『第18回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)レポート』 初日編
 
配信日:7月4日

 G1タイトルを賭けた寛仁親王牌の戦いが幕開けだ。青森縄文バンクは雨が降ったり止んだりとあいにくのコンディションとなったが、バンク内では雨粒を吹き飛ばすようなスピードレースの連続となった。理事長杯からは武田豊樹、神山雄一郎らが明日のローズカップへ駒を進め、準決勝進出を決めた。特選からも金子貴志や海老根恵太らがシード。明日(5日)もトップレーサーの熱戦が繰り広げられる。
  明日も盛りだくさんのイベントでお客様をお迎えします。仮面ライダーディケイドショーやフラダンスショー、日本名輪会によるトークショーなどでお楽しみください。お子様には先着500個かき氷、ポップコーンをプレゼント。また先着2,500名様にリンゴジュースをお配りします。ぜひ青森競輪場での生観戦をお楽しみください。



特選 レース経過

10R
 スタートで成田和也が飛び出す。海老根恵太が成田を交わして正攻法。中団には松田優一-小林大介の関東コンビ、石丸寛之-村上博幸が入り、柴崎淳-浅井康太-山口幸二の一番長いラインが後攻めで周回が進む。
  赤板前の四角から柴崎が上昇開始。松田のアウトで牽制しながら、打鐘と同時にスパートして海老根を叩く。松田もすかさず巻き返すが、柴崎が突っ張り早々に不発となる。松田不発と見るや小林が奇襲のイン突き。バック手前からスルスル内を踏み上げる。石丸のまくりを牽制した浅井の内から小林が抜け出すと、まくり切った石丸を小林が追う形で直線に。粘る石丸をゴール前で差し切った小林が快勝。2、3着は石丸とまくり上げた海老根で写真判定も、大外強襲の海老根が石丸を1/8輪交わした。

11R
 単枠の利を生かした中川誠一郎が踏み上げ誘導員後位へ。紫原政文が付け九州勢が前受け。村上義弘-酒井耕介の京都コンビに岡部芳幸-有坂直樹が続いて様子見。永井清史-金子貴志-柴崎俊光の中部ラインが後攻めとなる。
  赤板前の2センターから永井が踏み上げて前団に迫ってくる。これに合わせて村上が中川を押さえにかかると、赤板と同時に誘導員は退避。永井後位で村上が粘る形になると、中川までが車を下げずに酒井の内で粘る。永井後位は大渋滞となり打鐘を迎えた。機動型が内に詰まっており永井はそれほどペースを上げずに、最終ホームからダッシュ生かして一気にスパート。村上が踏み遅れ、金子が永井マークを取り切った。村上も意地で三番手の柴崎をドカす。まくりかけた村上が再度金子に付け直すと中川と酒井が村上の内までくるがここまで。逃げ粘る永井を金子が捕らえ中部ワンツーを決めた。凌いだ村上が金子マークから3着キープ。まくり上げた岡部は前団までは届かなかった。

12R
 ゆっくりとしたスタートから誘導員を追ったのは平原康多。これに武田豊樹-神山雄一郎が続いて関東ラインが前受け。北津留翼-井上昌己の九州コンビに渡邉晴智、新田祐大-山崎芳仁-伏見俊昭の福島トリオが後攻めで三分戦の様相。
  青板バックから早くも新田が上昇開始。一番前までは行かず、中団の北津留の動きをしきりに牽制する。七番手に下げた北津留と中団の新田が見合う中、打鐘から平原が腹をくくって先行態勢に入る。二角から新田がまくり上げると武田が番手まくりを打った。新田は神山後位に付け直す形に。七番手からまくり上げた北津留は2センターで力尽きた。武田のスピードは最後まで衰えず快勝、神山が巧マークで2着をキープ。新田が内に潜り込んだ伏見、外の山崎との踏み比べを凌いで3着でゴールした。

