『第7回東西王座戦(GII)レポート』 初日編
 
配信日:2月22日



 大分県別府競輪場で開催される『第7回東西王座戦』がいよいよ開幕! 今日22日は、東西各27名の精鋭が激闘を繰り広げた初日予選。初日大敗の選手は明日2日目が勝負駆けとなる。検車場からナマの声をお届けします。
 開催を通して行われるファンサービス、イベントはお楽しみ抽選会(ハズレ車券1万円分で応募可能)で電化製品や高級食材をプレゼント。また、場内予想会(スポーク広場特設ステージにてスピードチャンネル解説者による予想会)も行われます。
 開催2日目(23日)は先着2500名様に別府競輪オリジナルグッズとラッキーカードを配布し、7レース3連勝単式払い戻し額の下2桁とラッキーカードの下2桁が一致すれば東西王座戦のクオカードをプレゼント。更に1着選手の抽選で2名様に10万円分の旅行クーポン券が当たります。


<4R>
佐々木昭彦選手
佐々木昭彦選手
   前半戦のメインは特選レース。4レースは地元の九州勢が意地を見せた。打鐘から逃げる藤田竜矢を、中団から一気に仕掛けた小川勇介が飲み込んだ。
 「今日はほんと展開ですね。前受けから中団か突っ張るかでした。藤田さんと松尾(淳)さんで牽制なら突っ張って駆ける気でしたよ。うまく中団が取れたのが勝因ですね」
 番手キープのベテラン佐々木昭彦(写真)は2着ゴールも満足そう。
 「小川君は佐世保記念から思い切りが良いし、仕上がってるんじゃないかな。僕は加藤(圭一)君に飛び付かれそうだったし、うまく踏み込んで(飛び付きを)かわせましたね(笑)」
 逃げた藤田竜矢は首を傾げながら引き揚げてきた。記者団の質問にも言葉少なに検車場を後にした。
 「前回の最終日に4.00のギヤにしてそのまま走ったが…。何か重くてかかりきらないまま終わってしまった感じ。明日はギヤを下げます。どうもすみませんでした(苦笑)」


<5R>
明田春喜選手
明田春喜選手
   続く5レースは中村美千隆の先行をフルに利した山内卓也が別線のまくりを牽制しながら鋭く踏み込み突き抜けた。
 「中村君も結構フカしてたから、バックでは苦しそうでしたね。8番(廣川泰昭)のまくりも見えたし、あれ以上残すのは難しかった…」
 2着には中団外併走からまくった廣川を追い掛ける形になった明田春喜(写真)が入った。一瞬の反応は良くなかったが、結果オーライに納得の表情。
 「ギヤの感触は良くて軽く感じたけど、ちょっと見過ぎて反応が遅れてますね。それでも2着に入れたし、ヨシとしないと」
 最終ホームはドン尻ながら、イチかバチかのまくりを打ったのは廣川泰昭。まくり切れずも粘り抜いての3着ゴール。
 「ホーム過ぎから、みんな内に降りてきたので、まくりました。前が緩んでることもあったし。まくり切れればベストだけど、まあまあですかね」


<6R:東予選>

平原康多選手
平原康多選手

   6レースからはいよいよ東西王座戦の予選。SS班を含めた、トップレーサーの戦いが始まった。平原康多と渡邉一成の二分戦で主導権を取り切ったのは平原康多(写真)だった。しかし、2着に逃げ粘るも表情は険しい。
 「自分のタイミングで仕掛けたつもりだったが、渡邉君と同じ踏み出しになってたみたいですね。合わせ切る自信はなかったけど、出られたらおしまい…。行くしかないでしょう」
 平原後位の後閑信一が渡邉を大きくブロックして止めると、ゴールギリギリまで引き付けて(平原を)差し切り。埼京ワンツーを決めた。
 「前回の豊橋記念で欠場してるし、正直不安はあった。でもブロックして、差してるし、今回は問題なさそう。新車の感触も上々で軽く感じました」
 3着の手島慶介は前2人を交わせずに、流れ込んだ形に不満の表情をみせる。海外遠征直後だけに体調万全とはいかないようだ。
 「(直前の海外遠征で)世界のレベルを見てきたので、レース自体は見えてるんだが、脚の状態は今ひとつかな。あれで2着以内に入るようなら問題ないが…。最悪でも確定板には乗れるように明日も頑張るだけ」
 渡邉一成もナショナルチームとして海外遠征の合間的な競走だけに、調整が難しい。
 「前取って、引いてカマシ返す流れにはなるかなと。今の状態では踏み出し勝負で仕掛けるしかない。いいスピードだったけど、後閑さんのブロックが効いたね」


<7R:西予選>
西川親幸選手
西川親幸選手
   続く7レースは西王座予選。不動会の門下生、大塚健一郎と渡部哲男が激しくからむシーンもあった。
 「哲男を止めて張りながら踏みたかったけど、結構哲男も押し込んできてて厳しかった。一度ブロックして戻ろうと思った時には北津留(翼)君が下がってきてて前に踏むしかなかったね」
 その大塚を差し切ったのはベテラン西川親幸(写真)。前の頑張りを称えながらも、満足そうだ。
 「北津留君ラインで走る時は離れることもあるんだが(苦笑)。今日はオグリュウ(小倉竜二)にも割り込まれなかったし、うまく行きましたね。展開的にも僕に勝ってくれって流れでしたから(笑)」
 渡部哲男はガックリと肩を落として早々に控え室に戻った。
 「出足は良かったが、甘かったですね。(内抜き)審議でヒヤヒヤでした。また明日頑張るだけ」
 中部勢の参謀格富永益生は最終ホームでの攻防が全てと話す。
 「金子(貴志)は空けてなかったように見えたが…。中団を取れていれば、今の金子ならまくれたんじゃないかな。そうすれば僕もいい勝負できたが…」


