『第5回サマーナイトフェスティバル(GII)レポート』 最終日編
配信日:7月25日
真夏の祭典、サマーナイトフェスティバルは最終日を迎えた。1着権利の難関をクリアした9名による決勝戦を中心に、計9個レースで争われた。注目の決勝は武田豊樹が山崎芳仁をまくって優勝。優勝賞金670万円を手にした。
決勝戦 レース経過
隊列は石丸寛之-加藤慎平-中川誠一郎の西三者に、小橋正義が付けて前団。中団には山崎芳仁-伏見俊昭-内藤宣彦の北日本勢、武田豊樹-後閑信一の関東両者が後方となり周回が進む。 レースは青板周回から早々と動き出す。武田が上昇して山崎にフタをすると、そのまま打鐘を迎える。すると山崎が武田を叩き一気に先行態勢に入った。その際、石丸が車を下げると、武田が中団へと入り一列棒状で最終ホームを通過した。山崎を追った武田が二角からまくりを打つと、2センターで山崎ラインを捕らえて先頭に。武田はこのまま後続を振り切り自身初のサマーナイト制覇を達成した。2着には山崎の先行を利した伏見が、3着には石丸のまくりに乗って直線大外を強襲した加藤がそれぞれ入線する。
胴上げ
表彰式
ゴール
<1R>
渡部哲男選手
二段駆け態勢の中部勢を井上昌己が中団からひとまくりし、これを追走した
渡部哲男(写真)
が直線で井上を捕らえて1着を手にした。
「今日は昌己のおかげ。6番(岡村潤)をさばいてうまく中団を取ってまくってくれましたからね。でも、展開がどうあれ、1着が取れたのはうれしいですよ。最終日も9着だったら、また悩まなアカンところだったからね(笑)」
<2R>
柴崎淳選手
永井清史が単騎で逃げる展開となり、中部勢は連係が崩れた。しかし、離れた吉田敏洋は巧く中団を取り、バックから自力まくり。最後は
柴崎淳(写真)
が恵まれて1着となった。
「今日は自分が前で戦っても良かったけど、永井さんが前で走りたいというので自分が三番手になりました。今日は付いていて余裕があったけど、前の二人の先輩が頑張ってくれたし、1着を取らせてもらったような感じ。恵まれました」
吉田敏洋
は永井に離れて援護できず。まくりを決めたものの、気持ちは複雑だ。
「2、3歩目で、もしかしたら牛山(貴広)に突っ張られると思って中団に入った。自分で勝手に判断してはいけないよね。今日は永井に付け切るって強く思っていれば追い上げるなりできたのに。中途半端な気持ちで走って永井に迷惑をかけてしまった。これから後ろを回る競走が増えてくるし、今回は良い勉強になりました」
<3R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二(写真)
が意地の走りで1着をもぎ取る。先行態勢に入った和田健太郎を強引に叩くと、再三、再四の踏み直しで後続を引き離した。
「何とか勝てたけど、しんどかったですよ。やっぱり、昨日1着じゃないと意味ないですからね。全日本に向けていい感触をつかんだってことにしといてください」
2着の
松岡健介
は「出られると思って仕掛けたんですが、合わされるとは思わなかった。小嶋さんは2コーナーから腰を上げて踏んでたでしょう。信じられません」と脱帽。
<4R>
浅井康太選手
浅井康太(写真)
はまくり追い込みで勝ち星を挙げたが、「菊地さんに合わせて仕掛けるつもりだったんですけどね。でもキツかった。今日は先行するつもりだったんです」と手放しで喜ぶ素振りは見せなかった。
3着に食い込んだ
加倉正義
は菊地圭尚と即席ラインを組んだ。
「2車なのに言ってくれてた菊地君の気持ちが嬉しかったですね。僕も車間を空けたり、色々とガードするつもりだったんですが、その分、踏み遅れてしまった感じ。今回は、直前の合宿の疲れをしっかり取ってきたつもりだったんだけど、どこかに影響は残っていたみたいです」
<5R>
成田和也選手
新田祐大が藤田竜矢を強引に突っ張って先行。岡部芳幸が番手まくりを放ち、直線で
成田和也(写真)
-佐藤慎太郎が抜け出した。
