『第22回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)レポート』 3日目編

配信日:7月14日
 第22回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)は佳境のシリーズ3日目を迎えた。準決勝3番勝負はいずれも激戦となったが、深谷知広をはじめ、浅井康太、川村晃司、井上昌己らベストナインが出そろった。決勝戦は単騎の選手が4人。誰からでも狙える興味深い組み合わせとなった。熾烈を極める頂上決戦から目が離せない。
 最終日も麻丘めぐみのライブステージ、撮影会にガールズケイリントークショー、専門解説者による予想会などイベントは盛りだくさん。ぜひ、弥彦競輪場に足をお運びください。
熱戦にファンの声援がこだまする
熱戦にファンの声援がこだまする
スピーチーズ ライブステージ
スピーチーズ ライブステージ
ガールズケイリン選手 トークショー
ガールズケイリン選手 トークショー
<1R>
西谷岳文選手
西谷岳文選手
 打鐘過ぎの4コーナーで西谷岳文(写真)が内から抜けて先行。最後までスピードは衰えず、力強く押し切ってシリーズ初白星を挙げた。
 「連日、踏み遅れていたから今日は思い切って仕掛けようと思ってました。出切ってしまえば何とかなるかなと。野田(源一)さんが上に上がったので内からいきました。感じ良く駆けられました」
 最終ホームから強引に仕掛けた高橋陽介が番手にはまり、そのまま2着に続いた。
 「野田さんの突っ張りは予定外でした。ヤバイと思って無理やりカマしにいったらタマタマ番手に入れました。西谷さんも気付いて上の方を走っていたので、第二先行のような感じになってきつかったです」

<2R>
石毛克幸選手
石毛克幸選手
 単騎の石毛克幸(写真)が水谷好宏の先行を中団から鮮やかにまくって快勝した。
 「単騎なんで自力を出そうと思ってました。中団でかぶったら終わりですから。注文どおりの展開になってくれました。2日間は流れが悪かったけど、自力で勝てて良かったです。これで帰らなくて済みますね」
 同じく単騎の手島達矢は初手から石毛を追走。最後まで付け切れなかったが、しぶとく3着に食い込んだ。
 「単騎で難しかったですけどね。石毛さんが何かするんじゃないかという匂いはしてました。恵まれました」

<3R>
松岡貴久選手
松岡貴久選手
 松岡貴久(写真)が打鐘で郡司浩平を突っ張って先行。後続でもつれて大量落車のアクシデントはあったが、末良く逃げ切って久々の勝ち星を飾った。
 「前はたぶん誰も取らないですからね。スタートは出て、昨日の自分みたいに郡司君の押さえ方が甘かったので、とりあえず突っ張りました。あとは郡司君の動きだけを見て駆けました。久々の1着なんでうれしいですね。G1の1着も本当に久しぶりです」
 マークの柏野智典は直線で詰め寄ったが、差はなかなか詰まらなかった。
 「全て松岡君のおかげ。出させないという松岡君の気持ちがうれしかった。あれで抜けないのは脚が仕上がってないですね」

<4R>
永井清史選手
永井清史選手
 坂本貴史と角令央奈でやり合ったところを、脚を溜めた永井清史(写真)がひとまくり。シリーズ3日目にして1勝を挙げた。
 「今日は若い2人(坂本、角)でやり合うと思ってたんで。僕はもう30歳ですから(笑)。思った通りにいきましたね」
 大竹慎吾がきっちりマークして2着に入る。
 「永井君が頑張ってくれたね。踏んだ瞬間に行けるかと。僕も最後詰め寄れたんで調子は良いですよ」
 小野大介は最後懸命に切り替えを図ったが、5着に敗れた。
 「坂本君があれだけ頑張ってくれたんで、(永井、大竹の)3番手に入れてあげようとしたけどダメでした」
 角令央奈は坂本に突っ張られ、「思い切って行ったんですけど。全然思い通りにいかなかった」と話す。

