『第4回サマーナイトフェスティバル(GII)レポート』 初日編

 
配信日:7月19日



 第4回サマーナイトフェスティバルが本日19日から四日市競輪場で開幕。各戦、1名しか勝ち上がれない変則ルールであるため、各選手間の攻防はいつも以上に激しいものとなった。
  山崎芳仁、渡部哲男、新田康仁、兵藤一也のSS班4名のほか、稲垣裕之、井上昌己らが激戦を勝ち上がり、明日いよいよ決勝戦が行われる。
 最終日も場内イベント、ファンサービスは盛りだくさん。中野浩一氏と伊藤克信氏による予想会(5R、7R終了後)や振付師の真島茂樹さんと伊藤克信氏によるトークショー(6R終了後)、他にも各レースの合間にバリダンス、サンバショー、フラメンコなどの音楽イベントが多数開催されます。熱気あふれる四日市競輪場へどうぞお越し下さい。



<1R>
渡部哲男選手
渡部哲男選手
  オープニングレースは、中団を確保した渡部哲男(写真)が、逃げた飯野祐太を二角まくりで仕留めて快勝。自身、今期2勝目とあってレース後は満面の笑みを浮かべる。
「仕掛けるタイミングは、本来ならもう少し手前だったけど、今日は1着権利だったから少し遅めの仕掛けになりました。だけど中団を取れた時点で今日は何とかなると思ってたし、全く問題なかったです。最後、絶対に小倉(竜二)さんに抜かれると思いましたけどね」
  渡部マークの小倉竜二は「哲男はしっかりと踏み直していたし、2センターではペースで流していたから、これは抜けないなと思った。(渡部の)調子はどんどん戻ってるね」と渡部を称える。 
海老根恵太は後方七番手からの巻き返しも効かず、着外に。
「前を取って引くのは予定通り。自分でそういう展開にしたわけなんだから、からまれてもまくりきらないといけませんよね」


<2R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
   2レースは稲垣裕之が外併走して佐藤友和を押さえ、ジャンでカマして主導権を握る。後方から佐藤、中団から石下克幸がまくりを放つがいずれも不発。稲垣裕之(写真)が番手の前田拓也を振り切って逃げ切り、節目の200勝を達成した。
  「200勝は意識していた訳ではないけど、勝ち上がり段階で勝てたのはうれしい。前田さんはブロックしてくれたし、残してくれたおかげ。初手で中団が取れたのが大きかった。佐藤君をすんなり出させると苦しいし、すんなり駆ける展開に持ち込めたし。でも、ギリギリのところまで仕掛けを我慢したから、石毛さんに突っ張られるかと思ったけど、引いてくれたので助かりました」
  前田拓也は稲垣を交わせず。
  「抜きに行ったけど交わせなかったね。今日は作戦は稲垣に任せていた。佐藤君がまくってこなかったから二人で決まったと思ったけど、2センターで内を開けてしまったのが失敗。松坂(英司)君に来られてしまった」
  石毛克幸は中団からまくれず。
  「突っ張ることも頭に入れていたけど迷ってしまったし、それよりも稲垣君のダッシュが良かったね。脚を使っての4番手だから車が出なかった。(稲垣を)すんなり行かせても良かったのかも。思い切って行った方が良いと分かっているんだけど、いざレースになると難しいね」


<3R>
内田慶選手
内田慶選手
   3レースは内田慶(写真)が新田祐大の番手を岡部芳幸から奪うと、最後は直線で新田を交わして快勝。俊敏に立ち回り、その存在感をアピールした。
  「新田君の後ろが一番勝ちに近い位置と思ったから、昨日番組を見た時点で、“ここ”と決めていました。その通りになったし、結果に現れて嬉しい。番手を取ったけど、いつ岡部さんが再び追い上げてきても良いように、態勢を整えて構えていました。新田君のダッシュが良くて離れそうになったり、荒井(崇博)さんに粘られたりしたけど、どうにかしのげて良かった」


<4R>
加藤慎平選手
加藤慎平選手
   4レースは金子貴志がジャンからカマして先行。加藤慎平(写真)が番手から有利に抜け出して1着を手にした。
  「1着が取れてうれしいけど、金子さんのことを考えると申し訳ないし、気持ちは複雑ですよ。3コーナーから急に向かい風になるのに、金子さんは思い切って行ってくれました。今日は自分の力で(勝ったわけで)はないですね。これしかないという作戦を(金子が)取ってくれました。あれだけ金子さんが行ってくれたのだから、俺に1着を取れと言ってくれていると思って最後は思い切って踏みました」
  加藤後位に付けた廣川泰昭も直線で懸命に追い込むが、流れ込み2着が精一杯。
  「3、4コーナーで詰まり、車輪を内に差し込んでしまった。1着を取りに行くならあの走り方ではダメですよね。自分は単騎だし、1コーナーで慎平さんが張ったときにシビアに内をすくうべきだったのかも」


