『第21回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)レポート』 前検日編

配信日:7月12日
 明日、13日から弥彦競輪場で第21回寬仁親王牌・世界選手権トーナメント(G1)が、スタートする。7月に期が替わり、後半戦に突入してから初めて迎えるビッグレース。SS班も9選手がそろい踏みで、覇を競うに相応しいスター選手が弥彦競輪場に集まった。あいにくの雨となった前検日だが、選手たちの自転車を組み立てる手にも自然と力が入っていた。レース本番へに向けて各々の調整に余念がなく、初日から激しい戦いが繰り広げられそうだ。なお、本大会は寬仁親王殿下を追悼する大会として追悼の意を表するため、開会式において黙祷の実施、開催期間中の半旗掲揚、出場選手及び関係者による喪章の着用を行います。
 また、本場では初日から先着プレゼントなどの様々なファンサービスと、公開指定練習見学(悪天候の場合は中止)や予想会などのイベントでお客様をお待ちしています。ぜひ、弥彦競輪場に足をお運びください。
雨の競輪場
雨の競輪場
<1R>
川村晃司選手
川村晃司選手
 寬仁親王牌、幕開けの1次予選1レースから、好メンバーの激突。前回の岐阜記念で決勝に進出している川村晃司(写真)が、弥彦バンクを分析する。
 「ここは自分としては重たいイメージがありますね。直線も長いんで、その辺を考えて走らないと。三宅(達也)君も強いんで。自分の調子自体はいい意味で変わらない。5月の全プロ記念くらいから成績も上がってきたし、いい状態が続いていると思います」
 その川村が警戒する三宅達也は、前回の小松島記念が9481着。
 「前回は地元勢が付いたことが多かったんで、責任が重かったですね。弥彦はすごく相性がいいし、いつ来ても成績がいいです。だから、ここは好きですよ」

<2R>
新田康仁選手
新田康仁選手
 ヒザの手術明けだった平塚でも312着と好走した新田康仁(写真)が、復帰に2戦目でのG1シリーズに意欲を燃やす。
 「内視鏡を使った手術をして、それから1週間くらいの練習で平塚には臨みました。痛みがなく乗れるようになったんで、そういう意味ではストレスがなくなったと思います。それでも平塚ではまだ違和感があったけど、それもなくなって来ているから前回よりもいい」
 近況、勝ち星から見放されている東口善朋は、キッカケが欲しいところ。G1での好成績が何よりの良薬なのは、東口本人が一番わかっている。
 「名古屋の共同通信社杯で転んでからなんです…。自分の中では、練習でもタイムが出ているし、問題はないと思っているんですけど。体のケアもしているし、体の方は大丈夫。あとは結果が出てくれればって。初日は弟弟子の稲毛(健太)君と一緒なんで頑張ります」

<3R>
 牛山貴広は前回の小松島記念で初日から3戦連続で深谷知広と対戦し3敗。そして深谷とは別となった最終日では、先行するも井上昌己にまくられ8着に沈んだ。
 「深谷君に挑戦したつもりなんですけど…。それに最終日は最終ホームから先行して8着だった。脚力が落ちているのか、戦法を考えなきゃいけない時期なのか。先行してて自分では掛かりは悪くなかったと思うけど、8着は8着なんで。中3日で疲れは取ってきたつもりなんで、自力でしっかり走りたい」
 初日は3.92のギアで臨む小川祐司は、ギアへの適応へトレーニングを積んできた様子。
 「まだ完全に3.92を踏みこなせている訳じゃないけど。前回とかは3.85とかの方が結果が出てますからね。それでも1周半は行けるような練習をしてきた」