<5R>
松岡篤哉選手
松岡篤哉選手
 原田研太朗と河端朋之で激しい先行争いとなった。冷静に流れを見極めた松岡篤哉(写真)がまくり追い込みで突き抜け、高配当を演出した。
 「展開は良かったんですけどね。前と車間が空いてしまったし、重く感じました。落車の影響もあって力がいまいち入らないけど気持ちでカバーできています」
 筒井敦史は河端が出切れないとみるや、最終バックで3番手に切り替えて早めに踏み込んだが、惜しくも2着だった。
 「タイミングでもがき合いになったから仕方がないですね。河端もあそこまで頑張ってくれたので、自分は1着を取りにいった。いけると思って早めに踏んだんですけどね。1着がなかなか取れない。精いっぱいやっているんですけどね」

<6R>
内藤宣彦選手
内藤宣彦選手
 和田真久留と竹内雄作で打鐘から壮絶なもがき合い。鈴木謙太郎がロングまくりで前団を飲み込むと、内藤宣彦(写真)が直線で鋭く追い込んだ。
 「謙太郎が早めにいってくれたおかげ。謙太郎はギアをいつもより1枚上げているので、追走は楽ですね。でも、ギアがかかっているから竹内とスピードが合ってもそこからジワジワと伸びていく感じでした」
 鈴木謙太郎は強引にまくり切ったが、直線で末を欠いて3着に敗れた。
 「いつもは4.08のギアだけど今回は4.17。その分、踏み出しは重いんですが、スピードに乗ってからは流れてくれる。このギアは一長一短ありますね」
 星島太はベテランの味を発揮。中割り強襲で2着に突っ込んだ。
 「スピードに乗ったところでバックを踏んだのが痛かったですね。コースが空くのを待ってからいきました」

<7R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 後攻めの三宅達也が打鐘前から飛び出して果敢に逃げる。人気の根田空史は前受けから下げて7番手。すんなり中団からまくった稲垣裕之をゴール寸前で伊藤保文が捕らえた。
 「稲垣君が頑張ってくれたおかげ。感謝しないとね。番手で余裕はあったし勝てて良かったです。昨日が悔やまれるけど仕方がないですね」
 まくった稲垣裕之(写真)は2着。今シリーズは腰痛に苦しみながらも奮闘している。
 「根田(空史)君にすんなり駆けられる展開だけは避けたかった。(三宅)達也さんが打鐘から踏んでいってスイッチが入っていた感じだったので、そこは冷静に走りました。腰に痛みはあるけど日に日に良くなっています」

<8R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
 脇本雄太(写真)の冷静な判断が光った。赤板前に果敢に飛び出した石川雅望を出させて中団を確保すると、打鐘過ぎの4コーナーから一気のスパートを決めた。
 「今日は中団の組み立ても頭にあった。失敗のリスクはあるけど、それも考えて戦法の幅を広げていきたいと思っている」
 松岡健介は脇本を懸命に追って2着をキープした。
 「脇本君がいいレースをしてくれたし、すごい強かったです。あれは全然抜けないですね」
 近畿コンビの後位に切り替えた上原龍は3着まで。
 「稲村(成浩)さんに番手を譲ってもらったし、石川君が前で頑張ってくれたおかげで何とか3着に入れました」

<9R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
 小嶋敬二(写真)が4.42の大ギアで怪力ぶりを発揮。打鐘過ぎの4コーナーで外併走から豪快に仕掛けて押し切り。ビッグで1年ぶりの勝ち星を挙げた。
 「山田(裕仁)さんと決められなかったのは残念です。4.42の大ギアで伸びが良かったし、最後まで踏めたと思います。前回の小松島記念はタイムも出たし、着以上に感じが良くて手応えをつかめていました。本当は勝ち上がりで勝てればいいんですけどね」
 稲川翔は中団から上がり10秒9のまくりで迫ったが、小嶋を捕らえられなかった。
 「最後に抜ければ良かったんですけどね。小嶋さんのスピードが良かった」

