『第36回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)レポート』 前検日編

配信日:2月19日

 55年の時を経て―。川崎競輪場で第36回読売新聞社杯「全日本選抜競輪(GI)」が、2月20日から始まる。グランプリ一番乗りをかけた今年最初のGIは、55年ぶりにGIの舞台となる川崎で熱戦が展開される。S級S班の7人をはじめ、豪華メンバーによる4日間シリーズは目が離せない。雲一つない空の下、前検日の19日は、バンクで感触を確かめる選手も多く、各々が翌日からの激戦に備えて入念な調整を行った。
 川崎競輪場では緊急事態宣言の期間延長を踏まえ、無観客での開催となりますので、ご理解をお願いいたします。テレビ、インターネット中継などでの観戦をお楽しみください。

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寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 全日本選抜は初出場。昨年デビューのルーキー、寺崎浩平(写真)が、通算3度目のGI出場で初の決勝進出にチャレンジする。
 「(最近は)正直、あまり感覚が良くない。冬場が苦手なんで。今回は気温も高そう。しっかり練習をしてきたので、ここで弾みをつけたい。練習はできているし、感触も良かった。(GIの)決勝にはいけてないので決勝に乗りたい」
 前々回の松山FIで昨年5月以来となる優勝を遂げた桑原大志は、前回の小倉FIを531着。一次予選は河端朋之とタッグを組む。
 「(前回は)ここを見据えて部品交換とか、いろいろやりたいことをやった。でも、それがダメで裏目に出た。(今回は)もう1回自分にチャンスをあげようと思って、そのやりたいことを信じてやってみようと」

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高橋晋也選手
高橋晋也選手
 昨年のヤンググランプリでは悔しい思いをした高橋晋也(写真)は、前回の高松記念を7193着。そこから中10日以上空いて、コンディションはどうか。
 「(前回は)ちょっと疲れが残ってて感触が良くなかった。でも、収穫はありました。高松が終わってからは、少し休んでから(渡邉)一成さんと一緒に練習をしてきました」
 柏野智典は1月の奈良FIの準決で落車に見舞われたが、その後も成績をまとめている。
 「感触が良かったんですけど、ずっとかみ合わなかったかなと。(前回が終わってからは)風が強かったり、寒かったり条件が悪かったけど、上手に過ごせた。(取鳥雄吾は)自信ありそうな感じだったんで、(自分は)楽しみにしてます」

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渡邉一成選手
渡邉一成選手
 今期の4場所はすべて優出。3場所前の小田原FI、前回の奈良FIでは優勝を飾っている渡邉一成(写真)は、2週間以上空いたゆとりのローテーション。
 「奈良は状態からすると思ったより成績が良かった。そこから久しぶりに2週間も空いたんで、疲れすぎないようにトレーニングをしてきた。(今年の目標は)もちろんGIを優勝して、グランプリを目指す。それだけです」
 今期一発目の平FIで3連勝の完全Vの和田圭は、その後もコンスタントに勝ち星を積み重ねている。
 「(前回が終わってから)前半はキツめにやって、後半は調整しようと思ってたら天気も悪くなったり、地震もあったりして…。(調子は)悪くないと思います。川崎はA級の時から何回か走ってますけど、外のコースが伸びるし、自分にもチャンスはあるかと」

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山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 07、08年の記念連覇を含めて川崎では抜群の実績を誇る山崎芳仁(写真)は、一次予選で3車の北日本勢の先頭を務める。
 「(前回は)踏んだ感じは悪くなかった。行けるところでしっかりと仕掛けられていると思います。そこからも疲れを取りながら普段通りにやってきた。ここは直線も長いし相性もいい」
 今期は地元の4日制、静岡FIを皮切りに豊橋記念を含めて4場所連続で決勝に乗っている岡村潤は、同県の渡邉雄太の番手で一次予選を迎える。
 「感触はずっといいんで変わらずですね。体と自転車がマッチしている。(前回のあとも)ウエイトトレーニングをメインに結構やりたい練習ができたんで良かった」

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宿口陽一選手
宿口陽一選手
 宿口陽一(写真)は、二次予選、準決を連勝で決勝に勝ち上がった奈良記念から中4日。
 「奈良はすごいいい緊張感のなかで走れて、いい経験になった。そのあとは次の日は休んで、あとの2日間は平原(康多)さんと練習をやってきました」
 前回の奈良記念2日目に落車に見舞われた志智俊夫は、GIで新車を投入するつもりのようだ。
 「軽傷だったので落車の影響はないですね。今年2回落車があったんで、自転車を新しいものにしようかと。練習での感触は大丈夫です」

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和田真久留選手
和田真久留選手
 前回の小倉FIを213着で好感触を得た和田真久留(写真)が、地元のGIに気持ちを込める。
 「(小倉は)自分の得意なドームだったんで、感覚が良かった。めったにない地元のGIなので、より一層気持ちが入ってます。休みながらやっていたけど、練習をやりすぎた感じもあるんで、(前検日の)今日は一日ゆっくり休みます」
 島川将貴を称える渡部哲男は、自身も高いレベルで安定しているものの気を引き締める。
 「(島川は)最近ずっとお世話になりっぱなし。もともと強かったんで、強いイメージしかない。自分は川崎が少し久しぶりですし、あんまり回数を走ってないけど。走った中では、1着は多いと思います」

