『第11回サマーナイトフェスティバル(GII)レポート』 2日目編

配信日:8月23日
 函館競輪場を舞台に開催されている「第11回サマーナイトフェスティバル(G2)」は、22日に2日目を迎えた。決勝進出をかけてガールズでは予選2、サマーナイトフェスティバルでは準決の3個レースで熾烈な戦いが繰り広げられ、夜の函館バンクは大いに盛り上がった。23日の最終日には「ガールズケイリンフェスティバル2015」、「サマーナイトフェスティバル」、2つの決勝の号砲が鳴らされる。
 最終日はものまね芸人の神無月が函館に登場。ものまね爆笑ライブ(16:15頃~、18:00頃~)が開催されます。また、2015年度KEIRINイメージキャラクターの柳ゆり菜さんも来場し、高村敦氏とのレース展望などでシリーズを盛り上げます。屋外特設ステージや選手会ふれあいブースでも様々なイベントを予定しておりますので、最終日もぜひ函館競輪場で迫力あるレースをお楽しみください。
りんりん&函館観光大使 暁月めぐみ コラボステージ
りんりん&函館観光大使 暁月めぐみ
コラボステージ
GIRLS KEIRIN CAFEやトークショーに出演 大和選手と明珍選手
GIRLS KEIRIN CAFEやトークショーに出演
大和選手と明珍選手
決勝戦を明日に控え全員集合
決勝戦を明日に控え全員集合
競輪選手と盛岡わんこそば対決
競輪選手と盛岡わんこそば対決
<1R>
山原さくら選手
山原さくら選手
 打鐘目がけて勢い良く出た杉沢毛伊子が先行態勢を取るが、その上を長澤彩がカマシ気味に仕掛けて主導権を奪取。前団の入れ替わりを好位でジッとうかがいながら脚力を温存していた梶田舞が、最終バック手前からまくり一気。ゴール勝負で山原さくらには交わされたものの、2着でポイントを順当に加算して危なげなくファイナルに進出。
 「1着が取れなくて残念なんですけど。昨日(初日)よりは調子が上がっているんで、最終日はもっと良くなると思います。杉沢さんに飛び付いてもよかったんですけど、いろいろ迷ってしまいました。だけど、自分のレースができていると思います」
 1番車の山原さくら(写真)は、最内枠を利して周回中から梶田後位にポジショニング。思惑通りの位置取りから、直線で追い込んで白星を飾り梶田の連勝を止めた。
 「今日(2日目)は過去にないくらいスタートを集中しました。梶田選手も前に行くと思ったし、梶田選手の後ろに入れたんでよかった。それでも1着は厳しいかなっていうのがあったんですけど、自分自身もコーナーで踏めていた。1着を取れたので脚の感じはいいと思います」
 4着に沈んで優出を逃した長澤彩だったが、積極的な走りは見どころ十分。清々しい表情で振り返る。
 「初日も自力を出したんですけど、自分では納得していないところもあった。(2日目は杉沢が前にいたんで目標にして)スピードに乗せやすかったし、やりやすかった。今後に向けてああやって(積極的に)仕掛けていくことも必要だと思うんで」

<2R>
奥井迪選手
奥井迪選手
 奥井迪(写真)が打鐘から迷いなく先行。そこから巧妙なペースで1周半を駆け、後続を振り切り白星ゲット。会心の走りに、ゴール線を1番に通過した瞬間「まさか1着取れるとは…、思わず出てしまいました」と、ガッツポーズも飛び出した。
 「地元のファンみたいに応援してくださっていたし、中学の同級生の姿も見えた。声援に応えたかったので、何としても1着を取って(勝利者)インタビューに出たかった。意識したのはホームで押さえて駆けるようにしたこと、いつもよりフカさないようにして、最後直線勝負になることはわかっていたので」
 打鐘過ぎは徹底先行で鳴らす奥井迪の後位を狙って4車併走となったが、最内から飛び付いた石井寛子が番手をゲットし流れ込んだ。
 「飛び付くしかないと、(打鐘では)引けなかった。飛び付きにだけ集中して脚を使い過ぎて最後は一杯になった。ダッシュは問題ないのだろうけど、脚が一杯になってしまったのは練習不足が出たということですね」