<4R>
栗田雅也選手
栗田雅也選手
 バンク練習での刺激を入れた北津留翼は、最近の不振脱出に躍起になっている。
 「あんまり良くないですよねぇ…。でも、前回の久留米が終わってからは久しぶりに時間があった。3週間くらい空いて、競輪学校の違反訓練に行っても、それから1週間くらいあった。普段はロード中心なんですけど、競輪学校とかでバンクに入ったりしたんで、いつもと違う練習ができていいかもしれないですね」
 ここ2場所は松阪833着、名古屋89着で途中欠場の栗田雅也(写真)。花月園メモリアルin川崎、奈良での連続優勝の勢いがストップ。
 「中3日、中3日でレース間隔が詰まっていたのがあったんだと思う。その疲れですかね。今回は名古屋が終わってから1週間くらい空いていたんで、前回みたいなことはないと思います。補欠からの繰り上がりで、昨日出られるのがわかったけど。走れると思って調整はしていた」

<5R>
山田裕仁選手
山田裕仁選手
 同県の後輩、永井清史と同乗となった山田裕仁(写真)は、永井のコンディションを読み取りながら静かに口を開く。
 「自信をなくすと余計にカラ回りをしますからね。そういう意味では永井君は負け戦だったけど、いい感触をつかんだんじゃないですか。自分は玉野(541着)もそこそこ走れたし。それからもそんなに思い切り練習をやってはいないけど、感じはいいんじゃないかと」
 山口貴弘は前回の小松島記念が最終日の1勝のみ。
 「練習の感じがいいんですけど。流れが良くない、全然ダメですね。脚的にはいいと思うんで、明日の初日はいい位置を取って、そこからですね」

<6R>
 久々に手応えを得た坂本亮馬が、検車場で自転車を組み立てる。
 「ここ2年くらいの中では一番感じ良く来れた。これなら力で準決くらいまでは、どうにかなるんじゃないですか。初日は山下(一輝)君が積極的に仕掛けそうだし、そこら辺をしっかり考えてやりますよ」
 初めて経験するビッグレースの大舞台に、山下一輝はどん欲に4日間を見据える。
 「師匠にも何かをつかんでこいって言われているし。4日間、力を出し切るレースをしたい。配分が空いたので、練習はしっかりとやってきたました」

<7R>
荒井崇博選手
荒井崇博選手
 前回の小松島記念では4回転のギアを使用してまくりの組み立てが多かった根田空史。小松島での結果を踏まえて、シリーズの初日は3.77のギアで始動する。
 「前回は4回転を使ってみたけど、後手を踏んでしまうことが多かった。それで先行ができなかった。だから、明日は3.77にギアを下げて先行をしたい。鈴木(誠)さんとはダービーの1次予選でもワンツーを決めたりしているし、相性はいいと思います」
 前回の岐阜記念では先行策も披露していた荒井崇博(写真)。上々の動きにも本人は至っていつも通り。
 「どうなんですかね。別にそれほど気にはしてなかったですよ。(状態は)可もなく不可もなくですかね。もう、明日は(井上昌己を)全面的に信頼していく」

<8R>
村上博幸選手
村上博幸選手
 自在性に磨きがかかってきた志村太賀だが、隙のないG1シリーズに気合いを入れ直す。
 「前回の西武園の決勝(3着)も僕的には狙い通りで、位置を取れたし。ただ、F1とG1じゃ違いますからね。それでもG1だとみんな外に踏むから、逆に内が狙いかもしれない。状態は悪くないと思うんで」
 小松島記念の初日に落車している村上博幸(写真)は、コンディションが気になる。
 「落車してしまって、脳しんとうがひどかった。それで大事をとって欠場させてもらいました。フレームもあれでアヤがついたんで、今回は違うフレームで走ります」

<9R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
 予選のメーンを張るのは福井コンビ。3番手には地元の諸橋愛が付いて、重責を担う脇本雄太(写真)が、プレッシャーを背負って走る。
 「違反訓練が終わったあと大垣で練習をしました。一緒に練習をさせてもらった永井(清史)さんが強すぎて、話しになりませんでした。今回はちょっと疲れがある気もしますが、自分で根性を引っ張り上げて頑張ります。ここは晴れている時は、走りやすいイメージがあります」
 昨年の同シリーズでは初日に失格を喫している地元の諸橋愛が、平常心をアピールする。
 「去年はプライベートも捨てて、これにかけてきたけど。今年はリラックスして。一応、1カ月空いてたんで予定通りやってきた。3日前くらいまでは緊張をしていたけど、だんだん解けてきてリラックスモードです」

