成田和也選手 |
筒井裕哉が押さえて誘導の後ろが入れ替わると、八谷誠賢が岩本俊介にフタをしてから前団を押さえ、さらに、打鐘で長島大介がすかさず巻き返して主導権を奪取する。八谷は3番手で、6番手に筒井裕哉、岩本俊介は8番手まで車を下げて一本棒で最終ホームを通過していく。長島はグングンと加速していくと、バックから筒井がまくるも車の進みは鈍い。その他敵陣の反撃はなく大勢は決した。最後は成田和也(写真)が番手絶好の展開をモノにして、ようやくシリーズ初勝利。「前(長島)のおかげです。2回目の連係だったけど、前回も積極的に駆けてくれましたよ」と長島の健闘を称えるも、自身の表情は硬いまま。 3番手に入った八谷誠賢が成田に続く形となり2着に。 「連日、人の後ろだったのでね。自力の戦法から考えると今日からがスタートなのかも(笑)。まくりたい気持ちもあったけど、結果的には正解だったと思う。とりあえずお帰り(7、8、9着は帰郷予定)にならなくてホッとしました」 筒井裕哉は進みが鈍く、4コーナーの山降ろしを使っても車は伸びず。 「2月に大宮で落車をして調子を崩してしまった。力が伝わっていない感じ。自分でもどうしていいものか…。本来はまくりのスピードに乗せて2センターで一息入れてから4コーナーからの下り坂を使って伸びる流れだけど、そういう感覚に全然なっていない」 |
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柴崎淳選手 |
後ろ攻めの神田龍が押さえて打鐘前に先頭に立ち、飯野祐太を突っ張って主導権を握る。番手の柴崎淳(写真)は車間を空けて援護していくと、後方の反撃に合わせて3コーナーから番手まくりを敢行し、そのまま押し切った。 「初日に失敗しているけど、神田君にはやれることをやれとだけで、余計なことは言わなかった。3コーナー過ぎから出たけど、ラインが2車なので、自分のなかではあれが限界。3車なら違ったんだろうけど」 飯野祐太は突っ張られたものの、内藤宣彦に迎え入れられ中団を確保。柴崎に合わせられるも、食い下がって2着に入る。 「打鐘のところで池田(勇人)君とあたって落車しそうになりました。何とかギリギリ避けたけど。(神田に)気付かれないように、ギリギリのところを踏んで行こうと思ってたけど、神田君に合わせられてしまいました。そこからは仕掛けないと後ろから来てかぶったら仕方ないので出たけど。まさか、柴崎君が番手まくりをするとは思わなかったですね。きつかったです」 |
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竹内智彦選手 |
鈴木謙太郎が赤板過ぎに切り、その上を小笹隼人が押さえて打鐘を迎えたが、吉田敏洋がすかさず叩いて先行態勢に入る。箱田優樹が3番手に追い上げる形で最終ホームを通過。後方からまくり上げた鈴木は車が思うように進まない。箱田のまくりを止めた濱田浩司が絶好展開から抜け出しにかかるが、直線で中を割った竹内智彦(写真)が突き抜けた。 「前の2走は展開が悪かっただけで、今日は展開も良かった。あと今日から1年半ぶりにシューズを戻したら感触も良かったですね」 惜しくも白星を逃した2着の濱田浩司は悔しそう。 「(竹内は内を)狙ってました? やっぱり。2車だったから難しいけど、箱田君が見えたし、気になって振ったら割られてしまいましたね。無理やりでも行ってくれたのに(吉田に)申しわけない」 4着の箱田優樹もガックリ肩を落とす。 「ホームでそのまま叩きにいった方が面白かったですね。悪いクセで内を見てしまって。気持ちの弱さがでてしまいました」 |
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古性優作選手 |
後ろ攻めの金子幸央が打鐘前から先制。土屋壮登の反撃をきっちり合わせてハイピッチで駆ける。すんなり3番手をキープしていた古性優作(写真)が最終2コーナーから力強くまくって快勝した。 「難しかったけど、結果的にいい展開になりました。とりあえず勝てて良かったです。サドルを昨日から1センチ下げたら感触が良くなりました。もうちょっと良くなりそうです」 土屋が金子を叩けないと判断した河村雅章は内に降りて近畿コンビの後位にスイッチ。そのまま前を追って3着に入った。 「金子君が全開で突っ張っていたので、行けないと思って。行けそうなら付いていったんですけどね。今回の感触はいまいちかな。でも、何とか3着に入れて良かったです」 |
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後閑信一選手 |