<3R>
小林優香選手
小林優香選手
 加瀬加奈子のまくりに対し、バックで高木真備の内に差し込んだ小林優香(写真)は2センターでようやく外に持ち出せる体勢に。それでも直線だけで前の2人をゴボウ抜きして、唯一の連勝で決勝戦へ駒を進めた。
 「加瀬さんを前に置く作戦でした。スプリント勝負みたいになるのは覚悟してたし、終始包まれる展開だったけど脚の感じはいい。最後も追い込めてますからね。優勝するために練習してきたし、そのイメージもできてる。脚ができてる感触はあります」
 上手くレースを運んだ加瀬加奈子だったが、最後の最後で小林のスピードに屈した。
 「落ち着いて走れたと思う。今日は連にからめば決勝に上がれると思ってたので。自力で小林とどれだけの勝負ができるか。小林がどの位置にいるか見れたらよかったけど、(真後ろの)真備しか見えなかった。明日(決勝)はもっとみんなの脚があるんで楽しみです」
 小林後位から3着に伸びた戸田みよ子は13点で小林莉子と並んだが選考順位で敗れ決勝進出はならず。
 「初日あともうちょっと差し込んどけば…。力をつけて出直します」

<4R>
渡邉一成選手
渡邉一成選手
 周回中は7番手に待機していた高久保雄介、中団の鈴木庸之。2つのラインが赤板で上昇を始めるが、前受けの渡邉一成(写真)が両者を突っ張りそのまま先行策。持ち前のダッシュを生かして、緩急をつけながら他のラインを翻ろう。高久保が不発になると自力に転じた小嶋敬二も封じて、北日本ラインで上位を独占。自らも2着に逃げ粘った渡邉が、初日を悔やみながら振り返る。
 「小嶋さんが番手だったし、2段駆けもあるのかなって。それだったら(突っ張って)しっかり踏んでおけばと思った。初日は集中し切れてなくてフワフワしてしまった。集中し切れていないぶん、思い切りの良さがなかったし受けのレースになってしまった。自分はしっかりと攻めて成績を残すタイプだと思っているんで、今日(2日目)はキツくても長い距離を踏むレースをしようと思っていた」
 番手の仕事も抜かりなくこなした明田春喜が、渡邉を追い込んで1着。2日目からの補充ながらも、地元のビッグで白星を飾り大粒の汗をぬぐう。
 「(渡邉)一成が強かった。突っ張った方が面白いって、一成も言ってたからああなるかとも思っていました。自分も(補充でも)調整はちゃんとしていたし、また最終日も頑張ります」

<5R>
稲川翔選手
稲川翔選手
 赤板から打鐘前までは各ラインがスローペースで位置取りを巡る争い。打鐘過ぎの4コーナーから吉田敏洋がフルダッシュでカマシを放つと、3番手以降は車間が3、4車身空く。最終バックは一本棒で別線はまくりを放つことができず、吉田の番手を回った稲川翔(写真)が抜け出した。
 「すべて吉田さんのおかげ。気持ちの入った先行をしてくれてホントにありがたい。僕自身は落車の影響などもあり課題は山積みですけど、ひとつずつ克服していくしかない」
 3番手に入った根本哲吏の後位から高橋陽介が2着に強襲した。
 「伸びは悪くないですね。今日は根本が逃げても番手まくりなどは考えていなかった。番手を回る技術などを磨く必要があるし、そればかりでは僕も根本も成長しないから。根本はレースを作ってくれたけど、所々で甘い部分がある。打鐘で前へ出る踏み方とかね。でも、自分も少し前までは同じことをしたので、これから勉強してもらえばいい」

<6R>
深谷知広選手
深谷知広選手
 初日はまさかのシンガリ負けを喫した深谷知広(写真)だったが、2日目は8番手から直線大外を一気。何とか人気に応えた。
 「初日を反省して。行くタイミングは何回かあったけど、感じもよくないので…。まだ感覚がよくないので最終日もしっかり走ってこれからにつなげたい」
 池田勇人に突っ張られたが中団で立て直して1センターからまくった松坂洋平。神奈川ワンツーが決まったかに見えたが、ゴール寸前で深谷に1着をさらわれた。
 「(池田は)出させてくれると思ったんですけどね。林さんに入れてもらったし、深谷が来る前に行こうと思ってました。ワンツーじゃなかったけど、2人で連にからめたので」
 松坂マークの林雄一が3着に。
 「(松坂を入れるのに)締めたときにうちが重いですね。でも洋平はいつも頑張ってくれるから。内もあったけど(後ろに)深谷がいるから慌てて外を踏んじゃいました」

