第19回寛仁親王牌が前橋競輪場で開催される。今年前半の競輪界を席巻してきた近畿勢が今回も中心となるが、無風の超高速バンクが舞台だけに、豊富な機動力を有する地元・関東勢や北日本勢の反撃が大いに期待できる。 |
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近畿勢の快進撃に終わりはない |
初日理事長杯も村上兄弟のワンツーが濃厚だ |
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義弘と博幸の村上兄弟に市田佳寿浩のSSトリオの力強い結束により、今年前半のタイトルを総なめにしてきた近畿勢。その猛威は全くとどまる気配がなく、今大会も近畿勢が主役の座を譲ることはないだろう。
特に目覚ましい活躍ぶりを見せているのが村上博幸だ。5月のSSシリーズ風光るでは村上義弘の捲り追い込みに乗っての直線強襲で優勝。全プロ記念のスーパープロピストレーサー賞では目標の小嶋敬二との連係が外れてしまったが、5番手から自ら捲って優勝。さらには翌日の全プロのケイリンも優勝して、今大会の初日のメインレースである「日本競輪選手会理事長杯」の出場権を獲得した。
兄の義弘も理事長杯の出場権を獲得しており、今大会も初日から村上兄弟が別線を封じ込んでワンツーを狙ってくるだろう。
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全プロの1㎞タイムトライアルを優勝した新田祐大に伏見俊昭、成田和也の3人が理事長杯に出場する北日本勢も侮れない。
昨年(青森競輪場での開催)の理事長杯では新田が主導権を取れずに北日本勢は大敗したが、一昨年の前橋競輪場での大会では決勝戦で新田が山崎芳仁の優勝に貢献している。今大会も新田が積極的に仕掛けてくれれば伏見がきっちり1着を取ってくるはずだ。
伏見は5月・取手記念を優勝と相変わらず好調を維持しており、自力勝負での勝ち星も多い。初日の理事長杯で新田を目標に好結果を挙げることができれば、その後もトントン拍子で勝ち上がって、久しぶりのGI優勝が期待できるだろう。 |
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武田と平原の関東勢が必勝を期す! |
充実の機動力を誇る中部勢に復活のチャンス到来 |
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無風の高速バンクである前橋競輪場は積極性の高い自力型が断然有利なので、若手自力型を数多く揃える中部勢の動向からも目が離せないだろう。
永井清史は08年の前橋での大会には北京オリンピック参加のために出場していないが、07年の大会では予選スタートから連日の先行策で勝ち上がってGI初優出を決めており、決勝戦でも果敢に主導権を握っていき小嶋敬二の優勝に貢献と前橋バンクとの相性は良い。
近況の永井はやや思い切りの悪い走りが続いていて成績も芳しくはないが、相性の良い前橋バンクでなら持ち味の先行力を発揮できそうで、中部勢をぐいぐいと引っ張ってくれるだろう。 |
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全プロのスプリントで3位となり、特別選抜予選スタートの権利を勝ち取った話題の新鋭・深谷知広の走りも楽しみだ。
深谷は2月・玉野FIで逃げ切りでS級初優勝を達成すると、3月・松阪FIも逃げ切りで優勝。4月には96期ルーキーチャンピオンレースを制し、5月・大垣記念では記念初優出を決めて山口富生の優勝に貢献と期待どおりの活躍を見せている。07年の永井清史、08年の新田祐大と同様に深谷のGI初優出も十分にありうるし、中部勢にとっては絶好のチャンスが訪れるだろう。 |
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海老根恵太は昨年の大会でGI初優勝を達成している。舞台は青森から小回りバンクの前橋へと移り、近況は遅めの仕掛けが多くなっている海老根には苦戦も予想されるが、ここは気合いを入れ直して連覇を目指してくるだろう。
今年前半はグランプリ覇者の称号のプレッシャーからか勝ちにこだわりすぎての大敗が目立っていたが、ようやく復調の兆しが見えてきている。同じ小回りバンクの松戸で行われた日本選手権での失敗を糧に、今大会では積極的な仕掛けも期待できるはずだ。 |
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海老根以上に気合いを入れて乗り込んでくるのが武田豊樹と平原康多の関東勢だ。昨年は武田と平原の2人で4個ものGIタイトルを獲得したが、今年前半は近畿勢に完全にお株を奪われてしまっているので、地元戦となる今大会は2人にとっては絶対に負けられないシリーズとなる。
武田はSSシリーズ風光るの決勝戦で先行して2着に粘るなど、近況は積極的な先行勝負が増えており、成績に表れている以上に調子は上々だ。
平原も今年前半は自転車のセッティングや戦法的なことで色々と迷いが生じている状態が続いていたが、1月の大宮と4月の西武園の地元記念を連覇するなど強さに関しては昨年と変わっておらず、今大会も武田と好連係を決めながら3個目のGIタイトル獲得に燃えてくるだろう。 |
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北津留翼が本領発揮のスピードを見せつける! |
坂本亮馬が得意のカマシ捲りで勝ち上りを狙う |
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北津留翼は全プロのスプリントを連覇して、初日の理事長杯の出場権を獲得している。ただ、北津留は競輪のほうでは長らく低迷しており、昨年の大会でも理事長杯スタートを利して準決勝まで勝ち上がったが、準決勝9着と大敗して決勝進出はならなかった。
それでも前橋バンクなら、北津留の持ち味であるスピードを思う存分に発揮できるし、昨年以上の成績が期待できるはずだ。4月に前橋で開催されたチャレンジ・ザ・オリンピックでは200mフライングタイムトライアルでは10秒042の驚異的なタイムを叩き出して優勝しており(ちなみに2位は深谷知広、3位は永井清史)、昨年1月の小倉バンクの競輪祭で決勝進出したように、今大会でも連勝での勝ち上がりが狙えるだろう。 |
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今や九州のエースと呼んでも良いくらいの活躍ぶりを見せているのが坂本亮馬だ。昨年11月の競輪祭でGI初優出を達成、今年も日本選手権、共同通信社杯春一番で決勝進出、4月・平塚記念では早くも通算3度目の記念優勝を飾っている。
本来は持ち味のダッシュ力を生かした捲りが得意で、仕掛けがやや遅めのところもあるが、松戸の日本選手権で決勝進出しているように小回りバンクの前橋でも不安はなさそうだ。共同通信社杯春一番では堂々の逃げ切りで準決勝を突破しており、今大会も得意のカマシ、捲りで勝ち上がっていくだろう。 |
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中・四国勢は機動力の面で苦しい戦いが続いているが、そんな中にあって小倉竜二が本来の切れ味を取り戻してきている。
日本選手権では一次予選で敗れてしまったが、残り3走も決してライン的に恵まれた戦いばかりではなかったが、1着2回、2着1回の好成績。全プロ記念でも初日優秀はバック9番手の最悪の展開になってしまったが、直線に入ってから中コースを強襲して2着に届き、スーパープロピストレーサー賞へと駒を進めている。今大会も直線での巧みなコース取りと得意のハンドル投げで、復活を力強くアピールしてくれるだろう。 |
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日本競輪選手会理事長杯
出場予定選手 |
村上 博幸(31歳・京都・86期・SS) |
北津留 翼 (25歳・福岡・90期・S1) |
新田 祐大(24歳・福島・90期・S1) |
伏見 俊昭(34歳・福島・75期・SS) |
平原 康多(28歳・埼玉・87期・SS) |
武田 豊樹(36歳・茨城・88期・SS) |
加藤 慎平(32歳・岐阜・81期・SS) |
成田 和也(31歳・福島・88期・SS) |
村上 義弘(35歳・京都・73期・SS) |
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