『被災地支援競輪第1回ウィナーズカップ(GII)レポート』 前検日編

配信日:3月16日
 平成28年熊本地震被災地支援競輪「ウィナーズカップ」が3月17日に開幕する。今年度から新設されたGII開催。第1回大会の舞台は高松競輪場だ。前検日の16日は全国各地から精鋭108名が集結。車体、身体検査を無事に終えた。初代チャンピオンとして歴史に名を刻むのは誰か。4日間に渡ってハイレベルな戦いが繰り広げられる。
 初日の17日は「ホリ」ものまねステージ、スペシャルゲスト「ほたるゲンジ」トークショー、松山千春にウリふたつ「高松千春」のオンステージなど場内イベントが盛りだくさん。ぜひ高松競輪場でお楽しみください。
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郡司浩平選手
郡司浩平選手
 新設されたビッグレースの開幕戦。1番車を任されたのは郡司浩平(写真)だ。3月玉野の災害復興支援レースはまくりで快勝。機動力は冴え渡っている。
 「1レース1番車とは思わなかったです。まだ勢いがある若手と見られているってことですね。復興支援レースも勝てたし、いい流れで来れたと思います。終わってから競輪学校の違反訓練に行ったので、帰ってきて3日ぐらいしかなかった。がっつり練習はできなかったけど、しっかり戦える状態です。自力タイプが多いので、流れに乗って仕掛けたい。ラインで決めたいですね」
 山賀雅仁は3月玉野記念で2勝。その後に練習内容を変えた。
 「時間があったので、何年か前にやっていた練習を取り入れてやってみました。疲れが出たけど、それも取ってきて、仕上がっていると思います。今回は自力なら自力、後ろなら後ろでしっかり頑張りたいです」

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脇本雄太選手
脇本雄太選手
 脇本雄太(写真)は前回の岸和田で決勝2着。ナショナルチームの一員として多忙なスケジュールをこなしながら奮闘している。
 「(岸和田の決勝は)前半、後半とけっこうタイムは良かったので。でも、澤田(義和)さんに差されて悔しかった。昨日はウエイトをやって足はパンパンです。ウエイトは得意じゃないから。(ナショナルチームの練習で)日本の競輪の自転車を使うのは禁止されているので、今日の前検日の過ごし方が大事。いかに慣れるか。走らないと分からないですね」
 杉森輝大は2月四日市の災害復興支援レースで優勝。前回の大宮FIは決勝進出を逃したが、好調は維持できている。
 「大宮の準決勝は失敗してしまったけど、感じは悪くなかったです。終わって練習しながら、ここに向けてうまく調整できました。高松は去年(5月に)1回走って決勝2着だったので、いいイメージがあります」
 直前の大垣記念でパッとしなかった天田裕輝だが、ここで悪い流れを変えたい。
 「大垣は調整もうまくいってなくて、レースも悪い方にいってしまった感じですね。中3日なんで、そんなに練習はできてないけど、今回はしっかり頑張りたい。杉森さんに任せます」

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根田空史選手
根田空史選手
 根田空史(写真)は2月奈良記念でGIII初制覇。その後も好調をキープしている。
 「今年は最初の千葉があまりにもひどい成績だったので、そこから気持ちも入って成績も上がりました。いい状態で来れたと思います。初日は作戦が大事ですね。変にやり合ってもダメだし、そこが難しい。しっかり流れに乗って仕掛けます」
 海老根恵太は前回の小倉の決勝で鈴木裕を目標に番手まくりで快勝。今年初優勝を飾った。
 「すべてキック(鈴木)のおかげですね。終わってから日にちはそんなになかったので、ちょっと休んで、練習してきました。状態は変わらないけど、いい感じでここを迎えられました。今回は1着の多い選手が選ばれているので、誰にでもチャンスはあると思ってます」

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山田英明選手
山田英明選手
 山田英明(写真)は前回の四日市記念で二次予選敗退。それでも敗者戦はきっちり2連対を果たした。
 「四日市はそれなりに動けたと思います。終わってからも練習はできたし、あとはレースの組み立てですね。まだまだ力は足りないと思ってます。自分の中で課題はたくさんあるので、そこをクリアしながらやってます。長い目で見てほしいですね。決勝に乗れるように頑張ります」
 小嶋敬二は前回小倉の最終日特選で豪快にまくって圧勝。通算700勝のメモリアル勝利を飾った。
 「700勝できて、うれしいのはうれしいですね。600勝はけっこういるけど、700になると急に減るんですよ。前回は同期の丸山(啓一)もいて、うらやましがられました。ここに来るまでウィナーズカップの賞金とか何着権利とか知らなかったんですが、初日は自力で頑張ります」

