『第8回東西王座戦(GII)レポート』 初日編
 
配信日:2月13日


 東日本と西日本、日本を二分して覇権を競う第8回東西王座戦が高松競輪場を舞台にいよいよ開幕。今回から採用された選考順位による自動番組制により、いつもとは違うメンバー構成で、見応えのあるレースが続出しました。東日本では北勢が大挙して勝ちあがりを見せる一方、西日本では3連覇の掛かっていた小嶋敬二が敗れる波乱も。二日目は3分の2に絞られた東西の精鋭たちが決勝進出を駆けて熱くしのぎを削ります。
  また、明日(14日)は話題沸騰中のガールズケイリン3rd stageが開催されるほか、st.Valentine's Day企画として『バ輪タインガールズ』が先着2000人に素敵なプレゼントを配布。また女車券師軍団による「かしまし大予想」など豪華イベントが盛りだくさんですので、ぜひ本場に足をお運び下さい。


<4R>
乾準一選手
乾準一選手
   特選最初の4Rでは人気を集めた濱田浩司が終始内に詰まり敗退。レース後、思わず天を仰いだ。
  「8番(青森)のカマシは予測してなかったですね。乾さんが最終ホームでもっと踏むと思っていたし、何よりも気付くのが遅れてしまったのが敗因です。分かっていれば1コーナーで対処するのは難しくなかったんだけど。しっかり反省して、明日につなげますよ」
  このレースで勝利を収めた明田春喜は「前回の落車は擦過傷程度だったし、もう治っているので影響は全くありませんでした。今日は青森さんが前に踏んでくれたおかげ。それに尽きます。レース中、落ち着いて走れていたのも大きいですね」。
  乾準一(写真)は持ち味の先行勝負に出たが、結果は7着。だが、意外にもレース後の検車場では満面の笑みを浮かべていた。
  「着は良くなかったけど、久々にしっかりモガけた感触をつかめました。後ろが鰐渕さんだったので、駆けることだけに専念できたのが良かったんでしょうね。ブロックしてくれている気配も分かったし、いつもだったらあっさりまくられていたんだろうけど、直線まで踏めましたから。グレードの高いレースだと、気持ちが引き締まるので、走っていても楽しい」


<5R>
岡村潤選手
岡村潤選手
   地元の児玉広志が落車のアクシデントに見舞われてしまった。大外を強襲した岡村潤(写真)は「あれ(落車)がなかったら厳しかったですね。4コーナーで前の動きが危ない感じがしたので、外を回って正解でした。今日は大西君が先行する流れになると思っていたんだけど。小川君の動きが意外でした。明日はしっかり動きを読んで、7番手に置かれないようにします」と話す。
  先手を奪ったのは小川勇介
  「特選だし、岡村さんと大西君がけん制し合うようなら早めでも行くつもりでした。その通りになったし、踏んだ感じは悪くなかったですよ」


<6R:東予選>

海老根恵太選手
海老根恵太選手

   王座戦のオープニングレースは東勢の戦い。南関勢6人の包囲網はあまりにも厚く、平原康多は不発に終わった。レース後は、「あれじゃどうしようもない」とうつむいた。
  一方、勝った海老根恵太(写真)はご機嫌だ。「どうやって平原を7番手に置くかだけを考えていた。その中でも最高の展開になりました」と頭脳プレーの成功に相好を崩す。
  後攻めから主導権を握った石橋慎太郎は「今日はどこからでも先行するつもりでした。今後のダービーとかを考えて積極的に仕掛けることを心掛けて。今回はギアを下げていますが、さらに上を目指すために色々考えているんです」


<7R:西予選>
渡部哲男選手
渡部哲男選手
   金子貴志と柴崎淳の中部自力型両者がどう仕掛けるのかが注目されたが、終わってみれば、最終ホーム7番手だった渡部哲男(写真)が桁違いのスピードでひとまくり。三宅伸を連れて中部勢を一蹴した。
  「柴崎君と金子さんが叩き合うことは、まず無いと思っていたので、中部対中四国で6vs3みたいな感じだったしきつかった。山口さんは牽制が厳しいけど、そこを乗り切ればまくりきれると思ってました。地元地区での開催だし、人気も背負ってたし1着取れて良かった。脚の感触はイマイチだけど、そこは気合いで乗り切ります」
  好マークから2着に入線した三宅伸にとっても、やはり山口幸二の存在は脅威だったようだ。
  「山口さんは僕が自力で走っている頃から追い込みで活躍していたし、ブロックは強烈だから横には行きたくなかった。今日も一発食らったけど当たりがきつかったですね。でも、僕の状況も12月頃から比べるとだいぶ良い。まだ本調子では無いけれどまぁボチボチやっていきますよ」
  懸命のブロックを見せた山口幸二だったが、渡部哲男を止めるにはいたらず3着まで。
  「金子もすんなりカマしていたし良い感じだったけど、渡部君のスピードが全く違っていたね。あれじゃ止められないよ」