<5R>
新田康仁選手
新田康仁選手
   5レースは、逃げた吉田敏洋の番手に中川誠一郎が粘って隊列が短くなったところを新田康仁(写真)がひとまくり。バック過ぎに前団を捕らえて快勝する。新田は検車場に戻るなり開口一番「ラッキーでした」とニンマリ。
  「中川が引いたらカマすつもりでした。だけど、前団が案外短くなったから、これは行ってしまえと思ってホーム過ぎから踏みました。バンクがもの凄く重かったけど、行きやすいタイミングで仕掛けられたから、スピードに乗せてしまえば1着は取れるなと思っていました。調子自体上がっているし、明日もやれそうです」 
  遠澤健二は一旦、新田の踏み出しに離れてしまったが、しぶとく付け直して2着に入線。
  「いや~、やってしまったね(苦笑)。最終ホームで、前が詰まってて、3車併走になるのかなって思ってたら、新田が一気に踏んだんで離れてしまった。でも、俺と新田で人気を背負っていたし、それがすごいプレッシャーだったんで、必死に踏みましたよ」
  中川誠一郎は「新田さんと中団を取り合っても仕方が無いと思い番手に行きました。でも、競りはまだ慣れてないし、余裕が無かったですね」とイン粘りに出た理由を説明する。


<6R>
井上昌己選手
井上昌己選手
   6レースは人気の石橋慎太郎が赤板ホームで落車し本線が消滅。隊列がゴチャ付いたところを井上昌己(写真)がひとまくりし、1着で決勝進出を果たした。
  「今日は運だけですよ。石橋君が落車したのは分かりました。もう後ろからは誰も来ないし、あとは自分のタイミングで仕掛けるだけでした。6番(池崎太郎)が下がってくる感じだったから、(池崎を)入れても良いように車間を開けてから仕掛けました。まだ完調ではないけど、良い感じで踏めましたよ」
  小野俊之は井上マークに終始し2着。
  「石橋君が落車したから昌己が行きやすい展開になったね。昌己の2センターからの踏み直しが凄かった。でも、それを差し引いても抜けなかったってことは、まだまだ本調子ではないということだね」
  石橋が落車し目標を失った渡邉晴智。意地で追い上げたものの、中村一将の番手を奪えず。
  「前がいなくなってしまったし、自分にはまくる脚がないからあの位置にいてもね。一か八か追い上げたけど豊田(知之)さんに負けた。自分に力がないということ」


<7R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
   7レースを制したのは石丸寛之(写真)。三番手からまくった松崎貴久と、逃げた菅原晃の番手からまくった紫原政文が踏み合うその上を豪快にまくり切った。上がり10秒8の好タイムでの快勝に笑顔を見せる。
  「菅原(晃)君が動いてくれたんで、その流れについていったけど、前にいた松崎(貴久)君と三番手で併走になりそうだったから、それを嫌って5番手に入りました。あそこで併走だったら平原(康多)のまくりごろになっちゃうしね。想定していた作戦とは少し違ったけど、自分らしい競走ができました。明日は一発狙います!」
  三宅伸は石丸を交わせなかったが「石丸はいい踏み出しだったよ。付いてはいけたけどあれは抜けん。去年、サマーナイトで自分は決勝に勝ち上がっているし、今年くらいは石丸が勝ってもいいんじゃない」と石丸とのワンツー決着に満足気。
  平原康多は後方七番手からまくるも、仕掛け及ばず3着までが一杯。
「細切れだったし、前があれだけごちゃついて後方七番手じゃ、打つ手が無い。うまくやられましたね、今日は完敗です」


<8R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   8レースは今回から4.33にギアを上げた山崎芳仁(写真)が超人ぶりを発揮した。七番手となった山崎だったが、2コーナーから仕掛けるとすぐさまトップスピードに入り、前団を軽くねじ伏せた。
  「自分の力を差し切れるし、4百や5百(バンク)は得意だから。ギアを上げたのは最近、気合が緩みそうになっていたから。負けられないというか、人気に応えないといけない状況を作りたかった。今日は周回中から巧く回せたし、重たくも感じなかった。明日もこのギアで行くつもりです」
  有坂直樹はマークが精一杯。山崎の強さを改めて実感したレースとなった。
  「いやあ苦しい。抜くとかではないし、(山崎の強さは)半端じゃないよ。4.00も4.33(のギア)もあまり変わりはないみたいだね。踏み出した瞬間に行ったと思った。タイプは違うけど、先行で戦っていた頃の全盛期の伏見(俊昭)みたい。俺がギアをいくら上げても、あれは抜けないよ」


<9R>
兵藤一也選手
兵藤一也選手
   9レースは主導権をにぎった菊地圭尚を利した兵藤一也(写真)が、西川親幸の中割りや山内卓也の強襲を耐えしのいで1着に。
  「初手から良い位置にいられただけに、菊地が駆けやすい展開だったし、太田(真一)さんも後ろにいてくれたのも大きかった。今日勝てたのは二人のおかげですよ。今年は、1着があまり無かっただけに、この1勝は嬉しい。明日、山崎(芳仁)を目標にできたりと、今は流れが良いのは確か。大事にしないとね」
  小嶋敬二が不発に終わると、小嶋マークから抜け出して強烈な差し脚を見せた山内卓也が巧みなコース取りで2着に食い込んだ。
  「コースがないなか、何とか突っ込めましたね。今日は小嶋さんが行けなかった時点で終わりと思っていただけに、よく2着まで入れたなって感じです」
  菊地圭尚は小嶋敬二相手に主導権を最後まで渡さずに、しっかりとレースを作った。
  菊地は「これだけのメンバーで、自分の力がどれだけ出せるかを見せたかった。連にはからめなかったけど、これだけやれるって自信が付いて良かった」と結果4着にもサバサバ。

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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