『第23回ェ仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)レポート』 最終日編

配信日:7月21日
 第23回ェ仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(G1)は7月21日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。注目の決勝戦は内を突いて中川誠一郎の後位を奪取した深谷知広が最終2コーナーから番手まくり。後続の追撃を振り切り、3年ぶり2度目のG1制覇を果たした。浅井康太が2着に続いて、中部ワンツー決着となった。
日替わりゲストを迎えトークショー
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弥彦小学校児童と特別選手紹介へ
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超耕21ガッター キャラクターショー
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スタンドから熱い声援が飛ぶ
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決勝戦 レース経過
 スタートで、各車とも出渋るが、内枠の深谷知広が踏み上げて正攻法の位置を確保。浅井康太が深谷を追って中部コンビで前団を形成。中団に中川誠一郎―井上昌己―大塚健一郎の九州ラインが収まると、単騎4車の並びは菊地圭尚、稲川翔、池田勇人、野田源一で周回を重ねる。
 青板の2コーナーから野田がじわじわと上昇を始めると、稲川もそれを追う。野田の動きを見た深谷は赤板ホームで誘導を下ろして踏み上げるが、野田がそのまま踏んでくるとすんなりと車を下げる。2コーナーで緩めた野田を稲川が叩いて前に出るが、打鐘過ぎに中川が一気に仕掛けて先行態勢。同時に深谷が空いた内をすくって、最終ホームで中川の番手を奪取。踏み出しで遅れた浅井は一旦は深谷に離れてしまうが、しぶとく踏み直し3番手に入る。4番手に井上、大塚を飛ばした稲川が5番手。絶好の展開となった深谷がバックからまくりを放つと、そのまま押し切って快勝。自身2度目となるG1制覇を遂げた。浅井がしっかりと深谷をマークし、SSコンビでワンツー決着。中川の番手を奪われた井上は、SSコンビを追って3着に流れ込んだ。
ゴール
胴上げ
表彰式
<1R>
筒井裕哉選手
筒井裕哉選手
 赤板から先行した岡崎智哉に、伊原克彦が打鐘過ぎ4コーナーからのカマシで襲いかかる。伊原ラインの3番手に切り替えた筒井裕哉(写真)がバックから豪快にまくって圧勝した。
 「(伊原に)いかれてしまいましたね。岡崎君がかかっているから大丈夫だと思っていたけど、すごいスピードでびっくりしました。でも、あそこまで岡崎君に連れてもらっていたので余裕はありました。今回はもうちょっと戦えると思っていたんですけどね。走ってみて脚力の差はそれほど感じなかったけど、組み立ての甘さが出た。F1だとごまかしが効くけどG1は厳しい。その辺りが課題ですね」
 好スピードで前団を飲み込んだ伊原克彦だが、粘りを欠いた。
 「近畿別線でやりにくかったけど力は出し切りました。出るまでは良かったんですが、そのあとの伸びがもうひとつですね。あれで後ろとワンツーを決めるぐらいじゃないとダメ。まだまだ課題はたくさんあります」

<2R>
椎木尾拓哉選手
椎木尾拓哉選手
 後ろ攻めから古性優作が動くと、松坂洋平、吉田茂生と立て続けに別線の自力型が前に出る。打鐘で巻き返した古性は3番手に入ると、2センターからまくり発進。最後は番手の椎木尾拓哉(写真)が抜け出した。
 「恵まれました。緩んだのでホームで行くかなと思ったけど古性も落ち着いてましたね。ワンツーでよかった」
 古性優作は前々に攻めるレースでビッグ初連対を決めた。
 「今日は先行主体の組み立てで、後ろ攻めと決めてた。飯野(祐太)さんが前を取ったので、しっかり押さえないとと思ったけど、そのあともすぐ来ましたね。でも絶対主導権を取ろうと思ってたので、すぐ踏んだのがよかったです」

<3R>
和田真久留選手
和田真久留選手
 稲毛健太が打鐘から先行。この3番手をキープした黒田淳が吉本卓仁の巻き返しに合わせて最終2コーナーからまくって出る。さらにこのラインに乗った和田真久留(写真)が大外を突き抜けた。
 「3番手に入ったのに、踏み遅れて黒田さんに入られてしまった。あれで内に詰まって仕掛けられなかった。細切れは難しいですね。今回は2勝できたけど内容が悪い。組み立てをもっと勉強しないとダメですね」
 3番手からまくった黒田淳は3着。持ち味をフルに出し切った。
 「今日は自分らしいレースができたと思います。稲毛君にけっこう踏まれたけど、何とか乗り越えられました。でも和田君に飲み込まれてしまった。踏み込んだ感触は良かったです」

