『第3回ウィナーズカップ(GII)レポート』 前検日編

配信日:3月20日

 大垣競輪場を舞台に「第3回ウィナーズカップ(GII)」が、3月21日に熱戦の幕を開ける。車券に最も貢献している1着回数上位選手に出場権利が与えられるビッグ開催も、これで3回目を迎える。世界選などのナショナルチームでの活動もあり、ここが今年の初戦になる脇本雄太をはじめ、S級S班の8人が出場する豪華メンバーだ。迫力のスピードバトルは、初日から目が離せない。好天に恵まれた20日の前検日には、バンクで感触を確かめる選手も多く、初日からの激戦に備えて入念に調整を行っていた。
 本場では開催中の毎日、有料入場者先着500人に「大垣市制100周年銘菓」をプレゼント、また、有料入場者先着500人にオリジナルクオカードなどが抽選で当たるラッキーカード(22日のみスピードくじ)を配布。4日間総額100万円!「未確定車券抽選会」(賞品がなくなり次第終了)、総額100万円!「現金つかみ取り」(賞品がなくなり次第終了)、選手会岐阜ブースによるオリジナルグッズの販売、「岐阜 濃know姫隊」のライブステージなどが行われます。さらに21日の初日には、加藤慎平氏の引退セレモニー、選手会岐阜支部シンガーソングユニット「ハーゲンダッツ」のステージなども予定されています。大垣競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

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南潤選手
南潤選手
 昨年4月、デビュー最速GIII優勝を飾ってからVが遠ざかっていた南潤(写真)は、前回の宇都宮FIを211着。およそ10カ月ぶりの優勝で弾みをつけて、オープニングに臨む。
 「1レースの1番車っていうのは、あんまり気にしないですね。あとは東口(善朋)さんと畑段(嵐士)さんと3車になるんで、しっかり(ラインで)決めたい。(4日間の最初のレースで)先が長いんで、しっかり勝ち上がりたい。3車で出てしまって、ペースで駆けられたらいいですね。でも、東口さんとやる時は、だいたい東口さんが1着なんですよ(笑)。(前回はギアを)3.92に落としたんですけど、93の方が練習でも重いというより踏みごたえがあるんで、初日は93にしようと思います」
 FIを3連続優勝した松川高大だったが、続く佐世保FIを751着、別府FIを416着。
 「(FIを)3連覇したあとギックリ腰をやってしまった。でも、もう腰も良くなって、いまは(その時と比べても)調子も落ちてはない。(3連続Vの時は)距離に関係なく動けていたんで調子がいい証拠だと思う。南君が強いんで、その辺をしっかり考えていきたい」

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渡部哲男選手
渡部哲男選手
 09年以来の記念優勝を前回の地元、松山で遂げた渡部哲男(写真)は、中9日での今シリーズ。状態は平行線のようで、それなら十分に勝負になりそうだ。
 「(地元での)気疲れもあったし、疲れを抜いてのここなんで上積みはない。(松山の決勝は)太田(竜馬)があんなにやってくれる気持ちがうれしかった。(時間が)早いレースは意外でした。あとは(佐々木豪が)位置取りもやってくれるし、うまくなんとかしたいですね」
 蒔田英彦は、デビュー11年にしてビッグ初出場。
 「12年目で初ビッグっていうのは、喜びよりも不安の方が…。ただ、(先行で)やってきたことが実を結んだっていう思いもあるし、まだまだ終わるつもりはない。これからも成長していくつもりです」

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原田研太朗選手
原田研太朗選手
 原田研太朗(写真)は前回の平FIこそ614着で1勝止まりも、前々回の静岡、3場所前の奈良と記念で5勝の固め打ち。
 「(奈良、静岡と)初日は予選でいい意味で緊張感をもって走れている。成績もまとまってきてる。練習もできたし、暖かくなって体も動く。(初日のメンバーで)ほぼ8番手と思われてるんで、少しでも前にいけるように」
 前回の松山記念で投入した新フレームを引き続き大垣に持ち込んできた和田圭は、いつも通りのリラックスムード。
 「フレームは前回の感じで良かったかなっていうのもあったんでね。あとは脚、脚ですよ(笑)。自分なりに練習はやってきたし、体調もいつも通り変わりない。あとはチャンスが来た時に、しっかりと獲れるようにしたい」

