『第35回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)レポート』 前検日編

配信日:2月7日

 20年のGIが豊橋から始まる。第35回読売新聞社杯「全日本選抜競輪(GI)」が、豊橋競輪場で2月8日に熱戦の火ぶたが切って落とされる。今年最初のGIに、昨年のグランプリ覇者で最優秀選手にも選出された佐藤慎太郎や平原康多、松浦悠士らS級S班の7人をはじめ、豪華なメンバーが集まった。今年すでに記念を2Vの松浦が、昨年の競輪祭に続き年をまたいでGI連覇を飾るのかにも視線が注がれる。比較的穏やかなバンクコンディションだった前検日の7日は、多くの選手がバンクで汗を流して感触を確かめた。
 本場では開催中の毎日、500人様に先着サービス(初日はオリジナルタオルと場内食事補助券)、競輪VR体験ブース、選手会ブース、予想会、餃子フェスタ、未確定車券抽選会などが行われます。また、8日の初日には「ミキ」のよしもと爆笑ライブ、「元SKEの松村香織&加藤慎平」によるトーク&予想会、豊橋ガールズコレクション(模擬レース)なども予定されています。豊橋競輪場では、様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

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黒沢征治選手
黒沢征治選手
 昨年9月の共同通信社杯でビッグデビューを果たした黒沢征治(写真)が、今度は全日本選抜でGIデビュー。ビッグ初勝利をかけて、オープニングに登場する。
 「(豊橋はバンクが重いけど)重いのは得意なんで、(ホームバンクの)大宮も重たいですから。(初めてのGIは)ワクワクしますね。(1レースの1番車は)どこに入ってもみんな強いから一緒ですね。あとはラインで決められるように」
 今年4場所を走り終えてまだ白星のない中村浩士だが、悲観することなくこう口を開く。
 「結果が悪いですけど、調子自体は変わってない。ここ最近も(前々回の)小倉の最終日と(前回の静岡の)最終日、失敗したかなっていうのはそこくらい。数字は悪いけど、いつもの気持ちで走っている」

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小松崎大地選手
小松崎大地選手
 近況FIシリーズが続いていた小松崎大地(写真)は、今年最初のグレードレースがGIの全日本選抜。
 「(最近は)自分がなりたいっていうスタイルの理想とかけ離れたレースをしちゃっている。(だから調子が)いいか悪いかって言ったら、悪いですよね。いろんな条件がからみあって、弱気になってたところがある。それを言い訳にして、(レース後に)後悔していた。だから、それをなくせるようにと思って(練習を)やってきた」
 繰り上がりで出場を決めた竹内雄作は、前回の高松記念から中4日で今シリーズを迎える。
 「(出場するのが)ちょっと無理かなっていうのもあって、ウエートトレーニングを追い込み気味にやってた。それが微妙な感じですね。前回はいろいろやってみて、良かったところと課題が見つかったところと両方です」

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内藤秀久選手
内藤秀久選手
 内藤秀久(写真)は、前回の高松記念を3連対と動きは悪くなかった。
 「調子は継続して悪くない。(最近は)点数を下げたけど、自分ではそれ以上のモノを持っていると思っている。この年でもまだまだ成長しているし、タテ脚を磨くこともやっている。どこかでそれが出てくれれば」
 前回の防府FIを743着の松川高大だが、巻き返しは十分だろう。
 「前回は追加配分だったんで、ここに向けてキツめに(練習を)やっていたのもあってダメだった。今回は調整ができたんで、上積みはかなりあると思います」

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新山響平選手
新山響平選手
 このメンバーでは最終バックの数で断トツの新山響平(写真)が、有利にレースを進められそうだ。
 「(自分以外に)積極先行タイプはいないと思う。だから、隙をつくらないとように仕掛けたい。(競輪の配分をコンスタントにこなして)モチベーションは高い状態を維持しているけど、練習時間が取れなくてキツくなる面もある。あとは(ナショナルチームのトレーニングで)ダッシュがついた分、もうちょっとペースを考えないとっていうのがある」
 前々回の大宮記念から自転車を換えた小川真太郎は、前検日のセッティング調整に余念がない。
 「自転車(フレーム)を大きくしたんで、“のんびり”するかなっていうのがある。そうならないようにしたいんですけど…。後半の伸びが欲しかった。でも、自転車を換えてやるもんじゃないかなと。自分で練習をしないと」

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植原琢也選手
植原琢也選手
 108人の出場選手の中で最後に繰り上がった植原琢也(写真)は、初めてのGIにも浮かれることなく気を引き締める。
 「(繰り上がったのが別の選手の)負傷欠場なんで喜べないです。それに正規で呼ばれたわけじゃないですから。今年に入ってからずっと調子が上がってこなかったんで、少し前の練習に戻してみた。自分は108番目なんで、失うものはないので頑張りたい」
 原田研太朗は、地元の小松島を含めて今年のFIシリーズをすでに2回優勝。すでに8勝の固め打ちだ。
 「自分は冬場が得意なんで安定して走れていると思います。仕掛けを迷ってしまうと、(自転車の)出が悪くなるんで、多少(踏む距離が)長くてもいっている。それで結果が出ている」