打鐘前からスパートした金子哲大、後閑信一に、単騎の天田裕輝がこの後ろに切り替えていく。注目の新山響平が中団に入り、6番手に山賀雅仁、松岡篤哉は8番手に置かれて一本棒で最終ホームを通過。中団を取り、人気を集めた新山のまくり頃と思えたが、金子のかかりが良く、2コーナーから仕掛けたものの車は全く伸びない。後方からの反撃もなく、絶好の番手回りとなった後閑信一(写真)が理想的な展開をモノにした。 「金子君のかかりが抜群でした。『これは(別線のまくりを)止めないといけない先行』と思ったので気合を入れて構えていたけど、新山君の車が思ったよりも出なかったですね。最近の子は(相手を)止めて戻ると先行も止まってしまうことがあるけど、彼は(ブロックして)戻ったときに前に伸びていく感じでした」 旧籍が群馬の後閑を追った天田裕輝が2着に入る。 「埼京が前受けになったので考えた部分もあったけど、やはりこのラインが先行するだろうと。金子君のかかりが良かったし、要所でバックを踏まされるなど細かい動きで脚を使っていたので、仕掛けられなかった。自力選手としては戦い方に複雑な気持ちもあるけど、それぞれのレースで気持ちを切り替えないといけない」 |
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諸橋愛選手 |
嶋津拓弥が押さえたところを、打鐘で鈴木竜士が叩いて主導権を握る。すると、勢い良く川村晃司が巻き返してきたが、鈴木がこれを上手く合わせ、さらに諸橋愛(写真)がトドメを刺して川村は万事休す。そこからは敵の反撃はなし。最後は諸橋がチャンスをモノにし、シリーズ初勝利を手にした。 「ようやく競輪らしい仕事ができましたね。ただ、ホームで川村さんがものすごいスピードで来たから、行かれたかと思った。でも鈴木君はそこからかかって行ったんで、これは残るなと。俺も残さないとと思って。恵まれました」 力を出し切り2着に粘った鈴木竜士だが、「まだまだですね」と自己評価する。 「押さえてもらったところを自分たちがカマすと、作戦通りにいきました。あとは自分がどこまで持つか。諸橋さんに仕事をしてもらったおかげ。でも、川村さんが来ているのが見えたし、上手く合わせて斜め後ろに置く感じで駆けました。昨日がダメだったし、まだまだ力不足です」 |
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永澤剛選手 |
永澤剛(写真)が2日目に続き白星を挙げた。後ろ攻めから上昇した渡邉雄太が脇本雄太にフタをする形で中団でいったん止まり、打鐘手前からスパート。すかさず中団まで追い上げた脇本が最終ホームから巻き返し、岡村潤のけん制を乗り越えて前団を飲み込む。内に詰まっていた坂本貴史を見切って最終バックから自力に転じた永澤が直線で一気に突き抜けた。 「(坂本に)申しわけないって思ったけど、内に詰まっていたし、自分も脚を使ってなくて余裕があったので踏みました。しょうがないですよね。正直、ホームで行こうとも思ったし、自分の中では待ったつもりです」 単騎の三宅伸は初手から青森コンビを追走。永澤のまくりを懸命に追って2着に入った。 「いやぁ、めっちゃうれしい。競りじゃなければ、ワッキー(脇本)ラインの3番手でも良かったけどね。もうあそこかなって走る前に決めてました」 岡村の執ようなブロックを乗り越えてまくり切った脇本雄太が3着に踏み止まった。 「イエローライン近くまで持ってこられて。うまく避けたつもりがいいのが入ってしまった。もう途中で心が折れそうになったけど、何とか踏み切れました」 |
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山中秀将選手 |
山中秀将(写真)が通算200勝のメモリアル勝利を飾った。レースは打鐘で切った松坂洋平を取鳥雄吾が押さえて前に出る。今度は単騎の小嶋敬二がロングスパート。取鳥を2コーナーで抜き去る。そのまま小嶋の一人旅かと思われたが、山中が8番手からのまくりで猛追。圧巻のスピードを披露した。 「取鳥君の仕掛けに付いていって、3番手で勝負しても良かったんですけどね。最近は僕も早めに仕掛けているから、みんなが早めに動いてくれて有利な展開になりました。2角であおりもあってフワッとなったんですが、スピードは悪くなかったですね。でも、小嶋さんが思いのほか強くて、前まで遠かったです。なんとか届いて良かった。これで200勝なんですが、ふだんの1勝と変わらないですよ」 渡邉晴智は追走いっぱい。なんとか2着に流れ込んだ。 「2着で良かったです。山中が本当に強くて、いっぱいでした。状態は見てもらったとおりですね」 松坂が不発の展開から大塚玲が3着に突っ込んだ。 「(松坂)洋平さんのおかげです。最後は(渡邉を)抜いて2着までいったと思ったんですけどね。すごい感じは良かったです」 |
