『第4回サマーナイトフェスティバル(GII)レポート』 前検日編
 
配信日:7月18日


 第4回サマーナイトフェスティバルが明日から四日市競輪場で開幕する。夏の風物詩として定着した本大会はオール予選で争われ、1着のみが決勝に勝ち上がれるシビアな番組編成になっている。したがって、各選手は普段の競輪競走とは違った走りとなり、ファンもそれを頭に入れながらの車券推理が要求される。
 前検日の本日は、正選手81名が四日市競輪場に集結。車体と身体の検査を受け、全選手が無事に宿舎入りした。
 なお、今大会は「世界の音楽」をテーマに、たくさんのイベント・ファンサービスが用意されております。明日の初日は14時30分の開門(南門)と同時にディキシーランドジャズを演奏してファンをお迎えします。2R終了後にはスチールドラム、4R終了後にはフラダンス、6R終了後にはベリーダンスがバンク内で行われます。また、ドリームステージではMACK & Evening Glow(1R終了後)、フラダンス(2R終了後)、ベリーダンス(3R終了後)、スチールドラム(4R終了後)、中野浩一氏・伊藤克信氏による予想会(5R終了後)、中野浩一氏・KONISHIKI氏によるトーク(6R終了後)、中野浩一氏・伊藤克信氏による予想会(7R終了後)が行われます。どうぞお楽しみに。



<1R>
渡部哲男選手
渡部哲男選手
   オープニングレースからG1級の選手がずらりとそろい、激戦は必至となる。1レースは函館、小田原と記念を連覇し、勢いに乗る海老根恵太に注目が集まる。
 「親王牌が終わったあと、北海道の北見へ3、4日で合宿に行ってきました。天気が悪い日もあったけど、結構乗り込んできたし充実した練習ができました。合宿から帰ってからは軽めに調整したので疲れはありません。四日市は初めて。直線が長いみたいだけど、仕掛けどころさえ間違えなければ大丈夫だと思う」
 対する渡部哲男(写真)は前回親王牌では、相性の良い前橋バンクで決勝3着。2年連続で表彰台入りを果たした。
 「一時期に比べると感触は大分良くなりましたね。でも、脚よりも気持ちの面が一番大きいと思う」


<2R>
石毛克幸選手
石毛克幸選手
   2レースはS級S班で格上位の佐藤友和が本命となるところだが、骨折から復帰して間もないため人気は分散しそうだ。
 「下半身の筋肉がまだ戻ってないですね。2、3日前に風邪を引いてしまったけど、それは全く影響がない。前回は仕掛けるタイミングが少し遅れたけど、レース勘は問題ない。調子は万全とはいかないけど、前回よりは良くなっていると思う」
 対戦するのは稲垣裕之。前回の親王牌では準決で敗れたものの、引き続き感触は良さそう。直前に合宿をこなし、今開催に挑む。
 「近畿のS級選手が岸和田に集まり、2泊3日で合宿をしてきました。納得のいく練習ができましたし、変わらず感じは良いですよ。四日市は久しぶり。いつ以来だろう? 記憶にないですね。でも、バンクは軽くて走りやすいイメージがあります。明日は1着権利だし行けるところからの仕掛けになりそうですね」
 石毛克幸(写真)も虎視眈々と1着を狙う。6月函館記念を準優勝、続く7月富山記念を優勝と近況は充実の一途をたどる。今回も上位進出の可能性は十分ありそうだ。
 「(前回の)静岡の決勝は後方に置かれて失敗したけど、調子自体は変わらず良いですよ。夏場も好きだし。前回から中3日だけど疲れはないし、今回は2日開催だから体力的に楽ですから。明日は1着権利だから早駆けはないだろうけど、行くタイミングがあれば仕掛けたい」


<3R>
新田祐大選手
新田祐大選手
   3レースは新田祐大(写真)にスポットを当てたい。新田は前回の親王牌で初のG1決勝進出を果たしただけに、今回も勢いそのままで勝ち進みたいところだ。
 「最近はビッグレースの前は軽めに調整しているんです。親王牌のときは、その前の小田原記念の前に乗り込んでいたから、自転車に乗らずに前橋に入ったけど、宮杯では全く乗らずに本番で失敗したから、今回は山崎(芳仁)さんにアドバイスを受けて疲れない程度に軽く自転車に乗って調整してきました。前回決勝に乗っても、今回あっさり負けるようでは情けないですからね。何とか勝ち上がりたいですね」
 相手は荒井崇博-加倉正義の九州勢だ。加倉正義は今回から新フレームで挑む。
 「前よりも硬くて重たいけど、今回はこれで走ってみます。決して迷っている訳ではなくて、良いフレームを求めて色々と試しているところです」


<4R>
桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
   4レースは武田豊樹-手島慶介-後閑信一で結束し、鉄壁の布陣で挑む。先導役の武田豊樹は前回の親王牌で落車し、怪我の具合が気になるところ。
 「レースでは緊張しているから感じないけど、練習ではまだ左足に痛みを感じますね。でも、いつまでも怪我を言い訳にしていられないからね。親王牌からは取手でいつも通り、気を引き締めて練習してきました」
 桐山敬太郎(写真)が真っ向勝負を挑む。今回相手が手強いが、4回転の大ギアを駆使し一矢を報いたい。
 「6月にあっせんが止まったけど、その分じっくりと練習ができたし前よりも感じが良くなりました。四日市は初めてだけど、1着を意識せずにギアの特性を生かして良いレースができればいいね」


