『第30回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)レポート』 前検日編

配信日:10月20日

 15年以来、弥彦競輪場でのGI開催。「第30回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」が、10月21日に4日間シリーズの幕を開ける。年末の「KEIRINグランプリ2021(GP)」の出場権をかけたタイトル争いも佳境。オールスターのように新たなタイトルホルダーが生まれるのか、それとも…。10月20日の前検日は、肌寒いなかで弥彦にトップ選手が集結。翌日からの激闘に備えて、それぞれが入念な準備を行った。
 開催中、弥彦競輪場では、事前抽選による入場許可証をお持ちの方のみの入場となります。「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となります。検温、手指の消毒、マスク着用などのご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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三谷竜生選手
三谷竜生選手
 三谷竜生(写真)は前回の福井FIを完全V。昨年4月の奈良FI以来、久々の優勝を遂げて、状態も悪くはなさそうだ。
 「(前回は)自転車も進んでたし、調子も良かった。(10月14日に)地区プロがあって、ケイリンでもしっかりとモガけた。そのあとの練習でも良かったです」
 今期勝ち星のない菅田壱道だが、8月のオールスター落車後は4場所を消化して徐々に手応えをつかんでいる。
 「前回の平塚記念はだいぶ前のような(いい時の)感覚があった。そのあとは250(PIST6)だったり、地区プロだったりがあって結構、忙しかった。直前は疲れを抜くのをメインでやってきた。調子は上がっていると思います」

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岩津裕介選手
岩津裕介選手
 8月のオールスターに続いて2度目のGI参戦になる石原颯は、前回の共同通信社杯の落車からの復帰場所なるだけに強気にはなれない。
 「(怪我は左の鎖骨骨折で)まだ万全ではないですね。だから、ブロックをされないように(笑)。1カ月近く休めたし、リフレッシュはできた。ここで戦えたら自信にはなりますね」
 岩津裕介(写真)は前回の福井FIを127着。最終日、決勝のシンガリをこう振り返る。
 「腰痛明けだったんで、(初日、2日目は)1、2(着)でまずまずかなと。ただ、(最終日は)3日間もたない感じだった。そのあとは地区プロもあったりした。腰の状態はだいぶ良くなったかなと」

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稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 前回の久留米FIを123着だった山田久徳は、落車明けの場所でも上々の手応えをつかんでGIを迎える。
 「久留米は正直、不安のなかで走ったっていうのもあった。でも、思ったより良かった。先行も2回できたし、そのあとの練習の感じも良かった。感触が良かったんで自信をもって走りたい」
 山田とコンビを組む稲垣裕之(写真)は、前回の岐阜FIを436着。落車明けでの状態をこう説明する。
 「新車とか試したいっていうのもあったけど、(体の方は)ちょっとまだかなっていうのがあった。でも、セッティングとかを出せたのは良かった。まだ痛みがあるけど、精密検査とかでは大丈夫でした。ここは、いいイメージがあります」

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山田庸平選手
山田庸平選手
 山田庸平(写真)は、前回の防府FIを212着。オール連対の3日間で好感触を得た。
 「(防府は)いつも通り練習の感じを試したくて、それで感じが良かった。そのあとは練習をやって、今回は少し休みを入れた。(初日も)いつも通りしっかりと仕掛けたい」
 前回の平塚記念を1362着。戦績をまとめた小林泰正は、大舞台での勝ち上がりを強く意識する。
 「平塚は納得できる走りだったし、調子もいい感じだった。今回もいい感じでこられていると思います。今年初めに鎖骨を折って、それからもう(状態は)戻ってきている。GIでも準決で結果を残したい」

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中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 前回の熊本記念in久留米では1261着。準決敗退の中川誠一郎(写真)だったが、最終日も気持ちを切らさずにシリーズ2勝目を挙げた。
 「ここは(14年に)GI初優出したバンクです。ただ、本当に走ってないので(バンクの)イメージがない。(前回のあとは)しっかりと調整をして、トレーニングもやりました」
 菊池岳仁はFIシリーズながらも3場所で6勝の固め打ち。前々回の函館では完全Vとようやく“眠れる獅子”が片鱗を見せだした。
 「だんだん良くなってきた。落ち着いて走れるようになってきた。(仕掛けるのも)無理やりじゃなくて、流れに沿ってっていうのができるようになってきた。オールスターが全然だったし、ここは地元なんで勝ち上がりたい。練習もできているんで、自信をもっていきたい」

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永澤剛選手
永澤剛選手
 前回の熊本記念in久留米は3勝をマークした取鳥雄吾だが、根田空史にしてやられた二次予選が悔やまれる。
 「自分のデキはずっといいです。(前回の2日目は)根田さんが強すぎました。弥彦(との相性)も悪くないです。逃げていいイメージだし、タイムも出ていた」
 永澤剛(写真)は、前回の函館FIを521着でV奪取。昨年3月の大垣以来となるおよそ1年半ぶりの優勝となった。
 「(前回の決勝は)展開に恵まれました。(あんまり得意じゃない)ダッシュ勝負じゃなくて良かったです。そのあとは地区プロがあったり、天気もあるかったりで、あんまり乗れなかった」

