『第9回サマーナイトフェスティバル(GII)レポート』 最終日編

配信日:8月3日
 東日本大震災復興競輪・サマーナイトフェスティバル(G2)は8月3日に最終日を迎えた。1着権利の狭き門を勝ち抜いた9名による決勝は、逃げた池田勇人の3番手から佐藤友和がまくって優勝。9代目の「夜王」に輝きました。
MC/箭内道彦、渡辺俊美、富沢タクによるアコースティクライブ
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ケイリン場de夏祭り
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獣電戦隊キョウリュウジャーショー
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決勝戦 レース経過
 号砲が鳴るといち早く深谷知広が出てSを取ったが、脇本雄太を迎え入れる。隊列は脇本ー村上義弘ー松岡健介、深谷、坂本健太郎、佐藤友和ー成田和也、池田勇人ー岡田征陽の順で並んだ。
 周回が進み、青板2センターから池田が上昇をはじめ、佐藤、深谷らが切り替えていく。池田が前を押さえると、脇本はすんなり車を下げて7番手に収まる。一本棒で打鐘が入り、池田はペースを落として様子を見るが、後方の動きはない。池田は徐々にペースを上げて先行態勢に持ち込むと、1コーナーから全開で踏んでいく。池田が懸命に逃げる一方、脇本が後方から巻き返していくが、車間を空けて援護する岡田にブロックされて2コーナーで万事休す。また、深谷、坂本も仕掛け所なし。これで前団で勝負あり。岡田が前との車間を詰めていくと、3コーナーから佐藤が鋭くまくって優勝した。マークした成田が2着で、逃げた池田が3着となる。


 
 
 
<1R>
新田祐大選手
新田祐大選手
 最終日は新田祐大(写真)が強さを見せた。レースは前受けの竹内雄作が海老根恵太を突っ張って主導権。うまく中団を取った後閑信一がバックからまくると、さらにその上を新田が上がり10秒7のハイラップでひとまくりした。
 「昨日(初日)は予想外の展開に対処できなかったけど、反省して今日はうまくいきました。必死でした。昨日はレース内容がよくなかったけど、一戦一戦勉強しながら2日間走れました」
 バックからまくった後閑信一が2着に入る。
 「竹内君が突っ張る気配があったんでしっかり中団と思ってました。展開が良かったですね。それにしても新田君が強かった。オッズを見て1(新田)ー3(後閑)が売れているから何でと思ってたけど、バックでこういうことかって分かりました。お客さんはうまいですね(笑)」

<2R>
稲村好将選手
稲村好将選手
 ジャンで浅井康太が落車するアクシデントが発生。これで隊列がゴチャ付いたものの、逃げた藤田大輔の3番手を取った新田康仁がバックからまくりを決め、続いた大薗宏と直線勝負かと思われた。しかし、その後方から稲村好将(写真)が迫り、中を鋭く伸びて1着をさらった。
 「落車でフワッとなって鈴木(誠)さんに割り込まれたけど、最終バックで内を空けたんですくっていきました。小林(大介)君と離れてしまったんで必死でしたね。最後は大薗さんが見えたけど、一杯だったようで締めてこなかったからコースが空きました。展開に恵まれましたね」

<3R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 山田久徳が中団以下を引き離して先行し、番手の山下渡が有利かと思われた。しかし、鈴木謙太郎のまくりに乗り、山崎芳仁(写真)が直線で外を強襲。外を一気に突き抜けた。
 「予想してたけど、誰も出なくて前を取らされましたね。前になってはああいう展開になりますよね。だから口だけは開けないようにと思って付いてました。中団(松岡篤哉)の車間が空いていて前が遠かったけど、謙太郎が良いところまで行ってくれたんで。最後は山おろしでいけました」
 山下渡は惜しくも2着に。
 「他地区なのに山田(久徳)君は先行基本と言ってくれたし、頼もしいし気持ちが伝わってきた。しかも2車ですからね。最後はギリギリまで残そうと思ってたけど、外に1番(鈴木)が見えたんで踏ませてもらいました。今日は山田(久徳)君のおかげです」

<4R>
勝瀬卓也選手
勝瀬卓也選手
 上原龍が押さえて主導権。前受けの金子貴志が車を下げたため、うまく中団を取った坂本亮馬がバックからスパートすると、スピード良くまくり切った。最後は番手の勝瀬卓也(写真)が追い込んで1着。
 「上原君は掛かってたけど、坂本君はその上を無理矢理行ってくれましたね。佐藤(慎太郎)君もバックの直線だったから持って来られなかったんでよかったです」
 坂本亮馬は2着になったものの、久々のビッグ確定板入りを喜ぶ。
 「前が掛かってたけど、自分の脚が消耗する前に行きたかったので。最近優勝を取りまくっている好調の金子さんに行かれなかったんで自信になりました。昨日(初日)大役をこなして疲れたけど、久々のビッグで連にからめたのでやれる手応えがありました」

