『第17回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)レポート』 2日目編
 
配信日:7月6日

  第17回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントは今日が大会2日目。ローズカップをメインに、二次予選A、Bで準決勝への勝ち上がりを争った。ローズカップを制したのは岡部芳仁。先行した新田祐大の後位から番手まくりを放って快勝した。明日はいよいよ準決勝が行われる。
  3日目も選手会群馬県支部によるチームスプリント競技や君小路あやまろによるものまねなど、多種多様なイベントが予定されています。ぜひ、本場に足をお運びください。


ローズカップ・レース経過

 スタートで成田和也が飛び出した。新田祐大―岡部芳幸がこの前に入り、福島トリオが前受けとなる。単騎の稲垣裕之と新田康仁が中団で様子見、平原康多―手島慶介―幸田光博の関東勢、最後尾に渡部哲男が付けて周回が進んでいく。
  青板過ぎのバックで平原が上昇を開始すると、前受けの新田祐が誘導を交わして突っ張る構えを見せる。平原は無理をせずに、一旦車を下げた。この時渡部が切り替えて新田康後位へ。赤板は新田祐―岡部―成田―稲垣―新田康―渡部―平原―手島―幸田の一本棒。徐々にペースを上げた新田祐は打鐘過ぎから全開でスパート。車間を切って仕掛けるタイミングを計った平原がホームから仕掛けるも、これに合わせて稲垣もまくりを敢行。平原は車が思うように出ないまま不発に終わる。一方、新田祐との車間を切っていた岡部がバック過ぎから番手まくりを打つとグングン加速。ゴール前でもタレる事なく快勝した。成田が好追走し福島ワンツー。3着はまくり切れないまま、外に張り付いた稲垣が堪えた。

ゴール
表彰式
ゴール
表彰式


<2R>
友定祐己選手
友定祐己選手
   敗者戦の2レースは高谷雅彦の先行を利した内藤宣彦が直線鋭く追い込み、久々の勝ち星を挙げた。
  「2周駆けてくれたので、いつまくって来るか、気が気じゃなかった。ずっと必死だったし、最後まで余裕は全くなかったです」
  六番手から好回転でまくった友定祐己(写真)が2着。
  「このバンクは考えて走らないと後方になってしまうからね。内をしゃくって前に行こうか迷ったけど、松岡(健介)が先に仕掛けてくれると思ったので、あの位置で待った。前回の小田原の時よりも状態は全然いい」


<3R>
武井大介選手
武井大介選手
   3レースは逃げた金山栄治の三番手を上手く確保した武井大介(写真)がまくって完勝。
  「ちょっと作戦とは違ったんですが、引いてからすかさず追い上げて、いい位置が取れました。あとは(渡辺)十夢さんのヨコさえ通過すれば大丈夫だと思っていた。やっぱり人の動きをアテにするよりも自分で動いた方がいいですね。昨日は失敗したけど、脚の状態はいいです。あと2勝できるように、明日も力を出し切りたい」
  武井のまくりを追う形になった柴崎淳が2着に流れ込んだ。
  「ここはスピードバンクなので、今回だけギヤを上げてみたんですが、感触は悪くないですね。武井さんがまくると思っていたし、待ってから踏みました。今日は恵まれましたね。これで最終日まで走れるので、明日も頑張ります」


<5R>
小林大介選手
小林大介選手
   5レースは小林大介(写真)が今シリーズ地元勢の初勝利を飾った。
  「昨日失敗したのがすごく悔しかったので、今日は最低でも中団以内で、行けるところから自力を出そうと思ってました。そういう展開、理想どおりのレースになって良かった。昨日のことはしょうがないので、あと2日間でシリーズ3連勝を狙いたい」


<6R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
   6レースからは2着までが準決勝に勝ち上がれる二次予選B。九州勢と村上義弘ラインで早目からモガき合う展開に。最終ホームでタイミング良くカマして先頭に立った石丸寛之(写真)がそのまま力強く押し切った。
  「展開がゴチャついたし、ここぞというところで行けました。荒井が前に行ってくれたので、仕掛けやすくなりましたね。三番手に荒井がいたから、最後までどうなるか分からなかった。今日はギアを上げて正解。オッズを見たらけっこう売れていたので勝てて良かったです」
  完璧マークで2着に流れ込んだ近藤修康は「他のラインがやり合うのを期待してたんだけど、良い展開になりました。今日は石丸の頑張りに尽きます。しっかり付いて行けたし脚の状態も良いですね。GIの準決勝に初めて乗れて嬉しいです」と上機嫌でレースを振り返る。
  3着の荒井崇博は「太田(真一)さんが切り替えなかったし、とりあえず前に行かないとね。そのまま誰も来なかったら、先行しようと思ったけど、石丸さんのスピードがちょっと違った」と諦めの表情。


