サマーナイトフェスティバル決勝戦 レース経過 |
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号砲が鳴ると最内の浅井康太が、別線の様子をうかがいながら誘導を追う。吉田敏洋―浅井で前団に構えて、以下の隊列は平原康多―武田豊樹―諸橋愛、村上義弘、深谷知広―金子貴志に園田匠が続く。 単騎の村上は青板のバックから早めに上昇を始める。その動きに反応した平原が村上を押さえて出ると、その上を深谷が出て赤板を迎える。深谷に金子、園田。中団まで下げた平原と、深谷ラインを追った吉田で一度は4番手が併走となるが、吉田が2コーナーから踏み込んで主導権。先行態勢の吉田に浅井が続き、村上は3番手にスイッチ。打鐘を通過して深谷が4番手に収まり、平原は一本棒の7番手に置かれる。吉田がペース上げて最終回へ。 7番手の平原が2コーナーからまくって出ると、村上も3番手から発進。逃げる吉田との車間を切っていた浅井は、詰めながら村上のまくりをけん制。武田は平原を追わずに最終バックから内を進出する。深谷、平原は不発。村上を張りながら浅井が前に踏み込んで、インを踏んだ武田が浅井、村上の3番手まで取りついて直線。 村上を制して抜け出した浅井に、直線で外に進路を取った武田が詰め寄るが8分の1輪まで。僅差で凌いだ浅井が優勝。武田が2着に入り、3着は村上。
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ガールズケイリンフェスティバル2016決勝戦 レース経過 |
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号砲で飛び出した梶田舞がスタートを制し、長澤彩、奥井迪、児玉碧衣、尾崎睦、荒牧聖未、中川諒子の隊列で周回を重ねる。 赤板を通過して2番手の長澤が、奥井を見ながら動き出す。長澤の上を奥井が押さえに行くが、誘導が退避した打鐘で長澤、梶田も踏み込む。長澤が強引に先頭に立ち梶田が続くと、奥井が再度踏み込んで最終ホームで主導権を奪取。しかしながら、逃げる奥井を追った児玉がすかさず襲い掛かる。2コーナーで奥井をとらえた児玉に中川の追走。梶田が切り替えて最終バックを通過。内で懸命に抵抗した奥井は力尽き、ロングまくりの児玉に中川、梶田。3車での勝負で直線へ。 児玉が押し切り図るも、3番手にいた梶田がシャープに伸びて1着。児玉が2着に踏ん張り、中川は3着。
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小林莉子選手 |
打鐘で誘導が退避すると、山原さくらが前に出る。続いた増茂るるこは山原と併走した後に、最終ホーム前で踏み上げ主導権を奪取。すると、増茂後位で外併走となった三宅玲奈が2コーナーからアタック。バックで増茂を捕らえたが、その後ろから石井寛子、小林莉子(写真)が直線を鋭く伸びてくる。両者でゴール前勝負となり、軍配は小林に上がった。 「展開に恵まれた感じですね。得意な展開なので、1着を取れてよかったです。でも、決勝に上がったメンバーとの対戦でこれができていないので、もっと実力が必要だと思いました。1着にうかれないで、今回の反省を忘れないようにしていきたい。これからのレースで優勝を目指して、強くなっていきたいです」 叩かれた山原さくらは、内に包まれてしまい5着。精彩を欠いて、悔しそうな表情を浮かべる。 「本当は突っ張りたかったです。併走しながら、踏み直そうと。でも体が動かなくて。ここに向けてやってきたのに、自分のレースができなかったです。1勝はしたかった。今後は少し空くので、やりたい練習をして仕上げていきたいと思います」 |
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高木真備選手 |
打鐘過ぎからペースが上がり、細田愛未が4コーナーで前に出るが、すかさず6番手から高木真備(写真)がスパート。一気に前団を飲み込むと、切り替え続いた中村由香里らを振り切り最終日にしてようやく白星を挙げた。 「打鐘でけっこう踏んでたので、それが落ち着いたら行こうと思ってました。今シリーズはお客さんに申し訳ない部分はあったけど、不調をどう抜け出そうと思ってるなかでいいきっかけをつかめた部分はある。これからが楽しみです」 上手い立ち回りを見せた中村由香里だったが高木を交わせず。 「差すつもりで行ったけど…。悔しいけど、自分のやりたいレースを最終日にやっとできた。今回は自力選手としっかり対抗できなかったけど、課題を与えてもらいました」 |