<7R>
筒井裕哉選手
筒井裕哉選手
 打鐘から主導権を握って出た古性優作が、筒井裕哉(写真)を連れて2車でも敢然と風を切る。すかさず巻き返した天田裕輝は古性に突っ張られると、飯嶋則之に迎え入れられて3番手に入る。番手で逃げる古性との車間を空けた筒井は、最終2コーナーから再びまくった天田に合わせて発進。番手まくりでの1着に、筒井は複雑な心境を打ち明ける。
 「申し訳ないですね、でも変にかばってもと思って踏ませてもらいました。余裕もあったし(踏んでいるのが)半周ですからね、いつもに比べれば。(古性)優作も調子が良くないのか、変に踏んでいるところもあった。でも、優作は半年後にはもっと上のところにいってしまって、一緒に走ることもないだろうから。それで思い出づくりですね」
 筒井にまくりを合わされた天田裕輝は、一度は浮くもそこから筒井を追って2着。
 「(古性を)叩けなくて、入れてもらいました。仕掛けないでかぶるのはイヤだったんで、無理やり(まくって)行ったけど前(筒井)も余裕がありましたね。(飯嶋と浦川尊明に)迷惑掛けたんで、次は先行したいですね」
 関東ライン3番手の浦川尊明は、直線で力強く伸びて飯嶋を交わし3着。
 「状態もいいし、すごく(周りが)見えている。いい感じで伸びましたね」

<8R>
菅田壱道選手
菅田壱道選手
 菅田壱道(写真)が鋭いまくりで混戦を制した。誘導を使って佐川翔吾が打鐘過ぎから先制するも、競り合う後位は激しくもつれて、決着が付いても前とは口が空いてしまう。菅田は中川誠一郎をフタしつつ、隙を逃さず一気に仕掛けた。
 「今日は作戦通り。一番強い人(中川)をフタしておけば、前は競りだし、いけると思った。前が競りのおかげで併走してても風を受けなかったのも大きいが、調子がいいからこそできた作戦ですね。1着を取れて、次に自信を持てる」
 単騎の橋本強は先手ラインに乗り、最後は菅田壱道に離れ気味だったラインの和田圭を飛ばして2着に。
 「レースの流れに乗れただけ。自分で行こうと思った時に、菅田君が来たから切り替えた。でも、自分でワンテンポか、ツーテンポ早くいければ良かったけど」

<9R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
 松川高大が打鐘前2コーナーで斬った上を佐藤友和が叩いて主導権を握る。前を取らされた脇本雄太(写真)は7番手になってしまったが、まくり不発に終わった松川後位から自力に転じた松岡貴久、逃げる佐藤ら前団を豪快に飲み込んだ。
 「前回の体調の悪さが治ってないですね。昨日も人気に応えられなかったし、調子よくないときほど自力(先行)でやりたかったから、納得のいくレースではないですね。でもラインで決まったし、最終日もう1日頑張ります」
 脇本マークの坂口晃輔がきっちり食い下がった。
 「ワッキーがいいポイントで行ってくれました。(踏み出しが)ビリビリして右腕がつりそうだったけど、付いて行ってからは楽でしたね」
 直線で置いていかれそうになった吉田健市だったが離れながらも何とか3着をキープした。
 「トップのスピードはさすがですね。僕も前の2人にスピードをもらえたし、ギリギリ届いたんでよかった。初めてのG2以上のレースで最終日は特別優秀。いい経験になるんで頑張りたいですね」