<7R>
堤洋選手
堤洋選手
   7レースは道中七番手の矢口啓一郎が動かず、中団の濱田浩司が赤板ホームから2車で先行策に出る。番手の堤洋(写真)が矢口の反撃をブロックすると、四国勢でワンツーを決めた。
  「濱ちゃんが強い、僕は一杯やったです。矢口が来たのは分かったので、ブロックするだけ。(内から誰かに)しゃくられても仕方ないからね。バックで行かれそうな雰囲気だったけど、ワンツー決められて最高です。濱ちゃんはずっとペースでタレるところがなかったし、残ってくれてよかった。GIの準優なんて何年ぶりやろ、久しぶりですね」
  濱田浩司は2着に粘り、自身初のGI準決勝に勝ち上がった。
  「矢口に早めに押さえられたらキツかったけど、今日は思い切り行こうと思ってました。先に動いたら矢口もなかなか来れんやろうしね。バックでまくられると思ったけど、ワンツー決まって最高です。(GIは)初めての準優なんで、明日もしっかり良いレースをしたい」


<8R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
   8レースは岡本大嗣を前受けの中川誠一郎が突っ張って先行すると、そこを小嶋敬二―山口富生がひとまくり。押し切った小嶋敬二(写真)は大勢の報道陣に囲まれると、ホッとした表情でレースを振り返る。
  「中川は前を取ったし、突っ張るとは思わなかった。モガき合いになった分、仕掛けやすくなりましたね。ギアを上げて正解、とりあえず勝ててホッとしました。これで流れが変わってくれればいいですね」
  合志正臣のブロックをしのいだ山口富生が2着に流れ込む。
  「良かったです、とりあえず。3コーナーで(合志に)もらってキツかったけど、スピードが違うし、俺の後ろはおらんやろうと思ってた。小嶋は判断が鈍ってるだけで、やっぱり強かったですよ」
  何とか2着以内に入って準決勝行きを決めたかった合志正臣だったが、小嶋のパワーに屈してしまった。
  「(山口に)引っかかってくれればと思ったけど無理。遠かったですね。誠一郎は頑張ってくれたけど、3着が精一杯でした」


<9R>
西川親幸選手
西川親幸選手
   9レース~11レースは4着までが明日の準決勝に勝ち上がれる。9レースは中団の佐藤悦夫が一旦前に出ると、そこを叩いて金子貴志が最終先行。佐藤や海老根恵太の巻き返しはならず、最後は番手の西川親幸(写真)が絶好の展開をモノにした。
  「このバンクは後ろを見ると口が空いてしまうので、気配だけ感じながら走りました。金子が良いところで仕掛けてくれたし、内だけ締めることを考えてました。感じは良いですね」
  金子貴志もオール連対で準決勝行きを決め、大いに復調をアピールしている。
  「(佐藤が)斬ってくれたので行きやすかったですね。海老根に出られたらキツかったし、今日は駆けるつもりでした。来る前の感じは良かったし、GIの準優は久々なので嬉しい」
  不発に終わった海老根ラインの三番手から内を強襲した村本大輔が3着に。
  「もうダメかと思ったけど、最後まで諦めずに踏んだかいがあった。とりあえず3着だから。晴智さんに付いて行こうと思ったけど、アンコになって内しかなかった」
  渡邉晴智のGI3連覇の夢は二次予選で潰えた。
  「脚がないですね。仕方ない。でも村本が(準決勝に)乗ってくれて良かった」


<10R>
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
   10レースは武田豊樹がマイペースで先行。番手絶好となった神山雄一郎(写真)がゴール前できっちり抜け出した。
  「武田のおかげ。強かったですよ。最後は飯嶋(則之)かと思ったけど、小倉(竜二)だった。危なく抜かれるところでしたが、勝てて良かったです。体調は問題ないですね」
  小倉竜二は目標の三宅達也が不発の展開から俊敏なコース取りから2着に強襲した。
  「今日は全てが上手くいったね。コースがいい感じで空いてくれた。最後はそんなにきつく(神山に)当たらなかったけど、もうちょっとだったね」
  3着に逃げ粘った武田豊樹も満足げ。
  「今日は後ろが神山さんと飯嶋君ですからね。余計なことは考えずに先行しました。落車後なので、身体はきつかったけど、とりあえず勝ち上がれて良かったです」