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芦澤大輔選手 |
芦澤大輔(写真)が最終日に節目の200勝を遂げた。レースは才迫開が打鐘で叩いて主導権。才迫が懸命に逃げるなか、櫻井正孝が反撃に出るも三宅達也にからまれ苦しい状況に。すると、番手の早坂秀悟が自力に転じて最終バックでひとまくり。これに続いた関東コンビと3車で直線勝負となるなか、最後は芦澤が鋭く突き抜けた。 「ホームでゴチャついてたけど、雨谷(一樹)君は脚を使わずに回ってこれたので。その後ろから何とか伸びたけど、ホントなら昨日(2日目に吉澤純平を追い切れず)立て直さないといけないんだけど。大舞台で皆強いけど、そのなかでリカバリーできないとダメ。その辺の能力がないですね。体の修正点が最終日になってやっと分かった感じなので。でも、最後に勝てたのはよかったです」 雨谷一樹は3着で確定板入りも、レース内容を悔やむ。 「打鐘で合わせられるかどうか、才迫君が微妙なスピードできたので僕も中途半端になってしまいました。終わって周りからも言われたけど、あそこは芦澤さんを信頼して突っ張らないといけなかった。細切れで皆強いけど、その中でしっかり主導権を取りたかった」 櫻井正孝はまくり出たが、力及ばず8着大敗。 「才迫君は標識線を目掛けてカマして行ったけど、その上を叩けなかった。無理矢理行った感じになったし、(早坂の)前を回ったのに何もできなかった」 |
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井上昌己選手 |
井上昌己(写真)がチャンスをモノにして白星締め。レースは山田義彦が斬った上を、打鐘の3コーナーで古性優作が押さえて前に出る。別線の巻き返しはなく、そのまま先行態勢に入って最終ホームは1本棒。2コーナーから小松崎大地がまくるが、山田のブロックを受けて失速。最後は、4コーナーをハコで回った井上が追い込んだ。 「古性君に全て任せていました。良いレースをしてくれましたね。次も(松岡)貴久とかが頑張ってくれると思う。(痛めている)腰も大丈夫です」 逃げた古性優作は3着に粘る。しかし、その表情に笑顔はなし。 「最終日は踏まなアカンところを踏みました。修正できるところは山ほどありますね。弱いです。(今シリーズの自己評価は)0点です。何もない」 最終バックを8番手で回った根田空史は、まくり追い込むも届かず4着。 「(作戦は)取れた所からと思っていました。いつもならあれで届くのに、自転車が進まない。詰めた勢いでと思ったけど。自転車が踏み出して反応しないから、遅れてしまいました」 |
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菊地圭尚選手 |
打鐘で原田研太朗が先行態勢に入ると、そこを菊地圭尚(写真)が叩きに行く。原田に合わされた菊地はすかさず番手戦にスイッチ。濱田浩司を下ろして原田後位を奪うと、直線抜け出した。 「流したところを行こうと思ったら(原田が)突っ張ったんで。(濱田の口が)空いてたので入りました。2日目まで気持ちの入ってないレースでお客さんに迷惑をかけてたし、今日は自力を出していいレースができてよかった」 菊地に入られた濱田浩司は3番手で立て直して2着に入った。 「申し訳なかったですね。内も気になるし、(原田が)駆けたと思ったけど内が重くて遅れた。みんなが欲しいし、狙う場所だからしょうがないですね」 バックから仕掛けた桐山敬太郎に続いた海老根恵太が直線大外を伸びて3着に食い込んだ。 「ちょっと遅かったですね。でも桐山が仕掛けてから、そこからと思ってたので。今回は怪我明けだけど、2日目、3日目は(前に)仕掛けてもらったところを自分で行けた。思ったより踏めました」 |
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吉澤純平選手 |
吉澤純平(写真)がシリーズを2連勝で締めくくった。後ろ攻めの佐藤和也が上昇して前を押さえると、打鐘で鈴木竜士が叩いて主導権。鈴木はそのままフカして逃げると、吉澤は車間を空けて援護していく。茨栃勢が飛ばしていくなか、三谷竜生が2コーナーから反撃を開始。三谷が迫ってくると、吉澤が番手まくりを敢行し1着を手にした。 「鈴木君は自分のレースをしてくれればよかったけど、思い切り行く感じで踏んで行ったので。車間を空けていったけど、三谷君も強いから仕事をできる感じではなかったからタテに踏ませてもらいました。あれだけ行ってくれたからには1着を取らないと。頼もしい後輩です。