<10R>
浅井康太選手
浅井康太選手
 踏み上げる村上義弘を強引に叩いて、竹内雄作が打鐘手前から主導権。盤石の態勢で徐々に竹内との車間を切った浅井康太(写真)は、番手で踏み出しをギリギリまで我慢。村上のまくりは浅井の後ろの芦澤大輔のヨコまで不発。直線で強襲する山崎芳仁を退けて、初日特選から連勝で決勝へとコマを進めた。
 「まずは(竹内)雄作がいいレースをしてくれたってことですね。それに地区は違うけど、芦澤さんが後ろを固めてくれた。村上さんが来たところを車間を詰めてと思っていたら、村上さんはその後ろで止まってしまった。村上さんだしどこまでも踏んでくると思って、タイミングがそこら辺は合わなかった。雄作と(決勝に)乗りたかったんで、自分がもうちょっとできたかなっていう後悔はあります。昨日(初日)自力でやって、今日(2日目は)は自力みたいな感覚があった。楽に(番手を)回れたし、そのぶん雄作を残さないといけなかったですね」
 8番手にいた山崎芳仁は打鐘で和田真久留をキメて6番手まで追い上げると、村上の動きを待ってからの始動。最終3コーナーから踏み上げるまくり追い込みで2着に入った。
 「和田君のところをキメてから、あとは流れに乗ろうっていう感じでした。村上さんが行けないと思ったんで、そこは付いていかなかった。そのあとに自分で踏んでいって出ているし悪くないと思います。初日は新田(祐大)君の後ろだったんで、今日は自分のスタイルができました。決勝はまた新田君の後ろで離れないように」
 中部コンビに付けた芦澤大輔が、最後は渾身のハンドル投げで3着を確保。
 「僕は何も…。竹内君、浅井君の2人の絆(きずな)で引っ張ってもらった。ただ自分も道中は余裕があったし、(自転車が)流れているから感じは相変わらずいいです。他地区のラインに付いたからには、決勝に乗らないとって思っていました。そういうレースにはならなかったけど、なにがなんでも突っ込む覚悟だった」

<11R>
新田祐大選手
新田祐大選手
 稲垣裕之に上手くフタをされてから仕掛けられた新田祐大(写真)だったが、自慢のダッシュでピンチを切り抜けた。すぐさま外に持ち出し2コーナーからまくり上げると、一気に前団を飲み込んだ。
 「番手が(菊地)圭尚さんなので、全開で仕掛けても大丈夫だと。ラインで決まれば良かったですが…」
 S級S班の岩津裕介は落ち着いたレース運び。菊地をさばいて新田の番手を奪うと2着をキープした。
 「稲垣さんが良い感じで先行したので決まったかなと思ったけど、新田君が強かった。3コーナーでスピードが合ったので、何とか対処することができましたね」
 岩津に続いた柏野智典が3着で決勝進出。3年前の高松宮記念杯でも決勝に進出するなど、本当に函館は相性がいい。
 「函館はやっぱりいいですね。でも今日は前のおかげ。岩津も(菊地を飛ばしたり)苦しかったと思う」
 新田のダッシュにピタリと続いた菊地圭尚だったが、岩津のブロックに屈して決勝進出はならず。
 「岩津君を押し込めなかった。新田君も一気に出切る感じではなかったので…」

<12R>
原田研太朗選手
原田研太朗選手
 後ろ攻めの鈴木裕は赤板前から奇襲のカマシ先行。これで8番手になった原田研太朗(写真)はホーム過ぎから巻き返す。原田は合わせて中団から出てきた武田豊樹、鈴木後位から番手まくりに出た小埜正義を飲み込むと連勝で決勝進出を決めた。
 「まさか(鈴木が)2周手前からカマしてくるとは思わなくて反応できない自分がいました。(反応した)金子(貴志)さんに付いて行っても武田さんと(位置が)重なるし、園田さんにも落ち着いてと言われてたので。1車でも2車でも打鐘で車間を詰めていたらもっと楽に行けてたと思う。園田さんに申し訳なかったです。最近はまくりばかりなんで四国あるあるにならんようにします。決勝もチャレンジャーなんで。後ろが生きるかも僕次第なんで頑張りたいと思います」
 2着でビッグ初優出を決めた小埜正義は後輩の頑張りを絶賛した。
 「裕の気持ちが嬉しかった。同県の後輩に恵まれてますね。ビッグの決勝は初めて。裕やほかの仲間のおかげで勝ち上がれたんで気を引き締めて走りたい」
 小埜の後ろで武田豊樹、金子貴志がからんで落車。これに園田匠、諸橋愛が乗り上げるアクシデントが起こる。危険を察知し内に避けた近藤龍徳が3着に入り、決勝戦最後の切符を手に入れた。
 「あれ(鈴木のカマシ)を追いかけるんだから金子さんはすごいですね。僕は千切れましたもん。武田さんが声を出してたんで危なそうだなと思ったけど、よく避けました。でも金子さんが落車して手放しでは喜べないですね」
 園田匠はまたしても落車。レース後は自分の判断ミスを悔やんだ。
 「みんな苦しそうだし、楽なのは俺ら2人だけ。余裕があったので、神山(雄一郎)さんを決めてそこから前を抜きに行けばと思ったら…。油断しましたね。」
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