レース展望 全日本選抜とは ファンサービス テレビ放送予定 参考データ 優勝者の横顔


レース展望

 今年最後のGI・全日本選抜競輪がいわき平で開催される。地元のエース・山崎芳仁が新生のホームバンクでの初優勝を目指すが、復活なった武田豊樹の初タイトルにも期待がかかり、2人の同期対決が一番の見どころになるだろう。

 
新バンクで地元勢が必勝を期す!
ライン的に不利な伏兵陣も決して侮れない
 
 今年の全日本選抜競輪は10月にリニューアルオープンしたいわき平競輪場で開催される。その真新しいバンクでの初のGI戦となれば、地元・福島勢の気合いの入り方が違うはずだ。
 ここ数年の競輪界では北日本勢が常に機動力の面で1歩も2歩もリードしているが、展開的に有利なラインが必ずしも勝てるとは限らないのが競輪の面白いところ。今年のビッグ戦線でも北日本の優勝者は東王座戦と高松宮記念杯を制した山崎芳仁のひとりだけだし、機動力の面で恵まれているとはいえない九州から3人もの優勝者が出ている。
 
山崎芳仁
山崎芳仁 福島・88期
 今や北日本のエースと呼ぶにふさわしい強さと貫禄を身につけてきた山崎芳仁が優勝候補の筆頭に挙げられるだろうし、グランプリにひとりでも多くの仲間を連れていきたい山崎が連日の積極策に出てきそうだが、今回もライン的に不利な地区の伏兵が真っ先にゴールに飛び込んでくる可能性も決して否定できない。
 
佐藤友和
佐藤友和 岩手・88期
 北日本では佐藤友和が乗りに乗っている。11月のふるさとダービー防府では、3連勝で勝ち上がり、7月のサマーナイトフェスチバルに続きビッグレース2度目の優出を決めた。特に素晴らしかったのが一次予選だ。短走路でメンバー的にも逃げやすい番組だったとはいえ、ゴールまでまったくスピードが衰えない2周先行は見応えがあった。
  決勝戦は経験不足がたたり、格上の武田豊樹に気合い負けして仕掛けられなかったが、その失敗を糧にして、次のビッグレースの決勝戦でも持ち味を発揮できる選手に成長してくれるだろうし、今回の全日本選抜競輪での走りが最も楽しみな選手のひとりだ。
 
 
グランプリ出場を賭けた最終決戦!
積極性の戻った武田豊樹が初タイトルへ突き進む
 
武田豊樹
武田豊樹 茨城・88期
 強い武田豊樹が帰ってきた。ふるさとダービー防府では連日の自信に溢れた積極策で、2日目周防仁王賞では村上義弘と火花散るもがき合いを演じてみせた。決勝戦は同期の佐藤友和との2分戦だったが、残り3周の青板から先頭に立った武田がそのまま先行して7着に沈み、期待されたビッグ初優勝はまたもやお預けとなった。
  だが、先行しての7着は今後につながる意義のある敗北だった。これまでの武田は、9月の取手記念決勝の怒涛の8番手捲りのように、ここ一番という時には捲りがほとんどだった。そのため、せっかく並外れた脚力を持っていても対戦相手への威圧感はいまいちだった。しかし、ビッグレースの決勝戦でも先行がありうると広く知らしめたことで威圧感もぐんと増すし、対戦相手の早駆けを誘うこともできるので、武田の並外れた脚力を存分に発揮してのタイトル奪取が現実のものとなる日も遠くないだろう。
 
手島慶介
手島慶介 群馬・75期
 同様のことはふるさとダービー防府を優勝した手島慶介にもいえる。手島は勝ち上がり戦ではまったく自力を出しておらず、決勝戦でも武田の番手で粘るというのが大方の予想で、佐藤も手島が粘って隊列が短くなったところをカマして一発を狙うつもりだったと思われるが、手島があっさり4番手に引いたために佐藤も仕掛けのタイミングを逸してしまったといえる。それは手島が最初から意図していたものではなく、展開の流れでそうなっただけかもしれないが、結果的には手島の作戦勝ちだったといっていい。
  武田もそうだが、いつもいつも捲りのワンパターンではタイトルは獲れない。捲ると見せて逃げ、粘ると見せて捲るといった戦法の幅が必要だし、そういう意味では今回も手島の活躍が期待できる。
 
岡部芳幸
岡部芳幸 福島・66期
 岡部芳幸が調子は決して悪くないのに一時期低迷してタイトル争いから遠ざかっていたのも、やはり捲り狙いのワンパターンの組み立てが多かったからだろう。しかし、今年に入ってからは、敢えて北日本ラインとは別線勝負を選び、自分の思いどおりの攻めに徹することで成績が再び上がってきた。準優勝に輝いた共同通信社杯で山崎芳仁との別線勝負を選択したのも結果的には正解だった。
  ふるさとダービー防府終了時点で、岡部は獲得賞金額で12位につけており、まさにグランプリ出場の当落線上にいる。となると、今回も北日本ラインを意識せずに、あらゆる手を尽くしてがむしゃらに優出を目指してくるだろう。
 
市田佳寿浩
市田佳寿浩 福井・76期
 市田佳寿浩も11月5日時点で11位につけており、熾烈なグランプリ出場権争いの渦中にいる。7月のサマーナイトフェスティバルを優勝後も、花月園オールスター、共同通信社杯で優出と調子はいい。岡部と同様に、今回もなりふりかまわぬ自在戦での勝ち上がりが大いに期待できる。
 