自分もまだまだ先輩を連れていくときがあるので、そのときはしっかり走りたい」 まくった三谷竜生は苦しい展開も、外併走をしのいで2着に入る。 「スタートけん制が入ってあの並びだったから、ああなる(2段駆け)と思ったけど。粘りが僕の持ち味だけど、1着が取れてないので。もっとスピードを付けて、あれを乗り越えるように次また頑張ります」 その近畿ラインの後方から、田中晴基が追い込んで3着に入る。 「(2日目の)落車は問題ないけど、今日(最終日)は自力で戦ったらもしかしたら9着だったかも。初手で三谷君の3番手が取れたので何かやってくれると思ったので(付いていた)。行けるかと疑ったけど行ってしまったし、あの外を我慢するんだから強い。僕はとりあえず3着に入れたのでよかった」 |
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近藤龍徳選手 |
山田久徳が中団から動いてインを斬ると、後ろから吉田拓矢が上昇していく。しかし、その上を野口大誠がカマして、打鐘で主導権を奪取した。3番手を確保した山田は吉田をブロックして後退させ、最終2コーナーからまくり上げる。逃げる野口を3コーナーで捕らえると、最後は近藤龍徳(写真)がゴール寸前で交わした。 「最終日は前だけは取らずにって話をしていましたけど、あとは山田さんにお任せで。初日とまったく同じ展開で、今回はモノにできましたね。初日は失敗だと思っているので、今後は失敗を少なくしていきたいです。でも、きつかったですね。山田さんが強くて、抜けないかと思ったけど、最後は気迫で。勝ててよかった」 山田久徳は巧みなレース運びでワンツーを決めた。 「8割くらいは思った展開になりました。吉田君が来なかったら駆けるか、最悪番手とかいろいろ考えていましたね。踏むところで踏めたし、内も近藤君が占めてくれて。ただ、出れることは出れたけど、長かったです」 |
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村上博幸選手 |
前受けの稲垣裕之は河村雅章の上昇を制して、打鐘前2コーナーから突っ張り先行。これで別線は手も足も出ず、最後は番手の村上博幸(写真)が抜け出した。 「さすがですね。稲垣さんは受けて立たないかん立場やし、前受けになるとは思ってた。あの押さえかたなら突っ張るかなっていうのもあったし、そのへんは連係も長いし多いし雰囲気で感じられた。自分も冷静に走れましたね。(準決勝で)落車のあとで強い気持ちで1着取れたのは大きいですね」 逃げた稲垣裕之は2着の結果にも納得の表情でレースを振り返る。 「押さえに来るのが遅かったんで。あそこからは自分の持つ距離。体調も悪くなかったし、自信を持って仕掛けようと思ってました。最終日にかぎらず気持ちを入れて走ってたけど、結果がついてきてよかった。こうして結果が出れば次につながるし、また次も頑張ります」 突っ張られた河村雅章は8番手から巻き返したが前は遠かった。 「うまいようにやられましたね。誘導も上がったし、そのまま(稲垣に)上がられて駆けられた。甘かったです…」 |
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梶田舞選手 |
梶田舞(写真)がガールズケイリンフェスティバル初優勝を遂げた。レースは打鐘過ぎに長澤彩が先頭に出ると、奥井迪がすかさずカマして主導権を握る。すると、後ろにいた児玉碧衣がすぐにまくりを放ち、これを力で封じた。さらに、中川諒子が続いて両者でマッチレースかと思われたが、その後ろから梶田が外を鋭く突き抜けた。 「スタートを取って、皆の流れを見ながら自力自在にいこうと思ってました。3コーナーまくりより、2センター勝負だと。動きを見極めながら突き抜けました。優勝したのが分かったのですごくうれしくて。去年は落車落車で体がどんどん悪くなって年明けツケが回ってきて不安もあって…。でも一歩一歩練習してきたことが結果に出てよかったです。グランプリに出ることを目標に、一歩一歩また頑張ります」 児玉碧衣は絶好のチャンスをモノにできず準V。 「奥井さんの番手に入れたのはよかったけど、そこで脚を休められなくて。付いていてすごいスピードで馬力もすごくて。だから、まくってもトロトロと行った感じになってしまいました。休めたらもっと楽にいけたと思います」 中川諒子も児玉追走から優勝も見えたが…。 「1番良い展開でした。位置を取ってまでは良かったんですけどね。最後に欲が出たというか。連日リラックスしていけたけど、今日(決勝)は行けるかと思ったら力が入ってしまいました。でも今回は自信になったし、こういう場に慣れてまた次を頑張りたいです」 「自分のレースをしてこれだから力がない」と話すのは逃げて5着に沈んだ奥井迪。 「後ろに児玉さんがいてどう出るかと思ってたけど、自分が先に出たいと思ってたし早めに行きました。今までで1番良いスピードで(児玉に)まくられました。児玉さんの強さを肌で感じました。合わせられる感じではなかったし。これからは打倒児玉ですね」 |
