『第23回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)レポート』 前検日編
 
配信日:11月30日


 本年度最後のGI 戦となる・第23回読売新聞社杯全日本選抜競輪が明日12月1日(土)から熊本競輪場で開催される。今回はグランプリ出場を賭けたほぼ最後といえる決戦。有坂直樹、山崎芳仁、小嶋敬二、飯嶋則之らがすでに年末のグランプリへの切符を手にしているが、残りの席は今回の覇者、並びに賞金額順で争われるだけにより白熱した攻防が繰り広げられそうだ。
 尚、本場では連日様々なイベントが行われます。明日は中野浩一・緒方浩一、井上茂徳、吉岡稔真ら各氏によるトーク&予想会、振付師の真島茂樹によるパフォーマンスショー、伊藤克信氏らによる「面白競輪トークショー」などが開催されます。他にも先着1000名様に2008年度競輪カレンダーのプレゼントやハズレ券による抽選会など企画は満載。是非とも熊本競輪場まで足をお運びください。


<1R>
 オープニングレースからは中部コンビをピックアップ。一丸安貴は前回の地元記念では惜しくも決勝2着に敗れた。雪辱を当所で晴らすかが注目されるが、「大丈夫、気持ちは立て直しています。指の怪我も問題ないし、練習はきちんとしてきた。朝早い事だけが問題かな」と穏やかな表情で話す。しっかりと切り替えができている模様だ。
  連係する志智俊夫は「ここに向けてとかではないけど、充実した練習がしっかりできた」と仕上がりに自信を覗かせる。


<2R>
 2レースの金子貴志は前回の11月花月園記念を途中欠場。その後の状態が気になるところ。
  「帰ってからはゆっくり休んで身体のケアに努めた。今は身体全体に疲れは無い。日程も分かっていたし、予定通りの調整ができました」
  池尻浩一は地元地区開催だけあって気合が入っている。
  「ここではよく合宿をしているから走り慣れている。バンクを塗り替えた後も合宿を張ったしね。相性も良いし、見てくれている人も多い。プレッシャーを跳ね除けられるよう頑張ります」。


<3R>
村上博幸選手
村上博幸選手
   3レースに出走する村上博幸(写真)は、共同通信社杯を制してからも引き続き勢いを堅持している。
  「(優勝後)あれから一気に責任感が出てきた。それがレースに現れているのでしょうね。それに稲垣さんの優勝(ふるさと松阪)もあったし、今は京都全体が盛り上がっている。僕自身も順調な仕上りだし、展開も向いてきており十分戦える状態にあります。できる事を何でもやれば結果はついてくると思います」


<4R>
佐々木則幸選手
佐々木則幸選手
   4レースの佐々木則幸(写真)はまくり主体の組み立てで白星を量産中。コンディションはおおむね安定しているが、前回の11月一宮記念の準決勝では惜しくも優参を逃した。
  「一宮では途中から持病の腰痛が出てしまった。最終日が特にきつかったけど、今はまずまず回復している。腰をいたわりながらだったけど、練習もしっかりできた。ここは相性の良いバンクだし、しっかり力を出せればいいですが…」。


<5R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
   5レースには地元の中川誠一郎(写真)が登場。待望の地元GI戦だけに、意気込み十分で検車場に姿を現す。
  「前回の11月平塚Sでは胃腸炎になってしまい3日間かなりきつかったが今は何ともない。ここで全日本が行われると分かった時点で何としても出たいと思っていたわけだから、今回を迎えられて嬉しい。練習に関してはやれることは全てやったつもり。自分のできる事を何でもやってレースを作りたい」と準備は万端だ。
  大塚健一郎も「気持ちは十分入っている。中川にはいつも世話になっているし、必死に付いていくだけ」と中川と同様、気合が入っており、好連係を決めてワン・ツー決着を目指す。


<6R>
 6レースの矢口啓一郎は夏場から配分が詰まっていたが、最近ようやく息を付く時間が取れたようで、充実した練習をこなせていると言う。
  「前回の名古屋Sが終わってから、久々にけっこう配分が空いたんでまとまった時間を練習に充てられた。おかげで今は状態がかなりいい。G戦でやれるだけの脚に仕上がっているので、一次予選を絶対に突破しないといけませんね」


<7R>
松岡貴久選手
松岡貴久選手
   7レースは地元の西川親幸松岡貴久(写真)に人気が集まりそうだ。西川は「松山記念の落車もあったし、大事をとって一本欠場した。ずっとここに向けて頑張ってきたわけだし、見せ場を作らないとね。気持ちは盛り上がっていますよ」と意気盛ん。松岡も「欠場明けに比べてかなりモガけるようになってきた。まだ完全な状態ではないけど全力を出せるように頑張らないと。地元のビッグレースだからといってプレッシャーとかも特に感じません」と頼もしい言葉を口にする。 


<8R>
 8レースの山田裕仁は前回の花月園記念で、優勝した8月松戸記念以来のG戦優参を果たした。最近は調子自体は決して悪くないが、いまひとつ勝ちに恵まれない事が多かった。
  「身体の状態が悪いとは自分では思っていないけど、やはり展開がうまくかみ合わないと勝つのは難しい。今回は良い展開に持っていけるようにレースを組み立てられれば。ここは直線が長いし、本来なら番手か三番手で回るのが一番いいけどそうもいかないしね。良い位置取って勝負します」


