『第16回寛仁親王牌(GI)レポート』 最終日編
 
配信日:7月3日


 グリーンドーム前橋で開催されている第16回寛仁親王牌・世界選手権記念は、盛況の下いよいよ本日が最終日となった。激戦を制して勝ち上がり、優勝戦に駒を進めた9人のファイナリストが栄誉、栄冠そして年末のGP出場権をかけて熱い戦いを繰り広げた。


決勝戦・レース経過

 号砲が鳴ると、渡部哲男、荒井崇博が勢い良く飛び出し、西の2人の前受け態勢が決まる。中団には佐藤友和-伏見俊昭-成田和也-岡部芳幸の北4人のラインが入り、永井清史-小嶋敬二-手島慶介のラインが後攻めですぐに並びは落ち着く。
 青板バックを過ぎて永井が上昇を開始。いよいよ戦端が開かれる。永井は好スピードで駆け上がると、赤板と同時に誘導を交わして主導権を奪取。永井には小嶋-手島が続き、中団には荒井-渡部、後方に北勢と並びが変わる。永井はこのままグングンとスピードを上げていって先行態勢に入った。打鐘、最終ホームと一本棒の状態で通過し、一角手前でようやく佐藤がまくって出る。しかし、二角を過ぎた所から小嶋がためらうことなく番手まくりを敢行。佐藤のまくりは不発に終わる。このまま小嶋-手島-荒井…の態勢で最終三角に入るが、ガラ空きのインを渡部、そして、渡部後位に切り替えていた成田が突く。外に浮かされた荒井、手島は伸びず、代わって渡部が小嶋を猛追するも、小嶋は押し切って特別連覇を達成した。2着は渡部で、3着には後方から鋭い伸びを見せた岡部が入る。

表彰式
胴上げ
表彰式
胴上げ
ゴール
ゴール




<1R>
岡村潤選手
岡村潤選手
   1レースは後続がもつれるなか、先制した岡村潤(写真)がそのまま押し切った。
  「今日は先輩二人に任せてもらっていたし、積極的に行こうと思っていました。打鐘で浜田さんが内に斬り込んできたけど、ああいう展開は普段のレースでも良くあることなので、特に慌てずにいられました。ただ先輩が離れてしまったのは残念ですけど。最近は積極策を意識していただけに、その結果が出て良かった」


<2R>
三ツ石康洋選手
三ツ石康洋選手
   2レースは三ッ石康洋(写真)が、梶山裕次郎を突っ張って先行。パワーある走りで反撃を断ち切って快勝した。
  「実質二分戦みたいなものですからね。突っ張っても良かったし、後ろから攻めても良かった。梶山君も強いし、結果的には突っ張ったけど、ペースも遅かったし、休むところもあったので走りやすかった。先行態勢に入ってからは、要所で強く踏めば行けると思いましたね。ただ高橋さんがどこから来るのか分らなかったから、高橋さんの動きをかなり警戒していました。まあ、今回は2勝できたし良かったかな。今までは、負けたと同時に気持ちまで切れてしまって大敗するパターンが多かったですから」


<4R>
 4レースは好機に発進した石橋慎太郎が、先行した吉田敏洋をまくり切った。
  「作戦としては、打鐘でカマすか、積極的に先行しようと考えていました。少しタイミングが遅くなってしまいましたね。今日はデキが良いというよりは、運が良かっただけです」


<5R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
   5レースは積極策で主導権を握った中川誠一郎(写真)が別線を完封。何とか1勝を挙げて意地を見せた中川は「自分の先行が通用しないという訳じゃないが、GIだと何でもやらないと厳しいので、昨日までの3日間は何でもやっていた。でも力を思うように出し切れず、モヤモヤしていた部分があったので、今日は思い切って先行しました。今後の事もあるし、やはり先行を見せておかないと。元から屋根つきバンクは嫌いじゃないだけに、駆けた感じは良かったですよ」と4日間の戦いを振り返る。


<6R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
   6レースは好位を確保した海老根恵太(写真)が好機にスパートし、前団をまくって1着。今場所初勝利を挙げた。
  「初日、二日目は良い位置を取って仕掛けたけどダメだったし、昨日は逃げてもダメだったから、今日は脚を極力使わないで行けるところから行こうと思っていました。踏み出した時はいけるかどうかわからなかったし、佐々木(雄一)君が前をフラフラしていたからちょっとどうかなとは思ったけど、何とかまくれましたね。三角辺りが一番キツかった。今回は調子がいい状態で臨んだだけに結果が残せず残念でした。また脚力アップを図って仕切り直します」