<8R:東予選>
兵藤一也選手
兵藤一也選手
   新田祐大と新田康仁がけん制し合う中、兵藤一也(写真)がまさかの先行。最終的に5着になってしまったが、「今日はしょうがないでしょう。阿部さんが付いてくれていたし、あまりにもペースが緩んだら叩くつもりですとは(阿部に)伝えてありました。まあ、追い上げるつもりだったんですけどね。バックを付けたのはいつ以来か覚えてないけど、力は出し切れたしヨシとします」
  山崎芳仁にとっても意外な展開となった。
  「新田(康仁)さんが粘ってきたので、絶対死守してやると構えていたら、追い込みの人がいいペースで踏んで行っちゃったからビックリしましたよ。新田(祐大)が追い掛けていくときの踏み出しに離れてしまって焦りました」
  新田康仁は憮然とした表情で引き上げてきた。
  「流れが悪い! 誰も(番手に)行かないから、僕が行くしかなくなっちゃったし、追い込みが駆けてるしじゃどうしようもない。今シリーズは、流れを取り戻すことにテーマを絞りますよ」


<9R:西予選>
加藤慎平選手
加藤慎平選手
   カマシ先行の三宅達也を吉田敏洋がまくる展開となったが、三角で三宅後位の小倉竜二が牽制を入れて空いたコースを加藤慎平(写真)が見逃さず、1着をもぎ取った。
  「小倉さんが牽制を入れたときに一回バックを踏んだから厳しいと思ったけど直線は思いのほか車が進んでくれた。最終ホームでは9番手だったけど、今日はコースも空いたし、冷静に踏めたし、僕にとっては絶好の展開になってくれた。でも、小嶋さんも(吉田)敏洋も飛んでしまって、手放しでは喜べないですね」
  思い切りの良い先行策を見せた三宅達也が小倉竜二の好援護もあり2着に粘りこむ。
  「(先制した)北津留も、あまり僕を警戒してなかったようなので、イチかバチか思い切り仕掛けてみました。出切れれさえすれば、後は小倉さんが何とかしてくれますからね。それにしても今日は小倉さんのブロックのお陰です。『神さま、小倉さま!』って感じですよ」
  西王座2連覇中の小嶋敬二だったが、慣れない番手戦がたたり7着。勝ち上がりを逃し3連覇の夢はついえた。
  「(吉田)敏洋が止まった時にあせって自分でまくりに行ったのが間違いだった。もうワンテンポずらせばすんなりまくれていたのに…。今日は脚を余らせた負けだから本当に悔しいです。番手の競走はまだまだです。これからはもっと勉強していかないといけませんね」


<10R:東予選>
有坂直樹選手
有坂直樹選手
   北日本同士が叩き合う王座戦ならではの光景が展開された。渡邉一成と武田豊樹がけん制し合う中、佐藤友和が一気にカマシ先行。有坂直樹(写真)が続いて岩手、秋田でワンツーと思われたが…。有坂は「苦しかった。友和の先行は作戦になかったですよ。強烈な踏み出しで参りました。ダッシュで8割の力を使ってしまったので、ゴール前は余力がなかった」。
  勝ったのは伏見俊昭。一緒に走っていた選手が「どこから来たの?」と驚く伸びで直線を駆け抜けた。
  「自分でもビックリですよ。ホームではもうムリだと思っていたし、バックではとにかく前に踏むしかないと回していただけ。それが良かったのかな。1着を獲れているんだし、調子はいいと思いますよ」
  渡邉一成は明日の巻き返しを誓う。
  「今日はラインが長かったこともあって、僕のスタイルじゃない戦い方になってしまいました。もっと積極的に行くべきだったと思うし、4番手を回ってくれた岡部さんに申し訳ない結果になってしまった。でも、その分を残った僕らが頑張るしかない。明日は自分のレースで決勝進出を目指して頑張りたい」


<11R:西予選>
井上昌己選手
井上昌己選手
   先行した永井清史を最終バックから稲垣裕之がまくると稲垣後位に飛び付いた井上昌己(写真)が直線で鋭く伸びてGP王者の貫禄を見せ付けた。
  「今日は小野さんが仕事をしてくれたお陰です。小野さんが前田さんをドカしてくれたから、僕が稲垣さんという好目標を得ることが出来ました」
  井上昌己に使われる形となった稲垣裕之だが、しぶとく3着に残った。
  「それにしても永井のダッシュ力は凄いね。半端無い。僕もカマしているつもりだったけど一向に詰め寄れなかったです。最後は末を欠いたけど、疲れがあるわりには上手くレースも運べたし、明日もいい勝負にはなりそうですよ。」
  世界レベルのダッシュ力で先制した永井清史は末を欠き9着に沈んだ
  「稲垣さんがカマしてくるのが見えて、焦って全力で踏んでしまった。あそこを7~8割の力にセーブできれば最後まで持つんですけどね。ただ、状態は久し振りに良い状態なので明日も頑張ります。」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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