ゴール
武田豊樹選手
ゴール
武田豊樹選手



<1R>
菅田壱道選手
菅田壱道選手
   やはり菅田壱道(写真)の勢いはホンモノだった。渡部哲男を中団に置きながら堂々の押さえ先行。最後は交わされたが、しっかりレースを作って二次予選Aへの切符をつかむ。
  「渡部さんだけを見てレースをする感じでした。ホームでもカマしてくる気配がなかったので、落ち着いて駆けられましたね。竹内(智彦)さんとワンツーで勝ち上がれなかったのは残念ですが、初日をクリアできて嬉しい。この勢いで行きたいですね。欲を言えば押し切りたかったけど、今日はバンクが重かった」
  1着の坂上忠克は笑顔が絶えない。
  「最高ですね。四国ラインから組み立てて正解でした。あの位置なら渡部君はまくり切れると思ったけど、小野(俊之)君のブロックで凄いあおりができたんで、香川(雄介)君の動きへと切り替えました。アタマまで突き抜けられるとは思わなかった…」
  4着で辛くも踏み止まった竹内智彦はホッと胸をなで下ろし、「菅田君がもう少し早めに駆けてくれれば楽だったんだけどね。何とか香川さんのコースを付いて行けたけどきつかった」


<2R>
兵藤一也選手
兵藤一也選手
   2レースは市田佳寿浩がバック過ぎからまくりを決めて快勝し、二次予選進出を決めた。
  「矢口(啓一郎)君がかかっていたし、前にいた6(新村真)の動きもあったんで、待って待って、行けるところから踏みました。だけど踏み出しも、う~ん?って感じだったし、疲れがまだ残っているのかな…」
  先行した矢口啓一郎は着外に沈み、「打鐘で6が踏んでいたし、あそこで踏みあったのが悪かったですね」と悔しさを滲ます。
  2着の兵藤一也(写真)は「最後、四角で上に登ったし、あれならまくられないと思ったんだけどね。だけど、矢口も打鐘であれだけ踏んでいたから、最後はきつそうだった」と矢口をねぎらう。


<3R>
遠澤健二選手
遠澤健二選手
   加藤慎平の最大限の援護を盾に吉田敏洋が逃走を図ったが、長塚智広が中団からまくって快勝した。
  「今日は作戦通りにいきましたね。中団で併走してくる人がいなかったんで、すんなり回れたので。日ごろの行いが良いのからね」と、おどけて見せる。
  2着には遠澤健二(写真)が入った。目標の山賀雅仁が先まくりを喰らうと、長塚後位に俊敏にスイッチした。
  「山賀君は行ってしまうかと思ったけど、止められてしまった。そうしたら、ちょうど目の前に3番(長塚)がいたんで付いていきました。久しぶりに1着かと思ったけど駄目でしたね。山賀君が内に入っていったときにはビックリしたけど、最後はあおりを受けなかったんで(長塚に)付いていけた」
  豊田知之が3着に入り、ベテラン勢が健闘した。
  「併走してたし踏み出しで離れてしまった。でも、その後は1コーナーから脚を溜める作戦に変更しました。ちょうど前の2番(山賀)も行ってくれたんでよかった。脚が一杯で離れた訳ではないし、大ギアだから踏み出しが悪かったけで高松宮記念杯のときより調子は良いですよ」
  加藤慎平は懸命の援護も及ばず、最後は馬群に飲まれた。
  「後ろに付いていて余裕がなくて、持っていくタイミングもうまくいかなかった」


<4R>
山口富生選手
山口富生選手
   人気を集めた中部勢がレースを完全に支配。最後は山田裕仁の番手まくりを山口富生(写真)が差して1着をゲットした。
  「久々に展開が向きましたね。山田さんとワンツーが決まって何より。僕と山田さんは脚質が合っているみたいで、相性が良いですね。ここに来る前、セッティングを見直してみたら、やっぱり5mm近く狂ってました。そこを直したら感じが良いですね」
  山田裕仁はシビアな運行で勝ち上がりの権利を手にした。
  「やっぱり予選っていう気持ちの焦りがありますね。僕にしてはちょっと長い距離だったんで苦しかった。ちょっとスピード練習が足りていない感じはあるけど、何にしろ勝ち上がれてホッとしてます」


<5R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
   5レースは2車ながら先制した稲垣裕之(写真)がペース駆けに持ち込むと別線を完封。マークの山内卓也とワンツーを決めた。
  「今日は絶対に先行という気持ちは無かったけど、岡村(潤)君がホーム手前で流していたし、あれなら行かないとね。仕掛けるタイミングも良かったし、最後、踏み直しもできた。好スタートが切れましたね」
  山内卓也も「稲垣がいいところで仕掛けてくれた。良いスピードだったし、自分は仕事をするだけでした。村本(大輔)さんを閉め込めたし、最後は思い切り踏んだけど、稲垣に踏み直された」とワンツー決着に満足げ。
  3着には後方から直線大外を強襲した濱田浩司が入線する。
  「伸びも良かったし、本当なら稲垣さんを飲み込んでもおかしくないはずだったのに、何かいまひとつですね。明日に向けてセッティングを調整してみます」