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竹内翼選手
竹内翼選手
 昨年のウィナーズカップからちょうど1年ぶりのビッグ出場になる竹内翼(写真)が好ムード。
 「やっぱり(レースで)周りが見えるようになってきたのが大きいですね。余裕が出てきた。ここもチャンスがあると思うし、(仕掛けどころを)逃さないようにしたい。去年(のウィナーズカップ)も柏野(智典)さんと一緒だった。その時はダメだったんで、今回はしっかり結果を出したい。ここに向けて練習を積み上げてきた。長い距離もスピード練習もやってきて、自信はありますね」
 前回の地元、玉野記念を1122着で準Vだった柏野智典は、そこから2週間以上空いたゆとりのローテ。
 「(玉野記念が終って)ちょっと1回休みました。それから1週間くらい、しっかりやってきました。竹内君は出し惜しみしない頼もしい選手になった。初日でうまいこといけば、(流れに乗って)いけると思います」

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横山尚則選手
横山尚則選手
 横山尚則(写真)は、前回の松山記念3641着の成績以上に反応の良さが目を引いた。
 「松山は近況のなかでは動けた方かなっていうのがある。ただ、先行で残っていかないと。そのためにトレーニングをやっている、今回もそういうことをふまえてやってきた。(初日は)このメンバーだと展開が早くなりそうだし、(仕掛けどころを)逃さないように」
 佐藤慎太郎は前回の平FIを3連勝の完全V。地元での責務を果たした。
 「平でも3日間一緒だったんで、これで(小松崎)大地とは4走続けて一緒ですね。相性はバッチリです。(平の)決勝も外を踏んで伸びたんで、状態はいいです」

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山口富生選手
山口富生選手
 02年に高松宮記念杯を制している山口富生(写真)は、49歳を迎えてホームバンクのビッグの舞台に立つ。
 「2、3年前に調子がむちゃくちゃ悪くて、その時はこのまま終わってしまうのかっていうのもあった。そこから練習をし直して、トレーニング内容とかの変化にも対応していこうっていうのがあった。年齢的にも(ホームでのビッグは)これが最後かもしれないんで、集中していきます」
 今期は2月の全日本選抜から始動した菅田壱道は、今シリーズが4場所目。
 「(全日本選抜の)落車のダメージはないし、ここ2場所はそこそこ体が動いている。タイム的にも出ているんで、底上げができてるかなと。今回は新車です。初日は細切れでチャンスがありますね」

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古性優作選手
古性優作選手
 今年すでに2V、前々回の静岡記念を制した古性優作(写真)が、前回の高松FIの212着を振り返る。
 「(高松は)ちょっといいレースができなかった。気持ちの問題ですかね…。勝負どころを逃さないように、しっかり仕掛けないと。それが次につながっていくと思うんで」
 島川将貴は、昨年のウィナーズカップ出場に次いで2度目のビッグ。
 「この前のウィナーズカップは3日間で帰ってしまったんで、今回は。緊張感とかもないし、普段と変わらない。あとは思い切って仕掛けられるように」

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木暮安由選手
木暮安由選手
 それぞれが前回、完全Vの吉田拓矢と木暮安由(写真)のコンビ。前々回の当所FIでは843着と精彩を欠いた木暮が、当所での巻き返しを誓う。
 「この前の大垣はいろいろやったりしてたのが、かみ合わなかった。それで(大垣のあとに)フレームとかを戻しました。もうそれも落ち着いたんで、なにもいじることはない。調整もバッチリだし、疲れはありません」
 中四国地区の門田凌と別線を選択した工藤文彦は、単騎で一次予選クリアを目論む。
 「そんな勝負できるレベルにもなってないけど、(ビッグ開催は)自分を試せるいいチャンス。なかなかこういう機会はですから。(前回の地元の玉野記念から)1回気持ちのリセットしてからやってきた。ちょっと抜きすぎた感じもあるけど。あとはひとつでも上のレースで戦えるように、ワンチャンスを狙っていきます」

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太田竜馬選手
太田竜馬選手
 全日本選抜は準決で敗退した太田竜馬(写真)。しかしながら、続く3月玉野記念、松山記念を連続優出など、持ち前の機動力がパワーアップしている。
 「去年の夏くらいからウエートトレーニングを(本格的に)始めました。爆発力を意識してやっています。タイムは変わらないけど、スピードとかが前と全然違いますね。でも、まだまだ完成体じゃないので、もっと突き詰めていきたいです。今後はチーム四国でやっていこうと思っています。自発的にこういうことをやらないと気合いが入らない。そういう意味では、先頭で走る責任はある。おこがましいですけど、自分が引っ張っていければ」
 小倉竜二は全日本選抜で、11年の高松宮記念杯以来のGI優出。さらに、続く奈良記念も決勝に進出と乗れている。
 「(奈良記念の決勝で失格して)今後は真っすぐ走ります。クリーンな走りを心掛けて。(GIを優出したが)自分は前次第。でも、付いていけばチャンスはある。今回の初日もしっかり付いていきます」

