『第10回東西王座戦(GII)レポート』 初日編
 
配信日:2月4日


 2月4日から豊橋競輪場で第10回東西王座戦(G2)が開幕した。選考順位による自動番組制によって普段と違うメンバー構成となり、東西ともに見応えのあるレースが展開された。
 本場ではイベントが盛りだくさん。まずは開催を通して早朝指定練習見学、未確定車券抽選会、伊藤克信の「総天然色豊競予想劇場」など、たくさんの催しが予定されております。また明日5日(土)はまぐろ解体ショー、日本競輪選手会愛知支部によるチャリチィーオークション、オートレースコラボイベント、豊橋創造大学ダンス部によるダンスステージが行われます。こちらもどうぞお楽しみに。


<1R>
 逃げた佐藤和也と、巻き返した伊藤信でやり合ったところを、古城英之がバックからまくって快勝した。
 「平坂(典也)さんが作戦を考えてくれたし、その通りになりましたね。ホームで落車があって自分もコケたかと思った。避けるのに必死だったし、その後、風がどうだったとか分からなかった。でも、踏んだ感じは悪くないし状態は問題ないです」
 伊藤信に乗った三谷政史が追い込み、近畿ラインはそれぞれ3着、2着で準決勝行きを決めた。
 「前の4番(佐藤和也)が踏んでたし、まくりに構えるかなと思ってたら凄いスピードで(伊藤が)行ったんで離れてしまった。でも、追い付く感じの離れ方だったんで落ち着いていけました。2コーナーから向かい風が凄かったし、信はそれを計算して早めに踏んだのかな。今日は信が強かったね」
 敗れた佐藤和也は「ホームで来たから全開で踏んだけど合わせ切れなかった。9番(三谷)が離れてたから持って行こうと思ったけど落車させたらいけないし…。もっと強引に行けばよかった」と悔やむ。


<2R>
 松岡篤哉が主導権を奪う展開となったが、大沼孝行の抵抗を受けてゴール前で末を欠いて失速。屋良朝春がバックからまくって1着を手にした。
 「2センターであおりを喰ったけど落ち着いて踏めましたね。今日は向こうがやる気満々だったし、やり合っても8、9着になってしまうんで。岡(光良)さんも『好きにやって良いよ』と言ってくれたんで。恵まれました」
 岡光良がきっちりマークして埼京ワン・ツー。
 「屋良君が強かったね。最後、5着くらいになっちゃうかなと思ったけど、車が伸びてくれたんで何とか2着に入れました」


<3R>
鈴木裕選手
鈴木裕選手
   ホームから鈴木裕(写真)が渾身のカマシを放つと、敵のラインを引き離していく。最後は番手の山崎充央も千切って堂々の逃げ切り勝ち。
 「今日は皆徹底先行だし、初手は位置にこだわらずに行こうと思ってました。自分がトロかったんで結果的に7番手になってしまったけど、良いタイミングで行けたんで出切れました。踏んだ感じは悪くなかったし、調子は良いと思います」
 山崎充央は付きバテして最後に離れたが、辛うじて2着をキープした。
 「鈴木が強かったし、脚は一杯だった。とにかく2着でよかった」とホッと胸をなで下ろす。


<4R>
 菊地圭尚が逃げた藤田竜矢をひとまくり。最後は直線で有坂直樹が差し切って1着を手にした。
 「カマしたら離れそうな感じだったけど、まくりに回ったんで助かったね。今日は菊地が強かった」
 菊地圭尚は力を出し切り満足げ。
 「流すところが全くなかったし、ものすごくキツかったですね。逃げてる藤田もキツそうだったし。最近は脚自体は問題ないんだけど、展開や行くタイミングで見てしまうことが多かった。今日は久々に長い距離を踏みましたね」