<6R>
藤野孝彦選手
藤野孝彦選手
   弟子の鈴木謙太郎に乗り、平沼由充が勝ち星を挙げた。レースは後方から巻き返す展開となったが、岩津祐介の好ブロックに遭い鈴木は失速してしまう。しかし、巧く内に下りて三宅達也の番手をキープすると、最後は直線で追い込んだ。
  「一番後ろからの仕掛けになったんで(鈴木が)行けるところまで踏んでくれた。前の三宅君も目一杯踏んでたから、ダッシュがある鈴木でもちょっと厳しいかなと。そう思ってたらブロックがきて、内がガラ空きになってたのが見えたから切り替えました。頭で考える前に体が反応してるね」
  岩津裕介は平沼後位に付け直し、2着で二次予選に進出した。
  「三宅さんは良いタイミングで行ってくれた。4番(鈴木)を止めて戻ろうと思ったら平沼さんに入られてしまった。バックでは脚は余裕があったけど、ああなっては仕方がない」
  逃げた三宅達也は4着に踏みとどまり、かろうじて二次予選Bへ駒を進めた。
  「今日は思い切って行こうと思っていた。(新田が)もう少し遅めに斬ってくれれば楽だったんだけどね。鈴木君が来てたしずっと踏みっ放し。岩津君もブロックしてくれたけど、踏む距離が長かったね」
  初のG1参戦となった藤野孝彦(写真)は3着で予選を突破。まくった新田の番手をさばき、直線でしぶとく伸びてきた。
  「新田さんが来ているのは分からなかったんで合わせられなかった。高木(隆弘)さんと2車行かれてしまうともう終わりだったから、番手をどかしました。今日は周回中から軽かったし、頭まで突き抜けると思ったけど、脚がなかったですね。人気がなかったし、レース前は全く緊張がなかったので、逆にこんなもんでいいのかと心配だった。自分は緊張感を高めて気合を入れていくタイプだから。でも、初のG1で勝ち上がれて良かった」


<7R>
坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
   人気ラインを坂本亮馬(写真)がまとめて粉砕。鮮やかなバックまくりでG1初勝利を達成した。
  「自分でもビックリですよ。勝負所でバックを踏んで最後方。届く訳ないよなって思いながら踏んだら、思いのほか車が伸びていってくれた。前を見たら木暮(安由)さんが番手に入っていたのも見えてたんで、ヤバい展開だったんですけどね。位置取りは失敗したけど、結果オーライ。でも上位相手に同じ走りが通用する訳ないし、明日からはもっと気を引き締めて戦います」
  久々の実戦となった合志正臣は坂本の健闘を称える。
  「スタートを取るのでキツかったですね。ある程度、後方になるのは覚悟していたけど、バックで坂本があまり進んでいないような感じだったのでドキドキしました。ただ、3コーナーからはグンと加速してましたね。復帰初戦で勝ち上がれて何よりです」レースを振り返った。


<8R>
荒井崇博選手
荒井崇博選手
   8レースはライン4つの細切れ戦。五番手に入った荒井崇博(写真)が、三角まくりで前団を粉砕して1着をさらった。
  「細切れだし、その時の流れに応じて何でもしようと。小嶋(敬二)さんが後ろだったし、車が止まったのが分かったからまくれると思った。これが復帰明け初白星ですね。自信になった? 安心してって程度ですね」
  大塚健一郎は荒井に食い下がり2着に食い込んだ。
  「(荒井の)スピードもすごかったし、付けていて凄く感覚も良かった。スピードに乗った瞬間、二人で決まったと思った。前のレースで九州ワンツーだったし、気合が入っていました」
  断トツの人気を誇った小嶋敬二は後方八番手に置かれて万事休す。仕掛けどころに窮し、着外に沈み、「もう少し積極的にいければ良かった。展開を色々と考えすぎた…」と言葉少な。


