『第19回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)レポート』 前検日編
 
配信日:6月30日


 第19回寛仁親王牌世界選手権記念トーナメントはグリーンドーム前橋(前橋競輪場)を舞台に開催されます。全プロ競技大会での成績が選考基準となっており、いつものG1とはひと味違ったフレッシュな顔ぶれがそろった検車場は、108名の精鋭たちでごった返し、熱気に包まれました。
  前橋競輪場では様々な催し物で皆様のお越しをお待ちしております。本場入場先着800名様には場内でお使い頂ける食事券(1,000円分)を配布。ぜひライブでご観戦ください。



<1R>
 開幕レースはライン三分の戦いとなった。注目を集めるのは佐々木則幸。5月高知Sでの優勝を皮切りに6月小松島S、向日町Sと立て続けに好レースを見せている。
  「ようやく長いことモヤモヤしていたものが晴れた感覚がありますね。長いこと時代に逆行してギアを上げてこなかったんですが、小松島の共同通信社杯で3.71に上げてみたら、しっくり来たんです。最初は疲れも残っていたけど、最近になって結果に結びついてくれるようになってきた。まだF1戦でしか成果が出ていないので何とも言えないけど、今回は力を出し切るレースをしたいですね。後ろは小倉君だし、前に出られる展開に持ち込みたい」


<2R>
飯野祐太選手
飯野祐太選手
   川村晃司は、初日から新鋭・山田久徳を目標にできる組み合わせを見て目を丸くする。
  「僕もバックはあるのに、最初から誰かと一緒になるとは思いませんでしたよ。山田君とは練習で一緒になることもあるし、強いのはよく知っているので任せていきます。緊張するだろうけど、うまくアドバイスしていきたいですね。僕の時は細切れ戦だったし、走り慣れていた前田拓也さんが番手だったからあまり緊張しなかったんですけどね」
  飯野祐太(写真)は満面の笑顔で登場。髪を明るく染めてイメージチェンジした。
  「7月からは、この色で行きますよ(笑)。びわこでの落車は全く影響ありません。むしろ感じは良いですし、鈴木謙太郎と一緒に新しい練習を取り入れてからはパワーが付いた感覚がありますね。相手も積極的に来るだろうけど、それを頭に入れて自力で勝負します」


<3R>
新田康仁選手
新田康仁選手
   前走の京王閣Sでスーパールーキー・深谷知広を破った新田康仁(写真)。新たな武器を手に入れて俄然、気持ちは前に向いている。
  「前回は後ろでレースが始まっちゃったし、展開に恵まれたところが大きいけど、いいキッカケにはなったと思います。1、2年前は3.71ぐらいのギアが主流だったので、僕の3.92が生きていたけど、最近は3.85がスタンダードになってきたので、対抗するために4回転に上げたんです。脚を使って中団を取るようなレースになったらどうかはまだ分からないけど、感じはすごく良いので楽しみです」
  稲垣裕之は「今回は初めてのトレーニングメニューで来たので、今の疲れがどんな感覚かは正直言って分からない部分もあるけど、良い張りを感じているので問題ないと思います。今回は京都勢が多く参加してますけど、全体的な力も底上げされていると思うし、自分もしっかりと結果を残さないといけません」と気合を込める。


<4R>
武井大介選手
武井大介選手
   6月防府Sで好回転を見せていた武井大介(写真)は表情も明るい。
  「前回はそれほど体調は良くなかったんだけど、レースはしっかり見えていましたね。今年に入ってからは一番のデキだったと思います。明日は自在に戦いますけど、やることは限られてくると思うんですよね。でも、ビッグレースの初日にカマして良い結果が出ていることもあるんですよね…」
  このところビッグレースでは目立った成績を残せていない金子貴志だが、「去年に比べると成績は段違いに良いと思うんですよ。いつもは冬場に調子を崩して、今ぐらいからようやく上がってくるんですけど、今年に関してはコンスタントに結果を残せていますから」と強気なコメントを残す。


<5R>
菅田壱道選手
菅田壱道選手
   1カ月のブランクを経ての実戦復帰となった菅田壱道(写真)だが、検車場には元気な姿を見せた。
  「鎖骨を折って2カ月休んだこともあるし、1カ月ぐらいなら問題ないと思うんですけどね。でもレース勘に関してはちょっと不安かな。青森で合宿することも考えたけど、天気が良くなかったので断念しました。うまくリラックスできたと思うし、力を出し切れば問題ないと思います」
  四日市記念で果敢な先行策を見せた柴崎淳は、その後も海外遠征などの強行軍をこなしてきた。
  「マレーシアに行ってきたんですが、連日40度を超える気温とスコールで大変でしたね。正直、疲れは残っているかもしれないけど、問題はないと思います」


<6R>
 栗田雅也は安定感に欠ける成績だが、「以前は結果を求めて消極的なレースになってしまっていたけど、良い意味で開き直れるようになってからは力を出し切ることができていると思います。宮杯も前半2日間は駄目だったけど、気持ちを切り替えた3日目以降は自分のレースができました。今回も望月さんと2人で勝ち上がることだけを考えて走ります」と前向きだ。