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清水裕友選手
清水裕友選手
 初のS級S班となった清水裕友(写真)は、今年初場所の立川記念をいきなり制覇。しかし、全日本選抜で落車し、当所が復帰戦となる。
 「落車の怪我は、左鎖骨の骨折です。いつか(鎖骨骨折は)やることですし、やっと競輪選手になれました。10日間入院しましたけど、ここまでに2週間は練習ができました。ただ、左鎖骨の骨折が初めてですし、どこまでレースで成果が出るかは走ってみないと。落車で新車が壊れてしまったので、今回はこれまでに乗っていた自転車を持ってきました。昨年末のグランプリ、今年の立川記念で使ったフレームです」
 その清水と連係するのは松浦悠士。全日本選抜で初のGI優出など、今年は動きが際立っている。
 「とくになにも変えていないです。やってきた成果が出ていますね。(S班の清水との連係は)自分もしっかり上がってこれたのが大きい。去年の1年間は成長できたと自分でも感じますね。前までは、こういう選手になりたいと思ってやっていたけど、いまは目標にされるような選手になろうと思って走っています」
 新山響平は、2月奈良記念で準Vを果たすと、前回の別府FIで今年初V。いい流れで当所を迎えた。
 「別府は9番手からまくって優勝できたけど、展開が向いただけです。でも、ちょっとずつ上がってきましたね。(以前はレース間隔が詰まって練習ができなかったが)いまは練習もしっかりやれています。初日は積極的に。緩んだところがあれば、すかさず行きます」

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浅井康太選手
浅井康太選手
 GP覇者の三谷竜生は全日本選抜での落車負傷で、当所が約1カ月ぶりの実戦。状態が気になるところ。
 「怪我は左肩鎖関節を脱臼しまして。手術をして、いまにいたります。もう痛みはだいぶないので大丈夫です。練習も思ったよりできましたし、走れるかなっていう感触できました。自転車にしっかり乗り始めたのは10日間くらいですね。レース勘は大丈夫だと思います」
 対する浅井康太(写真)も、全日本選抜、3月松山記念と落車が続く近況。ここで流れを変えたいところ。
 「松山で落車して肺挫傷を2カ所と、左の脛の擦過傷が結構深くて、歩くのが困難でしたね。でも、練習を休んだのは落車した2日後の1日と、休養を取った(当所前検日の)2、3日前くらいなので、練習面に不安はないです。ここに向けて1日でも練習に復帰することが結果につながるので、早く戻れて良かったです。常に次に向けて準備をしていますし、それがグランプリや1、2年後の結果につながる。今回はグランプリを2回獲ったフレームで走ります」
 中川誠一郎は、全日本選抜で2度目となるタイトルを奪取。誰よりも早く年末のグランプリ出場権を手にした。
 「(単騎で仕掛けた)全日本選抜の決勝は最後までもつと思わなかったですね。周りの半分くらいには、吉澤(純平)が勝つと思ったと言われました。(グランプリ出場権を手にしたが)あまり普段とは変わらないと思う。でも、前回の(16年静岡)ダービーを獲った時とは違いますね。あの時は(リオ)オリンピックもあったので」

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脇本雄太選手
脇本雄太選手
 脇本雄太(写真)は昨年のGIで2Vを含め、5大会連続で確定板入り。ここが今年初出走だけに、大いに注目を集める。
 「(ナショナルチームは)オフに入りました。ここまでは(ナショナルチームのトラック短距離のヘッドコーチ)ブノワに世界選手権が終わったら自転車に乗るなと言われたので、まったく練習をしていないです。日本にいると自転車に乗ってしまうので、オーストラリアに行っていました。今回は、このあとのダービーに向けてですね。この1本を走らないと、(ダービーが)見えてこない。今回でなにかつかみたいですね」
 村上博幸は、脇本との連係に集中力を研ぎ澄ませる。
 「脇本の後ろは、僕のなかでトレーニングの成果を試せる位置。向こうは世界で戦ってますし、いまのナショナルの強さはみんな感じている。(自分は)当たって砕けろのチャレンジャー精神ですよ」
 郡司浩平は初代ウィナーズカップの覇者。初戦は相性のいい近藤隆司との連係で対抗する。
 「初日は(近藤の)番手で頑張ります。その時、その時のメンバーで前後を変えているし、今後もそういういい関係でいられたら。番手は少しずつ慣れてきましたけど。3番手のことも考えて走らないといけないので、まだまだですね。(一昨年ウィナーズカップの覇者だが)今回は今回でしっかり走って、その名に恥じないように。獲ったのがまぐれと言われないように、獲らないといけない。まずは決勝に勝ち上がることを考えて」