<11R>
石橋慎太郎選手
石橋慎太郎選手
   11レースは前受けの山崎芳仁が浅井康太を突っ張って先行。カマせず中団に降りた石橋慎太郎(写真)だったが、バックから力強くまくり返し前団を飲み込んだ。
  「いやー、キツかったですね。良くまくれましたね。(山崎に)駆けられたときは終わったと思ったけど、落ち着いて行けたのが良かった。山崎の先行は予想してなかったし、まさかあそこまで行くとは。朝はダメだなってくらい体がガチガチだったけど、走ってみたら何とかなった。富山(記念)に比べたら戻ってきてますね」
  2着には後方から車群を縫って三宅伸が強襲した。
  「前に浅井君がいるだけで、気持ち的には全然楽だった。(岩津)裕介が三番手を固めてくれたし、みんなのおかげですね。前のレースで小倉(竜二)が良いコースを踏んでたので、外を踏もうかと思ったけど待って正解でした。状態は良いですね」
  逃げた山崎芳仁も3着に粘り危なげなく準決勝へ進出。
  「後方からじゃ厳しいですから。押さえ方も甘かったし、上手く不意を突いて先行できました。あの上を来るなら後ろは千切れてると思ったしね。石橋は中団でかぶってると思ったけど、すんなり中団だったみたいでそれが誤算でした」
  遠澤健二も連日しぶとい競走で3着4着。今日はベテランらしいコース取りが光った。
  「小田原(記念)の前が落車続きでイマイチだったけど、直前の3日間は軽く乗っただけでマッサージで疲れを取ってきたのが良かった。不安はあったけど、連日軽いですね。脚を溜めて待ってたらコースが空いたし、普通なら2着までに入れる感覚だったけどみんな強いね。でも二次予選をクリアできて嬉しいです」


<12R>
岡部芳幸選手
岡部芳幸選手
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
平原康多選手
平原康多選手
   12レースは全員が準決勝の権利を持つ「ローズカップ」。レースは前を取った新田祐大が後ろ攻めから上昇する平原康多を出させず赤板前から先行勝負。中団から単騎の稲垣裕之がまくって来ると、合わせて番手から岡部芳幸(写真)が飛び出しメーンレースを制した。
  「新田(祐大)が全部やってくれた。積極的に行くと言ってくれてたし、あそこまで駆けてくれたから1着を取らないといけないと思ってました。稲垣も来てましたからね。踏み出した感触は悪くなかった」
  2着に続いた成田和也は「出ないと稲垣さんにまくられるからね」とレースを説明。勝負は明日、「2走した感じは良いし、頑張ります」と気を引き締めていた。
  3着には中団からまくり上げた稲垣裕之(写真)が食い込んだ。
  「新田(祐大)君が突っ張るのは分かってたし、あとは行けるところからと思ってた。岡部さんが番手から出る前に行こうと思ってたけど、タイミングが合ってしまいましたね。レースは見えてるし、感触は問題ないけど、(単騎で)普段のレースとスタイルが違いますからね」
  巻き返しならなかった平原康多(写真)は9着大敗。
  「僕も早めに動いたけど、相手は捨て身だし、あそこでやり合ってもしょうがない。分かってても厳しいですよ。また明日頑張ります」
  最後は内を踏んだ渡部哲男だが5着まで。
  「稲垣さん、新田(康仁)さんが前にいたら仕掛けられないし、今日は初手の位置取りに失敗しましたね。今日は脚を使ってないし、明日頑張ります」


<滝澤正光氏引退セレモニー>
滝澤正光氏
滝澤正光氏
滝澤正光氏
   なお、6レース終了後にバンク内では先月30日に惜しまれつつ29年にわたる現役生活にピリオドを打った滝澤正光氏の引退セレモニーが行われた。オーロラビジョンに怪物と呼ばれた滝澤氏のレース映像が流れると、滝澤氏がバンク内に入場。山口健治選手ら、ともに一時代を築いた盟友が見守る中で表彰式や花束贈呈のあと、「夢を追い続けて29年3カ月。みなさんのご声援で、無事競輪人生をまっとうすることができました。ありがとうございました。今後は競輪学校で後進の指導にあたっていきます。これからも競輪をよろしくお願いします。今日は本当にありがとうございました」と滝澤氏があいさつ。最後にバンクを1周すると、詰め掛けた大勢のファンが惜しみない拍手と声援で最後の勇士を見送った。

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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