<7R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
   若手自力型同士の三分戦。圧倒的なバック数を誇る脇本雄太(写真)は、これがG1デビュー戦となる。
  「今回も変わらず先行一本で頑張ります。前回の向日町Sでは準決勝で村上義弘さんと一緒になって、ものすごく緊張しました。おかげで今日はそれほど緊張していないかも(笑)。精神的にもひと回り成長できたと思うし、チャレンジャーとして頑張るだけです」
  岡部芳幸は後輩の小野大介に前を任せてのレース。
  「近畿勢が積極的に行くだろうから、そこを考えて走りたいね。小野君も前回は前々に踏むレースをしていたし楽しみです」


<8R>
坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
   坂本亮馬(写真)はオールスターでドリームに選抜されたことに驚きを隠せない様子だ。
  「まさかトップ9に入れるとは思わなかったので、発表を見た時はビックリしました。今回、感じはマズマズですね。直前の1週間が雨でバンクに入れなかったのが不安材料ですけど。333バンクは得意だし、松戸でも自分の持ち味である前々のレースで決勝に乗れているので楽しみです」
  宮杯で準決勝に進出した小野俊之は、引き続き笑顔が絶えない。
  「前回は地元戦で良い刺激になったし、(小川)勇介が良いレースをしてくれて嬉しかった。今は具体的な目標を持ちながらレースができているし、練習への意識も高められている。上昇気流に乗れていますね」


<9R>
 一次予選最後のレースには地元の兵藤一也が登場する。
  「鈴木君とは初めての連係になりますね。とにかくダッシュが良いんで離れないことを心がけます。僕自身はドームでなかなか結果を残せていないんですけど、それは仕方ないこと。今回は期間も空いたし、言い訳できないぐらいみっちりやってきましたよ」
  別府記念の完全優勝で波に乗る鈴木謙太郎は「333バンクの走り方を研究したいですね。今はフォームを改造している途中なんです。うまく背中の力を抜ければ、もっと良くなるはず。テーマを持って走る開催になりそうです」と表情を引き締める。


<10R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   88期勢が5人と過半数を占める特選予選最初の10R。並びに注目が集まった北日本勢は山崎芳仁(写真)が先頭を努めることになったようだ。
  「(大森)慶一たちと決めました。ギアを落とした理由ですか? 333バンクは直線で踏み上げて、コーナーで加速する僕のスタイルが出来ないので、直線部分だけで加速しないといけないですからね。前橋ドームはあまり良いイメージがないんですけど、何とか頑張りたい。体調は戻っていますよ」
  宮杯で落車した浅井康太は地元記念を欠場するなど、影響が懸念される。
  「最初は本当に痛かったし、誰とも話したくないぐらい憂鬱だったんですけど、様子を見ながら自転車にも乗れるようになったし、直前はダッシュもできるようになりました。特に、出脚が良い若手にも付け切れたので良くはなっていますね」


<11R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
   前回覇者の海老根恵太(写真)に注目が集まる一戦。
  「ギアの選択をちょっと迷いますね。3.92で行くと思いますけど。このギアはグランプリや特別競輪の決勝でも使っていますよ。ここに来る前、北海道で合宿をしたんですが、雨が降ったのと寒いのとで思うようには乗れなかったんですけど、やるべきことはやってこられたと思います。前回から新しいフレームですけど、変えたのは色ぐらいですよ」
  渡邉一成は自らイタリアへ合宿に出向いてきた。
  「宮杯で決勝に乗れたけど、特に意識が変わることはありません。いつも、これ位の時期から調子が上がってくるんです。明日は深谷が相手ですけど、富山勢も動いてくるだろうし、すんなり駆ける展開に持ち込むのは難しいかもしれませんね…」


<12R>
村上義弘選手
村上義弘選手
   理事長杯にはそうそうたる顔ぶれがそろった。宮杯を制した平原康多は多数の報道陣に囲まれたが「欲を出すとろくなことにならないので、いつも通り頑張るだけ。僕が獲ったことで流れが変わったと言っても、まだ1回だけですからね」と控えめな受け答えに終始する。
  オールスターファン投票で1位に推された村上義弘(写真)
  「今の僕にはプレッシャーですね。でも、選ばれたという事実を意識したレースをしていきたいと思います。今回も“村上に投票して良かった”と思ってもらえるような走りができれば。平原君が宮杯で獲って、流れがぐっと関東に向いたことも考えながら戦いたい」
  昨年に続いて最高グレードのレースからスタートする新田祐大は「前回は指定練習中の落車で迷惑をかけてしまいました。かなり痛かったんですけど、自転車に乗った練習もできているし、いつも通りの走りができれば勝負になると思います。まだ完璧とは言えないかもしれないけど、2日間の完全休養で疲れは取れていますよ」

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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