<5R>
金子貴志選手
金子貴志選手
   5レースは地元の金子貴志(写真)が堂々の逃げ切り勝ち。風を計算したクレバーな走りを見せた。
 「バックは向かい風なんで厳しいかなと思ったけど、自分が駆ける展開になったら仕方ないと思ってました。風を頭に入れて走ったつもりだけど、今日はたまたまな感じでしたね。でも、ホームでスピードに乗ってたんでバックを乗り切れるかなと。今日はいつもより暖かかったのもあったし。明日は風が強くなるかもしれないけど頑張ります」
 坂上樹大は金子を交わせず苦笑い。
 「金子さんが強かったし、最後も踏み直してたんで。ハンドルを投げたけど届かなかった」


<6R>
村上義弘選手
村上義弘選手
   西王座の開幕レースは中野彰人が赤板前からフカして主導権を奪う。小倉竜二が自力まくりで迫ると、村上義弘(写真)が番手まくりを敢行して1着。予選1走目で15ポイントをゲットした。
 「赤板前からカマシ気味に行ったし、中野の気持ちが伝わってきた。あとは中野の気持ちを無駄にしないようにと。中野のことは新人のときから知ってるし、練習したこともあるんで。物怖じしない性格だから、今日もタイミングで何とかしてくれると信頼してました。良いレースをしてくれました」
 松岡貴久は東口善朋をさばき、村上後位を確保して2着。13ポイントを得た。
 「今日は風が強くて外を踏むのは無理だったんで。取り切ってからも後ろから誰が来てるか全く分からなかったし余裕がなかった。今日は見せ場を作れなかったんで、明日こそ頑張ります」
 大塚健一郎が3着に入り12ポイント。
 「今日は松岡のおかげですね。バックで小倉さんにからまれたときに遅れてしまったんでキツかったですね。昨日風がなかったんで、その分今日は強く感じましたね。前回が悪かったけど、今日は道中の形は悪くなかったんでよかった」


<7R>
岡部芳幸選手
岡部芳幸選手
   東のオープニングは、イン斬りした岡部芳幸がそのまま逃げる予想外の展開に。山崎芳仁はまさかの不発に終わり、岡部に乗った斉藤正剛が有利に追い込んだ。
 「思いもしなかった展開になったね。山崎とタイミングが合わなかったんで仕方ないでしょう。今日は恵まれました」
 岡部芳幸(写真)が2着に粘ったが、山崎との連係が失敗し嬉しさ半分といったところ。
 「インを斬って待つ作戦だったし、山崎が走りやすいようにと考えてたんだけどね。インを斬るのが早すぎたかな。斉藤さんが付いているから駆けるのは想定内だったし、俺が駆けても山崎だったら行ってしまうと思ったんで」
 一方の山崎芳仁は「芦澤君は流してたんで、前を見すぎてしまいましたね」と致し方なしといった様子。
 番手の佐藤慎太郎も「山崎が引き切る前に(岡部に)行かれてしまったんで。でも、ラインのためにやってくれたんだから仕方ないですね」と納得の様子だった。
 芦澤大輔は巧く3番手を確保したが4着に。
 「誘導が残ってたんでとりあえず斬ってからと思って前に出ました。イン斬りは想定外だったけど、山崎さんも外々を回ってきてたし、前々に踏まないとと思ってた結果が3番手に入れたんですけどね。まあ、兵藤(一也)さんは3着だし、手島(達矢)さんも5着で可能性があるんでよかった」


<8R>
坂本健太郎選手
坂本健太郎選手
   8レースは坂本亮馬のまくりに乗り、兄の坂本健太郎(写真)が直線外を鋭く伸びて1着を手にした。
 「1コーナーから1センターでちょっと焦りましたね。千切れる感じではなかったけど、風が強かったし踏み出しも強烈だったんで。詰めていくときも凄いスピードでしたね。昨日の指定練習のときに調子がいいと思ったけど、実際に付いていて最後は軽く感じました。亮馬も5着に残ってくれてよかったです」
 中団回りから、南修二が大外を強襲して2着。
 「風が強かったけど、自分は人の後ろだったからあまり感じなかったですね。最後は内しか見てなかったんで、その分伸び切れなかったですね。もっとピッタリ付いて外を思いっきり踏めばよかったかな」
 強気な性格が持ち味の坂本亮馬だが、今日はさすがに硬くなったようで、「今日は緊張しましたね。ジャンで踏み合いになってたんで様子をみました。次は兄貴が前の方がいいかな(笑)。5着なんで明日頑張ります」。