<4R>
阿竹智史選手
阿竹智史選手
 阿竹智史(写真)が後半戦を連勝。最終日は打鐘過ぎからの先行で見事に押し切った。
 「藤田(竜矢)さんがホームで車間を切ってたんでカマしては来んなと。(坂本亮馬の)まくりも合わせられたし、やっと内容のある1着ですね。これじゃ(三宅)伸さんに『昨日(このレースを)やれ』って怒られますね」
 阿竹マークの佐々木則幸が2着に。
 「アタ(阿竹)が強い。粘いですね。僕は2車で内を来られてもと思って、持っていけなかった。特別の最終日は毎回2着やなあ」

<5R>
郡司浩平選手
郡司浩平選手
 打鐘で守澤太志が斬った上を永井清史が叩いて出るが、その上を郡司浩平が一気にカマして最終主導権。番手絶好となった松坂英司が直線で鋭く差し切り、最終日を白星で締めた。
 「郡司君が頑張ってくれました。すごいダッシュでしたね。いいかかりだったし、これなら誰もまくって来れないだろうと思ってました。しっかり付いていけたし、ワンツーが決まって最高ですね」
 郡司浩平(写真)は豪快なカマシで同型のライバルを一蹴した。
 「永井さんが6番手で落ち着いたら厳しかったけど、行ってくれたので仕掛けやすくなりました。出切ってからはペースに入れた。あれで残れたんで、いいと思います。今回はシリーズを通して脚の状態は良かった。あとは上のレースでしっかり流れに対応できるようにしていきたい」

<6R>
木暮安由選手
木暮安由選手
 山田久徳が主導権を握ると、前受けの木暮安由(写真)はすんなりと中団を確保。6番手まくりの石丸寛之を中村一将がブロックすると、木暮は内を抜け出し最終日を白星で飾った。
 「4番手ならまくろうかなと思ったけど、すんなり3番手を取れたから。一将さんもずっと後ろを見てたので(まくるより内に行った)。人気になってたし、特別で1勝できてよかった」
 2着には木暮マークの小林大介が続いた。
 「単純な展開になりましたね。あの位置が取れたんでね。今シリーズは自力を出してないけど感じはよかった。でも勝ち上がるには、まず自力なんで。それがあっての特別だし、次のオールスターは頑張りたい」

<7R>
松川高大選手
松川高大選手
 竹内雄作が赤板過ぎから積極的に仕掛けて主導権。この3番手を確保した松川高大(写真)がバック過ぎからまくって、粘る竹内をゴール寸前で捕らえた。
 「今日は先行するか、叩かれたら3番手を取ろうと思ってました。前もかかると思って待ってから踏んだけど、仕掛けどころが悪かったですね。でも何とか乗り越えられて良かったです。今回は内容的に反省点も多かったし、それを踏まえてこれからのF1、記念を走っていきます」
 竹内雄作はライン2車でも迷いなく主導権を奪った。
 「後ろに仕事をさせてしまったし、スピードが足りなかったですね。後ろに何もさせないでワンツーを決めるぐらいじゃないとダメ。今回はいろいろと勉強になる開催でした。理事長杯からスタートして2日目の失敗もあったし、もっと4日間トータルで考えて走る必要がありますね」
 単騎の萩原孝之が3着に突っ込み、高配当を演出した。
 「3番手で(松川に)どかされてしまってはダメですね。引いたと思って油断してしまった。でも、あの位置に入ってからは冷静に対処できました。今回は思った以上に走れました。いい頃の感じに戻ってきましたね」

<8R>
諸橋愛選手
諸橋愛選手
 諸橋愛(写真)が地元ビッグを3連勝で締めた。最終日は根田空史の番手から快勝。それだけに初日の5着が悔やまれる。
 「まずは3連勝できてよかったです。みんなに初日が悔やまれるなと言われるたびに、頑張るしかなかった。それだけ仕上げてきたんで。残り3日間は何とかお客さんに貢献できました」
 ライン3番手を回った大薗宏が2着に突っ込んだ。
 「根田がペースで駆けてくれたんで。(東口善朋に)行かれたら諸橋が何とかしてくれると思ったけど、僕の横で止まったんで、コース作っとかないとと思った。300勝にリーチをかけてからなかなかだけど、ひとつひとつ着がよくなってるんで地道に頑張りますよ」
 まくり不発の大西祐だったが、「香川(雄介)さんに『やり合うな。好きに走れ』と言われて嬉しかった。ダメだったけど、力の差が分かった」と敗戦にも得るものは大きかった様子。