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山田久徳選手 |
前受けから下げた中井俊亮がすかさず巻き返して打鐘過ぎから先行。最終ホームから石井秀治が反撃。バックで山田久徳(写真)が強烈に石井をブロック。3番手を確保していた荒井崇博がインを突いて抜け出すも、さらに外をけん制した山田が山降ろし気味に4コーナーから踏み込んで1着。 「中井君がほぼ完璧な組み立てをしてくれた。最後に内を空けなければ残っていたと思う。石井さんのまくりは絶対に止めようと思っていました」 3番手を確保した荒井崇博は、山田と中井が外をけん制したことで空いたインコースを突いた。 「いったんは(山田の)前へ出たけど、抜き返されてしまった(苦笑)。完全に(インが)空いたことを確認して突っ込んだ」 千葉ラインの先頭を任された石井秀治は山田の強烈なブロックの前に撃沈。 「思った以上のブロックで、(山田の)肩が僕に入った感じで…。あれを喰らったら厳しい」 |
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稲垣裕之選手 |
ここからが3日目メーンの準決勝。決勝一番乗りを決めたのは稲垣裕之(写真)となった。原田研太朗が後ろ攻めから押さえて誘導の後ろが入れ替わると、打鐘前に新田祐大が前を切って先頭に立ち、さらに三谷竜生が叩いて主導権を握った。すると、新田は番手で粘る作戦に出たが、三谷が車を外にはずすと、新田は内を突いてもがき合いに。さらに、そこへ原田のまくりが襲いかかる。3車の力勝負は原田に軍配が挙がり、懸命にゴールを目指したが、その後ろにスイッチした稲垣が直線で追い込んで勝利した。 「新田君の動きが気になりましたね。三谷君も頑張ってくれたけど、外に原田君が見えたから前に踏むしかなかった。三谷君が新田君とモガき合ったからチャンスが生まれた感じでした。新田君との併走も苦しかったし、脚を使ってたから(原田を)ブロックできなかった。必死でしたけど、ただ周りは見えてました」 まくった原田研太朗が2着に粘って決勝進出。 「あそこ(最終ホーム)で詰まったから仕掛けようと。あそこで見ていつも失敗しているし、あそこからだったら小倉(竜二)さんと2人でワンツーが決まると思ったけど、甘くなかったですね。もう少しスピードが良ければ決まったのかなと。道中で脚を使う展開できつかったですね。いつもお世話になっている小倉さんが付いてるんで、今日はしっかり仕掛けようと思って走ったけど。久しぶりに(特別競輪の)決勝に乗れたのはうれしいし、モヤモヤしてた気持ちが吹っ切れた感じです」 3着は中村浩士。新田と連係が乱れたが、稲垣の後ろに続いて決勝行き。 「あそこ(打鐘前)でしっかり行って、後ろから来なければって展開だったけど、新田君が出た瞬間にすかさず三谷君が来たので。流してしまったのもあったんで、(新田は)あそこで粘ったのかなと。僕は前の様子を見ながらって感じで。肘の掛け合いになって、誰が誰だか分からなかったけど、最後まで踏み切った結果、3着に入れたのかと。新田君が頑張ってくれた結果、自分が決勝に乗れました。感謝します」 三谷竜生は予想外の展開に泣く。 「新田さんがなかなか引かなかったし、まさか粘るとは思わなかった。後ろが併走になって駆け方が難しかったし、苦しくなって内を空けてしまいました」 山田英明は予定通りに組み立てが、最後に中村に弾かれ4着に終わる。 「新田君は突っ張ると思ったから、あの位置取りでした。惜しい感じではなく、ほとんど脚が残ってなかったです」 |
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武田豊樹選手 |
後ろ攻めから先に切った深谷知広を吉田拓矢が制して赤板で前に出る。稲川翔が3番手に追い上げ、5番手まで下げた深谷は打鐘過ぎの3コーナーから巻き返す。激しいもがき合いは吉田に軍配。前団の混戦を河端朋之が後方からまくり上げるも、武田豊樹(写真)が好ブロックで仕留める。返す刀で直線鋭く追い込み、激戦を制した。 「吉田君が強かったですね。玉野記念からシリーズを通して逃げる姿勢を見せていましたから。番手としての役割りというのが大きいですよね。後ろにいた稲川(翔)君は自分よりもはるかに先を行ってますから。技術では敵わないけど、気持ちで負けないようにと思って。今日は2車でしたし、難しかったですけど、3車ならまた違ったと思う」 稲川翔は勝負どころできっちり3番手を確保。その後ろから東口善朋が直線で中を割って2着に。 「自分だけの力では勝ち上がれませんから。(稲川)翔君が位置を取ってくれたからこそ自分がありますから。今節は気持ちが入っているので。車も伸びてくれていると思います」 稲川翔は巧みなレース運びで3着を確保した。 「深谷君は自分の横では勝負しないと思ってました。あの位置は取れたけど、3コーナーでパニックになりそうでした。必死でしたね。冷静じゃなかった。最後も車が進まなくて焦ったけど良かったです」 河端朋之は武田の強烈なブロックで不発に終わった。 「競技のケイリンと競輪の違いですね。ブロックで前輪がはねられました。このクラスに入ると、もうひとつ上の持久力をつけないといけない。力負けです」 |