「新田君は早めに突っ張ったし、番手から出た岡部さんもキツかったと思いますよ。ジャンで突っ張ったときに離れそうになったけど何とか付いていけました。自分が一番良い位置を回ったから1着を取ることができました」
新田祐大
は力を出し切った。
「横がかぶるんだったら駆けてしまえと思って早めにいきました。今日は重たかったですね」
藤田竜矢
は早めに押さえに行ったが…。
「残り3周で押さえに行ったけど、まだ早いと思って緩めてしまった。もう一回踏んだけど行かれてしまいましたね」
<6R>
村上義弘選手
6レースは濱田浩司が先行。
村上義弘(写真)
が落ち付いて中団を確保すると、バックから力強くまくって前田拓也と近畿でワン・ツーフィニイッシュ。
「ホームで結構脚にきていたけど、3.92のギアに合った展開になったし、最後までしっかりと踏みこなせました。これからはメンバーやレースに合わせて3.57から4.00までのギアを選択していきたい」
三宅達也
は坂本竜馬のまくりをブロックしたが、村上までは止め切れず。
「亮馬は止めたけど村上さんまでは…。村上さんも押さえて脚を使っていたはずなのに。その辺の判断がまだまだ未熟ですね」
<7R>
山口幸二選手
ベテランの山田裕仁が渡邉一成を突っ張って予想外の先行策に出た。一本棒の展開から
山口幸二(写真)
が有利に抜け出して1着。
「今日は僕がどうこうというより、山田君の頑張りに尽きるでしょう。付いていてキツかったし、余裕がなかったので内をしゃくられてもいいやと。1着が取れたし、これで地元の全日本を迎えられます」
山田裕仁
は5着に沈んだが、大いに見せ場を作った。
「今日は2分戦だし、流れを見ながら攻めようと思った。一旦、渡邉に踏ませて中団を狙おうと思ってたけどね。向こうの番手は同期(神山雄一郎)なんで、粘りたくはなかったけど、流れのなかでそうなったら飛び付こうとも思っていた。でも、来なかったんで腹を括って駆けました。今日は風が強かったし、2センターで脚は一杯。でも、今日先行して、次の地元に向けてアタリを付けられました」
<8R>
海老根恵太選手
8レースは
海老根恵太(写真)
が1着。目標の栗田雅也が中村一将に叩かれたが、三番手に俊敏にスイッチすると、バックからひとまくり。
「栗田君が頑張ってくれたけど、中村さんが良い勢いできたし、悪いけど切り替えさせてもらいました。結構脚を使ったので最後はキツかったですよ。1着が取れて良かった」
中村一将
は絶妙のタイミングでカマシを決めたが、重たいバンクに力尽きて8着に沈んだ。
「ジャンで金子(貴志)さんが行ってくれるのを期待したんですけどね。行ってくれれば目標になって楽に出られたんですけど。今日は風が強くて重たかった。バックで脚が売り切れました」
<9R>
伏見俊昭選手
石丸寛之選手
注目の決勝は武田豊樹がまくって優勝。ここでは惜しくも敗れた選手のレース後の様子をレポートします。
伏見俊昭(写真)
は武田との直線勝負に1/8輪差で敗れた。
「オーロラビジョンを見ていて、武田さんをブロックするタイミングがずれてしまった。しっかり後ろを見て、2回目は体で当たれば止まったかも。山崎にはいつも行ってもらっているし、山崎の心意気に応えられなかった自分が情けない」
3着の
加藤慎平
は伏見とは対照的だった。
「石丸さんのまくりを差せるとは思わなかったから、3着は上出来ですよ。今日は伸びたし、納得のレースができました」
石丸寛之(写真)
伸びを欠いた。
「3着かと思ったんですけどね。武田さんは早めに行ったし、ああなったら武田さんのまくりに乗っていくしかなかった。踏んでいて重たいとかは感じなかったし、前が強すぎましたね。今日はレースをしていて気持ちが良かった」
逃げた
山崎芳仁
は「重たくて掛からなかった」と、漏らした。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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