地・函館で開催されている第2回サマーナイトフェスティバルは今日が最終日。残念ながら昨日にも増して日中から気温が下がり、後半からは雨足も強くなる悪天候の中での開催となってしまいました。
  それでもボウケンジャーショーに始まり、表彰式の花火大会とイベントは全て予定通りに行われ、5レース終了後には格闘家・小川直也選手がバンク内で決勝に進出した9選手をおなじみの「ハッスル、ハッスル」の掛け声で激励。生憎のコンディションの中でも、選手たちはまさにハッスルプレーで詰め掛けたファンを魅了しました。


<1R>
 1Rでは浜田浩司の先行に乗った小川圭二が5月松山全プロ以来となる勝ち星を挙げた。
  「風邪気味で体調が悪いのに、勝てる時はこんなもんやね。今日は浜田が良く頑張ってくれた。これからもあんな展開が増えればいいね」


<2R>
 2Rでは吉川誠が村上義弘を強引に叩いて押し切り。ビッグレースで嬉しい通算100勝目を飾る。
  「今開催は25歳になって初めてのレース。GI、GIIでも初めての勝ち星だし、節目としては最高ですね。今日は無理やりにでも出切ってやろうと思ってました。村上さんからの勝利だから、さらに価値がありますね」


<3R>
中村一将選手    3Rは三ツ石康洋のまくりに上手く続いた中村一将が復帰後初勝利を挙げた。
  「僕も行きたかったので、三ツ石は行くのかどうするのか早くしてくれって思ってました。扁桃腺炎で1か月半休んで、体調も万全ではなかったから内容はどうあれ勝てて本当によかったです」


<4R>
吉岡篤志選手    4Rを制したのは直線で鋭い伸びを見せた前田新だったが、動きが光ったのは前団のモツれをバックからまくった吉岡篤志。3着に敗れたが、「車の出が悪かったし、最後はタレたね。よく覚えてないけど、まくりなんて去年の10月くらいから出してないんじゃないかな? 本当に久々です」と満足げな表情を見せる。


<5R>
 5Rは富弥昭のホームガマシに乗った豊田知之が荒井崇博のまくり、藤野光吉の中割りをしのいで快勝。
  「富君が先行してくれたけど、三番手に荒井が入ってるのは分かったし、こりゃ飲み込まれるなと思ってました。荒井もエラかったのかな、最後も何とか抜かれずに済んでよかったです」


<6R>
山田裕仁選手    6Rは最終ホームで金成和幸を叩いた山田裕仁が上手くペースに持ち込んで押し切った。
  「金成が駆けたら、追い上げるつもりで踏んだら出させてくれた。誰か来るかな? と思って後ろを見てたけど誰も来なかったし、ある程度ペースで駆けられました。今日は金成の先行一車だから厳しかったですよ」
  山田の番手に入りながら、差し切れなかった金成和幸は、「失敗しました。番手をドカして駆けるふりを見せれば、山田さんも踏んだかもしれないけど、あれは差せないわ。直前の雨で練習不足ですね」と悔しがる。


<7R>
 7Rは吉田敏洋が浦山一栄を封じて主導権奪取。東京勢から切り替えた手島慶介がバックからまくった上を、石橋慎太郎が大外を鋭く伸びる。
  「どっちも徹底先行だったし、ある程度考えていたパターンになりましたね。ここに来る前にマレーシアのアジア大会に参加したんだけど、そこで良い感じで踏めたので、その流れでここに入れたのも良かったと思います」


<8R>
渡部哲男選手    8Rの渡部哲男は最終ホーム八番手に置かれる最悪の展開になるが、六番手から伊藤正樹がまくって流れが好転すると、最後は外を鋭く伸びる。
  「1番車で八番手になる展開は全く予想してなかった(苦笑)。最後はサラ脚だったし、助かりました」
  先まくりを打った伊藤正樹
  「バンクが重くてスピードに乗り切らないかな? と思ったんですけどね。風邪とかで体調を崩して、川崎記念のあとは満足な練習ができてなかったけど、前回からやっと踏めるようになってきた。練習はまだ不十分だけど、体調は戻ったのでこれから練習すれば良くなると思います」


<9R>

市田佳寿浩選手

佐藤友和選手

   いよいよ9Rは決勝戦。レース前から雨足は一層強くなったが、その雨の中、激しい優勝争いが繰り広げられた。レースは稲垣裕之の打鐘ガマシに佐藤友和以下は大きく離されるが、車間を詰めた佐藤がバックから豪快にまくる。そのまま佐藤の優勝かに、番手にスイッチした市田佳寿浩がゴール前鮮やかに伸びる。
  「稲垣君とは西武園オールスターでも連係したけど、その時は失敗した。今回は同じ失敗を繰り返したくないという気持ちが凄く伝わってきました。最終HSではマズイ!と思ったけど、気持ちで佐藤君を抜くことができた。GIIだけど本当に嬉しい」
  2着の佐藤友和はさすがに悔しそう。
  「追い付くのに必死でしたよ。それに3コーナーでまくり切った時に、獲れたと思って脚が三角に回ってしまった。欲ですね。最後に出ちゃいけないものが出てしまった」
  3着の兵藤一也は佐藤の番手を取り切ったが、最終的に離れる展開になり絶好のチャンスを逃す。
  「離れたけど、佐藤が強かったよ。付いて行ってれば優勝? 付いて行けてないのにそんな話はできないです」
 逃げた稲垣裕之は大役を果たした。
 「向こうもどれだけやるつもりか分からんし、こっちも主導権を取らないと勝ち目がない。(西武園オールスターでは市田を優勝させられなかった)あの時の悔しさがあったし、佐藤君に出られた時は、またか…と思ったけど市田さんが強かった」

↑ページTOPへ

 
 
COPYRIGHT(C) JAPAN KEIRIN ASSOCIATION, All Rights Reserved.