『第5回サマーナイトフェスティバル(GII)レポート』 初日編

 
配信日:7月24日



 夏の風物詩・第5回サマーナイトフェスティバルが開幕した。1着のみが決勝に上がれる変則ルールとあって普段よりも激しさが増し、レースは熾烈を極めた。SS班の山崎芳仁や伏見俊昭、武田豊樹などは順調に勝ち上がったが、一方で内藤宣彦や中川誠一郎など伏兵の台頭も目立った。明日はベストナインによる決勝戦が行われます。
 明日25日もたくさんのファンサービス、イベントが用意されております。先着2,000名様にオリジナルグッズをプレゼント。また、先着4,000名様にスピードクジを配布し、当選者には「オリジナルクオカード」がプレゼントされます。
 また、場内ステージでは、侍戦隊シンケンジャーショー(15:00、17:35頃)、スピードチャレンジ(16:30、17:00頃)、サンバショー(18:40頃)、アントニオ猪木&中野浩一トークショー(19:15頃)が行われます。こちらもどうぞお楽しみに。



<1R>
内藤宣彦選手
内藤宣彦選手
   1レースは木暮安由が捨て身の先行策に出て、稲村成浩がバックから番手まくりを慣行。このラインを追った内藤宣彦(写真)が直線で鋭く突き抜けた。
 「牛山(貴広)君の番手も考えたけど、木暮君が先行する雰囲気があったので付いていきました。1着権利だし、北の三番手では苦しいと思ったから悪いけど一人でやらせてもらいました。皆強いし、最後は後ろからいつ来るのか冷や冷やしてました。今回は繰り上がりで参加して決勝に行けたしツイてますね。でも、脚は軽かったし、調子は良いです」
 渡邉晴智は中団から鋭く伸びてきたが、あと一歩及ばすの2着に終わる。
 「まさか木暮君が突っ張って逃げるとはね。牛山君は突っ張られたけど、切り替えは考えてなかったし、前の二人に任せていました。牛山君が外で一杯になっている感じだったから、中のコースを行ったけど、あの展開で頭まで突き抜けるのは難しいですよ」
 木暮安由は「同期(牛山)に主導権を渡したくなかったから今日は先行しか考えていなかった。出切ってからは焦ってしまい、後ろを見る余裕がなかった」とレースを振り返る。


<2R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
   大ガマシを打った濱田浩司の後位から石丸寛之(写真)が快勝。会心のレースに明るい表情を見せる。
 「濱田君がよく行ってくれたし、その気持ちに応えるには1着を取るしかないでしょう。荒井が粘るのも想定していたし、ある程度は考えていた通りの展開になりました。脚の感じはいいので、何とか明日は狙いたい。いつも寝るのは早いほうなんだけど、なぜかナイター開催とは相性がいいんです」
 濱田浩司もレース内容を納得の表情で振り帰る。
 「ペースが緩んだので、ここしかないって感じで行きました。あの展開ならもうちょっと残りたかったけど、自分の仕事は出来たので…。レース中に雨が降りだしたので、まくりはキツイと判断したのもあるんですけどね」
 佐藤慎太郎は渋い表情。倉野隆太郎が踏まず、アテが外れた形となった。
 「あれだけ流したら来るとは思いましたけどね。ちょっと動けてないな。切り替えられてないんだから」
 イン粘りで中部ラインを分断した荒井崇博は「もうちょっと詰められると思ったけど、やっぱりスンナリの石丸さんは抜けん」。


<3R>
後閑信一選手
後閑信一選手
   前受けの佐藤友和が松岡健介を突っ張って先行。両者の攻防を尻目に山口貴弘がホームからカマし、番手の後閑信一(写真)が抜け出して1着を手にした。
 「山口は強いので、今日は何も言わずに付いていた。前回少し感じが良かったんで、山口もギアを上げていたので自分も歩調を合わせて倍数を上げました。ここしかないというタイミングで行ってくれましたね。ここで勝てれば自分もレベルも上がると思ってたんで勝ててよかった」
 山口貴弘は8着に沈んだものの、「村上(義弘)さんが中団に入ってヤバイと思ったけど、その分前が緩んだからカマせました。今日は自分のタイミングで一度は仕掛けようと思ってたんで、出し切れてよかったですよ」と満足げ。
 佐藤友和は予想外の突っ張り先行に出た。
 「押さえが甘かったんで一旦突っ張ったら、もう来ないみたいだったんで駆けました。まくられたけど、最後にもう一回踏み直せたし、前と大差なく入れたんでよしとします」


<4R>
加藤慎平選手
加藤慎平選手
   荻原尚人が九州勢に競りかけて隊列が短くなると、金子貴志率いる中部ラインが一気に先制。ゴール前は3車横一線の争いとなったが、三番手から加藤慎平(写真)が突き抜けた。
 「まさか1着を獲れるなんて思ってなかったんで、本人が一番ビックリしてます。金子先輩の2コーナーまくりですからね。抜けるはずがないと思って気楽に走れたのが良かったのかな。今日は1着権利のレースだから、何も考えずに踏めました。状態は良くなっていると思います」
 金子貴志は惜敗の内容にも「慎平が強かったということ。今日は踏み上げていくホームストレッチが向かい風で苦しかった。その分、粘れなかった感じですね」
 荻原に粘られた井上昌己は「まさかあの態勢から来るとはね。ダッシュで勝負を付けようと思ってたんだけど、踏み出しで遅れちゃいました」と苦い顔。


