村上義弘は94年のデビュー以来先行一本で頑張ってきた。何度も何度も試行錯誤をくりかえし、先行に自信を失いかけたときもあったが、徹底先行のスタイルを崩すことはなかった。そして02年の全日本選抜競輪で、8年8カ月にわたる苦闘の道のりがようやく報われた。決勝戦は神山雄一郎―戸邉英雄が前受け、3番手が小野俊之―合志正臣、5番手が市田佳寿浩―渡邉晴智―松永晃典、8番手が村上義弘―渡会宏和で、打鐘から市田が前団を抑えてそのまま先行する。村上が市田ラインを追って4番手を確保、神山は内に詰まって後退。すかさず小野も4番手に追い上げてくるが、間髪を入れずに捲って、村上が小野ラインに切り換える。直線では捲り切った小野と大外を捲り追い込んできた村上のマッチレースとなり、村上がゴール前で捉え悲願のGI初優勝、小野が2着、戸邉が3着だった。
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