『第6回サマーナイトフェスティバル(GII)レポート』 初日編

 
配信日:7月17日



 真夏の祭典として今年で6回目を迎えた「サマーナイトフェスティバル」が函館競輪場で開幕した。オール予選で、1着を獲った者のみが決勝に進めるサバイバルレース。ディフェンディングチャンピオンの武田豊樹や村上義弘らが敗れるという激戦を制した9名が明日の決勝戦で無傷のG2制覇を狙う。
 明日(18日)も本場では様々なイベントを予定しています。14:30からと1R終了後にはザブングルとテンゲンによる爆笑お笑いライブが、また15:00ごろ、2R終了後と16:30からは地元ダンスチームによるパフォーマンス、大人気ショップによるアウトレット市(14:30~19:00)も開催されます。中野浩一氏と藤巻昇氏によるトークショーや豪華景品が当たる抽選会も引き続き開催。注目の決勝戦は、ぜひ函館競輪場でお楽しみください。



<1R>
成田和也選手
成田和也選手
   オープニングレースを制したのは成田和也(写真)。逃げる愛知ラインの3番手を確保すると、番手まくりの金子貴志を捕らえた。
 「今日は理想の形になりましたね。百戦錬磨の有坂さんと考えていたとおりにいった。金子さんも車間を斬ってたから、行ったら合わされるかなというのもあったし、誰かが来れば番手から踏むと思ってた。直前は雨でめちゃくちゃ練習できたわけじゃないけど、親王牌の前にできてたので体は楽ですね」
 2着の有坂直樹は致し方なしといった表情。
 「先行争いになっても石丸(寛之)より先にまくればいいわけだし、今日はまるっきり作戦どおり。でも風がなかったし、あれは差せないね。1着上がりだから、しょうがない」
 番手まくりに出た金子貴志は悔しさを隠せない。
 「せっかく倉野(隆太郎)があんなに行ってくれたのに…。後ろが成田なのは分かってたし、早めに行っても差される。難しいところでしたね。滅多にないチャンスだし、モノにしたかった」


<2R>
石毛克幸選手
石毛克幸選手
   石毛克幸(写真)が優勝したふるさとダービー弥彦(05年)以来、2度目のビッグ決勝進出を果たした。五十嵐力との連係から、最後は自ら踏み出して1着をもぎ取った。
 「道中での余裕はありましたね。五十嵐君も頑張ってくれたし、しっかりチャンスをものにしないと。誰かしらまくってくるとは思っていたので、浅井君が来たのを見た時点で踏みました。後ろでアクシデントがあったのは分かりましたよ。前回が失格で終わっているだけに、この1着は本当に嬉しい」
 落車を避けた西田雅志が2着で入線。勝ち上がれるのは1着のみのレースで複雑な表情を見せる。
 「3コーナーぐらいから危険な雰囲気があったので、外を踏む用意をしていたんです。今日は2着だけど、僕にとっては1着なみに価値のあるレースでした。急な追加だったけど、函館まで来た甲斐がありましたね。直線でも踏めていたと思います」
 浅井康太は悔しさを噛みしめる。
 「今の状態だと仕方ないかな。でも踏み出したスピードは悪くなかったし、早めに行くという気持ちになれたから…」


<3R>
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
   ベテラン神山雄一郎(写真)が後閑信一の番手から抜けだした。後続の追撃を完全に振り切って会心の勝利。
 「今日は後閑君のおかげ。それに尽きますよ。積極的に仕掛けてくれたし、その心意気が伝わってきた。スピードも良かったですよ。あとはその気持ちに応えるために、3コーナーで前に踏ませてもらいました。後ろには鋭い差し足がある選手がそろっていたからね。次は地元のG1。良い流れに乗れたのも大きいですね」
 村上博幸は後方から迫るも、最後は伸びきれず。
 「初手の位置取りも厳しかったですね。後ろでレースが始まってしまったので、飛び付きたかったけど無理でした。自転車もまだ2戦目だし、思ったよりも落車の影響はあったかもしれません。感触を確かめる意味でも、力を出し切る競走をしたかったんですが」


<4R>
加藤慎平選手
加藤慎平選手
   初手は中団に構えた深谷知広が打鐘先行に出ると、番手絶好となった加藤慎平(写真)が服部竜二の強襲をしのいで1着をゲットした。
 「今日は深谷の頑張りに尽きる。力強いレースをしてくれました。お祭りみたいなレースは自分に合ってるのかな? ずっと決勝に乗ってるし、本当に相性の良い大会です。1着権利の方がシンプルに考えられるので気持ち的に楽。いつでも1着を取れる状態だと自分では思ってたので、実際に取れて良かった」