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松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
 昨年12月の広島記念から4場所連続で優出している松谷秀幸(写真)は、ホームでのGIに照準を絞ってきた。
 「川崎でのGIなので、ここに向けてしっかりとやってきた。練習もしっかりとできたので、いい状態で入れました。あとはレースに臨むだけです」
 前回の地元、小倉FIを217着。北津留翼は冷静に近況を分析する。
 「相変わらずもろい部分があるけど、走れているかなと。ただ、9車立ては難しい。あとは仕掛けるタイミングがあればいいですね」

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小松崎大地選手
小松崎大地選手
 125着だった前回の立川FIがおよそ1カ月ぶりの実戦だった小松崎大地(写真)は、こう振り返る。
 「(前回は)ちょっと休み明けだったんで、どうかなっていうのがあった。思ったよりも走れたけど、まだまだっていうのもあった。川崎は優勝もあるし、着もいいんで相性がいい」
 その小松崎を連係する成田和也は、GIの調整も慣れたもの。
 「変わらずに悪くないですね。(前回のあとは)天気も良かったので最初の1週間くらいは練習も量を多めにやった。直前は天気が悪かったんで、調整ができた。ここは走りやすいし、特別に悪いってわけじゃない」

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鈴木庸之選手
鈴木庸之選手
 昨年は競輪祭で初のGIファイナルを経験した鈴木庸之(写真)は、前回の取手FIを優勝。今年は昨年以上の活躍が期待される。
 「1回体調が悪くなったけど、そこから練習をしたし大丈夫だと思う。(2月)12日からは山梨で練習をしてました。(前回から3週間以上空いて)自分は(日にちが)空いている方が好きなんでいい。しっかり練習をして、調整したい方なんで」
 前々回の平塚FIで落車、前回の奈良記念では3日目に車体故障と鈴木竜士がリズムに乗り切れない。
 「(前回は)落車の影響はそんなになかったけど、あまり良くなかった。キレの感じが違った。若干、ズレがあった。そこから4日間しかないので、とくにやることもなくゆっくりやってきました」

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松浦悠士選手
松浦悠士選手
 今年最初の和歌山、前回の高松とすでに2回の記念優勝。白星を量産している松浦悠士(写真)が、昨年のオールスターに次いで3度目のタイトル獲得を狙う。
 「優勝が2回できましたし、スタート的には良かったんじゃないかなと思います。全部勝つっていうのはなかなか難しい。ただ、納得できるレースが(1月)松山(記念)はできなかったんで、そこは心残りではある。そういうレースをしてはいけないなっていう風に思っています。(ここの前は10日間空いたが)連戦の疲れがあったんでリラックスして過ごした感じです」
 例によって積極策に迷いのない新山響平は、S級S班の守澤太志とタッグを組む。
 「(前回のあとは)伊豆に戻ってみっちり練習してきました。普段と何も変わりなくできました。(初日は)いつも通り積極的に仕掛けます。GIは相手が強いので、隙を見せないように勝負どころで仕掛けます」

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和田健太郎選手
和田健太郎選手
 前回の奈良記念3日目に落車のアクシデント。途中欠場を余儀なくされたグランプリチャンプの和田健太郎(写真)の状態が気になる。
 「(落車の怪我は)背中の方、肋骨なのかな、痛いですけど。まあヒビとか骨折とかではないんで。なんとか走れるぐらいのところまでは、もってこれたかなと思っている。(川崎はかなり成績がいいが)そうなんですね。バンクの得意不得意はあまり自分の中ではないつもりでいるんですけど、それはうれしい材料ですね」
 松浦に負けず平原康多も今年、立川、大宮と記念を連覇。前回の高松記念では9112着とV逸も3連対を果たした。
 「ちょっと(2月)高松(記念)で試した部分もあったんですけど、いろいろわかったんで大丈夫だと思います。一戦一戦、うまく調整はできました。(初日は)もう何度も(吉田拓矢とは)連係しているんで、何も言うことないです」

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郡司浩平選手
郡司浩平選手
 待ちに待ったホームバンクでのGI。昨年のラストGI、競輪祭でタイトルホルダーの仲間入りをした郡司浩平(写真)にGI連覇の期待がかかる。
 「(地元GIを迎えて)気持ち的には落ち着いてますし、しっかり準備はできたんで、いいレースができると思います。(タイトルホルダーとして)身が引き締まる思いもありますし、しっかり自分が引っ張っていくくらいの気持ちで臨みたいと思います。前回(奈良記念)はちょっと大事を取って休ませてもらったんですけど、そのぶんしっかり準備はできたと思います」
 GI初制覇を遂げた昨年の全日本選抜から1年。清水裕友には大会連覇がかかっている。
 「(今年は立川記念、大宮記念と走ったが)その時の課題をと思って練習はしてきました。(直前の感触は)普通ですかね、とくには…。飛び切りいいってことはなかったですね。(川崎は)初めてですね。まずは指定練習で乗ってみて。(昨年の全日本選抜の覇者だが)もう優勝するという強い気持ちを持って、今回を走りたいと思います」