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松本貴治選手
松本貴治選手
 前回の高松記念では先行策で3連対。昨年のヤンググランプリを制した松本貴治(写真)は、内容がともなった走りで結果を残した。
 「感覚的に逃げていても、楽に逃げられている感じがある。気持ち的に楽に走れているのが大きい。それで自分の力を出せるようになっている。中4日でも大丈夫です」
 前々回の名古屋FIでは初日に落車に見舞われた不破将登だが、前回の高松記念では4242着とまとめ上々の動きを見せた。
 「(名古屋での)怪我自体は大丈夫だけど、コケすぎてリズムなのか、バランスが悪くなってた。(その前から)ずっと良くなかったけど、前回はようやく攻めるレースができた。自分らしいレースができた。やっぱり攻めるレースをしていかないと。良かったころは、それができていた」

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岩本俊介選手
岩本俊介選手
 無傷の3連勝で優出した前々回の大宮記念からすると、前回の高松記念は物足りなかった岩本俊介(写真)が振り返る。
 「前回は自分が思ってたよりも疲れが残っていて、結果的には体が動かなかった。連日、人気にもなってたんで、申し訳ないですね。(高松が)終わってからは、(中村)浩士さんと練習をして変に抜きすぎないようにした」
 北日本ラインの先頭を務める坂本貴史は、前回の平記念でも2勝をマークしている。
 「すごくいい練習ができているし、あとは自信をもって仕掛けられれば。平の2日目も押さえて駆けて、いいタイム(で1着)だったんで自信になった」

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吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 地元の愛知所属の選手はわずかに2人。長年、中部地区をけん引してきた金子貴志と吉田敏洋(写真)が、初日の一次予選からセットになった。吉田は力を込める。
 「昔は特別競輪(GI)っていったら、愛知の選手は10人以上いた。それが2人だし、さみしいですね。現有の戦力でやるしかない。自分もここに向けて準備をしてきたし、それ以上にここ1、2年ここに向けてやってきた金子さんと一緒っていうのはうれしいし、プラスしかない」
 金子貴志は気心の知れた吉田とのタッグで、ホームバンクのGIをスタートする。
 「プレッシャーというよりは楽しみたい。いい緊張感があるし、頑張りたい。(豊橋は)いつも風が強いんですけど、(前検日の日は)なかったんで、このままいってくれればいいんですけどね」

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松井宏佑選手
松井宏佑選手
 昨年11月の競輪祭では3勝を挙げた松井宏佑(写真)に、かかる期待は大きい。
 「(全日本選抜は)大きい試合なんで、決勝を目指していきたい。自分のレースができれば、チャンスはなくもないと思います。(競技の)ワールドカップが終わってからは、しっかりと休ませてもらった。(今年は)競技の方でも常に表彰台に上がれるように、競輪ではGIでも常に結果を出せるようにと思っている」
 前回の和歌山FIを3連勝の完全V。乗れている松岡健介が、近畿ラインをリードする。
 「毎年、年の初めが良くないけど、今年はいい感じです。番手だったり、自力だったり、いろんなパターンで勝てるようになっている」

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清水裕友選手
清水裕友選手
 前回の平記念では決勝進出を逃した清水裕友(写真)だが、年頭は立川記念を連覇しているだけに心配はいらないだろう。
 「今回は新車ですね。なにかを変えたわけじゃないけど、(前のが)ヘタってきた感じがしたんで。練習での感じは良かったけど、重い感じがした。(豊橋は風が強いが)風は好きじゃない。でも、立川も前回の平も重馬場で走ってるんで大丈夫だと思います」
 昨年、別府での全日本選抜は準決で過失走行による失格を喫した浅井康太は、2場所連続での落車に見舞われ、状態面はどうか。
 「(平記念の落車の怪我は)打撲と擦過傷程度だったので、鎖骨よりマシかなって感じです。(昨年の全日本選抜は落車失格しているが)去年のことを忘れてはダメだと思うんですけど、謝罪している姿は見せられたと思う。だから、今度は結果で見せたいとは思っています」

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松浦悠士選手
松浦悠士選手
 昨年11月の競輪祭で初戴冠を遂げた松浦悠士(写真)は、年明けの和歌山、高松と記念を連覇。競輪祭からのGI連続優勝に、視界は良好だ。
 「前回の決勝は自分が思っているよりも車が出ました。ただ、それがなんでだかわかってない。だから、自分の感覚とのギャップを埋めていかないと。(周りも)前回を見ているんで、かなり警戒されていると思う。それでも勝てるように」
 新年の立川記念の準決で落車した郡司浩平は、鎖骨骨折の怪我から今シリーズで復帰する。
 「問題ないですね、練習でも怪我する前くらいにしっかりとできている。折れたところが、前と同じところだったから早かったのかもしれない。走るからには自力で出し切りたい」

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平原康多選手
平原康多選手
 平原康多(写真)は、前回の大宮記念で久々の優勝を飾り、そこから中18日。ゆとりのローテで20年のGI第一弾を迎える。
 「(昨年はいろいろ試行錯誤をして)課題も多かったし、うまくいかないことがストレスになった。でも、そこを乗り越えて結果につなげていかないと。いつも上を目指しているし、さらに上をっていう気持ちでいる。今回はシューズを新しくしたんで、それが楽しみです」
 あっ旋停止でおよそ4カ月ぶりの実戦となる山崎賢人は、その間にナショナルチームにも所属。新たなステージに挑む。
 「(12月からナショナルチームに入って)いままでと環境も違いますし、一緒に練習しているメンバーも違うので、いい練習になっていると思います。もともと興味もあったんで、刺激になりますね。(久々のレースなので)ちょっと走ってみないと、(レース勘の方は)まだ全然わからない」