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長島大介選手
長島大介選手
 前回の熊本記念in久留米のあとは決して順調ではなかった坂井洋だが、戦える状態にはありそうだ。
 「久留米からの帰りに航空性中耳炎になって、2、3日ちょっと…。でも治して練習もできたし、ジャンさえ聞こえれば問題ないですよ(笑)。疲労もそこまで残ってなかったです」
 あっ旋のなかった9月の1カ月を練習に充てた長島大介(写真)は、前回の函館FIを615着。
 「(前回は)状態も悪くなかったし、そのあとはここに向けて調整をしてきた。(9月は)まとまった練習ができてたんで、状態は上がっていると思います、体調的にも1度も崩さずにやれました」

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村田雅一選手
村田雅一選手
 村田雅一(写真)は、前回の福井FI初日に落車に見舞われた。そこから2週間空いてのGI参戦で状態はどうか。
 「(落車のあとの状態は)ここに来る前に地区プロでも走ったんで大丈夫です。地区プロの疲れが残った感じもあったので、ケアをしながら(練習を)やった感じですね」
 地元、千葉でのPIST6参戦も含めて、前回の熊本記念in久留米まで強行ローテだった根田空史は、ようやく中9日空いた。
 「(前回が終わって)やっと落ち着けました。でも、連戦の疲れが尾を引いていた感じもあって、なかなかパフォーマンスが上がってこなかった。(前回の)準決ですべて使い果たした感じです。(初日は)ラインの長さを生かしたい。油断しないように」

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山口拳矢選手
山口拳矢選手
 3場所前の地元、岐阜での共同通信社杯でビッグ初制覇を遂げた山口拳矢(写真)だったが、前回の青森FIの最終日に落車を喫した。
 「(落車は)擦過傷だけだったんで問題ない。ただ、(落車で)ハンドルがダメだったんで、セッティングを出しつつケアを多めにやってきました。(練習は)追い込むっていうよりは、落車のダメージを少しでも取るっていう方向でやってきた」
 練習仲間で気心の知れた島川将貴とのタッグに小川真太郎は、期待を膨らませる。
 「(初日に)ここで1着にいければリズムに乗れる。(近況は)サゲサゲできてたんで、これ以上悪くなることはない。もうちょっと自分らしくできれば。あとは(島川と)うまく決められるように」

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鈴木庸之選手
鈴木庸之選手
 鈴木庸之(写真)は、前回の平塚記念から約2週間空いたローテで地元の大一番に臨む。
 「前回の平塚が良かったんで、そのまま練習をしてきた。直前に腰痛が出たんで、それがどうかなっていうのがあります。でも、(腰痛が出る)その前に練習はしてるんで、大丈夫かなっていうのはあります。予定外のところもあったけど、(状態は)いつもと変わらないくらいかなと。(吉田拓矢の)番手に付かせてもらいます。相性もいい」
 3場所前の小松島、前々回の別府とFIで優勝を遂げている山田英明は、状態も上向き。初日は単騎で上位進出を目論む。
 「ここに向けて練習してきました。今年は腰を壊してなかなかトレーニングができなかったんですけど、オールスターが終わったあたりからちょっとずつそういうのがなくなってトレーニングができている。去年のベストにはもってこられていないが、ちょっとずつかみ合ってきているかなというのはあります。(初日は)単騎戦。しっかりコースを踏み切って、勝負ができたらいいなと思っています」

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新山響平選手
新山響平選手
 新山響平(写真)は、豊橋、青森とFIを2場所連続Vで6戦5勝と白星を量産。共同通信社杯に続くビッグ連続優出に期待も高まる。
 「(最近の感触は)ラインのおかげで勝てているという印象なので、自分の脚力はそこまでいい感じではないのかなと。(前回からは)地区プロに行って、次の日から練習して中日で1日休みを取って、また昨日練習してきました。やりたい練習はできました」
 前回の防府FIで今年3度目の優勝の稲川翔は、初日に連係する野原雅也の進化を肌で感じている。
 「(前回は)セッティングは毎日違う形で臨んだんですけど、ここのためにやれることはやろうという感じでした。地区プロもあったので、疲れを抜くというよりも、維持しながらでした。あとは刺激を入れながらといった感じです。(初日は)野原君はよく一緒に走っているけど、どんどん強くなってきているというイメージ。刺激を受けています」

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新田祐大選手
新田祐大選手
 18年の全日本選抜制覇でグランドスラムに王手をかけた新田祐大(写真)にとっては、どうしても手に入れたい寬仁親王牌のタイトル。残された最後のGI奪取に初日から気持ちを込める。
 「(ここまでは)しっかり調整してきました。今回はグランドスラム達成のために調整して、バッチリの状態で来た。あとは結果を残せるように頑張るだけです。今回は意識してグランドスラムを狙っていきたい。まずは自分らしい走りをして勝ち上がっていくことを目的として、最後に決勝で決められるように頑張ります」
 地元、平塚記念を2211着で制した郡司浩平は、全日本選抜に次ぐ今年2度目のGI制覇ができるだけのデキをキープしている。
 「状態は上がってきていると思う。このいい状態を少しでも長くキープできるように。まあ、上げていけるようにしたいなと思います。(この2週間は)しっかり練習もできましたし。やることはやって来た。あとは結果に出てくれればいいなってところです」
 前回の平塚記念では動きの良さが目を引いた清水裕友は、例によって松浦悠士との連係。初日は先頭を務める。
 「(前回の)平塚は良かったです。暑い季節が終わって、体調が整えやすくなったかなと思います。(ここまでの2週間は)ここに向けてしっかり練習して、最後も調整できたと思っています」