 
調子上向きの荒井崇博の大捲りが侮れない
合志正臣が死力を尽くしてグランプリ出場を狙う
 
荒井崇博
荒井崇博 佐賀・82期
 荒井崇博が逆転一発の魅力を秘めた大捲りで好調だ。8月の小田原記念での捲り4連発の完全優勝のあとは、花月園オールスターが準決勝敗退、共同通信社杯が二次予選敗退とひと息の状態が続き、ふるさとダービー防府も準決勝で敗れているが、初日、2日目と鋭い捲りの2連発で場内を大いに沸かせた。
  2日目周防仁王賞は武田豊樹と村上義弘の先行争いがあり、展開的に恵まれたところもあるが、踏み出しのスピードも末の粘りも満点に近く、決して恵まれただけの勝ち星ではないし、今年最後のGI競輪に向けて確実に調子が上がってきている。
 
合志正臣
合志正臣 熊本・81期
 合志正臣は11月5日時点の獲得賞金額が6千3百万円で10位につけている。本当に当落線上のギリギリの位置で、7位の加藤慎平とは約6百万ほどの差だが、5位の手島慶介とは2千万近い差がついている。ふるさとダービー防府でもっと賞金を上乗せしておきたかったが、共同通信社杯を優勝直後の京王閣記念で落車に見舞われてリズムを崩し、防府の準決勝では荒井崇博と共倒れで7着に敗れている。
  しかし、合志は今九州で最も乗れている追い込み型だし、最終4角からのコース取りの巧みさや差し脚の鋭さは現時点では輪界一といっても過言ではないほどなので、グランプリ出場を目指しての力走が期待できる。
 
 
 獲得賞金(11月5日現在)
1位
山崎芳仁
94,626,277円
 
11位
市田佳寿浩
60,938,200円
2位
吉岡稔真
88,981,000円
12位
岡部芳幸
59,366,500円
3位
有坂直樹
86,829,111円
13位
海老根恵太
52,495,500円
4位
佐藤慎太郎
85,185,200円
14位
高木隆弘
51,638,400円
5位
手島慶介
82,982,400円
15位
兵藤一也
51,615,000円
6位
小倉竜二
69,975,000円
16位
武田豊樹
47,458,100円
7位
加藤慎平
68,938,500円
17位
平原康多
45,637,400円
8位
井上昌己
65,843,500円
18位
阿部康雄
44,249,800円
9位
後閑信一
63,505,500円
19位
伏見俊昭
44,192,000円
10位
合志正臣
63,077,933円
20位
佐々木龍也
43,930,900円
 
PAGE TOP
 

グランプリ97に続き、山田裕仁がGI競輪初制覇
 90年代後半、吉岡・神山の2強時代にあって、第3の男と目されていたのが山田裕仁だっが、山田はまた「無冠の帝王」というありがたくない称号も得ていた。しかしデビュー10年目の97年にグランプリ優勝、そして98年の全日本選抜競輪でGI競輪初優勝を達成した。
  決勝戦の並びは吉岡稔真−本田晴美、市田佳寿浩−金田健一郎−戸邊英雄、小嶋敬二−山田裕仁−児玉広志−高木隆弘の3分戦。赤板で小嶋が動くと、先に市田ラインが上昇して前に出る。小嶋後位は高木が追い上げて番手に入り、山田は立ち遅れて児玉の後ろ。打鐘から小嶋が逃げ、吉岡も最終ホームから巻き返し、2人のもがき合いが続く。3角で高木が吉岡をブロックして吉岡は失速。すっぼり空いたインを児玉と山田が抜け出し、2人がほぼ同時にゴールに飛び込んだが、タイヤ差で山田が1着、児玉が2着だった。

昨年の全日本選抜決勝ゴール。F加藤慎平が直線抜け出す。
昨年の全日本選抜決勝ゴール。
F加藤慎平が直線抜け出す。


先行有利から追い込み有利へチェンジ
中団で脚をためての直線一気も決まりやすい
 10月にリニューアルオープンしたいわき平競輪場は、周長は400メートルと変わらないが、見なし直線が62・7メートルと従来より10メートル長くなり、最大カントも3254分45秒と約2度ほどきつくなった。走路自体はクセがなくて軽いが、風向きが変わりやすく、従来の先行有利から追い込み有利のバンクとなっている。
  初レースのFI戦・リニューアルオープン杯争奪戦の決まり手を見てみると、全33レースのうち1着は逃げが5回、捲りが11回、差しが17回、2着は逃げが3回、捲りが7回、差しが10回、マークが13回となっている。
  記念すべき初レースのS級戦で優勝したのは岐阜の吉村和之。佐藤友和が最終ホームから先行、その時点で吉村は8番手だったが、中村一将の巻き返しに乗って最終4角では5番手まで上がり、直線一気の強襲で頭に突き抜けている。
  3日目10RのS級特選では白石大輔が先行、三ツ石康洋は最終ホームから早めに巻き返し、バックで捲り切って押し切っている。捲りは早めの仕掛けが必要だが、脚をためての遅めの捲り追い込みも有効だ。

いわき平バンク



バンク内側に観戦スペース
 新競輪場は1階が駐車場、2階が1周400メートルのバンクの2層式。最大の特徴は日本で初めてバンクの内側に設けられた「サイクルコロシアム」と「カーニバルブラザ」と呼ばれる広場。広場はバンクに合わせた円形で、ウッドデッキが敷かれており、そこからレースが観戦できる。地上6階、地下1階のメインスタンドとバンク内の観戦スペースと合わせて約8千人が収容可能。


PAGE TOP