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木暮安由選手
木暮安由選手
 木暮安由(写真)の決め脚が一番だ。前回の四日市記念は決勝進出を逃したものの、最終日に力強いまくりを決めた。
 「四日市は3日間、悪かったんですが、調子が上がってきて、最終日はいいまくりも出ました。終わってから違反訓練に行ったので、帰ってきて中2日ですね。いい休養になりました。長島(大介)君に任せます」
 長島大介は大垣記念で準決勝敗退。今年に入って初めて決勝に乗れなかった。
 「大垣は力の差を感じました。もうちょっと長い距離を踏めないとダメですね。でも、感じは良かったし、中3日でも疲れはありません。勝ち上がれるように、行けるところからしっかり仕掛けます」
 坂本貴史は岸和田の決勝で4着。脇本雄太の先行をまくれなかった。
 「決勝は北野(武史)さんにしゃくられてタイミングが取れずに無理やり仕掛けたにしては感じが良かったです。準決勝も1着が取れてますし。全日本選抜(の初日)の時みたいにラインでワンツースリーできるように」

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鈴木竜士選手
鈴木竜士選手
 鈴木竜士(写真)は直前の大垣のケイリンエボリューションで6着に敗れた。それから中3日でもしっかり準備はしてきた。
 「ここに向けて前から練習していたし、調子はいいですね。中3日だったけど、練習もしてきました。しっかり勝ち上がることが大事なんですが、内容のあるレースをしていきます」
 神山拓弥は2月の取手全日本選抜で優出。前回の玉野記念でもオール連対で決勝に勝ち上がるなど差し脚は冴え渡っている。
 「今回も状態はいいと思います。玉野の決勝は吉田(拓矢)君の後ろでもうちょっとできることがあった。スピードに乗っけるのが遅いので、仕事も遅れてしまう。そこの課題を意識して練習してきました。すぐに成果が出るかは分からないですけどね」

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山中秀将選手
山中秀将選手
 山中秀将(写真)は2月四日市記念で待望のGIII初優勝を飾った。前回の広島も圧巻の走りを披露したが、決勝は痛恨の1着失格。通算200勝はお預けとなってしまった。
 「決勝は残念でしたけど、走っている感じは悪くなかったので悲観はしてません。練習の感じが良くなってきて、それに比例するように成績も上がってきました。全日本選抜のころからしっかり踏めるようになって、かみ合いましたね。広島で200勝の予定だったんですけど、ここでしっかり決めたいですね」
 中井俊亮は相変わらずの先行力を見せている。
 「玉野記念の感触は悪くなかったです。終わってから2泊3日で鹿児島へ合宿に行ってきました。奈良の若手13、4人ですね。街道でいい練習ができました。調子自体はいいと思うので、自力でしっかり力を出し切ります」

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古性優作選手
古性優作選手
 近畿ラインが本線となりそうだ。先行からまくり、さばきまで何でもこなせる古性優作(写真)が、明日も総力戦で期待に応えよう。
 「前回(四日市132着)は調子は問題なかったんですけど、(決勝が番手回りで)難しいレースでした。自分の判断ミスで人気に応えられなかったので。状態は変わってないので、今回はミスをしないように」
 対する埼玉勢は2段駆けの布陣。先導役を務める金子哲大は積極レースを心掛ける。
 「前回(玉野記念)は準決勝までいけたけど、そこまでいくと強い人たちが相手で厳しかったですね。今回もそんな人ばっかりで。玉野が終わってからはいつも通り練習してきました。最近は練習であまり良くなかったけど、直前にモガいた感じは最近のなかで良かったので。池田(勇人)さんとは何度も連係したことがあるけど、いつも池田さんがかばってくれる感じで。(番手の)池田さんが前に踏んでいくレースはなくて、全部止めに行ってくれるので、共倒れもありますね。自分がもっとかかっていれば決まるんですけど。明日も積極的に。高松はA級で優勝もあるし、S級でも決勝に乗ってるので悪くないです」
 もうひとつのラインは南関勢の渡邉雄太。こちらは直前に体調を崩し、不安を抱えての検車入り。
 「直前に風邪を引いてしまい、昨日までグッタリしてて…。熱が出てたけど、もう下がりました。その前は普通に練習していて、しっかりできていたので大丈夫だと思うんですけど。とにかく1走してみてからですね」

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石井秀治選手
石井秀治選手
 予選の最後は石井秀治(写真)がリード。細切れ戦となるが、自身のラインが3車となり、積極策もありそうだ。ただ、前回の玉野記念で体調が悪化し、今回も状態が不安視される。
 「玉野の最終日、走り終わったあとにめまいで倒れそうになって。終わってから精密検査に行ったけど、結果は何も悪くなくて。たぶん、疲労とかで首が悪いから、三半規管が良くないのかと。来る前にも針の先生を紹介してもらって、今は治まってるからいいんだけど。去年の11月くらいから症状が出てきて、最近になってひどくなったんですよ。とりあえず、練習はいつもの負荷をかけてやれたので大丈夫とは思うけど。1走してみてからですね」
 対戦するのは河村雅章。点数ではリードを許すが、展開がはまると予想以上に力を発揮するタイプ。初日も侮れない。
 「前回の四日市(記念3767着)は状態が…。体調も良くなかったし、練習もあまりできてなかったので。今回は2週間くらい空いたので、しっかり練習ができたので状態は上向きです。前回より良いと思います。相手は強いけど、行ける所でしかり仕掛けたい」
 飯野祐太は地元の2月平を欠場して当所入り。
 「(平の前、私用中に)転んでしまい、膝を怪我してしまって。膝が曲がらなくなったけど、治療してきたのでもう大丈夫です。練習でも動いたので」