<10R>
金子貴志選手
金子貴志選手
 ここからが準決勝。愛知の師弟連係が決まった。最終ホームで山崎芳仁を叩いた芦澤大輔が流したところを深谷知広が抜群のタイミングでカマして人気に応えた。
 「師匠とワンツーが決まってうれしい。思っていたよりもいい展開になりました。飛び付かれないように仕掛けたけど、スピードが違ったんで大丈夫かなと。力は出し切れたし、調子は悪くないと思います。明日は後ろがせりになって難しいけど、金子さんと力を合わせて頑張ります」
 金子貴志(写真)は弟子の深谷をきっちりサポートして2着に入り、8年ぶりのG1優出を果たした。
 「すごいダッシュでホームはきつかったです。粘られるかと思ったけど深谷のスピードが良かったですね。あとは車間を空けて後ろを見てという感じ。今日の深谷は抜けないですね。ワンツーが決まって本当にうれしい。明日の競りは仕方がない。自分の仕事をやりたい」
 川村晃司は中部コンビを追う形で3着に入った。
 「早く態勢を整えて深谷よりも先に仕掛けたかったんですけどね。深谷君はバックですごいかかってました。何とか決勝に乗れて良かったです。展開もあるけど調子はいいと思います。決勝はいけるところから思い切って仕掛けたい」
 単騎の園田匠は5着に入るのが精いっぱいだった。
 「人の動きをアテにしすぎましたね。脚の感じはいいので、明日は単騎で目立つ競走をしたい」

<11R>
井上昌己選手
井上昌己選手
 藤木裕が打鐘で神山拓弥を叩いて先行。6番手をキープした井上昌己(写真)が快速まくりで激戦を制した。
 「新田(祐大)君がいるから厳しい戦いになると思っていたけど、いけるところから仕掛けようと思ってました。村上(義弘)さんのブロックもかいくぐれたし、仕上がりは問題ないですね。持ち味は自力だと思っているので決勝も自力で。チャンスがあれば獲れるだけの練習はしているし、しっかり頑張ります」
 前々に攻めた神山拓弥の後位から飯嶋則之が2着に突っ込んだ。
 「神山君が前で頑張ってくれたおかげ。あとはコースだけしっかり見極めました。明日は関東が3人いるので、話し合って自分は深谷君の番手で勝負します。次にいつ特別の決勝を走れるか分からないし、悔いの残さないように走ります」
 新田祐大のまくりに乗って伸びた成田和也が際どい3着争いを制した。
 「集中して走れていますね。今回は調子自体はまぁまぁだけど難しいレースが多かった。決勝は川村(晃司)さんへ。強い自力選手ですし、今節は調子が良さそうなので任せて頑張りたい」
 新田祐大は勝負どころで立ち遅れて8番手。大外をまくり上げたが、前までは遠かった。
 「組み立てに失敗しました。脚の状態は悪くないので、明日はしっかり修正したい」

<12R>
岡田征陽選手
岡田征陽選手
 稲毛健太の先行に乗った浅井康太が真後ろからまくってきた武田豊樹を最終3コーナーで強烈にブロック。そこから前に踏んで後続の追撃を振り切った。
 「稲毛君が頑張ってくれたおかげ。武田さんを止められたし、しっかり動けたと思います。そこからは岡田さんが下りて来たのが見えたし、前に踏ませてもらいました。落ち着いていけましたね。初日と今日はすごく感じが良かった。決勝は単騎でいきます。いけるところから思い切って仕掛けたい」
 岡田征陽(写真)は俊敏に浅井の後位にスイッチして2着に入った。
 「武田さんのおかげに尽きる。前に踏んでくれたけど、ブロックされたんで申し訳ないけど前に踏ませてもらいました。もう少し仕事ができれば良かったんですが、番手の技術はまだまだ未熟ですね。今回はずっと人の後ろで何とも言えないけど、調子はいいと思います。自分は自在選手だし、明日は単騎で走ります」
 岡田を追った木暮安由が3着に流れ込んだ。
 「今日は武田さんのおかげ。展開が向いていますね。脚も軽い。決勝は流れを見ていけるところから踏みます」
 佐藤慎太郎は後方に置かれたが、「2センターで内に斬り込めば行けたかもしれない」と悔しがる。「小倉さんが行ったコースでしたね。まだまだ下手くそ」。
 稲毛健太は力を出し切り納得の様子。
 「ホームで流すと武田さんに行かれると思ったんで早めから踏みました。今回は調子が良いし、カマシだったらイケると思たけど、早めだったんで」
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