<9R>
合志正臣選手
合志正臣選手
   9レースには地元のエース合志正臣(写真)が登場。昨年の覇者であり、今年は地元での開催とあって誰よりも注目を集める。だが今年は、度重なる落車渦に見舞われており精彩を欠いている。
  「ここに向けて万全の状態で臨みたかったけど、前回の京王閣記念(10月)の落車の影響もあって2週間くらいしか自転車に乗れなかった。それでも根詰めた練習はしたつもりだけど、どれだけ戻っているかは…。予選回り? この状態なら仕方がない。でも地元だし気力でカバーして頑張るだけ!」と満身創痍の身体にムチを打ち、地元で魅せるつもりだ。
  11月ふるさと松阪の覇者稲垣裕之は今回、九州勢の先導を務める事となった。
  「九州との連係は良くあるのであまり気にしていません。地元の合志さんを引っ張るわけだし責任を感じています。今回は普段と違って初日が勝負。オーバーワークでややモガキ疲れがあるけど、初日をクリアすれば何とかなると思います」


<10R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
武田豊樹選手
武田豊樹選手
   10レースからは特別選抜競走。レースには、8月小松島記念での落車負傷から復帰した小嶋敬二(写真)が登場。当所前の11月川崎Sで復帰し、実戦感覚を取り戻してからの今開催参戦となった。
  「川崎ではまだ伸びがイマイチだなと思ったけど、実戦の勘や感触、全体の雰囲気などを思い出すことができたのが収穫でした。練習もここに向けてやっていたし、身体は少しずつ実戦型になっていますよ。まだ痛みはあるけどそれは分かっていることだし、うまく切り替えないとね」
  武田豊樹(写真)は前回の11月立川Sでの落車が気懸かりだが、「落車の影響は全く無い。調子もボチボチ。ここは記念Vを取っているし、走りやすいバンク」と話す。状態に不安は無さそうだ。
  FI戦で3場所連続Vを飾るなど近況は充実しており、G戦線での活躍にも期待がかかる手島慶介は「今、練習では良い状態をキープできている。矢口(啓一郎)に対抗できるくらいだから。まだ100%とは言えないけど、十分戦える状態ですよ」と仕上がりにある程度の自信を見せる。
 一方、渡部哲男は「何日か前に少し体調を崩してしまって、あまり練習ができなかった…」とやや状態が不安視される。


<11R>
兵藤一也選手
兵藤一也選手
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   11レースの山崎芳仁(写真)有坂直樹はすでにグランプリ出場を手中に収め幾分余裕さが漂っており、両者ともリラックスしながら記者の受け答えに応じる。
  山崎は「調整はいつも通り。疲れを残さない練習ができた。充実した練習ができればいい結果が出る。花月園(記念)での優勝もそうだったけど、この状態がキープできれば今回もある程度戦えると思う」と練習の成果が結果に直結している事に更なる自信を深める。
  有坂は「年末に向けて段々コンディションが上がっている状態。今年はグランプリを決めているし気持ち的に楽ですね。その分、変なプレッシャーや制限も無く自由に走れる。この先はハワイ合宿に行って年末に備えます。弾みを付けるためにもここでしっかり勝っておきたいね」と話す。今開催に向けて気合を入れる一方、先を見据えて準備を進めている。
  兵藤一也(写真)も目下賞金ランキング6位に位置しており、グランプリ出場ほぼ当確。本人も至って冷静だ。
  「前回、落車したけど大したこと無かった。それを含めて今は良い流れが続いている。今回もその流れのまま与えられたレースをするだけ。賞金の事も周りが思うほど意識はしていませんよ」
  現在8位の渡邉晴智も兵藤同様「成るようにしかならないし、いつも通りの競走をするだけ。焦りもプレッシャーも無いです」と“自然体”のレースを強調する。
  村上義弘は、実弟・博幸や稲垣裕之らの活躍に刺激を受けているようだ。
  「二人の優勝で、いま京都勢は良い緊張感に包まれています。練習の雰囲気も良いし、内容も濃いですよ。僕自身も彼らに負けられないといつも思っている。今回、二人ともいるし何とか僕も頑張らないと」


<12R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
平原康多選手
平原康多選手
   12レースの佐藤友和(写真)も兵藤らと同様、賞金額によってグランプリ出場権をゲットできる位置にいる。
  「前回の花月園記念は残念だったけど、あれは山崎さんが強かった。終わってからはしっかりと切り替えて、練習もきちんとできた。状態は万全だし疲れも無い。気を抜かなければ戦える状態にあると思う。やはり出るからには、常に上のレースを走りたいですね。賞金額? レース自体への気持ちが強いから、そこを意識していませんよ」
  平原康多(写真)は前回の11月一宮記念では無念の途中欠場となった。だが今回の大舞台へ向けてしっかり仕上げてきたようだ。
  「一宮では力を出し切れなかったけど、後に引かない負け方だったので、その後は気合を入れて練習に取り組めた。調子はかなり良く、上積みも結構あった。自信はあるので、あとは流れを自分でうまく作れるかどうかですね。熊本はプロになってからは初めて。アマ時代に一回走っただけだけど、地元も500バンクだし不安は無い」と自信あふれるコメントが次々と溢れ出る。
  その平原と連係する飯嶋則之も「前回(一宮記念)は体調を崩してしまいボロボロで、途中で帰ってしまったけど、今は何の問題もない。良い感じで練習もできました」とデキに不安は無さそう。
  井上昌己も「しっかりと練習ができた。オーバーワークで少し疲れがあるけど競走には影響ない程度」と仕上がり状態をアピールする。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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