<9R>
柏野智典選手
柏野智典選手
 高橋陽介が岡山勢を連れて積極策を敢行。番手の岩津裕介に絶好の流れとなったが、柏野智典(写真)がライン3番手から突き抜けた。
 「前のおかげですね。地区が違うのに高橋君が思い切っていってくれた。ホームでは決まったと思いました。勝ち上がりじゃないので、最後は思い切り外を踏もうと。思ったより伸びました」
 高橋陽介は強豪相手に先行して3着に粘った。
 「昨日は2車で力を出せなかったし、今日はしっかり駆けようと思ってました。今は先行しても持つ自信がある。後ろが自力を持っている岩津君だし、3着に残れれば上出来でしょう。最近は脚力が上がっている実感があるし、結果も出ています」

<10R>
桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
 小松崎大地を意識しすぎた三谷竜生の上昇が遅れると、前受けの吉田敏洋が突っ張り先行。上手く4番手にスイッチした単騎の桐山敬太郎(写真)は小松崎の巻き返しに合わせてまくり発進。番手から合わせて出る金子貴志や小松崎の追撃を振り切った。
 「吉田さんがすんなり前を取ったので、もしかしたら(突っ張りも)と思って、そこは頭に入れてた。昨日、外を踏めなかったのが悔しかったし、ファンにも昨日出せと言われました。今日は単騎でも(前に)行こう、行こうと思ってたし、次につながると思う」
 桐山のまくりに続いた小松崎大地が2着に食い込んだ。
 「動きは見えてました。竜生は行っても、(中団に)戻っても、あのタイミングで行こうと思ってた。桐山さんに(4番手に)入られたのが敗因ですね」
 桐山のまくりに反応が遅れた金子貴志は3着まで。
 「桐山は見えてなかった。(吉田が)いい感じかなと思ったら、突然来たのでびっくりした。コーナーに入ってたら面白かったけどね。(吉田は)落ち着いてと思ったけど、さすがですね」

<11R>
浅井康太選手
浅井康太選手
井上昌己選手
井上昌己選手
 注目の決勝戦を制したのは深谷知広だった。好判断で先制した中川誠一郎の後位を奪うと番手まくりで完勝。2度目のG1タイトルを獲得した。浅井康太(写真)は追走いっぱいの2着。レース後は深谷の強さを称え、満足そうな表情を浮かべる。
 「あそこで内を突いて番手を取った深谷の判断が良かったですね。2コーナーぐらいから踏み出したので、そこだけ集中して付いていきました。3コーナーは離れそうになるぐらいの加速でした。昨日よりもすごかったし、あんなの体験したことがない。ギアを1枚上げて正解。何とか付いていけました。自分の調子は悪かったけど、あいつはめっちゃ仕上がってますね。G1決勝でワンツーが決まって良かった。いい連係だったと思います」
 九州3車の軸を担った井上昌己(写真)だが、予想外の動きによって分断を許してしまった。3着で表彰台にこそあがったが、「自分が不甲斐なかった」と申し訳なさそうにレースを振り返る。
 「イナショーだけ見てたんで。前に出て、よしどこで降りようかと思ったら内から深谷が来た。あそこの一瞬のひらめきが、深谷はよかったですね。上手かった、あいつが。ああいうレースをするってことは誠一郎を認めてる証拠ですね」
 稲川翔は打鐘前からインを斬って飛び付きを狙ったが、内を深谷にすくわれたのが大誤算だった。
 「優勝するにはあれしかない。飛び付く気満々だったので内は締められなかった。勝負した結果だけど力の差を感じました。もっと信頼されるためには動ける脚をつけないと。次の目標ができました」
 初めてのG1決勝の舞台でも中川誠一郎は冷静だった。ギリギリまで深谷にフタをしてドンピシャのタイミングで仕掛けたが、内から復活してきた深谷のスピードに屈した。
 「落ち着いて走れたし、展開的には理想どおりの展開だった。(内から来た)深谷に反応して叩けたし僕なりにはいいレースだったと思います。楽しかったです」
 ホームで浮いてしまった大塚健一郎は稲川後位で立て直したが、前は遠かった。
 「単騎が4人もいるし、(深谷が内に行っても)どっか閉まるやろうと思った。決まったと思ったけど、ちょっと浮いたっすね。それに対応できなかった自分の力不足。情けないです」
 野田源一も12年ぶりのG1決勝を「楽しみました」と振り返る。
 「一番後ろになったので、まず動いて誰かに斬られてもその後ろをキープしてと思った。イナショーが前に出たので粘るかもと思ったけど、(深谷が)内から来るとは思わなかった。どうしようもなかったですね」
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