<5R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
   5レースに登場する新田康仁と遠澤健二の南関コンビは、両者ともにS級S班の意地を見せたいところ。新田康仁は「親王牌のあとは、特に変わらず、普段どおりの練習をしてました。上積みは無いけど、状態が落ちているってわけでもないです。G戦線は狙って取れるものでもないし、特に気負いなく自然体で戦います」と口振りは淡々としていながらも、闘志が伝わってくる。
 レースは三分戦の様相。中川誠一郎と吉田敏洋の両機動型にもラインができる。中川誠一郎が「この先も配分が詰まっているし、とにかく今は体調をキープすること第一。今回は1着権利だけど、特にそこにこだわらず、いつも通りの競走ができれば…」と話せば、吉田敏洋(写真)も「最近、流れがつかめない競走が続くけど、状態自体は凄く良いんです。地元地区だし、何とかここで流れを引き寄せたい。1着権利だからって競走が小さくならないように!」とそれぞれ意気込む。


<6R>
石橋慎太郎選手
石橋慎太郎選手
   6レースの石橋慎太郎(写真)は今年のダービー前後から一気に本格化。前走の親王牌でも2161着と気を吐き、G戦線でも引け目無い競走を繰り広げている。
 「何が変わったとか、別に無いんですけどね。夏場は練習時間が減るし、調子が落ちるかなって不安があったんだけど、大丈夫そうです。今回はナイターなんで楽しみ。前回のここでも優勝しているし、ナイターはなぜかいつも成績が良いんですよ」
 渡邊晴智は石橋に全てをゆだねる。
 「石橋とは親王牌でもワンツーを決めているし相性も良いんで、明日は任せます。石橋がやりたい競走をしてくれればそれでいい」
 井上昌己は6月熊本記念での落車負傷後、1本配分を休み、しっかりと治療に専念してきた。
 「武雄のF1を一本欠場して、身体の回復に専念してました。それでも最近は、モガキを中心にしっかりと練習できてるし、問題はありません。ただ、今回から新車なんでセッティングが噛み合うかどうか、そこだけが不安です」


<7R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
   7レースは関東勢に人気が集まりそう。先陣を切る平原康多は、親王牌では決勝進出を果たしたが、その競走内容は消化不良だったといえる。この先続くビッグレースでひとつずつ汚名を返上していきたいところ。
 「前回は残念だったけど、いつまでひきずってても仕方ないですから、もう切り替えました。いつも通り地元でやったり、後閑(信一)さんと京王閣で練習したりと、ここまで順調に仕上げてきました。あとはやるだけでしょう」
 石丸寛之(写真)は親王牌で初めて使用した3・92の大ギアがしっくりいっているようだ。
 「前回、初めて使ったけど、僕に合ってるみたい。33バンクであれだけ戦えたし、ここ(400バンク)ならもっと力を発揮してくれると思う。1着権利はさほど気にならないけど、ただ、明日は(三宅)伸さんが一緒だし、見えないオーラに押されて自然と先行しちゃうかも(笑)。そうなれば、ちょっと…ね」
 紫原政文はさすがに年初の勢いは止まったが、7月大宮Sで優勝するなど、成績は高いレベルでキープしている。
 「やっぱり勢いは続かんですよ。だけど今は、状態が落ちているわけでもないんです。溜まった疲れさえ抜ければ、また少しずつ結果に現れてくると思います」


<8R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   8レースには、親王牌覇者の山崎芳仁(写真)が登場。いつも通り、落ち着いた表情で取材に応じる。
 「親王牌を終えてしばらくは、疲れを取ることに専念していました。その後はいつも通りの練習で。そこそこ仕上がっていると思います。ナイターを走る機会があまり無いけど、昼より涼しいし、バンクも軽くなるだけに、そこに不安はありません」
 山崎に挑む武井大介は6月平塚Sで完全Vを飾ると、更に親王牌で3勝を挙げるなど、最近は白星ラッシュの真っ只中。
 「親王牌を終えてから、競輪学校に3泊4日で違反訓練に行っていました。それだけに根詰めた練習はできなかったけど、状態は凄く良いです。明日、僕がやるべきことは、とにかく中団を狙うこと。自分の競走を見せるにはこれしか無いでしょう」


<9R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
   9レースの小嶋敬二(写真)はこのところ精彩を欠く競走が多く、ファンの期待を裏切り続けている。
 「去年末から1月、2月と調子が良かったし、その辺りの疲れが一気に出たかな。でも今は、完全回復を目指すトレーニングに力を入れているし、自分の中でも徐々に手応えを感じている」
 菊地圭尚(写真)は“夏場が大好き”と話すだけに、ここも期待ができそうだ。
 「前回の武雄Sの後、競輪学校に訓練に行っていたんで、じっくり乗り込むことができなかった。だけど、今の時期は大好きだし、ナイターにも自信がある。この先は地元のF1やオールスターなど、大事な競走が続くし、ここらへんで調子を上げていかないと」
 山内卓也は地元地区開催だけに気合が入っている。
 「前回の大垣Sから中3日だし、疲れを取る程度しか練習できてません。だけど今回は見ている人が多いし、うかつな競走はできない。明日は小嶋さんと一緒だし、なおさら気合が入りますよ」

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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