『第9回東西王座戦(GII)レポート』 初日編
配信日:2月19日
本日2月19日から玉野競輪場で第9回東西王座戦(G2)が開幕した。選考順位による自動番組制により、いつもとは違うメンバーとライン構成となり、東西ともに見応えのあるレースが続出した。
本場では明日もイベントが盛りだくさん。明日20日(土)は、専門解説者・緒方浩一氏による予想会(イベントホール、3R・9R発売中)、「安田大サーカス」団長安田によるお笑いステージ(マリンスタジオ前オープンスペース、5R・10R発売中)、また、ガールズケイリンが4R発売中と6R発売中に行われます。こちらもどうぞお楽しみに。
<4R>
濱口高彰選手
地元の三宅達也が1コーナーから早めの巻き返しで五十嵐力をまくると、3番手を回った
濱口高彰(写真)
が直線で鋭く突き抜けた。
「今日は前が頑張ってくれたおかげ。今年初勝利だし、1着は半年ぶりくらいかな。(昨年10月の取手記念で)落車してから調子を落としたけど、腐らず練習をやっていたんで。これが良いきっかけになってくれればいいね」
まくった
三宅達也
は2着に粘った。
「思い切ってカマして出切れたし、あとはタレるかタレんかのレースだった。五十嵐君は廣川に(突っ張られて)合わされてたんで向こうもキツかったと思う。でも、バック向かい風が凄くて、自分も最後はタレましたね。1着はとれなかったけど、濱口さんは強いんで2着で上出来です」
廣川泰昭
は一旦、五十嵐を突っ張るなどレースをかき回し、最終的に中団を確保したが、車体故障をおこして後退。9着に敗れた。
「ジャンで五十嵐さんが上がってきたのが見えた。斬られて流されたらその上を三宅さんに行かれてしまうし、そうなるとお仕舞いだから一旦突っ張りました。巧く中団が取れたけど、気付いたときには三宅さんが来ていた。飛び付く感じで出ていったけど、アンコになって車体故障して終わりました」
<5R>
齋藤登志信選手
深谷知広が主導権を握ると、番手に中村浩士が攻め込む。地元の三宅伸に任された阿竹智史は早めの仕掛けを見せたが深谷に合わされ、結果番手に追い上げる形に。やむなく三宅が自力を出すと、このまくりを上手く追った
齋藤登志信(写真)
が直線鋭く伸びた。
「1、2、3着のどれかには入ったなと思ったけど、1着とは思わなかった。俺がって雰囲気を出してたし、三宅さんが1着かと思いましたよ。調子? 今日はたまたまです。また明日は分からないですから」
2着には逃げた
深谷知広
が粘った。
「一杯でレース中は感じなかったけど、思い返せば重かったかもしれません。バックからもう少し踏めれば良かったけど、踏み返しも遅かった。2着だけど、11秒台の上がりは欲しかったですね。思ったよりは、ちゃんと走れてると思います」
まくった
三宅伸
は3着まで。
「阿竹は早めに行ってくれたけど、バックで仕掛けた時にちょっと邪魔になったね。前回の落車は怪我がなかったし、レースでも大丈夫だった。明日は何とか3着までには入りたいね」
深谷の番手を攻めた
中村浩士
は「(深谷が)ドカンと来たら踏み込んで位置を取ってと思ってた。阿竹の一発は必要なかったね。それで番手に入られてしまった」と一瞬の判断ミスを悔やんだ。
<6R:西予選>
小嶋敬二選手
6レースからは東西王座戦の予選第一走。松岡貴久が永井清史の番手で粘り、更に小野俊之も追い上げて大渋滞となった。アンコになった浅井康太が落車するアクシデントが発生し、展開がゴチャ付いたところを
小嶋敬二(写真)
が自力戦に転換し、ホームからカマして先行。有賀高士を振り切って快勝した。
「永井はもう少し踏んで欲しかったけど、風が凄くて駆けたくない感じで緩めてたし、浅井が落車したのもあったから思い切って行きました。でも、バックの風がハンパなく凄かったですね。今日はキツかった」
有賀高士
は引き揚げてくるなりドッカリと腰を降ろした。
「いやあ、今日は付いているだけでキツかった。あそこで行くなんて思ってなかったから踏み出しで離れたしね。人の後ろなのに、こんなに(体力を)消耗するなんて。小嶋の後ろは苦しいね」
