『第13回サマーナイトフェスティバル(GII)レポート』 最終日編

配信日:7月18日

 第13回サマーナイトフェスティバル(GII)は7月17日、3日間に渡る熱戦に幕を下ろした。ガールズケイリンフェスティバル2017は小林優香が力強くまくって、この大会3度目の優勝を果たした。サマーナイトフェスティバルの決勝戦は新田祐大が快速まくりでライバルを圧倒。渡邉一成がきっちり続いて、人気の福島SSコンビで連を独占した。

バルーンパフォーマー ともちゃんパフォーマンス
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そのまんま美川 ものまねライブ
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ファンを前に意気込みを語る
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ファンの熱い声援を受ける
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岩崎恭子 トークショー
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名輪会 トークショー
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サマーナイトフェスティバル決勝戦 レース経過

 号砲が鳴ると浅井康太が飛び出してスタートを取った。初手は深谷知広-浅井、三谷竜生-村上義弘、岡村潤、新田祐大-渡邉一成、原田研太朗-園田匠の順で並ぶ。
 青板周回の1角から原田が上昇していくと深谷はゆっくりと車を下げ、誘導の後ろが入れ替わる。新田が原田のラインに続き、深谷はさらに車を下げていくなか、三谷が赤板を目掛けて一気にカマして主導権を握った。単騎の岡村は近畿ラインを追っていく。三谷はハイペースを保ったまま打鐘を通過する一方、立ち遅れた原田は必死に前を追っていく。原田が車間を詰めていくなか、その後ろの新田が最終ホームから反撃を開始。村上はすぐに車間を切ってブロックに行ったが、新田の勢いは止まらない。新田は最終バックで三谷を抜き去ると、決勝は渡邉を振り切って優勝。初の夜王に輝いた。渡邉が準Vとなり、村上が 3着。深谷は8番手からまくり上げたが、前は遠く4着が精いっぱいだった。




ガールズケイリンフェスティバル2017決勝戦 レース経過

 号砲が鳴ると石井寛子がいち早く飛び出してスタートを取った。以下は高木真備、小林優香、尾崎睦、荒牧聖未、児玉碧衣、梶田舞の順で並ぶ。
 周回が進み、赤板が過ぎても動きはなし。打鐘で誘導が退避すると、尾崎が最初に2センターからアタック。高木も合わせて前に踏んでいき、さらに児玉も外を迫っていく。最終ホームを通過し、尾崎と高木で壮絶な力勝負となるなか、児玉は思ったほど前との距離は縮まらない。すると、児玉が外に浮いたところで、小林が2角手前から一気にスパート。小林はモガき合う2人を4角で抜き去ると、そのまま力強く押し切り、2年ぶり3度目の優勝を手にした。高木が尾崎との力勝負を制して2着に入り、その後ろに位置した荒牧が追い込んで3着に入る。





<1R>

加瀬加奈子選手
加瀬加奈子選手
 初手で2番手の石井貴子(東京)が打鐘から踏み上げて主導権を握った。叩かれた加瀬加奈子(写真)は、絶好の2番手を確保。車間を空けて仕掛けるタイミングをうかがうと、最終1コーナーからまくり上げる。抵抗する石井をバックで捕らえて、そのまま押し切った。
 「最後は交わされたかと思いました。2コーナーまで引き付けてからいけば、もっと楽だったと思います。いつもは先行の練習しかしていないので。そういう練習をしていない。ラッキーでした」
 打鐘で踏み上げた田中まいは、最終ホームで3番手に降りる。加瀬を追って直線で迫るも、交わせず2着。
 「2日間なにもできなかったので、先行したかったです。でも、あんなに車間が空いていると思わなくて。加瀬さんは、ホームかバックで出ていくと思っていました。差し脚がなかったのは悔しい。でも、連対できてよかったです。3日間走って、まだまだって思ったので、次に向けて頑張ります」
 人気を背負った長澤彩は、最終ホームを6番手で通過。2コーナーから仕掛けるも、前団をまくれず4着に終わった。
 「レースの仕方がダメですね。ここから届くだろうと様子を見過ぎている。体も反応していないです。(次走までに)しっかり修正したいです」