<7R>
井上昌己選手
井上昌己選手
   7レースは3名が落車する波乱の展開となったが、落車を避けた井上昌己が、好機に仕掛けて前団を捕らえると、ゴール直前に番手の中塚記生が井上を交わして1着をさらった。
  展開をモノにした中塚は「今日は井上に付いていっただけ。落車も避けられたし、ツイていたよね。井上と連係は2,3回あったけど、今まで交わした事が無かった。今日初めてですよ、嬉しいですね」と勝利に喜ぶ。
  交わされた井上昌己(写真)は「今日は特に作戦は立てていなくて、行けるところから行こうと思っていました。踏み出しも良かったし、落車も寸前で避けられた。これが大きかったですね。今回の4日間は納得の行かないままでしたね。体調が良かっただけに勿体なかった。気合を入れ直してまた頑張ります」と今後に向けて立て直しを誓う。


<8R>
北津留翼選手
北津留翼選手
   8レースは早めにスパートした北津留翼(写真)がそのまま後続を振り切って圧勝。昨日の準決勝敗退の雪辱果たし、溜飲を下げた。
  「今日は相手の動きに合わせていつも通りのレースをしようと思っていました。前のレースの先行選手の映像を見て、動きや流れをチェックしていました。特に仕掛けるポイントには気を使いましたね。みんな主導権を狙うわけですから、人よりワンテンポ早く行かなきゃいけないわけですからね。今日は上手く駆けられたと思います」


<9R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
   9レースは稲垣裕之が赤板から早めに先制してペースに持ち込むと、番手絶好の濱口高彰が直線で抜け出した。
  「俺は何もしていないし、今日は稲垣君に乗っただけ。稲垣君強かったよ」と稲垣の健闘を褒め称えた。
  3着に逃げ残った稲垣裕之(写真)は「作戦は、先行基本で行こうと決めていた。今日はギアを3.71に上げてみたんだけど、初めてだったからカカリも悪かったし、変な違和感があった。だけどペースに持ち込めたから何とかなりました。最近はみんなギアを上げる傾向にあるでしょう。僕も今回やってみたけど、今後は臨機応変にやってみます。モノにするのは時間がかかるでしょうしね」と更なる向上につながる武器を手に入れようとしている。


<10R>
稲村成浩選手
稲村成浩選手
   10レースは地元の矢口啓一郎が主導権をにぎる展開に。しかし、三角で矢口がタレ気味になると三宅伸のまくりに合わせて稲村成浩(写真)が番手から発進した。
  「今日は矢口に任せていた。今日は山崎(芳仁)君が相手だったし、彼もギアを上げたりして相当気合が入っていた。三角では、本当は番手まくりじゃなくて、ギリギリまで引きつけたかったんですけどね、三宅君が来るのが分かったから同じタイミングで出るかたちになった」


<11R>
渡部哲男選手
渡部哲男選手
岡部芳幸選手
岡部芳幸選手
   最終11レースは注目の決勝戦。永井清史が果敢に先行すると、小嶋敬二が最終バックから番手まくりを放って快勝。宮杯に続き、GI連覇を飾った。
  「永井ともがき合う選手はいないと思っていたし、いい感じで先行してくれました。あまり早く出ても手島(慶介)君にやられる可能性があったけど、最終バックまで永井が持ってくれたので、勝てると思いました」
  荒井崇博マークの渡部哲男(写真)が最終2センターで内を突き、2着に突っ込んだ。
  「荒井さんが仕掛けてくれたので、踏むコースができました。内に入ってから1回バックを踏んだのが痛かったね。何もできずに終わった訳ではないし、次につながるレースができたと思います」
  北日本ライン四番手から3着に食い込んだ岡部芳仁(写真)は納得の表情を浮かべる。
  「友和も後ろに3人付いているし、永井がかかり切る前に仕掛ける、と言ってましたからね。前の3人の動きに上手く乗って行けば、勝機はあると思っていました。今日はあれが精一杯。良く頑張った方でしょう」
  積極的に逃げて小嶋の優勝に大きく貢献した永井清史は満足げ。
  「後ろから赤板めがけて仕掛けたんですが、すんなり出させてもらえましたね。落ち着いて走れたし、自分の仕事はできました」
  佐藤の番手を回った伏見俊昭は「今日は全て友和に任せていました。一番強い小嶋さんが番手では厳しかった。どこまで友和に付いていけばいいか分からなかったし、最後もコースがなかったです。前に任せた結果だからしょうがない」とレースを振り返る。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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