永井清史
は小嶋の3番手をキープするも、最後は脚が一杯になり7着まで沈んだ。
「小嶋さんが来たのが分かったんで、巧く切り替えたんですけどね。2コーナーで車間を空けられる感じだったから、空けたら風がもの凄くて。4コーナーくらいから詰めて行こうと思ったけど全くダメだった」
松岡貴久
は永井の番手を奪うと、直線で追い込んで3着に。
「もっと(永井が)一気に来ると思ってたんだけどゆっくり来たし、流したんで粘りました。巧く番手を取ったけど、永井さんは車間を空けて後ろを見てたんで余裕があるのかと。何とか3着に入れました」
<7R:東予選>
平原康多選手
後ろ攻めから動いた山賀雅仁を前受けの菅田壱道が突っ張ると、そこを栗田雅也がカマして先行。このライン4番手に続いた単騎の
平原康多(写真)
がバックからまくりを決めて快勝。4コーナーで接触した渡邉晴智が落車したことで審議対象になったが、セーフの放送を聞くとホッと胸をなでおろす。
「今日は栗田さんか菅田のどっちかが先行だと思ってた。菅田は前受けだし、山賀さんの先行はないだろうと思って、直感で栗田さんの4番手にいた。栗田さんも1周駆けだから、けっこう掛かってたけど、行かなきゃかぶると思って力勝負に行った。(渡邉と)押し合いになったけど、最後まで踏めてましたね」
1コーナーから内に行った菅田と連結が外れたが、平原のまくりを上手く追った
伏見俊昭
が2着をキープ。
「壱道が内に行っちゃったから付いて行けなかった。ダメですね。今年はあれが多いな。平原が行ったので追いかけたけど、転んだ晴智さんがこっちに来たのであおりがあった。悪くはないと思うけど、付いて行けないのはダメですね」
3着に粘った
栗田雅也
だが、後ろの渡邉と松永晃典の落車で表情は浮かない。
「今日はこの風だし、突っ張られないように、最後まで脚が残るように、そこだけ集中してました。先行すればあとは晴智さんがどうにかしてくれると思ってたしね。今日は重かったけど、それも今の調子だから。明日また頑張らなきゃいけないですね」
<8R:西予選>
吉永好宏選手
8レースは
吉永好宏(写真)
が1着となった。目標の石丸寛之が内に詰まって不発になったが、外の前田拓也をどかし、市田佳寿浩のまくりに乗って直線で突き抜けた。
「内に詰まってしまったけど、あの位置から市田さんがまくって行くと思った。どこを退かすか考えたけど、(前田が)来たところを退かして付いていきました。石丸さんには悪いけど、ああしないと自分は終わってしまうんで。(12月の高知で)落車してから調子が悪いしまだ肩も痛いけど、そんな中でもフォームとかを修正してました。兄弟(和生)でなかなかこういう開催で一緒になれないし、気合も入っていた。良い方向に出ましたね」
逃げた柴崎淳の3番手から、
山口幸二
が追い込んで2着に入った。
「前が一杯そうだったのもあるけど、思ったよりも良く伸びましたね。前で決まったと思ったし、まさかまくってくるとは。石丸がきたの? 市田? 後ろがどうなっているのか全く分からなかった」
3着には
小川勇介
が入り、3連単は50万の超高配当となった。
「9番手になったけど前が併走してたし、自分は風を避けていたんでじっくり脚を溜めて行こうと。(1月の)小倉が終わってからここに向けて練習してました。今回からギアを(3.71から85へ)上げたのが良かったですね」
<9R:東予選>
成田和也選手
神山拓弥が打鐘から松坂洋平を突っ張って先行。番手の
武田豊樹
が車間を切って後続をけん制したが、空いた内を切り込んだ天田裕輝にすくわれる。それでもそのまま前に踏み込むと、後続の追撃を振り切った。
「風があったので拓弥もキツかったんじゃないかな。誰も外からまくってくるとは思わなかったし、少しでも(神山拓に)良い着と思ったら、内から来られた。脚には余裕があったけど、ちょっと迷惑をかけてしまいましたね。一戦、一戦勝つことも大事だけど、レースで学ぶこともある。明日もしっかりラインで競走ができるように頑張ります」