<2R>

奥井迪選手
奥井迪選手
 レースは打鐘を過ぎてスローペースに。すると、2番手の石井貴子(千葉)が、一気に踏み込み4コーナーで主導権を握った。包まれていた奥井迪(写真)は2センターで視界が開けると、すぐさま反撃に出る。ジワジワと前団に迫り、直線入り口でまくり切った。
 「自分の形ではなかったけど、行けるところで仕掛けられました。今回は悔しさというよりも、自分の力のなさを痛感した。この1着を次につなげられるようにしたい。オールスターではみんなと勝負できるように、臨機応変に動ける技術も付けていきたい」
 石井を追った中村由香里が、直線で追い込んで2着に入った。
 「苦しい展開になったけど、確定板に乗れるように必死に走りました。連日、4着で悔しい思いをしていたので、最後に確定板になんとか乗れてよかった」

<3R>

松岡貴久選手
松岡貴久選手
 後ろ攻めの吉田拓矢が早めに動いて赤板前から先制。イン粘りを敢行した松岡貴久(写真)が打鐘で池田勇人をさばいて吉田の番手を取り切る。ハイペースで逃げる吉田を松岡が直線で鋭く差し切った。
 「後ろ攻めだけは避けて、あとは流れでと考えてました。吉田君が出てバックを踏んだので、引くに引けなかった。久しぶりにイン粘りをしたけど、33だから何も問題なかったですね。前回(小松島記念)の落車で体は痛いけど、状態はそんなに悪くなかった。かみ合ってなかったんですが、最終日に1着が取れてよかったです。次につながると思います」
 松岡マークの山田庸平は吉田を交わせず3着まで。
 「松岡さんにすべてお任せして、迷惑をかけないように、付いていくだけでした。余裕はあったので、最後は2着には入りたかったですね。抜くタイミングとか技術の問題だと思います。今回はちょっと腰痛が出たんですが、日に日によくなりました。しっかりケアして様子を見ながら練習します」

<4R>

松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
 才迫開が赤板でハナに立つ。この動きに続いた松川高大は、中団外併走から踏み込んで強引に主導権を奪った。後方に置かれた和田真久留だったが、打鐘の3コーナーから反撃を開始。逃げる松川を最終2コーナーで捕らえる。最後は続いた松谷秀幸(写真)が差し切った。
 「和田君がよく仕掛けてくれましたね。前が駆けているから、ジワジワに感じるけど。あれは浮いてしまう展開。よくいきましたよ。すごいダッシュでした」
 和田真久留は、強気に攻めて神奈川ワンツーを決めた。
 「調子があまりよくない分、出し切ろうと。無理くりいったし、きつかったですね。開催を通して、自信がなかったです。疲れもあって、集中力もなかった。すぐ立て直さないといけないですね」

<5R>

金子貴志選手
金子貴志選手
 赤板前で先頭に立った山田久徳と、すかさず巻き返した杉森輝大で壮絶なもがき合いに。すると後方で脚をためていた金子貴志が2センターから一気にアタック。鮮やかに前団をまくり切ると、最後は金子マークの志智俊夫が差し切った。
 「金子君が抜群のタイミングで仕掛けてくれた。打鐘のところでの踏み出しにだけ集中していました。早く500勝を達成したい。今開催は脚は特に問題なかったです」
 タイミングを逃さずにまくった金子貴志(写真)が2着に入り、中部ワンツー決着となった。
 「もうちょっと早めに仕掛けられたかなって思うけど。(自力は)きついですね。いつもどおり脚はよかったので、この後は合宿して次のいわき平に向けて仕上げていきます」

<6R>

古性優作選手
古性優作選手
 赤板前から飛び出した佐藤龍二が後続の動きを確認しながらペースを上げる。前受けから7番手まで下げた脇本雄太は赤板の1コーナーから巻き返す。最終ホームで佐藤を強引に叩いた脇本が最終主導権。きっちり続いた古性優作(写真)が粘る脇本をゴール寸前で捕らえた。
 「脇本さんが強かったです。(佐藤の抵抗を)乗り切りましたね。付いてて、かなりきつかったです。ラインのおかげで勝てたし、なんとかワンツーが決まってよかった。僕個人としては、今回はあんまり状態がよくなかったですね」
 最終2コーナーで古性の後位にスイッチした成清貴之が3着に入った。
 「(佐藤が)すごいやる気だったし、その気持ちがうれしかったですね。でも、脇本が強すぎました。できれば古性のところに飛び付きたかったですね。ちょっとスピードが違って、対応できなかった」