<5R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
   5レースは武田豊樹(写真)が1着となり決勝行きを決めた。一旦は中団三番手に入ったもののすぐさま巻き返し、番手に切り替えた渡邉一成を振り切って逃げ切り勝ち。
 「今日は1着権利だけど、それでもレースが小さくならないようにと思っていた。最近は大きいレースで勝負強いところを見せていなかったから、今日は勝ててよかった。サマーナイトは落車もあるし、川崎バンクはあまり相性が良くなかったから、決勝にいけてうれしいね」
 飯野祐太はあっさりと武田に叩かれ9着大敗。
 「今日は中団から武田さんの動きに合わせて突っ張ろうと思ってたんですけどね。武田さんが中団に入ったのを見て作戦を変更したんだけど、あっさり行かれてしまいました」
 渡邉一成は武田の番手に切り替えたが、伸びを欠いて3着に終わる。
 「ジャンで当てられて引いてしまった。一回バックを踏んだから脚を使いましたね。バックから武田さんはどんどん踏み上がっていった。脚に余裕があれば早めに出たけど、もう余力はなかった」


<6R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
   最終ホームから三宅達也が絶妙のカマシを決め、番手の中川誠一郎(写真)が抜け出して1着をゲットした。
  「三宅さんが良いタイミングで仕掛けてくれましたね。でも、小嶋(敬二)さんが三番手にいたのが分かったから、いつ飛んでくるのか不安でした。2センターでは車輪がスリップしてコケそうになったし危なかったですね。今日は疲れがあったけど、展開に助けられました」
 小嶋敬二は2センターから仕掛けたものの、あおりを喰って後退した。
  「車間を詰めながら2センターで行ったけど、その瞬間、誠一郎が滑った。それを避けようとして後退してしました」
 三宅達也は「もしかしたら粘り込めるかなと思ったんですけどね。直線が長かった」と4着に沈んだ。


<7R>
小橋正義選手
小橋正義選手
   渡部哲男の番手に海老根恵太がはまる展開になった。海老根がバックからまくり出ると、ゴール寸前で小橋正義(写真)が捕らえて1着を手にした。
 「バックで内を空けてしまい、海老根君には悪いことをしてしまったけど、内に差して踏み遅れるよりは外に差して踏む準備をしていた。前回はびわこの落車の影響があったけど今回は大丈夫。決勝に乗れてうれしい」
 海老根恵太は惜しくも2着。
 「哲男は中団狙いだと思ったからすんなり出させてくれると思ったんですけどね。後ろから押さえたんで結構脚を使いました。普段、押さえ先行をしていない分、最後にそれが出ましたね」
 渡部哲男は「今日は先行するつもりでいきました。番手がいなくなってしまうとは。海老根さんが入っているのが分かったし、駆けるに駆けられなかった。流れが悪いときはこんなもんです」と肩を落とした。


<8R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   圧巻のまくりで横綱相撲を展開した山崎芳仁(写真)が余裕の勝利。レース後も、「今日は1着権利のレースだし、道中で脚を使うよりも、ああいう形のレースをしようと思っていました。自分のタイミングで踏めたし、結果が1着なんで満足です。脚の感じも悪くないですよ」と涼しげに語る。
 山崎にマークした村上博幸は「山崎は落ち着いてましたね。ホームで1回、3コーナーで2回も滑ってしまった。抜ける抜けないの話じゃなかったですね。どこまでも加速していく感じで、離れることはないけど抜ける気もしない」と舌を巻く。
 一方、柴崎淳の先行に乗り、山崎の仕掛けに合わせて番手まくりを放った吉田敏洋は「かなり風がキツかったので、柴崎のスピードが落ちてしまったのが…。ちょうど見てない時に来られてしまって合わせられなかった。自分が前で走るのとはタイミングがずれるので苦しかったですね」


<9R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
兵藤一也選手
兵藤一也選手
   新田祐大が押さえて先行し、伏見俊昭(写真)がすんなりの番手回り。こうなっては別線は成す術なし。伏見が余裕を持って車間を空けると、直線で楽に追い込んだ。
 「今日は展開に恵まれました。でも、たまには展開が向いてくれてもいいですよね。今までなかなかこういうのはなかったから。絶好になったし、あとは抜きに行ったときに兵藤(一也)が内に入って当たってくるだろうから、そこを気を付けていました。明日は山崎(芳仁)君の番手。今日の走りを見る限り、差せないかな(笑)」と、伏見は上機嫌。
 兵藤一也(写真)は三番手から中割り狙ったが、伏見に巧く閉め込まれ2着。
 「(伏見が番手)すんなりの展開だったからね。練習みたいだったし、あれは差せないよ。仕方ない」
 坂本亮馬は中団にこだわり過ぎた。
 「中団からのまくり追い込みを狙ってたんですけどね。伏見さんが車間を空けたり詰めたりしてたから脚にきた。あれだった一回叩いて石橋(慎太郎)さんを待っても良かったかな」

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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