<8R:東予選>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
   8レースは東王座の2戦目。一旦主導権を取った武田豊樹に、佐藤友和(写真)が襲い掛かった。佐藤は見事なカマシを決めて最終バックを制した。
 「あの仕掛けが僕に合ってるみたいですね。南関の2人まで付いてくれてたし、構える間もなく仕掛けましたよ。タイミング、粘り共にいい感じですね。(昨年も王座戦を制覇してるだけに)2月は調子いいんですかね」
 佐藤の番手を守り切った有坂直樹は滝のように流れる汗を拭いながら苦しい形相を見せた。
 「死ぬかと思うくらいキツかった。離れる訳にはいかないから踏み出しに気を付けてても口が空きかけた。武田君のブロックも激しかったし、ほんと苦しい」
 この一戦を制したのは岡部芳幸だった。北同士ながら佐藤とは別線勝負を強いられたが、まくり強襲で佐藤を捕らえた。
 「成田(和也)と考えてた展開通りにはなったが…。軽いのは軽く感じるが、スカスカして力が入らない感じ。でもワンチャンスを生かして仕掛けないわけにはいかないしね」
 関東軍を率いた武田豊樹は佐藤に出切られて、番手飛び付きを試みたが、締め込まれて競り負けた。しかし、その割には表情は明るい。
 「結果は別として、久し振りにいい脚の手応えがあったので、2日目以降が楽しみ。友和(佐藤)に合わせ切っても岡部さんのまくり頃だったかな。出られたら飛び付くしかないしね」
 武田後位からチャンスを窺った神山雄一郎は一瞬の判断ミスでゴール前の伸びを欠いたと言う。
 「佐藤(友和)君が出切っても一人になるようにと、波を作ろうと思って、ホームで振ったのが結果失敗…。あれで武田君に離れ気味になって、踏み込んだら今度は武田君の内に差し込んでしまった。踏んだり、バック踏まされたりで、最後に伸び切る脚が残ってなかった」


<9R:西予選>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
   9レースは小嶋敬二(写真)が横綱相撲で逃げ切り快勝。謙遜しながらも自信が溢れている。
 「村上(博幸)もカマシて来なかったし恵まれましたね。最終ホームで内に一人見えて石丸(寛之)か村上かと思ったら室井(竜二)さんだったので、落ち着いて仕掛けた。あのままじゃハマちゃん(濱口高彰)がからまれると思って、上って駆けた。ここのところ忙しくて練習不足だったけど、今開催の前は練習もできたのがよかった」
 小嶋を好追した濱口高彰は一番人気にキッチリ応えて2着ゴール。
 「2着ならOKでしょう。誰かからんでくるのは想定内でしたね。ライン3人で決まったし満足です」
 バックからまくり上げた村上博幸は室井にからまれた事でスピードに乗れずじまい。
 「仕掛けた瞬間に室井さんに当たられて止まったね。先にインを斬る? それじゃ小嶋さんのカマシ頃になってしまうし、中団か、追い上げしか考えてなかった」


<10R:東予選>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   10レースも王者山崎芳仁(写真)が豪快なカマシ先行を決めると後続を寄せ付けずに押し切りファンの期待に応えた。豪快なレースにもいつも通りクールに答える。
 「脚の感じは悪くなかった。登志信(齋藤)さんのイン斬りは頭の中にはありました。でもまだ内に詰まってて…。これで明日は失格しないように気を付けますよ(笑)」
 飯嶋則之との競り合いで番手守れずの伏見俊昭は苦笑いを浮かべながらのクールダウン。
 「内でも外でもダッシュ勝負になると思って、内にいたが、やはり一旦引いて外に車を合わせるべきでした。追い込み屋ではないので、これも勉強です」
 番手にはまり込んで絶好の展開に見えた新田康仁だったが、車間は詰まらないままのゴールに悔しそうだった。
 「山崎君一人なのは確認できたので、番手でいいかなと。唯一悔しいのは抜けなかった事。抜ける手応えはあったけど、山崎君は波を作るのが上手くて抜くタイミングが取れなかった」


<11R:西予選>
香川雄介選手
香川雄介選手
   最終11レースは4人落車に2人失格と大波乱となった。それも1着、2着ゴールが失格で3連単は37万を超える大穴。高配当の立役者はここのところ絶好調の香川雄介(写真)だ。
 「落車を避けるのはうまいんですよ(笑)。でも今日は激しいレースになったし、僕自身一杯、一杯でした。え、(3着ゴールが)1着に繰り上がり? こんな事もあるんですね」
 果敢に逃げた永井清史だったが、番手山口幸二が失格、三番手の島野浩司が落車とあって表情は冴えない。海外遠征の競技の合間を縫っての競輪レースに、やはり体調コントロールが難しいようだ。
 「今日、競輪の中で長い距離をモガキ切ったので、2日目からは良くなってくれればいいですね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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