<9R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
   佐藤友和が先行し、北日本勢を相手に海老根恵太(写真)は立ち遅れてまさかの8番手。しかし、3番手の金澤竜二がバックから仕掛けると、その上を力で強引にまくって1着となった。
 「突っ張られたらおしまいだし、後ろ攻めは嫌だったけど、ナショナル(新田祐大)のゼロダッシュがすごくて後ろになってしまった。2コーナーで新田が後ろを見てたから厳しいかなと思ったけど何とか届きましたね。萩原(孝之)君も連れていけたんでよかった」
 佐藤友和は9着に敗れたが、「僕はあそこしかないというタイミングで仕掛けたんで。ただ展開上、僕の距離ではなかったってこと」と納得のレースだった。
 金澤竜二はバックから強引にまくり出たものの、伸びを欠いて7着に終わる。
 「突っ張ろうと思ったけど、凄いスピードで来たんで。(3番手に)入れてもらったし、無理矢理行ったけど出なかったですね」


<10R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
加藤慎平選手
加藤慎平選手
   10レースは小嶋敬二(写真)が勝ち星を収めた。レースは水谷好宏が先行。一旦は中団に入った小嶋だったが、すぐさまスパートすると一瞬にして前団を飲み込んだ。
 「自動番組の割には綺麗な3分戦でよかったね。今日は6番(水谷)が先行するだろうと思ってたけど、ただどこから行くか分からなかったし、自分も行けるかどうか分からなかったしタマタマ。まだ擦過傷が痛いし、自転車に乗ったときにはなおさらですね」
 加藤慎平(写真)がしっかりマークして2着。
 「何回もバックを踏まされたしキツかったですね。小嶋さんに付けるときは色々考えてはダメ(笑)。付いて行っただけで2着なんて恵まれました」
 村上博幸が加藤後位に切り替える形で3着に入った。
 「今日は(目標の水谷と小嶋が)脚力差があるし、小嶋さんも余裕があるんでね。ああいう展開になるのは分かってたし、そこで自分が何とかしようと思ってたけど、持ち出した瞬間にすでに小嶋さんが来てたし、スピードが違いました」


<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
   最終レースの東予選は平原康多のまくりに乗り、武田豊樹(写真)が鋭く追い込んで勝利した。
 「皆が勝てることを考えたらああいう並びになりました。前回(向日町記念)が不甲斐なかったんで、今日はどんな展開でも1着が欲しかったんでよかった。ファンに競輪はこういうものだというレースを見せられたと思います」
 神山雄一郎(写真)は普段はラインで味方同士だが、今回に限っては別線の平原をブロックで阻止。直線で追い込んで2着に。
 「今日は(渡邉)一成が強かったし、俺は脚が一杯だった。でも、平原のスピードがそんなに上がってなかったんで。一瞬、1着かなと思ったけど、凄い勢いで白いの(1番・武田)が来たね」
 4着となったが、飯嶋則之もガチンコ勝負し、最後は内を突いて師匠の神山と競り合う好気合を見せた。
 「思い切って内を行ったけど、神山さんに引っ掛かってしまい、態勢を整えられず伸びなかった」
 バックドン尻で絶体絶命の中村浩士だったが、渾身の追い込みで3着に入った。
 「渡邉君の3番手を取れれば良かったけど、ジャンで上原君も踏んできたから1番後ろになってしまいましたね。バックからは一生懸命、がむしゃらに踏みました」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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