<10R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 同期、適性組の稲垣裕之と海老根恵太がタッグ。海老根は岐阜記念で使用したフレームをチェンジして、高松宮記念杯で使用したフレームに戻す。
 「ギアもかかっているし、立ち遅れるときつくなりますからね。今回は宮杯で使っていたフレームにします。進化するためにはいろいろ変えないとって思ったけど、変えすぎるのはあまりよくない。軌道に乗るまでは、元のままで。それで脚を戻したい。稲垣君とは同じ年齢だし、誕生日はたしか1日違いなんで。初めての連係になるけど、そういう経験もこれからは大事になってくる」
 2場所前から4回転のギアでレースをこなしている稲垣裕之(写真)は、豊橋記念で準V、平塚で優勝と波に乗っている。
 「平塚も豊橋と同じ自転車で、今回もそれを使います。先行をしやすいように4倍のギアにしたんで。番手での走りには不安はあったけど、可能性としてはすごく感じる。今回も調子はいいまま来れていると思います」
 山崎芳仁はいつも通りマイペース。
 「レースでのタイムもまずまず出ているし、感じとしては悪くない。いつもの自分のレースで、あとは大事なところで一発くればいい」

<11R>
平原康多選手
平原康多選手
 小松島記念では佐藤友和のまくりを抜けずに準Vに終わった平原康多(写真)が、課題を上げながら振り返る。
 「本当に強い人なら、抜けているし。力不足です。どこを走っても厳しいし、(初日に上位に入って)少しでも上で走りたい。それなりの練習はしてきたし、疲れは大丈夫。気持ちは全然、切れてないし大丈夫」
 小松島記念で久々の優勝を飾った佐藤友和が、気分よく弥彦に乗り込んできた。
 「優勝なんで気持ちがいいです。いい気分でここに入れました。明日は番手での戦いになるし、人気にもなると思うんで。しっかり考えて走ります」
 初のG1シリーズ。竹内雄作は師匠の山口富生とセット。
 「中身の濃い練習ができたし、あとは疲れが心配なくらいですかね。山口さんとの連係は初めてだし、気持ちは入るけど。あまり気負わないように、自分でコントロールしていきたい」

<12R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
 昨年の平塚グランプリ以来となる中部ライン3車の連係。深谷知広が、先頭でリードする。
 「練習はしてきました。(昨年の)グランプリみたいなメンバーなんで、リベンジみたいなつもりで頑張ります。状態としては、そんなに変わらない。ここは走りやすいイメージですね」
 函館の高松宮記念杯で優勝した武田豊樹(写真)は、優勝に浮かれることなく精進を続ける。
 「宮杯が終わってからも、普通に練習をしました。2日間くらいはのんびりさせてもらいましたけど。いつも通り、それなりにはやったつもりです。宮杯はなんか本当にまだまだ踏める感じでした。西武園からの(新車で)2場所連続優勝ですね。だけど、自転車はあんまり関係ないですよ」
 昨年の同シリーズでG1初戴冠の浅井康太だが、連覇を意識せずにこう言う。
 「親王牌だからって特別なことはしていない。岐阜の記念の時も周りの人からもオールスターを獲った場所だからみたいなことを言われたけど。自分ではそういうことは意識しないで、一戦、一戦を頑張るだけです」
 北日本勢3車で番手を回るのは伏見俊昭
 「宮杯で怪我をした指の状態はもう大丈夫です。やることをやってきたんで、あとは一走して、どれだけ動けるかです」
↑ページTOPへ