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平原康多選手 |
最終レースは根田空史が赤板前から先制。この3番手を平原康多(写真)と岩津裕介で取り合う。打鐘前で竹内雄作が後方から巻き返すと、根田もペースアップ。ジワジワと前団に迫る竹内を郡司が大きく外に振ったが、それでも止まらないと判断してバック前から番手まくりを敢行。岩津をどかして南関勢を追っていた平原が直線で一気に追い込んだ。 「前の方にいないと勝負にならないと思ってました。あの位置を取って脚はいっぱいでした。岩津さんと同じ位置を狙うのはしょうがない。ちょっと申しわけなかったですけど。2コーナーで仕掛けたかったけど、竹内君とかぶってしまって行けなかった。郡司君が行ってくれたので恵まれました。今日は厳しいレースになると思っていたんですが、何とかしのげました。決勝は自分が先頭でラインで決められるように頑張ります」 木暮安由が武田にきっちり続いて2着。人気の関東コンビで連を独占した。 「岩津さんが平原さんの位置を取りに行って、自分のところに来たときにちゃんと反応できました。あとは平原さんに任せて付いていくだけでした。車の伸びはいいので手応えはあります」 番手まくりの郡司浩平は3着。昨年6月名古屋の高松宮記念杯以来となる2度目のビッグ優出を決めた。 「根田さんに付いてて、けっこう脚はいっぱいでした。あれだけ長い距離を踏んでもらって、竹内君に行かれてしまったら無駄になってしまう。気持ちに応えるために踏ませてもらいました。とにかく脚がいっぱい過ぎたし、後ろの関東ラインに抜かれるのは仕方ないですね。なんとか決勝に乗れて良かったです」 根田空史はライン2車でも強豪相手に迷わず主導権を握った。 「もうちょっと引きつけて駆けられれば良かったんですけどね。中団がもつれて、竹内さんも早めに来たので、踏むしかなかった。感じは悪くなかったし、力は出し切れました」 |
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梶田舞選手 |
最終日の9レースに「ガールズケイリンコレクション2017高松ステージ」が争われる。人気の中心はグランプリ女王の梶田舞(写真)だろう。前回広島の初日にガールズの連勝記録を更新。2日目も勝って連勝を24まで伸ばしたが、決勝で小林優香に敗れた。 「歴史に残る選手になれたことは良かったです。負けるまでは練習とか変えたくなかったんですけど、広島で負けて新しい練習を始めました。まだ始めたばかりなんで、成果が出るか分からないですけど。前回の決勝のことは周りの人からけっこう言われたし、かなり注目されていたみたいですね。連勝が止まって気持ち的にはスッキリしました。体調は大丈夫です」 高木真備は1月防府から4連覇を達成。初心に返って積極策を貫いている。 「去年は負けるのが怖いと思った時期もあったんですが、それを乗り越えてやっぱり自分のレースをして勝たないと意味がないと思って初心に返ると決めました。それから成績もいいし、いい感じで迎えられたと思います。7番車だと思っていたので、2番車で良かったです。奥井(迪)さんは同期で仲もいいんですが、倒したいですね」 ガールズの先行日本一、奥井迪は迷いなく攻めて今度こそタイトル奪取だ。 「前回は佐世保のミッドナイトだったので、終わってから体調を戻すことに専念してきました。だからここに向けて、そんなに準備はできてないですね。7番車で後ろになってしまうと脚を使うから、初手でなるべく前の方にいきたいですね。ブレずに先行で勝負します」 児玉碧衣はここ3場所、優勝を逃しているが、相変わらずのスピードを披露している。 「グランプリで本当に悔しい思いをしたので、気持ちを入れて、意識も変えました。最近は結果が出ていないんですが、レースで長い距離を踏んで、脚をつけようと思ってやってます。練習もできているし、脚の状態もいいので、早く走りたいですね。今回は久留米の選手が1人もいないし、同期もいなくて心細いんですが、しっかり頑張ります」 |
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