<5R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
   先行態勢に入った佐藤友和(写真)がカマしてきた矢口啓一郎の番手にスッポリ。小岩大介のまくりに合わせて出ると、後続を振り切った。
 「やっぱり函館は相性が良い。今日も軽く感じたし、たぶん好きなんでしょうね。今日は先行するつもりだったし、その結果たまたま番手に入れた。あとはワンツーが決まるようにと思って仕掛けました。デキは良いし、気持ちに余裕がありますね」
 伏見俊昭は内をすくってきた小倉竜二にからまれたのが痛かったが、何とか2着を死守した。
 「友和がまくった時点でワンツーは決まるなと思ったけど、あとは内ですよね。絶対に小倉くんか岩見(潤)さんのどっちかが来ると思ってた。この2着は価値があるし、友和が決勝に乗ってくれたので良かった」
 小倉竜二は伏見をすくって2着入線かと思われたが…。
 「(伏見に当たった)アレで自分のスピードも殺してしまった。それでも2着に入るか、後ろに付いてくれてたので追い上げなアカンかった。今日は内容がダメやね」


<6R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
   山賀雅仁のまくりに乗った海老根恵太(写真)が快勝。相性の良い函館で、SSシリーズ以来となるビッグ決勝進出を果たした。
 「山賀のおかげですね。良いところまで行ってくれればチャンスはあると思ってたし、全て任せてました。本当に函館は相性が良いですね。全部自分でやった訳じゃないけど、久々のビッグ決勝だし、1着が取れて良かった」
 藤田竜矢の勢いを借りた稲村成浩がうまくコースを突いて2着に食い込んだ。
 「前が海老根じゃなければ抜けたかな? 9番手になってしまったし、あとは1着を狙ってどこを突っ込むかだけ考えてた。2着は残念だけど、藤田と2人で確定板だし良かった」
 地元で優出を狙った斉藤正剛は永井清史の番手勝負を選択。
 「あれはとっさの判断。とにかく前々にとしか考えてなかった。取り切ってからは『脚を溜めなきゃ、脚を溜めなきゃ』と思ってたけど、ホームで脚を使い過ぎていた。しょうがないですね」


<7R>
山口富生選手
山口富生選手
   ライン2車でも果敢に主導権を握った鈴木謙太郎。他地区の機動型が作ったチャンスを山口富生(写真)は逃さなかった。
 「恵まれました。よく行ってくれたし、鈴木くんは強かったです。誰が3番手にいても力があるんで、(まくって来るだろうと)腹をくくってました。でも武田がコーナーに入って止まりそうだったので、ギリギリまで抜きに行くのを待った。1着上がりなうえに、地区も違うのに。鈴木君はホントによく行ってくれましたよ」
 2着に粘った鈴木謙太郎。1着権利というシステムなのが悔やまれる満点のレース内容だった。
 「カマして来たら、それに合わせてと思ったけど、3番手に武田さんがいたので焦って踏んでしまった。最後はもう脚が一杯。良かったです、ワンツーで」
 武田豊樹の大会連覇の夢は初日で潰えた。
 「インをすくわれるのは想定してたし、外併走からでも(まくってやろう)と思ってた。でも、まくれなかったですね。レースの作り方を失敗した。一発で終わるのは寂しいですね」


<8R>
高木隆弘選手
高木隆弘選手
   地元の菊地圭尚を連れた山崎芳仁がカマシ先行。強引に神山拓弥を叩くと、バックから菊地が番手まくり。これで菊地が勝ったかに見えたが、神山後位からスイッチした高木隆弘(写真)がドンピシャのハンドル投げで鮮やかな逆転劇を演じた。
 「できすぎですね(笑)。山崎くんの後ろを取り切っても差せないだろうし、(菊地)圭尚も誰か来たら出て行くだろうから3番手に切り替えた。最後も圭尚の踏み返しがキツかったけど、年甲斐もなくがっついちゃいました。(前回の武雄F1初日から)4連勝? 流れ一本ですよ」
 山崎の心意気に何としてでも応えたかった菊地圭尚。寸前で地元ビッグ優出の夢が破れ、ガックリとうなだれる。
 「山崎さんがあれだけ行ってくれたのに…。正直、悔しいですね。全力を出した結果だから仕方ないけど、(番手から)出たあとは脚が3角に回ってしまった」


<9R>
田中誠選手
田中誠選手
   周回中から中団は外に松岡貴久、内に吉田敏洋で併走。前受けの村上義弘は赤板過ぎから車間を切って待ったが、松岡の仕掛けが遅いと見るやホームから突っ張り先行に出る。松岡の仕掛けは不発に終わったが、3番手で立て直した中川誠一郎がバックまくり。続いた田中誠(写真)が殊勲のビッグ初優出を決めた。
 「ギリギリです。回転はマックスだったし、楽じゃなかったですね。(前2人の)作戦は特に聞いてなかったので、押さえるのが早いなと思ったら、中団併走だった。かぶる前に中川さんが仕掛けてくれたけど、踏み遅れて新田(康仁)さんに締められたら入られそうだった。でも、そこは勝負と思いましたね。最後は抜けなくてもしょうがないと思っていました。(練習中の落車もあって)体調はベストではないです」
 まくった中川誠一郎は惜しくも2着で決勝進出を逃した。
 「(松岡)貴久に悪かったですね。出切れなかったのでマズいなと思って、整えて1着を取りに行った。あの距離なら1着取れると思ったけど…」
 終始フタをされてレースにならなかった吉田敏洋は3着の結果にも浮かない表情。
 「疲れてないですよ。見事に最近の若手にやられた。今日はそれしか言いようがない」

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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