<9R>
松岡健介選手
松岡健介選手
   佐藤友和が気持ちよく突き抜けた。七番手から一気の仕掛けで前団を捕らえる。
  「大西(祐)君がどういう駆け方をするかがポイントだと思ってたので、レースとしてはあれで良かったと思います。ただ、中団で松岡(健介)さんが車間を空けていたので、それを見過ぎたかもしれませんね。今日は開会式で選手宣誓をしたんですが、ちょっとバタバタしちゃいましたね。ギアを3.57に戻して少しだけ違和感はあるけど、慣れの問題だから大丈夫です」
  松岡健介(写真)はレースを振り返って反省しきりだ。
  「佐藤君の動きを気にしすぎて、前の動きへの注意が薄くなってましたね。いつでもまくれると構えていたら、その上を先に行かれてしまった。もちろん先行も考えていたんですが」
  松岡健介に乗った伊藤保文が2着。前反祐一郎が3着に入り、久々にG1の初戦を突破した。
  「前二人(松岡-伊藤)がいるし、後ろから(佐藤)友和と(斎藤)登志信さんがくるだろうから、最低でも1車を抜かないといけないなと思っていたから、とにかく1車でも前にと必死だった。松岡君は先まくりしてくれたし、あとは自分の脚を信じて踏んだ結果3着までいけました」
  大西祐は力負けに終わった。
  「あんなにすんなり駆けたのに、9着は情けないですよ。普段使っている3.57から64に上げたのが失敗。踏み上がっていかないし、全く掛からなかった。明日は57に戻します」


<10R>
小林大介選手
小林大介選手
   小林大介(写真)がトリッキーな動きを見せた。不発の松田優一後位から切り替え、最後は石丸寛之をズブリ。ビッグ初日の勝利に相好を崩す。
  「松田君が行けないと分かった時点で次の策を考えていたんです。うまくいきましたね。今回は直前に雨が降ったので、初めてと言っていいぐらい自転車を使った調整をできなかったんです。室内でパワーマックスを踏んでいたんですが、かえって疲れが抜けてくれたかもしれません。青森は着がまとまってるんですよね。前橋の親王牌でもローズカップに乗って決勝戦まで行けたので、今回もそうなってくれれば」
  2着には海老根恵太が突っ込んだ。バックで後方になってしまったが、必死に踏んでローズカップの権利をゲット。
  「ずっと石丸さんを追いかけてたので、休むところがなくてきつかったですね。あの展開で連にからめているので調子は悪くないと思います。明日は長めの距離を踏んでみたいですね」
  石丸寛之は3着に沈んでしまい「あれなら最低でも2着には残らないと。でも一時に比べて動けているし、車の出はいいので不安はありません。疲れも全く問題ないですしね」


<11R>
金子貴志選手
金子貴志選手
   村上義弘がイン粘りでレースをかく乱。これに中川誠一郎も加わって、永井清史の番手は大混戦となった。これらの攻撃を跳ね返した金子貴志(写真)がG前でもズバッと差し切り会心の勝利を手にする。
  「中川君が来てくれたおかげで三車併走になったから、僕にとってはやりやすくなりました。村上さんが粘ってくるのは、ある程度は考えていましたよ。永井君に付け切れたのは収穫です。こうやって併走でも負けないところを見せないとね」
  村上義弘はやや不満げな表情でレースを振り返った。
  「今日は総力戦で戦うつもりでした。ただ、中川君の動きがちょっと何をしたいのか分からない感じでしたね。あれで僕も難しくなりました」


<12R>
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
   理事長杯では武田豊樹が昨年落車の借りを返す鮮やかな勝利。平原康多の番手から出て他の追随を退けた。
  「やっぱり(平原)康多はうまいですね。しっかり駆けてくれたし、ペースも良かったですよ。ああなった時点で、今日は神山(雄一郎)さんとワンツーを決めるのが使命だとはっきり思いました。ミスは許されませんからね。気持ちにこたえられて何よりです」
  武田に続いて入線した神山雄一郎(写真)は「前が頑張ってくれたね。武田も良いスピードだったし、今日はあれを抜くのは無理でした。とにかく、これで準決勝の権利をもらったのが大きいですね」。
  山崎芳仁は新田祐大に任せたが、連係を実らせることはできなかった。
  「ちょっと今日は無理でしたね。何度かバックを踏んでしまったので。そもそも大ギアだし、僕はバックを踏んじゃうと…。それでも、詰まった時に行ってればまくり切れたかも。2コーナーで新田を待ったのが痛かったですね」
  着外に沈んでしまった平原康多だが、「力を出し切れたので内容には納得しています」と明日からの戦いに気持ちを切り替えていた。

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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