<7R>

稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 中井俊亮が後ろ攻めから上昇して、中団の根田空史にフタをする。その上を小松崎大地が押さえて前に出るが、すぐさま中井が踏み上げて主導権奪取。隊列は一本棒で打鐘、最終ホームを通過する。軽快に駆ける中井に対し、北津留翼は1センターからスパート。抜群のスピ―ドで前団に迫ると、稲垣裕之のブロックも乗り越えて圧勝した。
 「小松崎さんより前にいるのが理想だったので、前を取りたくなかったんですけどね。根田君は連日フカしているし、石井(秀治)さんを背負っているからきついだろうなと。他の人たちもプレッシャーがあったと思うけど、僕だけ気楽でした(笑)」
 北津留を止められなかった稲垣裕之(写真)は、そのまま前に踏んで2着に入る。
 「(中井君は)リスクのある組み立てでしたね。根田君を警戒しすぎて、小松崎君に切られているし。あのまま駆けられていたらきつかったです。そのあとはいい先行をしてくれたけど、北津留君のスピードが違いましたね。あの俊亮のかかりでいけば、(番手から)出なくてもと思ってしまっていました。早く出ていっていれば」

<8R>

渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 松岡健介が赤板で坂本貴史を叩くと、すかさず巻き返した武田豊樹と松岡で踏み合いになり打鐘を通過。打鐘の4コーナーで稲川翔が河野通孝を張ると3番手以降の隊列がごちゃつく。後方で脚をためていた単騎の渡邉雄太(写真)が最終ホームから一気に仕掛けて、前団を豪快に飲み込んだ。
 「単騎はプレッシャーがないので(笑)。ちょっとしゃくることも考えていたけど、(途中から)そんな必要もないかなと。武田さんが仕掛けて行ったのはびびりましたね。3日間通して疲れたけど、今回でまくりは自信が付きました」
 稲川のブロックであおりを受けた坂本貴史だったが、態勢を立て直してまくり上げて2着に食い込んだ。
 「先行しようと思っていたんですけどね。最終ホームで仕掛けようと思ったら、稲川さんのブロックであおりを受けてしまい1回バックを踏みました。でもそこからもう一度踏んで行けてるのでよかったと思います。準決勝はレースを作れたし、まくって行くスピードはよかった。オールスターに向けて頑張っていきます」

<9R>

高木真備選手
高木真備選手
 ガールズケイリンフェスティバル2017の決勝戦を制したのは小林優香だった。レースは打鐘を迎えても動きはなく、2センターから6番手の児玉碧衣、4番手の尾崎睦が同時に踏み込む。さらに2番手から仕掛けた高木真備が内から尾崎を合わせ切って最終主導権。前団の混戦を小林が鮮やかにまくって快勝した。
 「初手は3番手がほしかったので、狙っていた位置が取れました。動く人ばかりだったので、内に包まれないようにして、自分のタイミングで仕掛けようと思ってました。考えずに感じて走れました。これはアメリカでつかんできたものだし、3日目に出せました。この3日間、優勝することだけを考えていたので、優勝という形で終われてよかったです。1年2カ月ぶりに大きな舞台に戻ってきて、成長した走りを見せられたかなって思います」
 高木真備(写真)は先行で持ち味を出し切ったが、優勝に手が届かなかった。
 「誰も動かなかったですね。誰か来たら仕掛けようと思ってました。あれで勝てないのは力がないですね。今の力が分かりました。また練習してきます」
 前々に攻めた荒牧聖未がしぶとく3着に食い込んだ。
 「バックで詰まったんですけど、そこで行く自信と勇気がなかったです。行ったら何着か分からないですけど、行けたら納得できたと思います。反省ですね」
 外々を回されて厳しくなった児玉碧衣はシンガリ負け。連勝は20でストップした。
 「ちょうどカマそうと思った時に、みんな踏んできつかったです。3車併走は出切れないですね。2車併走なら行けたかもしれません。連勝が止まったというよりも、何もできずに終わってしまったのが悔しいですね」