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吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 SS班の稲垣裕之は変わらず堅調をキープ。前回の大垣記念では優勝こそ逃したが、厳しい展開から準Vと改めて強さを示す結果に。初日は茨城・自力コンビの挑戦を受ける。
 「前回は最後内にいくしかなかったので。本当なら2コーナーくらいで行ければよかったんですけどね。中3日だけど、練習と調整をしっかりやってきました。前回、自転車を色々と試して収穫がありましたね。今回は(前々回の)四日市のものに戻して。そこは色々と感覚的な部分なので」
 その茨城コンビは吉田拓矢(写真)-吉澤純平の布陣で挑む。吉田は前回の玉野記念でさらに自信を深めた様子。
 「玉野では良いレースができたと思います。決勝も、もっと力を付ければゴール前勝負ができるかなと。自分の今の力を知ることができたし、終わってからはそれをふまえてやりたい練習もできたので。上積みがあると思うので、自信をもっていきます」
 吉澤純平は2月奈良記念に続き、直近の3月大垣記念でも落車。怪我の具合が心配されたが、本人は元気な様子で検車入り。
 「奈良のときはダメージが大きくてそのあとはケアしかできなかったけど、今回はケアも練習もできたので大丈夫かと思います。信頼できるフレームはそれしかなかったので、修正に出してきました。吉田君は玉野で良いレースをしてたし、僕は信頼して援護していくだけです」

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深谷知広選手
深谷知広選手
 深谷知広(写真)は前回の全日本選抜から約1カ月の間に絞り込んで肉体が変化。今回にかける意気込みが見える。
 「前回はまだまだだったかなと。戦える脚がなかったので。そこを意識して今回やってきたつもりです。地元でずっとやっていて、だいぶ練習ができました。体重は変わってないんですけど、(身体の)質を上げる練習を。メニューも変えました。昔の練習に変化をつけて、新しいものも取り入れて。体重を落とさないように気をつけながら、同じ体重でパワーがもっとつくように」
 対戦する福島コンビは、ロスでのワールドカップを終えての当シリーズ。新田祐大は競技で落車し、本業への調整は今ひとつ。
 「落車して影響はまだ残ってます。色々とダメージがあるなかでやれることはやってきたけど、ずっと痛みとの戦いでしたね」
 一方、渡邉一成が心配なのは「疲れ」のみ。
 「ワールドカップはケイリンとチームスプリントに出て、ケイリンは決勝までいきました。終わってからは昨日までずっと練習して。僕の場合は競技との切り替えがどうこうではなくて、疲れだけなので」
 取鳥雄吾はチャレンジャーとして、胸を借りて全力勝負に出る。
 「緊張はあるけど、いつも通りって感じで楽しみですね。四日市(記念)が終わってからは1回体調を崩したけど、練習して今は普通です。岩津(裕介)さんと一緒に練習して、高松バンクにも入って練習しました。僕は攻めてナンボなので、力を出し切ります」

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新山響平選手
新山響平選手
 王者・平原康多が敵の挑戦を受けて立つ。今年最初のGI、全日本選抜を制したあとは風邪で玉野記念を欠場したものの、さらに練習で磨きをかけて当所入り。
 「色々と人にトレーニング方法を聞いて、やりたいこともあったので。直前は充実した1週間でした。乗り方自体は変わってないけど、パワーと瞬発力を上げるトレーニングを。まだまだ足りない部分が多いと感じてたので取り組んでました。今回結果が出ればやりがいも出るし、間違ってなかったと思えるので」
 ただ、平原といえども相手は強力で、まずは先行日本一を誇る竹内雄作
 「前回から中3日なので調整程度に。自転車にも乗ってないので。その前に落車してたから、前回の大垣(記念)はそんなに良くなかったけど、日に日に良くなっていったので今回も大丈夫だと思います。高松は久しぶり。たぶん、A級以来だと思います」
 新山響平(写真)も今や注目の的。全日本選抜では早々と初日に散っただけに、今回こそはと意気込む。
 「前回(大垣記念)から中3日だから、あまり重たいギアをかけずに練習してきました。大垣は状態は悪くはなかったけど、今回は前回より仕上がっていると思います。平原さんは逆立ちしても勝てるような相手ではないけど、僕も何とか一矢報いたいので。出し切って良いレースをします」
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