<5R>
菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
 磯田旭が大先輩の神山雄一郎を連れて主導権。単騎で3番手を取った渡部哲男がまくっていくと、これを追った菊地圭尚(写真)が追い込んで1着となった。
 「前(渡部)が車間を空けてたんで行くだろうと思ったんで見ながらいきました。ただ、神山さんも出る感じでいたんでどうかと思った。そしたら僕の所に来たんでキツかったですね。ものすごく重たいんですよ、神山さんが。でも、何とか堪えられたんでよかったです」
 萩原孝之がきっちりマークして2着を確保した。
 「菊地君が落ち着いて良い位置を取ってくれたんで。最後、神山さんにからまれてたけど、菊地君は強いんで行ってしまうと思ってました。今日は前のおかげです」

<6R>
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 最終バックで三谷将太が落車するアクシデントがあったが、これを避けた芦澤大輔(写真)がまくりを決めて1着。ラインで上位を独占した。
 「予想できないところで落車があったからビックリしたけど、何とか避けられました。危なかったですね。昨日(初日)は本来なら1着を取らないといけなかったけど、(原田研太朗の)番手の仕事ができたし取り切れたんで。今日(最終日)みたいにまくりのときもあるし、今後も色々な場面が増えていくと思うんでしっかり走らないと。全てに納得はしてないけど、今回はやれた方だと思います」

<7R>
平原康多選手
平原康多選手
 7レースも3名が落車するアクシデントが発生した。レースはジャンでスローになったところで各車が接触して転倒。この隙に松谷秀幸が主導権を握ったが、落車を避けた水谷好宏が4番手からまくりを決め、続いた平原康多(写真)がゴール寸前で差し切った。
 「今回は大丈夫だと思ってたけど、また落車がありましたね。危なかった。1着が取れたけど、本来なら水谷君が出る前に先に行かないといけない。仕掛けられなかったですね」
 逃げた松谷秀幸は「力がないですね」と完敗。「相手が強いけど、もうちょっと抵抗できないと。でも、連日後ろから動いてレースを作れたんで。課題が見つかったし、また次頑張ります」。
 連係した小林則之は「早く(番手から)出ればよかったですね」と悔やむ。「(松谷の)踏み出しが良いんでキツくて。脚を使ってたんで出られなかった」。

<8R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 8レースは中団を取った松岡貴久だったが、ホームから一気にスパートして主導権。すると、後方からの反撃に合わせて中川誠一郎(写真)が番手まくりを敢行し、続いた合志正臣と熊本ワンツーを決めた。
 「(松岡が)頑張ってくれましたね。川村(晃司)さんが見えたから、(松岡が)あれだけ行ってくれたんで番手から出ました。(川村に)行かれたかと思ったけど、ワンツーが決まってホッとしました。それにしてもキツかったですね」
 川村晃司は敵陣に番手まくりを喰らったものの、粘りを見せて3着に入った。
 「ジャンで行こうとしたけど、松岡君が上がってきたんで行けなかった。牛山(貴広)君がやる気満々だったからずっと全開だったんでキツかったですね。予想した展開と違いました」

<9R>
池田勇人選手
池田勇人選手
 注目の決勝は逃げた池田勇人の3番手を取った佐藤友和がまくって優勝しました。ここでは惜しくもあと一歩及ばなかった選手の様子をレポートします。
 成田和也は懸命にペダルを踏んだが、佐藤との差は縮まらず2着に。
 「悔しいですね。友和が強かったけど、僕ももう少し差し込めたら。ゴール前勝負したかったね。友和が強いから展開が向いたんだと思うし、自分はもう少しだった」
 池田勇人(写真)は力を出し切っての表彰台入りを素直に喜ぶ。
 「良い思い出になりました(笑)。今日(決勝)は友和さんは仕方ないにしても、脇本君だけは絶対に出させたくなかった。1コーナーから全開で踏んで、あとはどうにでもなれって思ってました。見せ場を作れたんでよかったですね」
 村上義弘は脇本に前を託したが、親王牌に続いて今回も決まらず。
 「(脇本が)後ろから行くって言ってたけど、前を取ったんで突っ張るかと思ったけど引いたんで。僕も(脇本を捨てるなり)早めに判断しなければいけない所だった」
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