<10R>

中村浩士選手
中村浩士選手
 赤板で前に出た櫻井正孝は、別線を警戒しながらハイピッチで駆けていく。8番手に置かれた郡司浩平だったが、赤板の2コーナーから一気の巻き返し。抜群のスピードで前団に迫ると、櫻井を最終ホームで強引に叩いた。これに続いた中村浩士(写真)が、直線で鋭く追い込んだ。
 「郡司君は緩んだから仕掛けたと言っていたけど、そうは思わなかったです(笑)。スピード域の違いですね。ワンツーを決めないと申しわけないと思って、最後は待ったんですけどね。郡司君の頑張りに尽きます」
 目標がまくられた山崎芳仁は、すぐさま南関勢を追う。2センターで追いついたが、中村を交わせず2着まで。
 「番手から出るにしても(郡司が)来るのが早いなと思って。ラインが3車ならいっていたけど。2車だし、あそこからなら食われてしまう。(郡司を)振ったけど、上にいかれて止められなかったです。(切り替えてからは)バックで勢いよくいっていれば。見てしまいました」
 郡司浩平は直線で失速して4着。それでも、持ち前の積極的な競走でファンを沸かせた。
 「8番手になって、緩んでいたので仕掛けました。いい位置が取れていれば、もう少し遅めにいきましたけど。あれで粘れるくらいじゃないと上では…。でも、結果うんぬんより、内容を受け止めて。福井記念がすぐにあるので、そこでも力を出し切れるように」

<11R>

平原康多選手
平原康多選手
 赤板前に前受けの木暮安由を押さえた海老根恵太が後続の動きを確認しながらペースを上げていく。南修二が4番手に収まり、単騎の永澤剛が6番手、関東勢が後方の形で打鐘を通過。最終ホームで南がまくり出ると、その外を永澤と木暮がまくり上げる。バック過ぎから木暮のさらに外を踏み込んだ平原康多(写真)が前団をまとめて飲み込んだ。
 「木暮君が勝つレースをしてくればいいと思っていました。余裕はなかったけど、もう(木暮の上を)行くしかないと思って。今回は新車だったけど、間違いなくいい方向にきている。トップスピードとかも含めて全ての面でですね。あとはセッティングとかよりも自分の力を底上げして、オールスターで一番の結果が出てくれるようになればいいですね」
 最終2コーナーから木暮に合わせて先まくりに出た永澤剛が2着に食い込んだ。
 「一発を狙ってと思っていた。本当は南関の4番手にいたかったけど、近畿勢が怖すぎて。必死の自力を出したのでいっぱいでした。今節は着がまとまり過ぎてびっくりです」
 佐藤悦夫が懸命に平原を追って3着に入った。
 「(平原が)あんなところを踏んでいくとは。今までで初めての経験でした。山登りみたいでしたよ(笑)。自分の調子は徐々に良くなってきたけど、3日間あと一人(抜くの)が遠かった。腰を痛める前の状態に戻ればいいと思うので、次のレースまでに修正したい」

<12R>

渡邉一成選手
渡邉一成選手
 第13代「夜王」の座に輝いたのは新田祐大だった。レースは三谷竜生が赤板前から猛然とスパート。6番手となった新田が最終ホーム手前から踏み出すと、瞬く間に前団を抜き去る。そのまま渡邊一成の追撃を振り切って、人気に応えた。
 「初手は前のほうで、あとは周りの動き次第で考えようと。竜生の仕掛けがすべてだったと思います。タイミングが来たところで行っただけです。(渡邉と)ワンツーが決まったことがうれしいですね」
 準決勝で新田のまくりを抜いた渡邉一成(写真)だが、決勝は交わせなかった。
 「(新田は)あの先行を6番手からまくるんだからすごい。前のスピードがちょっと緩んだところで行けるのが新田の強さ。付いていくことはできるけど、追走の技術をもう少し磨きたいですね」
 新田のスピードに対応できなかった村上義弘は3着まで。
 「竜生のかかりはよかった。誰も来れないと思ったけど、新田が見えたら一瞬だった。自分が車間を切るタイミングも悪かったかもしれない。ただスピードが違った」
 後方8番手からまくった深谷知広は4着に入るのが精いっぱいだった。
 「全部が失敗だった。(新田が)強すぎました。スピードが違ったし、ちょっと無理でした。ベストコンディションでも3着までだったと思います」