武田後位に諸橋愛が追い上げて番手を奪ったが、兵藤一也との3番手外併走から鋭く伸びた
成田和也(写真)
が2着に食い込む。
「松坂君も良い感じで行くと思って切り替えたら、突っ張られた。内も行けなくて後方になってしまった。あれをしのげたのはたまたまですよ。外にいても多少余裕はあったんで、状態は悪くない。また明日しっかり走ります」
諸橋の追い上げを追った
兵藤一也
が3着に。
「天田君が前々に踏んで行ってくれた。先に諸橋さんに切り替えられたけど、その後ろに続いたし、調子はそこそこじゃないですかね。明日も頑張りますよ」
追い上げが決まった瞬間は2着以内は確定かに見えた
諸橋愛
だが、まさかの4着に終わる。
「内に行けないと思ったので、流れのままスイッチした。(番手を取って)やったと思ったけど、余裕がないね。残念…、2着には入りたかった」
<10R:西予選>
村上義弘選手
園田匠選手
10レースは伊原克彦がジャンから目一杯フカして主導権を奪った。伊原がタレはじめると、
村上義弘(写真)
が躊躇せず番手まくりを敢行。後続を振り切って1着を手にした。
「後ろにSS班が3人付いて伊原が自分達の思いを感じ取ってくれたし、よく行ってくれた。あれで坂本君に行かれてしまってはダメだし、4コーナーを自分が先頭で回ってこないことには何のために(伊原が)行ってくれたのか分からないからね」
坂本亮馬
は7番手に置かれながらも懸命にまくり追い込んだが3着が精一杯だった。
「普通に(伊原が押さえて)来たら突っ張るか粘るかしたけど一気に来たんで。村上さんが車間を空けたら前が詰まるから、そこで行こうと思ってたけど、村上さんはそのまま出て行ってしまった。伊原さん死ぬ気で駆けてたし、村上さんはすかさず出て行ったからまくるタイミングが全くなかった。でも、感じはそんなに悪くないと思うんで明日も頑張ります」
坂本追走から
園田匠(写真)
が外を鋭く伸びて2着。
「スピードに乗せてくれればね。今日はラインのおかげです。今日は後ろだったから調子は分からないですね。でも、いつも自分はまくり追い込みなんで、最後に外を踏むのは苦ではないですよ」
村上博幸
は義弘に付け切れず、「内を閉めていたし、2センターから追い風になったのもあって置いて行かれてしまった」と、4着に終わる。
<11R:東予選>
山崎芳仁選手
矢口啓一郎選手
篠原忍が矢口啓一郎を連れて先行。ホームで仕掛けを逸した
山崎芳仁(写真)
だったが、海老根恵太、佐藤友和が次々に仕掛けると、絶体絶命と見られた8番手から上がり10秒9という脅威のタイムで前団をゴボウ抜きした。
「ギリギリでしたね。何とか気持ちでって感じ。ホームで行けたけど、踏んでる篠原君とやり合ったらまくられそうだったので。届くと思ってなかった分、焦りもなく凄い力で行けた。タイムも出てるし、新車のアタリはけっこういいです」
練習不足が心配された
海老根恵太
だったが、きっちり2着に食い込んで初日はまずまずのスタート。
「感じは思ったより良かったです。2コーナーで詰まったところで行かなきゃダメですね。でも下から追っかけたので脚を使ったから休みたかった。矢口はサラ脚だったし、キツいかなと思ったけど、かぶってもダメだし行くしかなかった。力を出し切れたし、良いメンバーで2着で良かった。山崎が強いのはしょうがないですよ」
3着の
矢口啓一郎(写真)
は篠原の頑張りに感謝しきり。
「篠原の気持ち、いつも頑張ってくれてるけど番手は難しいですね。みんな脚を溜めてくるんだろうってドキドキしちゃって脚が変に回りました。山崎さんはやっぱり強かった」
山崎後位を回った
佐藤慎太郎
も「ホームで行けば良いのにどっしり構えられた。でも強いね」と山崎の強さに舌を巻いた。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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