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松岡貴久選手 |
竹内雄作が赤板から上昇を始めると、これを察知した木暮安由が合わせて動いて番手に飛びつく。稲川翔をさばいて番手を取り切った木暮が直線抜け出すが、2コーナーまくりの山田英明にスピードをもらった松岡貴久(写真)が外を鮮やかに突き抜けた。 「山田さんが強かった。ホームでバック踏んでるのに、すかさず行ってくれたから。昨日も外を踏んでれば問題なかったですね。(準決勝で外を伸びた)園田(匠)さんがやれるなら俺もってところを見せられました(笑)」 木暮安由は「竹内君は最終日強いから狙ってました」と作戦どおりに飛びついたが、「脚がたまらなかった」。最後は松岡の強襲に屈した。 山田英明は赤板ホームでの判断を悔やんだ。 「ホームで油断した。(木暮は)来ないだろうと思ったし、来たのもわからなかった。あれで引いたのが無駄でした。今日(最終日)はすごくよかったし、スピードなら負けないと思ってたんだけど…」 |
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和田健太郎選手 |
人気を背負った新田祐大がまさかのまくり不発に終わる。レースは山本伸一が赤板で前を押さえると、徐々にペースを上げながら主導権を握る。新田は一旦中団まで上昇したが、郡司浩平に阻まれ後方に車を下げた。打鐘が入り、新田はホームから再アタックするも松浦悠士に先まくりを食らい万事休す。その松浦は前団をまくり切ると、これを追った南関勢が直線で追い込みをかける。最後は和田健太郎(写真)が突き抜けた。 「連日前のおかげですね。(最終)バックで(併走になり)落ちそうになったけど、郡司君のさばきの良さで助かりました。今日(最終日)は郡司君が勝つレースをしてくれればよかったけど、バックのところで脚を消耗したのかと。だから抜けた感じでしたね。僕も前の選手が仕掛けてくれれば(何とかなる状態)。ラインがある以上は付いて行こうと思ってるし、ワンツーが決まれば最高だと思ってるんで。よかったです」 郡司浩平は位置取りの上手さが奏功し南関ワンツー。 「ホームで新田さんが来たから出ようと思った瞬間、前(松浦)が行ったから、外踏んでたところを慌てて戻りました。結果はよかったけど、ちょっと課題が残るレースでした」 松浦悠士は交わされたものの、見せ場を作り納得の様子。 「山本さんが押さえて行ったので、ここは(自分が)中団取りだと思ってました。そこから絶対に新田さんが来ると思ったんで思い切って行きました。惜しかったですね」 |
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武田豊樹選手 |
真夏の祭典は、浅井康太が吉田敏洋の番手からまくってV。GP覇者の貫禄を見せつけた。 武田豊樹(写真)は平原康多の仕掛けを追わずにインを進出。その後もコースを縫って浅井に迫るも、僅かに届かず準V。 「届いていないと思った。8番手からタイヤ差まで詰め寄ったけども。いつも平原君は頑張ってくれるし、最後の最後まで待ってから踏ませてもらっての2着。どうせならアタマまでいきたかったです。ただ、メンバーも強いし、自信にはなりました」 単騎の村上義弘は打鐘前から吉田ラインを追走。最終2コーナーから仕掛けるも、番手からまくった浅井に阻まれ3着。 「力を出し切って負けました。仕方ないですね。次のオールスターに向けて頑張るだけです」 逃げた吉田敏洋は8着。しかし、ラインから優勝者を出すなど、見せ場は作った。 「深谷が斬るのが早くて、順番が回ってくるのが早かったですね。でも、最低限、形だけ作ることが大事なので。とりあえず、浅井が勝ってくれてひと安心です」 深谷知広も2コーナーからまくるが、車が進まずシンガリ負け。組み立てに失敗して反省する。 「2周半から2周で脚を使ってしまいました。あそこで冷静に見れれば。あのタイミングで敏洋さんがくるとは思いましたね。ジャン前で余裕があれば、また違った対処になったと思います。弱いですね。また、しっかり練習します」 |
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